2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
大手マイクロソフトからベンチャーに来て変わったことは?|bravesoft CTO 池田純康(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
菅澤英司氏(以下、菅澤):つよつよエンジニア社長の菅澤です。今日のゲストはbravesoftに2021年CTOに就任した池田純康さんです。よろしくお願いします。
池田純康氏(以下、池田):池田です。よろしくお願いします。
菅澤:純康さんはどういう人なのかをまずは紹介していきたいなと思いますが、実は付き合い長いですよね。
池田:そうですね。長いですね。
菅澤:同じ大学に入ってから、CTOになるまでを簡単に聞いていきたいと思います。大学がコンピューター系の学部で一緒ですよね。何であそこに行ったんですか?
池田:もともとは理系だろうなとは思っていて、大学をどこにしようかなと決めていた時に、コンピューターも出始めていたので、この先もコンピューターだろうというその場のノリ。
菅澤:法政大学に情報科学部ができるらしいぞというので、そこに1期生として入った。
池田:1期生というのも大きかったのかもしれないですね。
菅澤:それもそうだね。自分も新しく始まるから、おもしろいかもみたいな。
池田:そうですね。
菅澤:そしたら(僕が)いた?
池田:そう!いた(笑)。
菅澤:(僕の)最初の印象はどうでした?
池田:そんなに変わらないかなと思っていて。
菅澤:今と?
池田:エネルギーがある人だなというのは感じた。
菅澤:エネルギーを感じたんですね(笑)。
池田:エネルギーは感じた(笑)。
菅澤:コンピューターのアルバイトをしていて、そこも一緒にしたし、その前もしたよね。
池田:それは一緒にいたやつがバイトを始めたと聞いて、学校の授業もあったけれど、作ったものを出したほうがおもしろいだろうなと思って、それで声をかけて、なんとか入れてもらったという。
菅澤:仕事でやりたいと思って。
池田:バイトや仕事でやったほうが絶対いいだろうと思って。
菅澤:大学を卒業してアメリカへ留学して、マイクロソフトに行って、bravesoftに来るという。
池田:そうですね。
菅澤:大手とベンチャーの違いを語れるんじゃないかなと思っていて、そのあたりの話を聞いていきたいなと思っています。マイクロソフトに入った時は、会社はどんな感じでした?
池田:2006年に入社したのですが、意外とガチガチという感じではなかったかなと。
菅澤:当時のマイクロソフトは何人ぐらいいたんですか?
池田:日本では2,000人いなかったぐらい。
菅澤:それでもまあまあいますね。当時はいわゆる大手らしい大手でもないという感じですか?例えば研修はどうでしたか?
池田:日本の新卒の人は研修があったんですよ。海外新卒は大学卒業の時期が違うので、私は1月に入社しているんですよ。だから、研修プログラムはなかった。
すぐ部署配属になったので、ビジネス研修とかはありませんでした。いきなり現場に入るという感じとか、そういう柔軟性もあるというところはTHE日本企業とはちょっと違うんだろうなと思います。
菅澤:それからゴリゴリのベンチャーに来たわけじゃないですか。違いはどう感じますか?
池田:これは良さでもあり、悪さでもあるかなとは思うんですが、大人数だと1人でなんでもやるというよりかは、ある程度責任範囲が明確にされていて、そこをしっかりやり遂げる。自分が持っている責任以外のところもガンガンやるかというと、それよりかは持ってるところをしっかりとやっていくというのが強いところはあると思うんですよね。
bravesoftに来た時は、「良ければもうやっちゃえよ」みたいなところがあって、最初のほうは自分が持ってるところじゃないと、調整しなくちゃいけないんじゃないかと思ったり、枠を超えたところは違いを感じました。
菅澤:マイクロソフトでやっていた仕事の面積を「100」とすると、bravesoftで見る範囲はどれぐらいの面積なんですか?
池田:10倍ぐらいにはなっているんじゃないかな(笑)。
菅澤:1000(笑)。
池田:考えなくちゃいけないことは一気に増えたんですが、会社というものだったり、全体がより見えるようになった結果として、自分が本来やらなくちゃいけないところの意味合いだったりとかが、逆に言うとできるというのはすごく良かったんだろうなとは思います。
菅澤:マイクロソフト時代には、周りにエンジニアはけっこういたんですか?
池田:その時やっていたのは、いわゆるサポートエンジニアで、プログラミングというよりは製品の対企業さま向けのサポートをやっていたので、一応エンジニアはエンジニアです。
菅澤:みんな基本的にはエンジニアなんですね。つよつよエンジニアもけっこういるんですか?
池田:優秀な人は多かったですね。ワールドワイドでも有名な人だったり、USの本社では開発をやっているのですが、その開発者がわからないようなことを知っていたり。
菅澤:本社の人のエンジニアがわからないことを解決しちゃった。
池田:そうそう。
菅澤:勉強会はあるんですか?
池田:新製品が出ると、そこはワールドワイドで、どういう機能で、どういう作りになっているかという勉強会がありましたが、教えてもらわないと、というよりかは、自分で学んでいく人たちばっかりだったなと思いますね。
菅澤:学歴もみんな良かったりするんですか。
池田:新卒はいい大学だったりするんですが、大学に行っていない人も普通にいたし、学歴はまったく関係なかったですね。どちらかというと「結果出している人なの、どうなの」だけですね。学歴の話をした記憶がないですね。
菅澤:出世はどうですか?
池田:リーダー、マネージャーなど、日本でいう課長、部長、本部長みたいな、そういうロールがあるので、一応仕組みとしてはありますよね。
菅澤:エンジニアとしては別に出世もしたくないという人もいましたか?
池田:管理より、とにかく技術を突き詰めたいという人はけっこういました。それもそれですごくいい道だとなっていたので、別にマネージャーならいいというものでもなかったですね。
菅澤:サポートエンジニアをしていて、「こういうの作ってみようよ」と、作ることはないんですか?
池田:サンプルのスクリプトだったり、コードを書いて、「こうやってやると便利になりますよ」みたいなのは作ったりしていましたね。
菅澤:本体自体は本社のアメリカで作っていて、コミュニケーションの仲が悪くなりそうだなと感じるのですが、それはどうなんですか?
池田:日本のお客さまの温度感とUSは違っていて、日本のお客さんはすごく細かったりします。「そんなの良くない⁉」みたいなものもけっこうあるんですが、とはいえビジネスはビジネスなので、ビジネスインパクトでこういう影響がお客さまにあるから、これは修正すべきだというバトルはしていましたね。
菅澤:私たちは大学で同じ小野間研究室でやっていて、小野間教授が「Windowsには4万件のバグがあるんだぞ」と言っていましたが、実際にそんなにあるんですか?(笑)。
池田:ソフトはやはりバグはありますが、使えないかというとそんなことはなくて、不満もあるかもしれませんが、リリースしてみんなに使ってもらえるために実は裏側で大変なことをやっているんですよ。サポートエンジニアの1つの役割で、こういう問題はあるけれども、こういうふうに解決ができるので、こういうふうに運用していきましょうよとサポートしてあげることもある意味大切です。
菅澤:自分の人生の中で、そこで働いた10年の印象は大きいじゃないですか、そこから当時50人いないかぐらいの会社に行くわけじゃないですか。その選択は、どんな選択だったんですか?
池田:もう少し広く見たかったというのもあるし、その時にチャレンジがしやすい環境を探していたというのはあったんですよね。「チャレンジします」と言っている会社はたぶんいっぱいあるとは思うんですよ。その中で、前から知っていて、働いている人に聞いた時に「チャレンジ」を大切にしている会社だし、実践しているんだろうなと感じたのが大きかった。
菅澤:(ベンチャーに来た)当時は何歳ぐらい?
池田:34〜35歳ぐらい。
菅澤:1社しか知らないし、長く在籍していたし、ベンチャーで働いたことがないところで、怖さみたいなのはどうなんですか?
池田:違う環境に行って、自分が果たしてできるのかどうかという不安はあったんですが、逆にそこで挑戦してダメだとしたら、それまでの人間だったんだなと思うしかないと思うんですよ。
菅澤:侍魂みたいな(笑)。
菅澤:マイクロソフト時代の同期は何人ぐらい?
池田:入社した当時は40人ぐらいいたのかな。その年から新卒をしっかりと取って、プログラムを組んでやっていきましょうという感じだったので、その年からすごく増えていきました。
菅澤:その人たちはどうなったんですか?
池田:けっこうバラバラですね。職種もいろいろとあったので、コンサル系に行く人もいれば、起業した人もいるし、IPO法人に行った人もいるし、本当にバラバラですね。
菅澤:残っている人はほとんどいない?
池田:半分も残っていないですね。
菅澤:そのままそこにいて役員とかになっていく。
池田:マネジメントのほうに進んでいったのはあるかなと思うんですよね。辞める前も、チームマネジメントはやっていたので、そこの延長にはたぶんいったんだろうなとは思っています。
菅澤:ベンチャーに入って経験値が広がったと思うんですが、それ以外に良かったことはありますか?
池田:スピードがやはり速い。超大手みたいな資金力があるところとも戦っていかなくちゃいけない。先にやったほうが強いこともあって、スピードの大切さもあるので、そこの良さを感じたのは1つあります。また、このオフィスにだいたいいるわけじゃないですか。コミュニケーションが取りやすいですよね。空気感はすごくいいなとは思います。
菅澤:「ここはどうなっているの?」みたいなことがすぐに聞けるから、「じゃあこうなのか」と解決がしやすい。
池田:フロアが違うとぜんぜん知らない人ばっかりだったんですが、ここだとだいたいみんな知っているし、コミュニケーションはしやすい。これも大切だなと思うんですよね。
菅澤:スピードが速いとか、コミュニケーションがしやすいとかで、得られるのは経験値ですか?マイクロソフトに3年間いて得られる経験と、ベンチャーに3年間いて得られる経験値では何倍ぐらい違うんですか?
池田:経験の質はあるのかなとは思うんですよね。専門性を持って、そこで突き抜けていくほうが、おそらく深さは出ると思うのですが、幅で見ると圧倒的に違うので、2倍、3倍のレベルではなくなってくる。
人生的な経験値で考えていくと、会っている人も変わってくるんですよね。お客さまも幅広く、エンジニアの現場の方から、決定権を持つ経営層の方までといろいろな人に会うし、人生の中での経験値の幅というところでいくと、さっきの10倍のレベルではないぐらい。
菅澤:10倍以上? 確かに大手の製品だけをやっていると、だいたいこういう企業のこういう部署の人しか知り合いがいないみたいになりがちですが、今やYouTubeにも出ているわけですからね(笑)。
池田:そうですね。
菅澤:大手とベンチャーの違いはある程度イメージができたので、次はこれからのエンジニアに求められることや、どういうエンジニアがいいエンジニアなのかという話をしていきたいなと思います。
池田:ありがとうございました。
関連タグ:
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには