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【コミュニティー×デザイン】新しい価値を生むCommunityのデザインとは_Timers(全2記事)

大事なのは関わる人たちの物語と向き合うこと スクール事業におけるコミュニティ運営の課題と対策

社会課題×デザインをテーマに社会課題に取り組んでいる企業が登壇する「ReDesigner Social Impact Day」。各登壇者は、Design Action・Creative Actionの重要性が叫ばれている中、自社が社会課題に対してデザインの力でどのようなアプローチを取っているのか、その中でデザイナーはどのような役割を担っているのかを話しました。ここで登壇したのは、株式会社Timersの田和氏。「新しい価値を生むCommunityのデザインとは」の主題に対して、ここからは、子どもがいる女性向けのスクールの事業における、コミュニティ作成の課題と対策を紹介します。前回はこちらから。

子どもがいる女性向けのスクールの事業の特徴

田和晃一郎氏:これまでは、我々の会社がそもそもどういう会社なのか、その中でデザイナーがどういう関わり方をしているかという紹介でした。今回のセッションのテーマは「コミュニティ×デザイン」ということなので、そこについて我々の会社がやっていることも少し紹介したいと思っています。

我々はいろいろな事業で、子育てをしている女性を中心としたコミュニティを抱えていますが、その中でも特にビジネスの付加価値としてコミュニティをサービスや積極的に活用していこうとしているのが、子どもがいる女性向けのスクールの事業です。

(スライドを示して)簡単にスクールの事業でどういうものをやっているのかを紹介すると、忙しい子育て中の女性を対象にしている学校なので、長く通ってもらうというよりは、まずは1ヶ月の短期のカリキュラムで自分が学びたいと思っているジャンルのスキルを、授業形式で集中的に学べるオンラインスクールです。

動画で自分で学んでいくスクールもありますが、我々は先生もチューターも入ってクラス運営をする学校を運営しています。

特徴としては、子育てしている人が通うので、シッターサービスを無料でつけていることです。育児中心の生活を送っていたり、育休を取っていてワンオペだったりという中で、シッターサービスがあることで時間を確保して、集中して授業を受けられる体験を構築しています。

そして、1クラスは8名と限定して、コミュニティ運営をしながら横のつながりも生むこともやっています。さらに、卒業した後はそれで終わりではなくて、そこから継続して学んでもらう機会や、卒業した後にまた別の新しいコミュニティへの参加機会も体験として作ってきています。

デザイン領域のスキルから、動画を編集するスキルやライティング、最近だとデジタルマーケティングやExcelをマクロで触れるようになることなど、本当に幅広い講座を案内できるようになってきたというところです。

コミュニティの活用方法

平日の朝10時ぐらいから授業をやっていて、Zoomで1クラス8名が参加して先生のレクチャーを受けて、いろいろ質疑応答とかをしたりします。

授業の始まる少し前には家にシッターさんが来てくれて、左下の写真にあるように、授業を受けている横でシッターさんがお子さんを見てくれているので、育児と両立して自分の時間を確保しながらステップアップやチャレンジを目指していく学校をやっています。

その中で我々がコミュニティをどういうふうに作っているか、活用しているかというところです。ご入学いただくと、最初は自分がクラスに所属をして、1クラス8名の中で学んでいきます。

その中で、オンラインのコミュニティを活用しています。そのコミュニティの中では、当然必要な情報の共有ややり取りする機能もありますが、1ヶ月間の学びを最大化していくために、横のつながりや、そのつながりから生まれる刺激や学び合いをコミュニティの中でうまく活用しながら、最大化につなげていくことをやっています。

卒業した後には、また別のオンラインのコミュニティでの体験が待っているので、未来のコミュニティのためのオンボーディング体験といった位置づけも、このコミュニティで担っています。

卒業すると、さらに大きな卒業生同士が集まっているようなコミュニティに入っていくことになっていて。実はここはもう2,000名以上の方が所属している、非常に大きなコミュニティになってきています。卒業後のコミュニティは、人が増えていくのにあわせてもっともっと進化をさせていく必要があると考えています。

コミュニティのデザインの課題と対策

我々がこの取り組みをやってきた中で、コミュニティのデザインで課題に直面したものがあります。卒業生のコミュニティは最初はやはり人数が少なかったのですが、100人、2,000人、これからさらに大きくなっていくというふうに規模が変化していく中で、コミュニティが担うべき役割や、そこでアプリケーションを提供していくべきなのかみたいなところはかなり多岐にわたるし、何を優先すべきかみたいな意思決定が非常に難しいという課題に直面してきました。

そういった中で、2021年から2022年にかけて、「もう1回コミュニティをきちんとリデザインしましょう」という課題を立てました。そこに対して、「コミュニティ×物語」からちゃんと考えていこうというアプローチを取ってきました。

コミュニティには、本当にたくさんの人たちが関わっています。当然、ユーザー自身は卒業した後にコミュニティに入ってくるし、かつ、我々の社員で学校運営に関わっている、スクールディレクターと呼ばれる人たちもこのコミュニティにも当然関わっています。

事業責任者は事業責任者なりに関わり方があります。そして、絵にはないですが、代表の私もこのコミュニティに当然関わる可能性があります。

コミュニティとステークホルダーの物語をきちんと言葉にすることをして、過去の物語と今の物語とこれからの未来に対しての期待というところで、「私とコミュニティをつなぐこういう物語があるといいよね」といことを、ワークショップみたいなかたちで、みんなで言語化をすることをやっていました。

一方で、コミュニティは社会ともつながっている側面があるので、「このコミュニティは社会とどういうふうにつながっていくといいんだろうか」ということも、それぞれの視点で過去・今・未来と言語化します。

こういったすり合わせをして、コミュニティのミッション・ビジョン・バリューをあらためて策定することをやりました。

「コミュニティにミッション・ビジョン・バリューってあるんだっけ?」と。なかなか聞き慣れませんが、我々としては今回のワークショップを通じた取り組みで、「卒業生のコミュニティってこうあるべきだよね。2023年までにこういうふうなことを掲げてやっていこう」といったコミュニティパーパス・ビジョンを言語化して策定しました。

コミュニティデザインは関わる人たちの物語と向き合うことが大事

我々は、コミュニティのメンバーの方々が我々の組織作りや事業作りにもっともっと関わっていってほしいです。関わりたいという話も出てきているし、我々も関わってほしいという(想いの)中で、子育てをしている人たちだからこそ、日々思っているこだわりをキーワードにしながら、我々のスクールのブランディングキャンペーンもやっていくということをやってきています。

子育てをしている中で、「こういうことあるよね」ということを卒業生の方からたくさん募ります。そこにある好奇心や探求心や発想力は、みなさんの将来にちゃんとつながっていく、キャリアにつながっていくものです。

育児をしているからではなくて、育児の経験がむしろその先の仕事やキャリア、将来にちゃんとつながっていくということを、我々のブランディングキャンペーンで発信する取り組みをしています。

(スライドを示して)そのように(意図を込めて)グラフィックを作ったものも、OOH(Out of Home)も、いろいろなところで展開をする中で、組織の事業をどういうかたちで作っていくかというところで、コミュニティを交えながら一緒に作っていくのはやはり非常に大事なのかなと思っています。

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その中で、コミュニティデザインは、そこに関わる人たちの物語と向き合うことが非常に大事ではないかなと我々は考えています。もっと広義でいうと、コミュニティデザインに限らず、ユーザーエクスペリエンスを考えるデザインにおいても、お客さまやユーザー、ステークホルダーの物語と向き合うことは、やはりすごく大事なのではないかなと思っています。

ステークホルダーの物語と向き合い続ける

今日はざっといろいろ私から弊社の紹介やコミュニティに関して話しました。これからの時代において、デザイナーとしてみなさんがステップアップしていく中で、ビジネスときちんと向き合うことは、本当にメチャクチャ大事なのではないかなと思っています。

我々もまだまだやれきれていないところがあるのですが、デザイナーチームと一緒になって、ビジネスと向き合えるデザイナーチームを作っていきたいなと思っています。

そして、きちんと体験を考えていく中では、ステークホルダーの物語と向き合っていくことを、会社としてもデザインチームとしてもやっていきたいなと思っているところです。

ということで、ざっと我々の会社がやっている事業や「コミュニティ×デザイン」に関しての話になりましたが、こういったビジネスと向き合うとか物語に向き合うことを一緒にやっていきたいなと思っているデザイナーの方がいたら、弊社も枠にとらわれないデザイナーのポジションを常に募集しているので、気軽に遊びに来ていただければなと思っています。

お時間いただきありがとうございました。

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