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パネルディスカッション「Withコロナ時代を生き抜くエンジニア組織について語る」(全3記事)

オンボーディングの難易度は確実に上がった 有名ベンチャー企業4社のCTOが考えるアフターコロナのリモートワーク

組織づくりに携わるエンジニアたちが集まり、知見を共有しあうことを目的とした勉強会「EM Talk」。今回、新型コロナウイルスの影響で、強制的に始まったリモートワークに、どう向き合うべきかについて、メルペイの木村秀夫氏、グリーの藤本真樹氏、ラクスルの泉雄介氏、元クックパッドでこの日にLaunchable社に転職した庄司嘉織氏がディスカッションを行ないました。 最後は、リモートワークならではの課題として、家庭内の問題や社員同士のコミュニケーション、そしてコロナが収束した後のリモートワークのあり方について。働いている姿が見えないからの評価方法、今後求められるマネージャーのあり方について話し合いました。

リモートワークだから起こる問題と解決法

木村秀夫氏(以下、木村):みなさんリモートワークで課題と感じている部分もあると思っています。先ほど少し話題にも出ましたが、メルカリ・メルペイだと保育の問題。お子さんの学校が閉鎖されて、共働きで2人ともいるんだけどどっちかが見なきゃいけないみたいな。これを解決するのも難しくて。ベビーシッターを呼びたくてもこんな状況だし。

今メルペイでやっているのは、コアタイムを撤廃して、家庭内シフトじゃないんだけど、そこで工夫してもらう。コアタイム別になくてもいいからその中でやりくりしてやってもらうとか。ちょっと消極的な解決しかできていないのが現状です。けっこう難しい課題が多いなと思っています。各社の課題に感じていることはありますか? 

庄司嘉織氏(以下、庄司):これね、2個あると思うんですよ。1個は本来のWork From Homeの課題。もう1個はコロナだから発生しているもの。

木村:確かに!

庄司:子どもが学校とか保育園にも行かなくてずっと家にいて仕事にならない問題は、たぶんコロナ発生が原因ですよね。

木村:確かにおしゃっるとおり。

庄司:学校とか保育園とかが復活したら、まったく変わると思います。そこは切り分けて話したほうがいいかなっていう気はする。

木村:確かに、そうですね。Work From Home単体の課題だとコミュニケーションとオンボーディング。さっき新卒みたいな話がありましたが、グリーとかって今何人くらい採っているんですか? 

藤本真樹氏(以下、藤本):4月に入ったのは何十人という単位です。10人以上50人以下みたいな感じ。

木村:新卒の方とはどんな風にコミュニケーション取っているんですか?

藤本:いやぁ、だから大変……というか、彼らがどう捉えているかについては、今度のんびり聞きたいとは思っています。インターンで前からコミュニケーションあった人は一定数いるので、それはよかったねっていうのはあるはあるけど。それは言ってみりゃボーナスみたいなものなので。

チームでちゃんとリレーションして、4、5人とかでまずがんばる......開き直るしかないよねと短期的には思っています。長期的にはいろいろ仕組みが……それこそね、リレー形式で15分ぐらいのインタビューをしたりとか。どこかの会社でやっていて、うちもそういうのやってみようぜとか。

細々やりようはありますが、結局オフラインにはその面でどうしても勝てないし。そこは勝てないのを前提で、開き直るしかないと思っています。

木村:なるほど。ラクスルのほうでは、コミュニケーションみたいなところもたぶん課題だと思いますけど、それ以外でなにか課題とかあったりします?

藤本:コミュニケーションと家庭以外の課題で。

リモートワークのオンボーディング対策

泉雄介(以下、泉):うーん、どうなんだろう。結局コミュニケーションの話になってしまうんですが。新卒を含めてオンボーディングの難易度は上がったと思っています。理由としては、ふだん接していた人たちが今どういうふうにあるのか想像がつくかつかないか。このギャップがけっこう大きいかなというふうに思っています。

それはどう醸成するかっていうのはやっぱり難しくて。アフターコロナで考えたときに、オンボーディングのために例えばチームビルディングではじめに1週間くらいそのチームは出社するとか。そういうのは解決策として考えられるなと思っています。そのときは、会社の座席の配置やオフィスレイアウトも含めてぜんぜん違うニーズが出てくるのではないかと思っています。

そういうところまで考え始めると、今回のできごとでアフターコロナになった途端いきなりみんな明日からオフィスで働きましょうって絶対ならないと思うので。そのときにどんなかたちになるも興味深いし、それを考えるのもおもしろいと思っています。

藤本:っていうか、庄司さんが今まさにオンボーディング中じゃないかっていう。

庄司:そう、オンボーディング中。

木村:新入社員の庄司さんはオンボーディングでこういうところが困ったとか、逆にこういうのあったらいいなとか聞きたいです。

庄司:7人目のわりには川口さんがすごくがんばってくれて、オンボーディング用のドキュメントがちゃんとできていました。

木村:あ、やっぱドキュメントなんだ!

庄司:そうそう。Confluenceでたぶんテンプレートをもう作ってあると思うんだけど。Yoshiori Onboardingっていうページができていて、上から1個ずつやったらチェックボックス付けてくみたいに感じです。

オンラインというよりもやっぱり時差があるのが大きいですね。今日の朝9時に1回ミーティングしたんだけど、川口さんはそこで仕事終了して寝る時間だからってなって、そこから俺は働く時間みたいな感じだから。最初にザッと30分くらい話したら、そのあとこれやっといねみたいな感じで作業する環境はもう整っているみたいな。

藤本:いわゆる仕事するうえでの、業務的なオンボーディング的な感じ?

庄司:そうそう。

藤本:チームビルド的な観点ではなにかあったりします?

庄司:チームビルド的な観点だと、おもしろいのがslackのチャンネルでまず挨拶をするっていうのもあったり。あとは自分の自己紹介ページを、Launchable Historyっていうところがあるのだけれど、そこに書き込んだりとか。

木村:へー。

庄司:あとは自分の取説みたいなのをほかの人のを参考に書いてくれみたいなのがあったりとかして。それを書いたり他の人のものを読んだりすることで、同僚のことを知れます。自然とお互いが知れるようなオンボーディングができていた不思議(笑)。

木村:非同期コミュニケーション、ドキュメントとかそういうのって今後キーワードになりそうですよね。そういうのをしっかりやっていく。それはオンボーディングもそうだし、いろいろなコミュニケーションの一環としても。

さっきのアンケートをちょっと見ていたら、とくにIT界隈だと、椅子とかオフィスの設備にけっこう投資していたりとかしていて。それこそ庄司さんさんの前職でもたぶんあったと思うんですが。それがオフィスから自宅になったときに当然環境が違って疲労感が溜まるみたいなやつがあると思っています。オフィスへの投資の仕方も変わってくるんじゃないかなと思っているんですけどね。

藤本:そりゃあ変わりますよね。

木村:変わりますよね。今までのラグジュアリーなオフィス設備みたいなところで採用とかにつないでいたのが……別にディスっているわけじゃないですよ(笑)。それはメルカリもやっていたから。それはやっぱり大きく変わっていくんだろうなみたいなところはあるかなと思います。

リモートワーク以外の新しい取り組み

木村:次の話題なんですけど。今コロナ禍でWork From Home、リモートワークっていうのは取り組みの1つだと思います。それ以外でなにか取り組みってしていますか? を聞きたくて。

例えば、メルカリ・メルペイだと、フレックスのコアタイムの撤廃みたいなチャレンジをしていたりします。各社そういう取り組みがあったら聞いてみたいんですけど。藤本さんのところとか何かあります?

藤本:時間についてはけっこう初期のころから、裁量の人が多い会社なので、それはもともと別に好きな時間でやりますし。そうじゃない人に関しては時間がフレキシブルにできるようにっていうのは、これは在宅うんぬんよりけっこう前からあったので。それこそ夫婦で時間が……みたいなのがあったりします。

あとよくある話で、Work From Home、リモートっていうよりは今回のコロナウイルスうんぬんのコンテキストの話で、一時的に補助金出すみたいなやつも一応はありました。これはちょっとパブリックにしていいかわからないから忘れてみたいな話だけど。

そういうようなのは短期的ですが、さっき言ったとおりリモートはまだ1、2ヶ月うんぬんの話なので。これを半年、1年見据えてちゃんと煮詰めていく必要は正直あると思います。

木村:なるほど。ラクスルでやっている取り組みとかってあります?

:自分はちょっとどこまで詳しく話していいかっていうのがあるんですけど(笑)。短期的なところだと、体の不調を訴えてくるメンバーがいたりしました。そこをなるべく緩和できるような施策っていうのは、短期的なところで当然やっているというのはあります。

でも藤本さんがおっしゃるとおりで、長期的とかになってきたらまた施策が変わらないといけないのかなと思っていて。例えば細かいところだと、普通に家にいる時間が長ければ光熱費だって上がるだろうし。椅子とか机とかそういうものも今の保証の範囲以上に求めてくるっていうのがあったりとか。

逆にさっきの話にも通ずるんですけど、オフィスに対する設備を減らす分、そういったところを従業員にどういうふうに、心地よくメンバーが働けるようにするか。こういった課題が出てくるのかなとは思っています。

木村:なるほど。メルカリ ・メルペイってけっこうミートアップだとかリファラル会食だとかface to faceの施策で人を集めてたり伸びてきた経緯があるんですけど。こういう状況になるとなかなかできなかったりするので。それはコロナコンテキストかもしれませんが。いろいろ取り組みをしていく必要があると経営陣で話たりとかしています。

藤本:本当、さっきのオンボーディングうんぬんだけど、この1ヶ月ないし1ヶ月半くらいで新しく知り合った人ってすごく減ったと思うんですよ。

木村:本当にそうだと思いますよ。

藤本:ちょっと話は逸れるけど、そこは意識的にアプローチがいると思います。

木村:一方でさっきの泉さんのOSSみたいな話があったと思うんですけど。僕はちょっと時代が古いのでPerlなんですけど。Perlコミュニティで知り合った仲間とかがやっぱり多いので。リモートでも新しいかたちのコミュニティみたいなことが形成されていくのではないかなと。逆にオンラインのコミュニティをどうやって作っていくのかみたいなところは、経営陣やマネージャーが考えていく必要があると思います。

リモートはなくならない

木村秀夫氏(以下、木村):次は、緊急事態宣言の解消後なにか制度のアップデートを考えていますか? フワッとしたお題なんですけど。みなさんなにかあります? 

藤本真樹氏(以下、藤本):日本全体で見るといろいろな会社があると思うけど。ここにいる僕らの業界……いわゆるネット系会社だとほぼ100パーセント在宅です。とりあえずっていう感じから、その間、どう戻します!? っていう感じですよね。そこはけっこう難しいなと思っている。制度アップデートっていうよりは。

たぶん今の状況って、けっこう会社の仕組みをすっ飛ばしてやっていることが多かったりするじゃないですか。

木村:今回の経験を糧にして、今後のルールや制度とかを整備していく気はしていて。その中でなにか考えていることがあれば。

藤本:でもなんにせよ、リモートをなくす考えは絶対ない。

木村:そうですね。さすがのメルカリ ・メルペイでもそれはないですね。

藤本:じゃあどうなると生産性が最大になるんだっけっていう在り方。あと座席とか。リモート前提になると会議室は大きいのがあるより、小さいの100個あったほうがよくない? みたいな感じかもしれないし。

木村:確かに。オフィス設計は変わりますよね。

藤本:あとは当面の要請だと、座席をもっと離さなきゃいけないんじゃないの? っていうのもあるかもしれないし。正直なところ、今はアフター後より、とりあえず出社できるようになったときのことで頭がいっぱいかな。

木村:庄司さんの会社とかは、ここから大きくしていかなきゃいけないところで、今までのプラクティスがたぶん使えないじゃないですか。face to faceのコミュニケーションとか減っていくだろうし。チームを大きくしていくうえでなにか考えていることとかってあります?

庄司嘉織氏(以下、庄司):まず大前提として、「コロナが終わったらどうします?」とか「戻ったらどうします?」みたいな人がたまにいますが。もう不可逆な変化は起きていると思うんですよね。もう戻らないと思っていて。

木村:確かに。戻らない。

庄司:去年の11月とかにバックアップデータがあって、世界がそこにポンってもどるわけじゃないので。コロナ以前には絶対戻らないんですよね。

って考えると、今後逆にどうやっていくかって考えると、さっきも木村さんや藤本さんが話していたけど、どう考えても周りの会社もみんなリモートは前提になるわけです。どの会社もリモートであることは当たり前になるので、リモートワークが会社のセールスポイントにはならないんですよね。

木村:そうですよね。

庄司:採用とか含めて考えると、なにがデフォルト......標準になるのかみたいな。今まで例えばエンジニアだったらスーツ着なくていい私服は当たり前だよねみたいな(笑)。仕事中に音楽聞いても平気だよねみたいなのと同じくらいのかたちで、たぶんリモートとかWork From Homeとかも入ってくると思うんですよね。

木村:はい。

庄司:そうなったときに、新しい標準っていうのは何なのかを見極める必要がある。それにプラスして、どう差別化していくか、どうやったらさらに成果が出せるか。を考えているところです。

木村:確かに。完全にデファクトスタンダードが変わるでしょうし。それこそ次のイノベーションだったりをアトラクトするために必要になってくるフェーズが、パラダイムシフトなのかなと。

さっき話していたんだけど、どこでもだけじゃなくて、いつでも。それが達成されると誰とでもになっていくのかなとか。そういう軸も制度としてあるのかなとは思います。

ただ日本の場合けっこう労働基準法とかやっかいなものがあるので、難しいは難しいですけどね(笑)。たぶんこの機会にそういったものも変わっていくんじゃないのかな。やっぱり変わらないかな? 

藤本:解釈みたいなところで変えられるところがあるとは思いますどね。むしろ、そうしてもらわないと。

見えない状態での評価はどうするべきか

木村:あとこのタイミングじゃないと変えられないですよね。

庄司:あと完全に組織のかたちもぜんぜん変わりますよね。

木村:例えば?

庄司:今は部長やチームリーダーがいるかたちです。それが、全部リモートになって本当にちゃんと評価できるのか? となると思うので、そこから完全に直す必要があるかなと思います。

木村:確かに。みなさん評価ってどうしています? メルカリだとpeer review(ピア・レビュー)っていう、要はチームのメンバーが評価する制度があるので。それをより近い人の意見を取り入れながら、やっていこうねっていう話はしています。

ちらっと、作業しているのが見えないだとか。エンジニアはけっこうアウトプットがわかりやすいので簡単なのかなと思っていますが。ほかの業種だと難しいんじゃないかな。

藤本:作業しているのが見えないって、そんなみんな人が作業しているところ見ていました? って思いますけどね(笑)。でも評価の一般論として、成熟度が高ければ高いほどアウトプットでの評価だし、低いほどプロセスに関してもレビューしましょうねっていうのはあると思っていて。

後者の部分に関して、じゃあプロセスでどうがんばったみたいなところに関してはまさにEMうんぬんの話だけど。そこに関してはあんまりオンラインどうこうっていう話ではないとは思うし。一段意識はしないと疎かになりがちではあるかもしれません。それくらいのレベルじゃないの、とは思ってはいますけどね。

木村:たぶんこれからは、エンジニアリングマネージャーに求められるスキル、もしくはエンジニア自身に求められるスキルっていうのはやっぱり変わってくるのかなと思っていて。評価もそうだし、さっきの採用みたいなところでやり方変えなきゃいけないと思います。このへんどうですかね? CTOとしてこういうのを求めていきたいとか。

藤本:これ話すと長いですよ(笑)。まずゴールは変わらないと思うんですよ。別にエンジニアリングマネージャーっていうか、マネージャーに何を一番求めるって言ったら、長期なり中期なり短期なりのゴール設定をお互いして、そこを達成するのがチームマネージャーなので。

すべてはその手段なので、そこを上手にどうできますか? それはチームマネジメントもあればエンジニアリングマネジメントもあれば、例えばプロジェクトマネジメント、それ全部やるか分散するかは別の話ですが。

そこに対してアフターなりウィズなりのコロナが起こした変化みたいなのに対してちょっとずつ変わるところはありますねっていうのが真っ黒な絵だとして、そこではすごくいろいろな話があると思いますよ。

ただ1個絞って言うとすれば、働き方とかそこの達成の仕方ってけっこう変わるし、変えなきゃいけないですよね。すごく雑にいくと、仕事の内容がインプットとアウトプットが超はっきりしている系のものとしていない系で無理やり分けるんですよ。はっきりしているやつって、過程うんぬんは知らない、例えばチケットうんぬんみたいな。 

仮に自分のチームがそれだけでいけるんだったら、さっきの庄司さんの話みたく、この組織のかたちだっけみたいになったら、これから副業とかすごく増えるし。僕らマネージャーは、そういうのを上手に活かして、チームとしてのアウトプットを増やすことを考える必要があると思っています。

藤本:そこに対しての複雑さと柔軟性を理解したうえで、より広いオプションを取れるエンジニアリングマネージャーを目指さなければいけないと思っています。短く伝えたので抽象的になってしまいましたが。

非同期的なコミュニケーションが増えていく

木村:泉さんはなにかあります? こういうことを求めていきたいとか。こういうスキルが必要になっていくんじゃないのっていう。

:結局場所、時間っていう縛りがなくなったっていうところの組織をどうまとめていくか。まさにコロナの変化によって対応しなくちゃいけない部分なのかなと思っていて。

さっき会話の中で夜型の人とかそういうのも受け入れるみたいな話になったときに、どうやって対応するか。プロジェクトマネージャーからするとそれって若干やりにくい部分ではあるじゃないですか(笑)。そこをどういうふうにまとめていくか考えていく必要があります。

前IDEOっていうデザインファームの人と話したときにちょっとおもしろいなと思った話がありまして。チームを組成するときにチームのメンバーが、それぞれどういった環境だったら、アウトプットを最大限出せるかを発表する内容です。

例えば「私はジムに毎日行かないと」とかそういう人も出てくるじゃないですか。「私は夜に短期集中する」とかっていう人もいて。そういうのを一旦持ち寄ってなんでもいいからとりあえず言ってみる。それが許容される場合もあれば、許容されない場合も当然あって。それを1回さらけ出すことによって、ほかの人も言いやすくなる環境がまず作られるみたいな。

木村:心理的安全性の担保ってやつですね。

:あ、そうですね。ルールというよりはアグリーメントを作るっていうことを言っていて。それはけっこうおもしろいなと思ったんですよね。それをチームレベルでそういうことができるように……そういうのをファシリテートする力も必要なのかもしれないなと思います。

木村:ありがとうございます。庄司さんは肩書きがPrincipal Software Engineerですけど、今後はたぶん組織を作っていくんですよね?

庄司:そうそう。日本での組織とか作っていくと中心になっていくみたいな感じです。

木村:そのときにここを気をつけてマネジメントしたいなとか、こんなマネージャーと働きたいなとかってあります?

庄司:泉さんの話とちょっと変わっちゃうのかもしれないんだけれども。今までは、同期的なコミュニケーションだけでリーダーシップを発揮できれば、十分仕事ができていました。今後リモート前提の働き方になると、まず東京に住んでいる利点が薄くなるんだよね。

そうなると、たぶん東京を離れる人がすごく増えてくると思います。2週間くらいハワイで仕事しますみたいな人とか、半年どっか海外に住みますみたいな人とかも絶対出てくると思うし。

絶対どこかのタイミングで、非同期のコミュニケーションは求められるはずです。非同期プラスリモートで働いているときにメンバーにちゃんとリーダーシップを発揮できるっていうのが、まだ想像はついてないけれども絶対必要になってくると思います。

逆に今まで、マイクロマネジメントみたいなマネジメントで成果を出していた人は、たぶん成果は出しにくくなるだろうなと思っています。

木村:なるほど。

庄司:かと言ってほっといてもダメだし。なんと言うか「あなたの仕事っぷりは見ているよ。いつも感謝しているよ」っていうのがうまく伝えられるリーダーシップみたいなのを遠隔で非同期でみたいなのができる。どうやったらそれが実現できるのかはまだわかっていないけども。そういったスキル的なものがどんどん必要になってくるんじゃないかなっていう気はしています。

木村:ウェットなコミュニケーションが強みだった人はけっこう辛くなってくるのかな?

庄司:そうそう。

木村:なるほど。コミュニケーションの仕方も変わってくるし、そうするとマネージャーってコミュニケーションって求められるスキルではあるんだけど、そのスキルのプラクティスみたいなのも変わってくるし。いろいろ学びがいがあるような気がしますけどね。

藤本:なんにせよ変わることに対して、それを前提としてやっていくことは大事ですね。

木村:最近メルペイ社内でもそういう次の働き方みたいなことを話す中で、家よりもオフィスのほうがパフォーマンスが出ますっていう人は当然いると思っています。そういう人たちも受け入れていきたいし、一緒に働きたい。

変化に対する多様性もそうだし。いろいろなニーズに対する多様性っていうのも一定許容しないといけません。マネージャーはそこの懐の広さとかを今後は求められるのかなと思っています。

そんな感じでパネルディスカッションは以上です。みなさんありがとうございました。

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