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【SmartHR×ソウゾウ】成長&自立を後押しするカルチャーのつくり方(全6記事)

新人教育の文化がない組織をどうリカバリーするか? “痛み”を伴うからこそ意識したい、言語化と障壁の排除

エンジニアtypeとメルカリが共同開催したテックカンファレンス『Tech Update 2022』で実施された、今注目のスタートアップ2社の事例から紐解く「成長&自立を後押しするカルチャーのつくり方」のセッション。ここで株式会社ソウゾウの名村氏、株式会社SmartHRの芹澤氏が登壇。引き続き、視聴者からの質問に回答します。前回はこちらから。

ミッションやバリューに懐疑的なメンバーをどうするか

広木大地氏(以下、広木):ありがとうございます。先ほどのミッションやビジョンやバリューを伝えていくことは大事だという話から連続的になってしまいますが、次の質問です。

「ミッションやバリューなどにそもそも懐疑的、『そういうものは要らないから仕様を言ってくれれば作る』と言いつつも『それってやるべきなんですか』と言ってしまうようなメンバーがいる場合、どんな対応策が考えられますでしょうか。」たぶんそういう方がいらっしゃるんでしょうね。では芹澤さん、こういう時はどうしますか。

芹澤雅人氏(以下、芹澤):これはちょっと身も蓋もないことを言ってしまうと、やはりきちんと選考でアンマッチが起きないようにがんばることで、どっちが良い/悪いという話ではないと思います。

「あくまで私たちの会社ではこういう考え方をベースとしています」というだけの話なので、良い/悪いという考えはなしにして選考できちんとそれを伝えて、共感をしてもらえる人に来てもらうのが何よりも重要なのではないかなと思っています。

そこに懐疑的な人が入ってきてしまった時は、正直あまり解決策はないかなと思っています。先ほども言ったとおり良い/悪いの話ではないので、それを会社に合わせるのは、その人が大切にしているものを捻じ曲げることになるかもしれないんですよね。

それはあまりいいことではないなと思っているので、やはり入り口の採用の部分。特に私たちの会社が意識しているのは、対外的なメッセージできちんとカルチャーを伝えることをやっています。

できるだけオープンに採用資料を公開していたり、オープン社内報みたいなのをやっていたりするぐらい、「自分たちの会社はこうなんですよ」というのをオープンにしています。

なので、「SmartHRってだいたいこういう会社なんだな」「入りたいな」と思ってもらえる、共感を前提とした人に来てもらうところはメチャクチャ意識しています。

広木:入り口でということですが、名村さんはどうですか。

名村卓氏(以下、名村):もしかしたら大きい会社でそういう入り口を狭められずにすり抜けて来る人もいると思うので、そういう人なのかもしれないなと思います。

すごく冷静になると、ミッション・バリューに共感できない人は、長い目で見て退場してもらう対応になるんだろうなとは思います。もし文字どおりやるべきなのかどうなのかに非常に疑問に感じる人であれば、依頼の仕方を変えるとかになるのかなという気はします。

ポジションを変えたり、依頼を変えたり、やるべきかどうかを自分で判断できる場所に異動してもらうのもありかもしれません。でもミッション・バリューに懐疑的な方という時点で、長い目で見るとやはりチームに悪い影響を与える可能性が非常に高いので、極力サポートしながら最終的にはゆっくりとご退場いただくような方向になるのかなと思います。

広木:この字面を見るとたぶんそうなのですが、僕は本当にそうなのかなと思っています。たぶんその人はあまり愛されていないとか、居場所がないと感じていると思います。

だって「本当に興味がないから仕様を言ってくれれば作るぞ」「ミッションやバリューは関係ないんだ」というロボみたいな人だとしたら、こんな駄々はこねないじゃないですか。

名村:そうですね(笑)。

広木:だからたぶんロボ的な価値観の人ではなくて、本当はミッションやバリューを大事にしながら自分の価値観を大事にしていくタイプの人なんだけど、「なんか愛されていないな」と思って駄々をこねているのだろうなと。なんとなくこの字面からは思ってしまいました。だからその場合は、もうよくある話で「そんなこと言わせてごめんな」なのかもしれないですよね。そう思って見ていました。ちょっとこれも冗談だと思ってください。

新人育成の文化がない組織をどうリカバリーするか

広木:次の質問です。「弊社のチームも中途社員ばかりで、一番若くても20代後半です。新人育成の文化もなく、良くも悪くも大人の組織です。どうすれば今からリカバリーできると思いますか」リカバリーについては、名村さんはどうですか。

名村:そうですねぇ。弊社もリカバリーしようと今努力をしているところです。しかし、シニア層ばかりで集まっていると、やはりオンボーディングとかそういう部分の整備がすごく遅れるんです。

みんな自分でキャッチアップするので、そういう支援的なものがなくても、例えばソースコードを見て理解するとかをするので、あまり手厚いサポートがなくてもオンボードできてしまいます。

そういう場所にいきなりジュニアな人はやはり入れないので、けっこう難しいと思います。いきなり新卒の方を新人で受け入れたりするのは、けっこうハードルが高いです。

例えばインターンとして短期で若手を受け入れてみて、自分たちの組織にゼロから入って立ち上がるまでのブロッカーがどれぐらいあるかを理解して、そのブロッカーを排除していくのを意識的にきちんとやることがけっこう重要です。

なので、例えば新人ではなくても、新しく中途の採用の方が入ってきて、その人が例えば1つの機能をリリースするに至るまでに、どこでつまずいてるのかはけっこう見ていく必要があると思っています。

中途の人でもつまずくところがたくさんあったら、まずそれを解決しないといけません。「これでいけるだろう」と思ってインターンや若手の人を入れた時に、ぜんぜん違うところでつまずくかもしれないので。

そういうところをきちんと見てつまずくポイントをどんどん無くしていくことで、結果として、ある程度自走力のあるエンジニアだったらジュニアでも成長していくとか、引き上がっていく土壌になっていくのだろうとは思っています。

我々が今まさにがんばっているところなのですが、そういうふうにいろいろと何かをやってみようと思った時のブロッカー、例えば誰かに聞かないとわからないというものを、極力排除していくことを今はがんばっています。

広木:芹澤さんのところは、このリカバリーできるかというのはどうですか。

芹澤:そうですね。冒頭でも話したとおりまだ何もしていない状態なので、そんなに実質的に基づく話はできないのですが、「こういうことを考えています」というところで言います。

やはりこれもWHYの部分がすごく大切だと思います。「なぜ私たちは今までシニアばかりだったのか」というところです。リカバリーという表現を使うと今までのことがちょっと悪かったかのようなニュアンスも含まれるかと思うのですが、決してそうではなく、今までも最適解を取ってきたとは思います。

そんな中で、なぜこのタイミングで新人育成などジュニア層の採用を積極的にしていきたいのかを、まず事業戦略や人材戦略に基づいた説明をきちんとできる状態にすることはすごく大切かと私は今考えています。

なので、きちんとそういった腹落ち感のあるストーリーを作って、それを伝えます。なぜこれを伝える必要があるかというと、やはり育成はすごく痛みを伴うもので、決して楽なものではないと思うからです。

みんなでそのコストを払っていくところに組織として準備するための説明やロジックの部分は、やはり大切だなと思っています。そういうところを今は考えています。

広木:ありがとうございました。これを見ていて僕が思ったのは、少子高齢化の社会でそういう会社はどんどん増えるので、新人育成ではなくて中途もどんどん育成されていけばいいのにということです。

中途だから育成しなくていいかというと、別にそうではないのかなということもけっこう多そうだからです。やはり育てられる力が強くなっていくとか、新人が入ってくるのもその1つのきっかけなのかもしれません。20代後半しかいなくてもきちんと育成できる会社になればいいのかなと、これを聞いていて思いました。

司会者:私も聞いていて、うなずきすぎて首がもげるかと思うくらいすごく勉強になるセッションでした。ありがとうございました。本日のセッションはこれで終了です。

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