2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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司会者:続いてAgile Studioの岡本さまです。よろしくお願いいたします。
関:よろしくお願いいたします。
岡本卓也氏(以下、岡本):よろしくお願いします。永和システムマネジメント、Agile Studioの岡本です。会社紹介・自己紹介は省略します。タイトルというかテーマの「New Normal Agile」ってなんだろうと最初に思いました。中で話していたときに「なんだろう?」と言ったんですが、「リモートでアジャイルだったらいいんじゃね?」みたいな話だったので、ちょっとそれに変えてLTをしゃべろうかなと思ったのがきっかけになります。
なので、私の会社というより私のチームでやっているリモートワークの話をしようと思います。今どんな仕事をしているかというと、このスライドはコロナ前なんですけど、私は福井の永和システムマネジメントという会社で働いていて、お隣にあるChangeVisionという会社と一緒に仕事をしています。
仕事はソフト開発で、ガッチリした業務ソフトというよりは提案・プロトタイプみたいな仕事が多いです。大阪と東京にもチームがある体制なので、もともと分散拠点というかリモートチームみたいなことを前からやっていたという状況です。
コロナの流行で3月から一変して、基本的に全員在宅になりました。それぞれの拠点にいるんですけど、会社には行かずに家で仕事をしていると。私も3月から今まで会社に行ったのがたぶん2回ぐらいしかなくて、ほぼ行かなくてもいいんじゃないかなとずっと思っています。
やってみてどうだったかというのを個人的な感想を入れながら振り返ってみました。仕事面でいいますと、体感的にはあまり開発スピードは落ちていません。特に困りごともないかなと思っています。あとは通勤ですね。実は私は家がなぜか金沢にありまして、福井まで毎日通っていたのがなくなったので、非常に助かっています。
プライベートな話をすると、子どもの朝の見送りができたり、仕事前にちょっと運動してみたり、晩御飯を一緒に食べたりとか。それぞれ小さいことなのですが、こういうことが意外に自分の中ではすごく幸せだなと再認識しました。
仕事の話ですね。プライベートは置いておいて、仕事のところで開発スピードが落ちていないと言ったんですけど、なんでかな? と思ったのでちょっと振り返ってみました。(スライドを示し)まずチームは、コロナ前はここで集まって対面で仕事をしていたので、顔見知りだし信頼関係もありました。
とは言いつつ分散拠点だったので、もともとリモートのやり方にも慣れていました。あとはメンバーの他の人たちとか特にリーダーの人とかは、けっこう優秀な人が多かったので、もともとすごく開発しやすいチームというのがありました。
コミュニケーションは今どうしているかというと、Zoomとチャットですね。Zoomはリアルタイムでやり取りが必要な朝会とかふりかえりとか議論とか。常時オンラインという話もあったんですけど、うちはあえて必要な時だけオンラインにしてその他は全部非同期のチャットでやっています。
仕事のやり方については、例えば見える化です。当たり前と言えば当たり前なのですが、タスクを見える化してみたり、成果を見える化してみたり。離れているので、お互いが何をしているのかとか、どんなことが起きているかということをなるべく見えるようにするというのを気を付けています。
あとは思考の見える化というのもあります。これも一例ですが、打ち合わせをする前にはアジェンダというかポンチ絵を作って事前に「こんな話をしようね」みたいなたたき台を作ったり、打ち合わせが終わったら「今の打ち合わせこんなこと話したよね」と議事録とまでは言わないですがメモを書いたり、意識してかたちにするとうまく流れると感じています。
こういうことをいろいろやってみて、気付いたことのまとめというほどでもないんですが。リモートワークのキモは今言ったみたいにチームがよかったり、コミュニケーションがよかったり、やり方がよかったりと。うまくいっていると、きっとリモートはうまくいくんだろうなと思います。
これはちょっと前に「どうすればアジャイルがうまくいくか」という話がすごくあったと思うのですが、そこでやっていた話と同じことを言っているなと思いました。今の自分たちのチームを振り返って、アジャイルが得意な人たちというのはリモートもサクッとできるんじゃないかなと、そんな感想を持っています。
もうちょっと言ってしまうと、これは別にリモートとかアジャイルとかは関係なくて、結局ソフト開発はこうなんじゃない? あまりリモートなりアジャイルなりという言葉にとらわれずに、開発でこういうことがあるとうまく回るよねというところが最近特に思っていることですね。
ちょっと最初に戻って「New Normal Agileとは?」みたいな話がありましたが、最初にこの話を聞いた時に、また何か新しいことが始まるというか、新しいアジャイルなのかなという印象を受けていました。いろいろ考えていくとアジャイルであることをそんなに意識せずに、特別じゃない普通のことであるような新しい世界のことをNew Normal Agileと言うんじゃないかなと、今はそう思っています。
以上になります。ありがとうございました。
司会者:ありがとうございました。続きましてナビタイムジャパンの小田中さんの発表になります。よろしくお願いします。
関:よろしくお願いします。
小田中育生氏(以下、小田中):みなさんよろしくお願いします。小田中からは「変わる世界変わる現場変わらぬ本質」という題でお話しいたます。5分しかないので自己紹介は省きますが、『いちばんやさしいアジャイル開発の教本』というアジャイルを触ったことないという人向けの本を書いていますので、みなさんの周囲にそういう方がいらっしゃったらぜひおすすめしてください。
では変わる世界。みなさんどうでしょう。みなさんを取り巻く世界はお変わりないでしょうか? おそらく「いやいや、ぜんぜん変わっていないよ!」と、前と同じ人はいないと思います。LTされていたみなさんもそうでしたね。やはりこのコロナで大なり小なり変わっているかなと思います。
私たちナビタイムジャパンという会社は「経路探索エンジンの技術で世界の産業に奉仕する」という経営理念、そして基本方針としては「ナビゲーションエンジンで世界のデファクトスタンダードを目指す」、「世界中の人々が安心して移動できるように」。このコロナは直撃ですよね。移動をベースにしたビジネスをやっている我々の視座から世界を見ると、例えば人の目的地が変わっています。
外出自粛要請前・緊急事態宣言中・そのあとだと、観光スポットやテーマパークが消えてしまって、生活雑貨や日用品が中心になり、そこからちょっとショッピングモールが増えていく。こういうふうにどんどん人の目的地というのが変わってきています。そして目的への行き方も変わっている。これすごいおもしろいのですが、リモートワークの方が多いのでもしかしたら皆さんぜんぜん電車に乗っていなかったりしますかね?
やはり公共交通・自動車の利用者数は下がっているんですけど自転車がすごいんですよ。2倍に増えているんですね。なので、目的地も変わったし、目的地への行き方が変わっています。
世界が変わるとプロダクトが目指すべきものも変わってくるわけです。一方で、じゃあ現場はどうか。現場もやはり変わっています。このように前提とする世界が変わってきて、まさにアジャイル開発が役に立つところだと私は思っています。変化に適応していくアジャイル開発というのは、この変化が目まぐるしく起こっている世界でこそ進化を発揮する。
先ほど岡本さんがおっしゃっていたように、アジャイル開発がスタンダードになっていくことがNew Normal。それは私も同感です。みなさんどうですかね? アジャイル開発は、前はおそらく顔を合わせて朝会、ホワイトボードを囲んで振り返りをやってたんじゃないでしょうか? 私もそうでした。
そこに来て突然のリモートワークがやってくるんですね。私の会社は1ヶ所に集まって開発することにすごいこだわりを持っていたので、リモートワークはこれまであえてやっていませんでした。初めてリモートワークをやることになって得意技がまず封じられるんですね。顔を合わせての朝会、ホワイトボードを囲んでの振り返り。さぁどうしよう。
そしてもう1つ、タスクボードをどうするか。これは幸いなことにもともとJiraを使ってデジタルな看板を運用していたんですね。大丈夫かなと思っていたんですけど、いざやってみると実はベースはJiraだけれど、我々は言語化していない暗黙のルールを運用していたりとか、看板から読み取れない情報があったりして、困ることがありました。
そして一番困ったのは、ビデオ通話が初めてだったんですね。
そもそも家にちゃんとした回線が引かれていなかったり、音質がすごく悪くてブラックメタルのアルバムみたいに「ガガガガガ……」と言っていてぜんぜん聞こえない人とか、ミュートになっているのに気付かない人がいたり、顔を出さず無言だからいるかどうかがわからない人もいました。そもそもコミュニケーションのスタートラインに立てないよねということで、せっかくアジャイル開発という強みがあるのにそこが活かせなくて、けっこう悩んでいました。
じゃあどうしたかというと、まずこのコミュニケーションのラインを整えました。うちはもともとG suiteとSlackを使っていたので、Meetで同期コミュニケーションを取りながらSlackでフォローするところを整えたり、あとは暗黙のルールを言語化してConfluenceにまとめるということをしました。
リモートに移行してからもJamboardを使ってスプリントレトロスペクティブ、いわゆる振り返りをやっていたので、振り返りでリモートにフォーカスして課題を見つけて改善していきました。この振り返りを軸に改善してリモートならではの課題を取り除くと「あれ? 意外と俺たちいつもどおりの開発できるよね」ということにだんだん気付いていきました。
ようやく土台が整ってきたので、改めて世界が変わったことを受け止めてプロダクトをどう作るか。我々のような「世界中の人々が安心して移動できるように」ということを考えている人が、人が移動しなくなっている中でどうしたらいいか。出た1つの答えが「行きたいところへ行く」ではなく、「行きたくないところ・時間帯を避ける」という発想で、混雑エリアマップ、駅の混雑情報といったものを研究開発して実際にサービスとしてリリースしました。
IT業界にいるとみんな1億総リモートワークだと思っちゃうんですけど、移動しなければならない人というのはやはりいるので、そういう人たちをサポートする機能がいいんじゃないかと考えました。
ここにたどり着いたのは、結局本質は変わらないと。本質は「人に貢献する」こと。それって世界が変わっても変わらないよね、ということでこういうものを作りました。世界が変わっても自分たちが貢献することは変わらないですし、現実から仮想現実になってもチームの本質は変わらないわけです。
もちろんこれまでと同じやり方ではうまくいかないですし、我々自身もどんどん変わっていて、実はナビタイムジャパンは緊急事態宣言が開けてしばらくしてからまたオフィスに戻っています。オフィスに戻るとまた新しい課題が見つかったりするんですが、そこは透明性を基に検査と適応をしてどんどん変えていく。まさにアジャイルが原動力になるんですね。
変わり続けるというところを変わらずにやり続ける。これこそがNew Normalかなと思います。今すごいどんどん変化していて、おそらく3ヶ月後にはまた違った姿になっているだろうと思います。3ヶ月後……1月ですね。というわけでみなさん、2021年1月にはまた変化を遂げた私のチームについてお話できるかと思いますので、その時ぜひお会いしましょう。では私からは以上です。ありがとうございました。
関:ありがとうございました。
司会者:ありがとうございました。盛りだくさんでしたね! みなさんどうもありがとうございました。
関:ありがとうございました。
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