2024.10.10
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ジェネシスヘルスケア株式会社(全1記事)
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宮原武尊氏:みなさん、はじめまして。私はジェネシスヘルスケアの取締役CTOの宮原と申します。小難しい話もちょっとあったりしますけれども、なるべくわかりやすく話すようにしますので聞いていただければなと思います。
今日の流れとしては、自己紹介から始まって、遺伝子とはとか、遺伝子検査の市場、弊社のインフラはどういうふうにやっているか、という話をしたいなと思っています。
まず僕はジェネシスヘルスケアという、遺伝子検査の会社の取締役をやっていて 、台湾にブランチがあり、4月から普段はそちらで働いています。今週たまたま帰国したので、ここでしゃべらせてもらっております。
(スライドを指して)この下のところにちょっとだけ書いてあるのが、僕の遺伝子検査の結果です。肥満タイプはバナナ型で……まあよくわからないと思うんですけど。太りにくいのがバナナ型です。例えば、砂糖で太りやすい人だったり、脂質で太りやすい人だったり、そういったことがわかります。
肌タイプはTypeⅣといって、しみやしわができやすいタイプです。あとはちょっとガンのリスクが高くて、僕はスキルス胃がんになりやすいので、こういったことに気をつけていきたいなと思っています。あとは、アルコールはほとんど分解できないタイプなので、お酒も弱いですね。
性格的なところでは、遺伝子で傾向がわかります。協調性と外向性に関しては、我が道を行くタイプで、協調性がないのに外交的な……まあ見てくれを気にするタイプなので、非常によくないらしいです(笑)。自分では、そんなことはないと思っているんですけどね。これを見たときに、ちょっとがっかりしました。
この中で遺伝子検査をやったことがある方はいらっしゃいますか?
(会場挙手)
なるほど。5名くらいですかね。みなさん民間向けというか、だいたい2〜3万円くらいのやつをやられた感じですか? 病院じゃなくて。そうですよね。
弊社もそういったキットを売っています。
(スライドを指して)左下にあるキットです。パッケージになっていて、Webで買っていただくと届いて、唾液を入れて返送してもらうと、3週間〜4週間くらいで検査結果が出る、というような遺伝子検査のキットを売っています。
会社の設立は2004年で、実は15年くらい経っている会社です。まだ遺伝子検査が世の中にぜんぜんないような時代……アメリカでヒトゲノムプロジェクトというのが2003年に終了して、それが終わった次の年に日本で設立した会社です。
従業員は、国内がガーデンプレイスにオフィスがあって、そこに70人います。遺伝子の解析機器も、ガーデンプレイスの26階に置いて検査しています。解析を行うための医療機器製造販売業の認可や衛生検査所登録もされています。
海外は台湾とシンガポールにブランチがあります。ビジネスデベロップメントや僕を含めたエンジニアが台湾にいるような感じです。
遺伝子検査の結果も昔はWebだけでしたが、最近はアプリで見られるようにしていまして、(スライドを指して)こんな感じのアプリを作ってます。
左側がメインページで、左から2番目が自分の遺伝子検査の結果のリスクの表示や説明です。その次は遺伝子検査に対する、「こういう栄養素を取ると、このがんになりにくいですからね」というアドバイスです。
海外向けにも展開していて、日本がメインなんですけど、海外向けもぼちぼち売れてきているので、日本語と英語の両方がコンバートできるようになってます。
あとは会社としてDNAの日にイベントを開いたり、Rakuten Cupでチェルシーとバルセロナの試合があって、そこのスポンサーをやらせてもらいました。帯が我々の会社のロゴだったんですよ。まあ、そういうことをしてる会社です。
では、遺伝子についてお話したいと思います。
何が言いたいかというと、人の体の中には60兆個の細胞があって、その中はそれぞれ46本の染色体があります。その中には32億対の塩基対がありまして、僕たちはこれを読むことを仕事にしています。読むことであなたの傾向がわかりますよ、ということですね。
例えば、1個の遺伝子のちょっとした違いで身長の違いや太りやすさがわかります。さきほど僕はバナナ型だと言いました。その場合は太りにくいんですが、タンパク質がつきづらい体質なので、よく運動しないと太りやすい体になっていきます。肌の色も遺伝子の違いです。少しの遺伝子の違いで、こういったケースが出てきます。
お客さんから問い合わせがきて、「遺伝子検査を受けたから健康診断は行かなくていいんですか?」みたいなことをおっしゃる方がよくいらっしゃるんですけど、それは実は間違いです。
健康診断というのは、今の状態を見てくれるんです。天気予報でいうと、今どれだけ雨が降っているかということですね。遺伝子検査というのは天気予報なんですね。自分はもともとどんな体なのか、どんな体質があるか、どんな性質があるか、というのを検査します。ですので、「雨になるでしょう」みたいなことがわかると。
もともと僕はスキルス胃がんになりやすいんだな、ということがわかっていれば、その予防をすることで防ぐことができる。これは天気予報を見て傘をさすのと同じことです。そういうことを覚えていていただければなと思います。
遺伝子検査の種類もいくつかあります。2〜3万円くらいのキットというのは、民間向けの遺伝子検査キットです。それとは別に、病院で受けなければいけない遺伝子検査も存在しています。
遺伝性の疾患や薬剤の応答。要はどういう薬を飲むとどう反応するか、みたいなことに関しては、この遺伝子を見たらこの病気になるなっていうのが……そういう遺伝子に関しての検査というのは、診断行為になるので、お医者さんがやるもので2種類あります。
弊社でやっている遺伝子の解析手法についてです。
全部うちの会社にある機械なのですが、PCRやマイクロアレイ、シークエンサーなどいろいろあって、調べる遺伝子によって変えています。
2、3個の遺伝子を調べて、太りやすさを知るような検査に関してはPCRという機械を使っています。
今一番メインなのは、DNAチップの解析です。
これは1回の解析で、60万塩基の遺伝子を調べます。先ほど遺伝子は32億対あると言いましたが、ほとんどが無駄な領域です。ですので、ピンポイントでここを調べるということを設計して、それだけを読むようにチップ解析して、60万個調べていく検査があります。
あとはDNAシークエンシングといって、スポットで見るのではなく、ある領域をロングリードで読み込むようなシーケンス解析をします。これは検査によってほしい情報が違うので、使い分けてやっています。
一番フラッグシップなのが、フルゲノムです。
32億対の塩基を全部読むのがフルゲノムです。最近は我々もこの機械を購入して、今年中に1000検体くらい検査するのを目標にやっています。
弊社のインフラの変遷についてお話ししたいと思います。医療系のものにはいろいろな縛りが存在しています。ゲノム・遺伝子解析に関する事業と研究をやってる人たちは、必ずゲノム指針というものに従って、インプリメントしていくようにしています。
何が言いたいかというと、例えば遺伝情報と個人情報、要はどのお客さんの遺伝情報ですみたいな情報というのは、基本的に別のデータベースに分けて符号化してしまう。本人が特定できないように符号化したうえで、保存することが定められているような指針があります。これは厚労省が出しているものですが、これに従って我々のシステムも作ってます。
我々は、今はAWSを使っているのですが、それまではAWSをこういうゲノムのもので使うのってハードルが高くて、ニフティクラウドを使っていました。それは必ず国内にデータセンターがあるのがわかっているから、まだセーフでしょという感じでやってました。
それがここ2年くらいはマイクロサービス化させていて、そのタイミングでAWSとニフティクラウドをハイブリッドで使うような構成になりました。構成図ちゃんと書いてくればよかったんですけど、使っているサービスが多すぎるので、書ききれないなと思って書いていないです。
基本的に、データとかAPIはニフクラにまだ残しておいて、フロントの部分でAWSを使うような構成にしています。例えば、Reactで書いたソースをAmazon S3に置いておいて、その裏にBFFをAWS Lambdaで実装して、ニフクラのほうに取りいくみたいなことをしています。
一部データで重たいものを処理するときに、Amazon Auroraとかにポンと突っ込んでやったりとか。あとアプリから軽くデータを保存したりとかは、Amazon DynamoDBを使ったりしています。
(スライドを指して)これは基本的なネットワーク周りのところですね。認証周りは左下のAmazon Cognitoを使い始めました。あとはデプロイ周りのAWS CodeDeployとかも、最近はAWS CodePipelineを使ってマージしたら自動でビルドされるような構成にしています。
駆け足になってしまいましたが、最後に我々の会社のミッションを説明して終わりにしたいと思います。
Celebration of Humanityと言って、遺伝子の解析で多様性がある社会づくりに貢献したいと考えています。
例えば人種だったり、肌だったり、頭の出来の悪さだったり、いろんなものがありますけど、遺伝子がこういうものを左右するというのが、わかってきました。そこを我々は1歩踏み込んで、当然のように遺伝子検査をみんなにしてもらって、それを活用してもらって、多様性ということをみんなにわかってもらったうえで、よりよい社会に貢献したいと考えております。
ご静聴ありがとうございました。
(会場拍手)
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