2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
リンクをコピー
記事をブックマーク
石倉秀明氏(以下、石倉):よろしくお願いします。基調講演ということで、私からお話ししたいと思っています。タイトルは「ワークスタイル・トランスフォーメーション」と書いていますが、仕事の仕方って変わってきているよね、と。働き方が変わっているのに合わせ、仕事の仕方も変わっているよねということでそれらしいタイトルをつけているので、そういった話を今日はできればなと思っています。みなさんよろしくお願いします。
自己紹介からしたいと思っています。あらためて、石倉と言います。みなさん今日はよろしくお願いします。今は株式会社キャスターという会社で取締役COOをしています。2016年からキャスターで取締役をやっているので、ちょうど5年ぐらい今の会社でお仕事をしています。
その前には3社ほど経験していて、大きめの会社にいたりスタートアップにいたりをずっと繰り返しながら今に至るかたちです。今はキャスターの取締役をやりながらニュースでコメンテーターをしたり、Forbesで記事を書いたり、そういうことでけっこう発信も個人的にいろいろ力を入れてやっています。
いきなり宣伝っぽくてあれですが、『コミュ力なんていらない』『会社には行かない』『これからのマネージャーは邪魔をしない。』という本を書いています。
実は2021年2月に『これからのマネージャーは邪魔をしない。』という本を書いたばかりで絶賛発売中という感じになっているので、今日の話がおもしろいなと思ったら、みなさんぜひ購入いただければと思っています。
「キャスターってなんだ?」というのもあると思うので、あらためて会社のことをちょっと簡単にお話ししたいと思っています。キャスターは設立が2014年の9月で、今7期目、6年半ぐらいの会社です。あとでお話しますが、創業以来ずっとフルリモートワークで会社を運営してきたこともあり、本社は宮崎県西都市に置いています。
もともと登記、創業した時は渋谷に本社がありましたが、どこにあってもいいよねということで、今はご縁があって宮崎県の西都市に置いています。
ビジョンで「労働革命で人をもっと自由に」と言っていますが、わりと僕らとしてはミッションのほうがよく言っていて。「リモートワークを当たり前に」をミッションにしながらずっと会社を経営しています。なので僕らの働き方自身も全員リモートワークですし、僕らが提供するサービスも「どうやったらリモートワークが当たり前になるか」「リモートワークをどうやったら増やせるか」をテーマにずっと会社をやっているというところです。
事業はたくさんありすぎて紹介しにくいのでお話ししませんが、そういうことをやっています。
実は設立6年半で、全都道府県に従業員がいる会社です。国でいうと16ヶ国かな? 従業員がいる感じになっています。約700名ほどいますが、本社に数名仕事で出社をしている以外は基本的に全員リモートワークという会社で、リモートワークの会社としては恐らく世界最大規模ぐらいになっているかなと思っています。
この規模ですが、一応ホラクラシー型の組織を取り入れていたり、雇用形態の選択が自由にできたり、働く時間が自由になったり、副業も自由にできたりを創業当時からずっとやっています。あとは同一労働同一賃金と書いてありますが、やっている仕事が一緒であれば雇用形態や住んでいる場所には関係なく、同じ給与体系になることを前提に組織、給与制度とかを作っている会社です。
先ほどお話したようなことと重複しますが、雇用形態による差がなかったり、全員リモートだからどこに住んでいようが関係ないし、労働時間が長かったり短かったりも関係なく、その人の仕事の成果や能力を見てアサインすることを徹底してずっとやっている。究極的にジョブ型のようなことを、もとからやっている会社ではあります。
ではさっそくというか、自己紹介が終わったところで“ワークスタイル・トランスフォーメーション”のお話しをしていきたいなと思います。ワークスタイル・トランスフォーメーションというのは造語で、完全にNewsPicksさん風なものをつけましたが、「これって何?」というのが一応僕なりにあるので説明します。
みなさんの周りでも増えてきていると思いますが、今、いろいろな働き方をする人たちがたくさん出ていると思います。働き方がすごい多様になってきていて、同じチームの中でもみんなが違う働き方をしていることが当たり前になってきていると思います。その中で成果を出していくために、どう仕事を変化させていかないといけないか。
その新しい多様な働き方をする人たちがいるチームで、成果を出すために必要な仕事の変化のことを、僕はワークスタイル・トランスフォーメーションと呼んでいます。そのため、みなさんがもしかしたらふだんからやっているようなこと、無意識にやっているようなことをあらためて言葉にして、どういう変化が起きているかというお話を今日はできればと思っています。
この背景として、僕は“集合型ワークスタイル”という言い方をしていますが、今までオフィスにみんなが集まって、できるだけ同じ時間働いて。雇用形態も全員が社員で、みんなが同じ会社に所属をして、新卒から同じ会社にいることがずっと当たり前だったわけですよね。IT業界では中途ばかりだったりするかもしれませんが、比較的同じような働き方をしている人たちが集まって、同じ場所に集まって同じように働くのが当たり前だったと思います。
ただこれから、今もそうかもしれませんが、僕は“分散型のワークスタイル”という言い方をしていますが、場所もバラバラ。リモートワークの人もいればオフィスにくる人もいる。時間帯や長さも、もしかしたらバラバラで働いているような人たちもチームの中にいると思います。雇用形態もそれぞれだと思います。正社員の方もいれば、契約社員や派遣社員の方もいると思うし、フリーランスの方もいると思います。
副業で入っている方もいれば、その人自身が本業をやりながらプラス他の会社でも働いていたり、1社しか働いていなかったりとかがあると思います。もちろん転職でいろいろなところからくるかたちなので、働く人たちの働き方が非常にバラバラ。多様になっている、分散している中でチームを組むのが当たり前になってきていると思っています。
これはぜひTwitterとかでみなさんに答えてもらえればと思っていますが、みなさんのチームに以下のような方はいますか? 例えばリモートワークの人、副業と複業のどちらの言葉でもいいですが、副業・複業としてみなさんのチームにジョインしている方とか。
フリーランスや業務委託として入っている方がいるか。短い時間、もしくは海外にいて、働く時間帯がちょっと違う方がいたり。あとはアウトソーシング、我々のような会社などがチームにいるかを、ぜひTwitterとなどでも意見がほしいなと思っています。
この間、イベント用にちょっとTwitterで聞いてみましたが、100票だけかつTwitterなのでやや偏っていると思いますが、約半分のチームが分散型になっているというか。「自社の社員だけしかいないです」というチームのほうが、実は意外と少数派になってきていると思います。
フリーランスの方が自分のチームにいたり、副業・兼業の方がいたり、アウトソーシング先の人がいたりが、わりと普通になってきているんだなと感じているところです。なので、実は分散型で働くこと、チームの働き方が多様になっていることは、本当に当たり前になってきているんじゃないかなと思っているところです。
僕もそうですが、働き方に関して何かお話があると「個人の働き方がどう変わるのか」みたいなことがテーマとしてすごい多かったと思います。「ギグワークはどれだけ増えるの?」「リモートワークになると、どうやって生産性が上がるの?」「個人はどこに住んで、どうやって働くようになるんだろう」みたいなことがすごく言われてきたと思います。
そうすると、例えば社員で働いている人や副業していない人、フルタイムで1社だけ働いている人にとっては、逆にいうと関係ない話ではないかと思われているところもあるのではないかと思っています。
ただ、先ほどお話したとおり、その人自身はオフィスにいてフルタイムで社員で働いている働き方でも、同じチームの中にフリーランスがいたり、副業の方がいたり、リモートの方がいたりということで、本人の働き方がどうかは関係なく、実はチームで働く全員に仕事の変化が求められていることは、あまり語られてこなかったと思うし、見過ごされてきているとも思います。
今はコロナ禍でリモートワークが増えてきているので、その変化を強制的に味わわないといけないという人たちが非常に増えていて。だからこそそれによって心地良くなった人もいれば、苦労している方もいるかもしれませんが、この働き方の変化は実は全員に起きていることを、今日のこの会をつうじてお話できたらと思っています。
“ホワイトカラー”という言い方は僕は正直あまり好きではありませんが、わかりやすくするためにオフィスで働いているオフィスワーカーのことをホワイトカラーと言ったりするので、その言葉をあえて使います。オフィスで働いている、僕らのようなホワイトカラーと呼ばれる人たちは、仕事の仕方やマネジメントは半強制的に変えなければいけない時代や場面に出会っていると思っています。
ただ、これが最先端とか新しい働き方なのかと言われると、僕は実はそうではないと思っていて。むしろホワイトカラーが一番遅れているというか、この領域においては最後列を走っている。働き方に関してはそうなんじゃないかなと思っています。例えば僕の弟は建設の現場で働いていますがい、建設現場では所属関係なく働くことが、わりと普通だったりします。
同じ現場で働いているけれど、働き方も違うし、正社員の方もいれば他社から委託で出向で来ている方もいる。いろいろな所属の方がチームを作って1個の現場をやることが、メチャクチャ当たり前に、もう常識として普通になっているわけです。例えばテレビの制作現場もまさに一緒で、例えばフジテレビだったら、フジテレビの人なのか制作会社の人なのか。
しかも制作会社もいろんな制作会社が絡んでいて、「この人はどの所属なのか」がぜんぜんわからないです。フリーランスとしてやっている方もたくさんいる。そのため、本当に所属とか、社員なのか社員じゃないのかとか、どのぐらい働いているのかが関係なく、1つの番組を作るのがメチャクチャ当たり前だったりします。
このように、所属や雇用形態、働く時間などに関係なく、1個のチームが1個の目的のために集まって働くことは、オフィスではないところでは実はメチャクチャ行われています。それは当たり前のように見えていますが、オフィスワークになった瞬間、あまり行われていなかったということがあるです。
そのため、僕らも時代が変化していく中において、オフィスワークで働く人も、世の中の他の業界では当たり前のように行われている働き方を実は追いかけていかないといけないんじゃないかと思っているところです。
(次回につづく)
関連タグ:
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには