2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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土屋尚史氏(以下、土屋):はい。みなさんこんにちは。
会場:こんにちは。
土屋:グッドパッチの土屋と申します。
成田一生氏(以下、成田):クックパッドの成田と申します。
土屋:よろしくお願いします。最後のセッションということで、みなさんお疲れだとは思います。
錚々たる人たちがセッションしたあとで、僕らがトリということで。どんな話ができるかなというのを思って、ついさっき、もともと組まれていたセッションのトークテーマがあったんですけど、それはぜんぶ書き換えました。
成田:(笑)。
土屋:もちろん話しますけども「モノづくりにおけるテクノロジーとデザインの力」と書いてますけども、ほぼキャリアの話をします(笑)。
ちなみに、今回来られてるみなさんの中で、ちょっと属性を知りたくてですね。学生の方、どれぐらいいらっしゃいますか?
(会場挙手)
学生が大半なんですね。
成田:お〜。
土屋:学生が大半ということで、たぶん小難しいデザインとかエンジニアリングの話をしても、どうしようもないだろうなと思いまして。ちょうど僕と成田さんは、1983年生まれで完全に同い年なんですよ。僕は36歳になったばかりなので、自分のキャリアをはじめてお互い10年以上経ってますので、そのキャリアの選択についてお話をしていきたいなと思っております。
すみません。まず、お互いの会社の紹介をさせてください。まず、グッドパッチのほうからです。ちなみにグッドパッチという会社、ご存知の方どれくらいいらっしゃいますか?
(会場挙手)
そんなにですね。
成田:(笑)。
土屋:半分ぐらいですね、はい。弊社は、東京とベルリンとミュンヘンにオフィスのあるデザイン会社です。いわゆるUI/UX領域に強みというか重きを置いた会社でございまして、東京だけではなくて、ヨーロッパに展開しているという非常におしゃれな会社でございます。あんまり(ウケなかった)ですね。
成田:(笑)。
土屋:日本人とドイツ人で経営をしている珍しい会社でございまして。僕と、今のうちの会社の取締役がですね、ボリスというドイツ人です。弊社がまだ6年前の15人ぐらいのときに入ってきたドイツ人がそのまま取締役になっています。なので、僕とボリちゃんで仕事をしている感じです。
僕らは「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」というビジョンと「デザインの力を証明する」というミッションを掲げてビジネスをしております。
今日もデザインのセッションがあったと思うんですけども、まだまだ日本の社会においては、デザイナーという、デザインをする人たちの価値がなかなか誤解されていて、上がりきっていない状態です。そのデザインの力を向上させていくことを目的に仕事をしている会社でございます。
起業して、いま丸8年経っておりまして、こんな感じで人が増えてきています。直近まででグローバルでだいたい160人くらいの会社になっておりまして。なかなかデザイン会社というカテゴリーの中では、相当に急成長している会社かなというふうに思います。構成比ですけれども、こんな感じ(スライドを指して)になってます。ちょっと見えるかな? 細かいんですけれども。
いわゆるデザイン職というか、UIデザイナーUXデザイナー。あとデザイナーにかかわるPM、プロジェクトマネジメントをしているメンバーと。エンジニア含めて80パーセント近くを占めていまして、デザイナー職だけで100人以上いる会社です。メインのビジネスはデザイン事務所のクライアントワークのビジネスをやっているので、そこが一番多いです。
土屋:グローバルで160名ですね。これ(スライドを指して)先日の8周年の写真でございます。UI/UX専業企業としての、いろんな企業のいわゆるデジタルトランスフォーメーションや、イノベーションの新規事業を手がけてきています。そのほかにも、スタートアップへの積極投資をしていまして。投資というか支援ですね。ここに書いてあるグノシーやマネーフォワードやみなさんが知ってる会社もあると思うんですけども。
僕も起業初期だったんですが、彼らが起業初期の段階から手伝っていて、グノシーはまだ東大の大学院生3人だったときですし、マネーフォワードもまだ10人ぐらいのときですし、アカツキも30人ぐらいのときでした。
これらの会社と当時仕事をして、その後、この上の5社が上場まで行っています。左下に書いてあるフィンクも、僕らがもう4年以上お手伝いをしておりまして、今でもすごい急成長スタートとして有名な会社でございます。直近1年でも、いろんなスタートアップのUX改善を支援していまして。ファブリックトーキョー、助太刀やランナーズなど、こういう会社の、いわゆるスタートアップのデザイン支援をしている会社でございます。
(スライドを指して)これフィンクですね。これ講談社の「コミックDAYS」だとか、自分たちでも「prott」というプロトタイピングツールを作っておりまして、自社事業もやってるデザイン会社です。これも自分たちの事業ですけれども、ReDesignerというデザイナーにフォーカスした、キャリア支援サービスを行っておりまして、先日学生向けにデザイナーになりたい学生のための、ポートフォリオサービスなどを出してます。
学生向けの、デザイナーを目指す学生向けのキャリア支援サービスというのをやっています。ぜひ登録もしてみてください。ちょっと長いので割愛しますけれども、とくにUI/UXデザイナーになりたい学生の人たちは、ここに登録してもらえると、いい形でマッチングはできるのかと思ってますので、ぜひ登録をしてみてください。ささっと説明しましたけど、じゃあ続いてクックパッドから。成田さんお願いします。
成田:はい。じゃあクックパッドの紹介をさせてください。クックパッドのミッションは「毎日の料理を楽しみにする」というものです。「毎日の」というところがすごく重要で「週末にちょっと料理をするのが楽しくなるよね」ということではありません。毎日毎日やっている料理って、もうなんか楽しくないというか。日々、旦那が帰って来て子どもを迎えに行って、早く料理作んなきゃって。30分しかない。冷蔵庫の中はもやしと椎茸しかない。
そういう毎日を過ごしている中で、「ぜんぜん料理って楽しくないよね」と言う人たちがたくさんいるんですよね。そういうものを日々辛いなと思いながら過ごしているよりも、毎日毎日やっているものがちょっとでも楽しくなると。食卓で家族が、もっと美味しそうに食べてくれたり。「これ美味しかったよ」って言ってもらえるだとか。
毎日の単調な作業だったものが「楽しいな」「もう1回、明日はこういう工夫をしてみたいな」というふうにイメージを変えていけると、世の中ってもっともっと良くなっていくだろうなということが、僕らの考えていることです。どうやったら料理をしている人がもっと楽しくなるかというのもそうだし。
料理をしてない人が、料理をする人になる。我々は「つくり手」って言っているんですけど、つくり手を増やしていく(料理をしない人が、する人になる)ことが、どうやったら僕らの事業の力でできるのかを考えていて。いくつかいろんな新規事業も含めて、我々はサービスを展開しております。
代表的なのは、「クックパッド」をご存知の方もいらっしゃると思うんですけども、料理のレシピをユーザーさんが投稿したり、それを検索したりできるサービスが我々の主力の事業ですね。それだけではなくて、料理って物理的な行いなので、キッチンの中で包丁と手を動かしてやったりするものなので、スマホの中からユーザーの課題を解決しきるのはけっこう限界があるのを感じてて。
ただレシピを表示しているだけ、料理動画を見るだけじゃなく、もっと物理的なユーザーの毎日の料理をどうやったら支援できるかなと考えて。最近はスマートキッチン、そのキッチンツールをコネクティブにすることでどうやったら課題解決をできるかをはじめていたりとか。
あとは料理をしてない人が、自分の好きなタレントさんの料理をしているライブコンテンツを見ることで、「自分もこれだったらをやってみたい」「このタレントさんと同じもの作ってみたいな」いう気持ちになってもらえるような、「cookpadLive」というアプリもあります。
成田:あと日々やってる料理って、名前がないものってけっこう多いと思うんですよ。「なんかこう炒めたものです」みたいな(笑)。親子丼などがあると思うんけど、冷蔵庫に入ってるもので、自分の技術を組み合わせてパパッと作って食べるものって名前がないんですね。
そういうのができるのは、いわゆる料理ができる人なんですよ。とくにタイトルのついていないものを、どうやったら自分のスキルとありあわせの材料でパパッと料理できるようになるかは、やっぱり基礎の技術の組み合わせであったりするんですね。それを学んでいけるような「たべドリ」ってのを最近はじめたりだとか。
あとはおいしい食材をどうやったら安く、日々手に入れられるのかも、料理の楽しみになる。重要な要素なので、最近は「クックパッドマート」という食材を買えるアプリを、首都圏で一部展開しています。あと「Komerco」は、クリエイターさんが作ったちょっといい器や食材を買えるアプリですね。こういうものもやってたりします。
レシピのサービス「クックパッド」自体は、日本からはじめて国内で広がってきたものなんですけど、いまはその世界展開をしていて。僕らのサービスが使えるのは73ヶ国/地域で30言語(2019年9月時点)という、超マルチリンガルに対応したサービスです。なのでアラビア語圏に行くと、右から左に文字が流れていて、クックパッドロゴも右上にあるみたいな。そういう多言語対応をしていて、世界中で使われるサービスになってきております。
世界合わせると約9,300万人(2019年9月時点)のユーザーさんがいらっしゃって。とくに海外方面では年々ユーザー数が伸びていっているので、今後もこの数字は増えていくんじゃないかなと思います。我々の主力事業はプレミアム会員から月額のサブスクリプションでお金をいただくことで、ほぼ成立しています。
ユーザー投稿型のレシピサービスなので、僕らが書いたレシピをアップロードしてユーザーさんが見るというよりは、ユーザーさんが自分で考え出したレシピとか自分の家の工夫を世の中に共有することで、他の家の役に立つことが重要なコミュニティサービスですね。なのでレシピ投稿にはすごく力を入れている。投稿がどうやったら気持ちよくできるかに力を入れていて。
なので投稿数はすごく気にしているんですけど、海外も含めると590万件(2019年9月時点)、「クックパッド」には投稿されています。
成田:組織の構成比も、我々も書いてみたんですけど、半分がエンジニアデザイナーって感じですね。うちの国内にいる従業員が300人くらいで、あとはイギリスのブリストルというところに、もう1つ大きなオフィスがあるんですけど。そこを合わせると、全世界で500人くらいの構成になっております。
最近の僕らのもの作りの特徴としては、Design SprintというGoogleベンチャーズが開発した、1週間で意思決定するプロセスがあるんですね。みなさんに言っても釈迦に説法って感じかもしれないですけど。アイディア出しをして、最終日の金曜日にはユーザーさんを呼んで、作ったプロトタイピングを使ってもらってという。
アイディアを出して、プロトタイプ作って、使ってもらって、プロダクトにフィードバックするというところを、ぜんぶ1週間で詰め詰めでタイムスケジュールが作られていて。それを完全にやりきるパッケージが「Design Sprint」なんですけど。この仕組みがけっこういいので、いろんなことに僕は使っていて。もちろんプロダクトの方向性を作るのにも使うし。
あとは組織の、例えば僕が来月やるDesign Sprintはクックパッドに入社した人が、どうやったらクックパッドのことを理解して、社員が会社に馴染んでいけるのかなというオンボーディングのプロセスが今いけてないよねってことで。オンボーディング改善プロジェクトはDesign Sprintの形式でやっていたりします。
あとこうやってDesign Sprintはいろんな職種や、いろんなレイヤーの人が混ざっていてやってるので、僕もいたり。あとはプロダクトの人もいるし、デザイナーもいるし、人事もいるしみたいな。そういう多様な視点を入れるところでけっこうおもしろいものが作れるのが特徴です。以上が我々の説明になっています。
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