2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
マネジメントとプレイヤーは別のゲーム(全1記事)
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森山大朗氏:どうも、たいろーです。みなさん今日もテックにやっていますか? この放送は、ビズリーチやメルカリ、スマートニュースといったユニコーン企業を渡り歩く、転職8社目のプロジェクトマネージャーが、転職や年収アップのコツ、時代の変化についてお話をする番組です。さて今週も月曜日は、Voicyさんの企画に乗っかってキャリア特集にまつわる話をしたいと思います。
先週は「新たな会社で働くあなたへ」というテーマで、新卒であろうと中途であろうと、新しい環境で仕事を始めるあらゆる人々に、僕だったら何を伝えたいかなと考えてお話をしました。新しい環境でよく陥りがちなのが、自分のがんばりとまわりのギアが噛み合わなくて空回りしちゃうことがよく起きるのですが、この空回りはどういう構造によって起きているのかと僕なりの捉え方をお話ししました。
続く火曜日は、「やる気と成果の関係性」というお話をしました。やる気があって、楽しんで仕事をすれば成果が出るのかというと、案外、逆ですよという話をしています。人間は、何でも成果が出ると楽しくなってくるので、とにかく最初に最短で成果を出すところまで、周りの話をよく聞いて突っ走る、そうやってまずはギアの1速を入れるのが、新しい環境で仕事をしていく上で大事だという話をしました。
今週は「初めてのマネジメント経験」というテーマになっています。僕の今のメインの仕事はプロダクトマネジメントなので、人やチームの成果の最大化、生産性の最大化に直接的に責任を持っているわけではありませんが、過去にはエンジニアリングマネージャーとして、複数のエンジニアチームの責任者をしていました。
一時は60人を超えてしまったので、人数が多いと本当に大変だったなと今でも反省することが多いですが、これから初めてマネジメントに挑もうとしている方々に僕から伝えたいことがあるとしたら、マネジメントとプレイヤーはぜんぜん別の種目で、まったく別のゲームが始まったんだと最初から捉えたほうがスムーズだということです。
それまで、1プレイヤーとしてチーム全体に責任を持っておらず、自分が結果を出せばとりあえず期待には応えられていた状態から、どういう規模感であれメンバーを預かってチーム全体の生産性や成果を最大化するというのは、まったく別の職能なんです。それを、僕はこれまで何度も痛感してきました。
よく「やって見せる」とか「背中を見せる」みたいに言いますが、自分が成果を出せるやり方が他のメンバーにも当てはまると考えること自体がけっこうおこがましくて、どちらかというと、一歩下がってまわりの人たちをよく見て、チームメンバーの持ち味を引き上げていくやり方に変えないといけない。もちろん、自分が先頭を切ってグイグイ引っ張っていくスタイルの人もいますが、たぶん長くは持たないし、個人的にはあまりスケールしないやり方だと思います。
そういうスタイルだと、ずっと自分が先陣を切って、まわりを引っ張っていかないといけないじゃないですか。それをやっている限り、持ち場を離れられないんですよね。最初に僕が「ぜんぜん別のゲームが始まった」と言ったのは、むしろ自分がどれだけ楽で、何も仕事がなくてサボっていても成果が上がる状態を作れるかということなんですよ。
そういう意味で演劇に喩えるなら、舞台の上で気持ち良く踊っているスーパースターから、その舞台自体を演出している監督やそちら側に回るということを意味しているんですよね。そういった意味でよくアンラーン(Unlearn)と言ったりしますが、今まで自分が学んできたことや、曲がりなりにも俺はこれで成果を上げてきた勝ちパターンなんだという考えを良い意味で捨て去るというか、学び直しの機会が来たんだなぐらいに捉えておくほうがいいと思います。
人を使うというのは奥が深いですよね。いつまでたっても上達する気がしないし、人を扱うということに関していうと、自分はそこそこ上達したつもりでいても、永遠に上達なんてしないのかもしれないです。マネジメントについては、僕はそのぐらい謙虚に捉えたほうがいいと思っています。
マネジメント側に立つということは、マネジメントされる対象が必ずそこにいるんですよね。部下を預かったり、新人の教育担当になることもある。そういう役割のすべてに対して僕は、「相手を大人として扱う」のが大事だと思っています。マネジメント対象を、まるで未熟な子供みたいに扱う人もいますが、そういうやり方は今の時代にはそぐわないんじゃないかなと。
なぜかというと、情報や正解パターンを上司や先輩のほうが遥かに多く持っていて、熟練度が高いという状態が、変化の激しい今の時代はどんどん崩れてきているからです。つまり、メンバーに対して優位じゃないんですよ。インターネットや成長産業にいる人はよくわかるんですが、あとから入ってくる若い子のほうが、新しいテクノロジーやツールに対するリテラシーや思考力など、総じて優秀なんですよね。
業界知識が豊富とかそういうわけではなくて、総じて賢いし仕事ができるということです。部下だから、新人だからとメンバーを侮っていると、あっという間に追い越されるというのは今の時代、よく見る光景なので、どういう立場の方が相手であれ、常に対等に構えていた方が良いです。あくまで、上司という役割をやっているだけであって、人としては対等ですから。教えてあげるというより、仕事を進める上で障害があるかどうかをメンバーから教えてもらって、それを取り除いて道路を舗装する役割をイメージしましょう。
そうやってチーム全体の成果を最大化して、その成果に責任を持つのがマネジメントの仕事だと、今では考えるようになりましたという、今日はそんなお話でした。今日も聞いていただきありがとうございました。ではまた。
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