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2025.02.18
「売上をスケールする」AIの使い道とは アルペンが挑む、kintone×生成AIの接客データ活用法
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堀越悠久史氏(以下、堀越):まずシステムを連携させることの価値は何かというところを話していきたいと思います。(時間を見て)5分押しぐらいだな。がんばります(笑)。少し速めに話しちゃうかもしれないです。鶴田さん、いきなり(ですが)質問です。
鶴田拓己氏(以下、鶴田):はい。
堀越:最近なにか買い物したものはありますか?
鶴田:漫画とスポーツウェアですね。スポーツウェアを買いました。
堀越:ありがとうございます。その時、どういうふうに買いました? いきなり店に行って買う?
鶴田:いや、店に行くというよりは、Webで買いました。ネット通販で買いました。
堀越:最初からいきなりその店を選んで商品を選んだような感じですかね?
鶴田:いや、最初から僕がピンポイントで選ぶことはしていないですね。いろいろ見たり。あとは何だろうな。最近だとワールドカップをやっていたので、そのスポーツ選手が着ているものを探しながら選びましたね。
堀越:探すというのは、検索したとか、そういうことですかね?
鶴田:そうですね。検索しました。堀越:ありがとうございます。なんでこんな話をしたいかというと、私たちは電通グループだからということもあるのですが、(システムの開発時は)けっこうマーケティングに注目しています。
(スライドを示して)物を買う時は、先ほど言ったように、いきなりお店に行ってポッと買うことはあまりありません。少なくとも、先ほどワールドカップという話がありましたが、やはり「関心がある」「買いたい」みたいな気持ちがあります。
その次に検索をします。調査かもしれないですね。「どんな運動着がいいか」というのを聞いたりして、それで実際に買うというところです。
もし買った物が良ければ、それを「あぁ、こんなところで買い物をしました。良かったですね」みたいなところをほかの人に共有するとか、あるいは奨励するみたいな言い方をしますが、そういう流れだと思います。
調査や検索が(買い物の)最初に入りますが、その時に、もしこの運動着が「なんかボロボロで、ちょっと微妙でしたね」「このサイトから買うと、ちょっと良くなかったね」みたいなことが書いてあったら、鶴田さんはどうします?
鶴田:そうですね。ちょうど、スポーツウェアを買った時の話ですが、Webでたまたま買い物かごに入れて注文までできたので、買えたと思ったんですが、実は在庫切れで。「ごめんなさい、届きませんでした」というような顧客体験を、先日したばっかりなので。ちょっとそれは気分的には下がりますよね。
堀越:残念ですね。私はやはりそういうところで買い物をしたくないので、あとで教えてください。ちょっとこの場ではたぶん言えないと思うんですけど(笑)。
鶴田:そうですね(笑)。それは後で共有します。
堀越:ありがとうございます。というわけで、やはり残念な顧客体験をしちゃうと周りの人に広がっていくので、期待に届かない残念な顧客体験をしたとなったら、やはりもうそこでその次に届かないことがあったりします。
なので、注意とか、知ってもらうとか、関心、いわゆる広告の世界でいくらがんばったところで、やはりこの顧客体験が残念だとその先につながらないというのが、最近の話です。なので、この顧客体験をすごく大事にしなきゃいけません。
今の、まさにこの鶴田さんの残念な顧客体験が、この流れを体現しているかなというところです。
堀越:(スライドを示して)その顧客体験の話ですが、顧客接点というところでお客さんとのやり取りがされています。先ほどのサイトだったらWebだし、あるいはスマホアプリで買えるところもあるかもしれないですね。
あとは冒頭で話したような、Salesforceを使うような営業部隊とか、あるいはコールセンターみたいなところも最近はSalesforceを使うことがけっこうあったりします。この人たちはお客さんと直接のやり取りもしています。
これを支えるのがSoEで、先ほど言ったようなものですね。顧客データがあって、対応の履歴が蓄積されるというのが基本的なところです。
ポイントは、(こういうのは)Webが出てきてから積極的に使われるようになった比較的新しいシステムです。ということで、クラウドが多用されます。
営業向けやコールセンターの機能が最初から提供されているのがSalesforceなので、「だったらそれをそのまま使えばいいじゃん」という話も出ます。
あともう1個。クラウドがいいのは、顧客の変化に迅速かつ柔軟に対応可能なことです。よく、キャンペーンを打って、キャンペーンの結果で、ユーザーさん(のレコードデータ)に「この人から応募があった」というフラグを立てるようなことがあったりします。
フラグ1個をデータベースに追加するということはSalesforceだったらものの数分でできますが、昔ながらのシステムでやると「いやぁ、データベースに1個項目を追加しなきゃいけなくて、画面にそのための穴を開けなきゃいけなくて……」と、けっこう大変な思いをします。
なので、そのあたりのところは、まずクラウドというか、SoEとして、「柔軟なシステムを使いましょう」というのが基本的な考え方なのかなと思っています。
一方で、契約や取引みたいな、昔ながらのシステムはSoRと呼ばれるようなところで管理されています。いわゆる“基幹系”と言われるところですね。銀行だと勘定系みたいなものだったりします。“昔ながら”というのは、インターネットやクラウドが出てくる前から存在したからです。
とにかく、取引の履歴はきちんと管理しておかないと、最終的には企業会計に影響してきてしまうので、そこはちゃらんぽらんに管理するともう大変なことになります。なので、そういうところは早めにシステム化されてきました。
クラウドの以前からやっていたとなると、データセンターみたいなところ、オンプレミスで管理されていることになります。
堀越:さて、冒頭の画面であったように、「じゃあ、顧客対応の中でどういうふうにしてこの絵を見ていきますか」というと、やはり取引の履歴とSoEと両方見なければいけなくて。そうすると、SoEとSoRの両方を扱うのが顧客接点の業務ということになっています。
こうなると、1個問題が出てきます。SoEは普通に顧客データがあって対応履歴があって。(なので、)画面を見ていけば(対応履歴の確認が)ささっとできる感じです。
では、その顧客の対応の中でSoRの画面を見るとなると、どういう操作をしなければいけないかということです。
(SoRとSoEは)別のシステムなので、まずSoEでお客さんを「誰々さんですね」と特定した後に、「このお客さまはなんとかかんとかさんです」というような顧客番号を特定します。じゃあ(顧客番号の特定ができたから)この顧客番号でSoRのほうの検索をして、契約の情報を引っ張り出したいという話が出てきます。
そのためには、SoRにログインしていなかったらまずログインしなければいけないところからスタートします。(顧客番号のような)顧客特定キーがあるので、顧客検索をすることから始まります。
(検索結果の)リストを見ていって、「あっ、顧客が見つかりました」と。(でも)その顧客情報がちゃんと合っているかを確認しなければいけません。別の人にほかのお客さんの情報を教えちゃうと大変なことになるので、間違いがないようにきちんと確認することが必要です。
その上でSoR側の情報で対応を実施します。これでやっと「あぁ、なんとかさん。ここは3日前の取引なんですけれども」という話ができます。操作自体は比較的普通ですが、お客さんの対応のたびにこの操作をやっているということです。
コールセンターに電話をかけたことがある方は、「なんかちょっと(コールセンターの担当の方が)機嫌悪そうだな」みたいな目に遭ったことがあるかもしれないですけど、この裏側には、もしかすると「毎回こんなことをやらされているんですけど」みたいなことがあるかもしれないです。毎回こんなことをやっていたらやはりつらいですよね、というのは、感情的なところでちょっと思います。
あとは実際、KPIがあって、ここにもちょっとした顧客対応のSoEとSoRのやり取りみたいなことが影響してきます。
(影響するのは)先ほどのように、「お客さんとの会話の中で、(システムの操作が)どのぐらいの時間を占めるか」みたいなところですね。(スライドを示して)顧客特定キーを把握してログインする操作をするのに、だいたいこんな感じで、ちょっとずつ時間が積み上がってきます。これは横軸が時間だと思ってください。
冒頭にあった画面です、SoEの中にシステム連携されてSoRのデータがいじれるとどうなるかというと、このあたりの、ログインしてとか検索してみたいなものを一気にすっ飛ばせます。そうすると、意外と馬鹿にならないぐらいの時間短縮ができます。
今のはコールセンターの例ですが、応対時間の短縮があるとどういう効果があるのかというと、実はそのまま顧客の電話の待ち時間の短縮につながっていく。実はそういう効果があるところです。
冒頭で「これは、ちょっとした機能なんじゃないの?」「余力があれば」なんてことを言っていましたが、これをちょっとした便利機能と言えますか? というところですね。
鶴田:そうですね。ちょっとした便利機能とはもう言えないというか、僕の中では言えない、言いたくない感じです(笑)。もうメイン機能じゃないですか。
堀越:そうですよね。ここまで如実に出てくるパターンがどこまであるかわからないですが、意外とこんなようなちょっとしたことでも、顧客体験には意外と重要だったりするかもしれないですね。
もしかすると冒頭で鶴田さんが体験したような残念顧客体験も、WebでやっているSoEのところで、仮にSoRと連携されていて「在庫が残り何個なのでもう買えません」とその時点で言ってくれたら、「だったら買わなかったのに」となったかもしれないというところです。
やはりシステム連携していないがゆえにそんな目に遭っちゃった、という理解になるんじゃないかなというところですね。
ということで、システム連携の、SoEとSoRを特に連携させることの重要性は、だいたいそんなところなのかなと思います。
(次回に続く)
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