
2025.02.06
ポンコツ期、孤独期、成果独り占め期を経て… サイボウズのプロマネが振り返る、マネージャーの成長の「4フェーズ」
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小松史明氏(以下、小松):今(の志甫谷さんのお話)みたいなチーム開発、チームビルディングと向き合う時の大事な話はみんなに聞きたいと思っていたんですけれど。志甫谷さんは「まずやってみる」とか「いったん合う合わないかは(考えない)」みたいなすごく素敵な話があったので、朝人さんと新田さんのお話も聞きたいと思って。朝人さんの場合だと、そういうのってありますか?
髙橋朝人氏(以下、髙橋):ええ。僕、台本を用意していないからなあ。
(一同笑)
小松:台本にないことをやっていく座談会なので。
髙橋:そうですね。今、志甫谷さんが言ってくれたところは僕もけっこう大事にしていて、合う合わないって人によってもあるし、その時によってもあるので。よさそうだったら「1回は実験のターンにしよう」みたいなことは、チームにも提案しているかなと思います。
1回実験して、ちゃんと振り返って、合いそうだったらもうちょっとやってみるし、だめだったらもうスパッとやめて、「また次やろうぜ」みたいな感じのことを考えています。
あとは、ボトムアップと言ってしまったらそれまでですが、メンバーから出たアイデアでやっていこう、自分たちで出したアイデアを実験していこうということは、けっこう大事にしているかなと思います。
小松:その場にはいませんでしたが、朝人さんがファシリ(ファシリテーター)をしてくれている議事録を見ていたことがあって。その時に、すごく丁寧に参加者の気持ちを汲んでくれている感じがあって、(朝人さんが)腹落ちがしやすいようなステップをちゃんと順番に踏んでくれているのかなと思っていて。僕、ああいうの大好きなんですよね。
髙橋:確かにそれはメチャメチャ気にしてファシリテーションをしていたりします。チーム全員の思考プロセスを合わせたいなと思っていて、最初の段階で、「こうやって考えていって、アイデアが出せそうだよね」みたいな。
それに同意してもらえればそれで進めるし、「なんか違うんじゃない?」となったら、そこでもう1回「こうやって考えていこうか?」と再構築することをけっこう大事にしていて。そういうことがきっと表れていたのかなと思います。
小松:そうですよね。先ほどの「スクラムやろうぜ、ウェーイ」みたいなやつも、やはり本当は前段とかがいるんだろうなという話で、そこにつながる話だと思うんですよね。「なんでこれやるんだろう」みたいな。
髙橋:そうですね。
小松:ちょっと余談なんですが、今(この座談会を)手元のタイマーを見ながらやっているんですけれど。タイムキープしながら座談会を楽しくワイワイするのはこんなにも難しいんだなって、今感じています。
(一同笑)
小松:脳みそを半分に割って今やっています。ただ、すごく楽しいのでこのままいこうと思います。
小松:じゃあ、今度は新田さんのチームビルディングとか、チームと向き合う時に大事にしていることとかを聞いても(いいですか)。
新田聡美氏(以下、新田):私はそんなに戦略的にはできないタイプですが、自己開示を意識的にしていて。エンジニアさんの立場に立つと、本当にPO(Product Owner)と期待値が合っているのかや、目指しているものがズレていないのかが、作る側になると絶対心配になるだろうなというのがあって。
私はいろいろなことに関して、自分がどう考えているのかとか、「それでぜんぜんOK」みたいなことは、けっこう大きく言うようにしていますね。
最初の入り方が、けっこうバタバタの時で、みなさんに「それ、わかんないです!」(と言う)みたいな感じで入っちゃったので、わりとそういうキャラが確立できたというのもあるかもしれないですが(笑)。そのおかげで、メンバーも「心理的安全性が高いね」とわりと言ってくれている気がしています。
小松:すごいですね。戦略的にやっていないにしても、最初は空中戦とかをして読み合うフェーズは、初めて会う人とかになるとやはりどうしてもあると思っていて。
新田:そうなんですよ。
小松:けれど、自己開示をしてくれるって、向き合っている側からしたらすごくうれしいというか、助かる感じがしますね。
新田:そうですよね。ちょっと恥ずかしい面もありますが、けっこうやりました(笑)。
小松:やりました(笑)。けど、いいですね。「わかりません」と言ってくれたほうが。「わからないのかな?」みたい(に思う)のは、時間の無駄とは言いませんが、けっこうエネルギーを使うので。
髙橋:「わからない」とはなかなか言えないですもんね。
小松:そうですよね。そうなんです。
新田:そうですね。
小松:では、新田さんはもうナチュラルにそれをできるという。
新田:はい(笑)。
小松:そういうことを1人でも言ってくれたら、チームの中でもそういう連鎖が起きそうですよね。「自分も言っていいのかな」みたいな。
新田:そうですね。そうであってほしいなと思っています。わりといろいろ話せるチームになったなと思っています。
小松:いいですね。ありがとうございます。
小松:これはある意味今日の本当のメインコンテンツかもしれませんが、(これまでのお話で)そんな価値観や、こういう背景を持っているみなさんだと思いますが、。チームビルディングって、本を読んだりブログを読んだりして「ああ、そうだよな」と思いつつも、「具体的になにをやったんだろう」とか、「どういう時にやったらどうなったんだろう」みたいなことは、けっこう気になるところだと思っていて。
みなさんがチームで具体的に取り組んだこととか、実験したこととか、そういうことを今からちょっと話していきたいなと。
うまくいったか、うまくいかなかったとかはよくて、「こう考えてこういうのをやってみたよ、そうしたらこうなったよ」みたいなことを、時間が許す限りたくさん、みなさんにお届けしたいなと思います。これはさすがに考えてきてもらっていると思うので、挙手制でいきますかね。
髙橋:挙手制。
小松:はい、整った方から。
(志甫谷氏 挙手せず)
髙橋:おお、志甫谷さん早いですね。
小松:ありがとうございます。志甫谷さん。
(一同笑)
志甫谷匠氏(以下、志甫谷):まずやったこと。潜入の話がけっこう出たので、ほかのチームイベントを見るみたいなところで、朝人さんのいるチームに潜入したことがありました。
その時に「なぜこれをやるのか」みたいなところを前提として、すごく意識しながら「ふりかえり」をやられていたので。それを次の日に持ち帰って、自分たちの朝会のアジェンダを上から順番に眺めていって、なぜこれをやっているんだろうって(ふりかえりました)。
出だしがもうパクリから入っているので、「やろう」というところから入っているわけじゃないんですよね。「とりあえず形だけパクっていこうよ」みたいなことをやっているから、それに対しての目的が、わりとわからないままやっていて。それを見直していった結果、朝会のアジェンダが半分以上減ったというエピソードが(あります)。
「これはやらなくてよかったのかもな」とか、「形だけやっている」ということもやはりあるので。「もう見直していったほうがいいよね」みたいなことは、自分から言うこともあるし、「ふりかえり」の場でそういう種みたいな。目的がわからなかったり、「無駄だと思う」みたいな意見があれば、積極的に取り入れて、1回削除してみるようなことをやったり(しています)。
あと、逆に自分で引っ張り過ぎないこともちょっと思っていて。もともとタスク管理はスプレッドシートですごくアナログな感じでやっていましたが、立ち上げの時はメンバーが5人だったし、案件が少なかったし、「これでいいか」みたいな。
心の中では、「最初からJiraを使ったほうがいいよね」みたいな気持ちも自分の中にはちょっとありました。でも、そこはちょっと様子を見るかと様子を見ていたところ、1ヶ月前とか2ヶ月前ぐらいの「ふりかえり」で、「さすがにタスク管理がしんどい」という意見が出てきたので、「じゃあこの段階でJiraを入れるか」みたいな決断をしたことがあります。
人が引っ張り過ぎるとそれに追いついてこないみたいなことがやはりあるので、メンバーが自分たちで「これが必要だ」と思った瞬間に、タイミングを合わせるみたいな話ですけれど。その段階で「これがいいと思う」ということを提案していって、それを取り入れていくみたいな。今のはタスク管理の1個の例ですが、(こういったことは)していました。
小松:いいですね。まずはパクるというか、やってみる技もすごくいいと思います。とりあえずやってみたら、これではだめな理由とか、次のアクションを取る理由も、それこそ腹落ち感となりやすいと思っていて。
志甫谷:最初のプロローグのところでもお話しされていたと思いますが、本に書いてあることはうまくいっているけれども、(自分たちのチームに)取り入れてみたら「なんか違うんだよな」みたいな。そういうことに近いような気がしています。
小松:そうです。そうそう。
志甫谷:それを体験した感じですね(笑)。
小松:これは志甫谷さんならではという感じですね。いいですね。ありがとうございます。
(次回に続く)
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