2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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司会:モデレーターは、株式会社サーバーワークス代表取締役社長・大石良様にお願いいたします。それでは大石様、よろしくお願いいたします。
大石良氏(以下、大石):みなさん、こんにちは。このすばらしい「SORACOM Discovery2019」も、いよいよクロージングセッションになりました。タイトルは「バズワードを超えて 〜テクノロジー・ビジネス潮流の見極め方〜」ということで、テクノロジーやビジネス潮流の見極めに長けた3名の達人をお招きして、進めていきたいと思います。おもしろい内容がありましたら、ぜひ「#discovery2019a」でつぶやいていただけたらと思います。
では、改めてご紹介させてください。ゲストスピーカーのお三方をお招きしております。自己紹介は、それぞれ30秒ということで。
(会場笑)
小野さんからお願いできればと思います。
小野和俊氏(以下、小野):はい、小野と申します。よろしくお願いします。30秒ということで手短に。私は最初にサン・マイクロシステムズという会社に入って、そのあとすぐ1年くらいでアプレッソというベンチャーを起業してずっとやっていたんですけども、アプレッソがセゾングループに参加することになりまして。
それで会社を売って、セゾン情報システムズというところに行ってCTOをやっていて、今はクレディセゾンという金融でカードをやっている会社の取締役CTOをやっています。そんな感じでよろしくお願いします。
大石:ありがとうございます。
(会場拍手)
漆原さんお願いします。
漆原茂氏(以下、漆原):はい、ウルシステムズの漆原と申します。私は中学生のときにコンピューターに出会って以来、ずっとエンジニアです。中二病のまま大きくなりました。
(会場笑)
大学を卒業後、ずっとSEをしていました。2000年にウルシステムズを立ち上げたんですけども、社長をやりながらエンジニアをずっとやっているという、そういう人間でございます。よろしくお願いします。
大石:ありがとうございます。
(会場拍手)
玉川さん、お願いします。
玉川憲氏(以下、玉川):みなさん、本日はご来場ありがとうございます。スピーカーのみなさまもありがとうございます。私はIBMの研究所出身で、そのあとアジャイル開発のエバンジェリストをやって、それからアマゾンウェブサービス(AWS)の立ち上げをやって、そのあと創業したソラコムが4年目になります。
大石:ありがとうございます。お三方のすごさが伝わらないかもしれないので、ちょっと私から補足させてください。
まず小野さんですけども、みなさん「DataSpider(データスパイダー)」という、このETL(Extract/Transform/Load)の製品はご存知ですかね? 小野さんはあれを作られた方で、最初にサンマイクロに入られたんですけど、あまりにも優秀すぎたので本社に送られたんですよね?
小野:まぁ、ちょっと(笑)。
(会場笑)
大石:それで日本に戻ってこられて、DataSpiderという製品を立ち上げられて、それがセゾン情報システムズさんに買収されまして。でも、そこでもあまりにも優秀すぎて、今年の6月あたりに、正式に本体のクレディセゾンさんの取締役になられた。CTOになられたということですので、本当にすばらしいキャリアの持ち主です。
そして漆原さんはですね。みなさん、Javaはご存知だと思うんですけれども、20年ぐらい前のJava J2EEなどがあった時代に、まともなWebサービスやEnterprise JavaBeans(EJB)をやろうと思うと、世の中に漆原さんの記事しかなかったんですよ。
私もけっこうWebサービス……Webサービスといっても、今のWebサービスじゃなくて、J2EEのWebサービスですね。あれをちゃんとやろうと思うと、漆原さんの記事を「Java World」で読んで、「なんかWebサービスって大変だな」と思いながら書くというですね。日本のエンタープライズにJavaを浸透させた第一人者です。
最後、玉川さんは言わずもがなですね。私と玉川さんとの出会いは2010年です。玉川さんがAWSジャパンに1番目の技術担当として入られたんですね。そのとき私たちがちょうどAWSとかを始めた頃で、世の中に2人ほどしかAWSと言っている人がいないというときに、「これからはクラウドだ」という思いで全国行脚したと。そういうつながりでございます。
玉川さんもずっとAWSのエバンジェリストとして、それこそ技術のトップとしてやってこられた方で、AWSのポテンシャルだけじゃなくて、「これを使ったら実は通信経路を作れるんじゃないか」ということで、ソラコムを立ち上げられたということで。
お三方とも技術の目利きという意味では、何かある1つが当たったというだけじゃなくて、この20年間ずっと輝き続けていらっしゃる。そんなスペシャルなお三方なんじゃないかなと思います。
玉川:ちなみに大石さんはモデレーターをやっていて、自分では話さないと思うので、私が補足させていただきますと……。
(会場笑)
AWSの立ち上げのときから。本当に早い時期ですね。私がAWSに入る前からAWSに取り組まれていて、数年もすると「御三家」と言われるようになりました。そして、なんと最近上場されまして、260億円ぐらい……。
大石:そのぐらいですね。
玉川:おめでとうございます!
大石:ありがとうございます。
(会場拍手)
大石:これは打ち合わせになかったですけど、私なにかおごらないといけないですかね?
玉川:ああ、後で……(笑)。
(会場笑)
大石:冗談はさておきまして、さっそくいきたいと思います。「技術の目利き」というのが、これまでになく重要になってきていると思います。お三方は、過去の技術の目利きでも成功されてきたと思うんですけれども、その時に重視していたことや、なぜその技術を選択したのかというところを順番に聞いてみたいと思います。小野さん、どうですか?
小野:そうですね。技術の目利きという意味だと、今日のタイトルで「バズワード」みたいな言葉が入っていましたよね。注目される技術で「こういうのがきた」とか、「こういうフレームワークが今イケてる」とか、「こういうライブラリがすげぇ」とか、「このクラウドのサービスが」というものはものすごくいっぱいあるじゃないですか。
その中で選んでいかなきゃいけないわけですよね。まぁ、ここにいる人はみんなエンジニアなので、同じような答えになるかもしれませんけども、やっぱりコードを書いてみないと、実際それがどれくらいフィジビリティがあるのかはわからないので。
だから、私自身もそうですし、あとはチームのメンバーの人から「こういうのがめちゃくちゃおもしろそうだ」という話があったときには、とりあえずコードを書いてみて。セゾン情報システムズのときに、ブロックチェーン系とかでラボみたいなものを作っていたんですけど、やっぱり中には「まだ実用で使うにはデバッグが少し面倒だな」とか、「デプロイがけっこう大変だな」というのがありました。
そういう技術の本質じゃないところで、エコシステムとかを含めて「ちょっとまだ早いかな」みたいな判断ってあると思うんですよ。
そういうのってコアコンセプトとかで見ても判断できないので、触ってみて、実際どれくらいのところに使えるのかという、手応えみたいなものを判断するのが、一番の基本なのかなという感じはします。
大石:なるほど、おもしろい。まず書いてみるということですね。それでいうと、実際に四半期速報をJSON(JavaScript Object Notation)で書かれている漆原さんは?(笑)。
漆原:めんどくさくなったのでJSONで開示してみました。
(会場笑)
私は「次にこんな技術が来そう」というものは、必ず一次ソースにあたっています。一次ソースというのは、どこかのメディア経由で聞いたものではなく、オリジナルの人たちに聞くということです。なんでこういうコードを書いているのか、どうしてこういう設計にしているのかをすごく聞きたいんですね。
どう動くかはマニュアルを見ればわかるんですけど、「どうしてこれを作っているのか」というのをものすごく知りたくて。だから海外であろうが、そこに直接訪問して聞きに行く。この人が本物かどうかとか、どれだけ変態かどうかとかですね。変態であればあるほど、本物に近いというのが僕の信条なので。そこで判断していますね。
大石:その文脈で、実際に「こんな人に話を聞きに行った」とかってあります?
漆原:いっぱいありますよ。例えば、Javaの世界だとジョシュ・ロングさんやカーク・ペッパーダインさんいわゆる世界のJavaチャンピオンはものすごく仲がいいです。個人でつながっているので、このあいだも日本に来たときに、みんなでうちにビールを飲みに来ました。
大石:え~(笑)。
漆原:お互いにそういうつながりなので。この人たちにいろいろ聞くと、「次こんなのイケてるんじゃない?」とか、「あそこらへんのやつらがおもしろいから話してみたらいいよ」って教えてくれるので、また直接つながれる。
技術の世界って意外と狭いんですよね。日本も本当に狭いと思うんですけど、このコミュニティ系の人脈とか、技術系のハッカー同士の人脈って、非常に狭いなと思っています。
大石:なるほど、ありがとうございます。じゃあ最後、変態代表として。
玉川:さっき質問を見たときに考えたんですけど、私は目利きが得意なのかなといったら、実は得意じゃないなと気づいたんですね。AWSまでうまくいったことがなかった。
IBMの基礎研にいたときも、2000年代にウェアラブルコンピューティングをやっていたんです。そのあとユビキタスコンピューティングをやって、UMLをやっていて、それからアジャイル開発。どれも日本で流行らなかったものを全部やってきて(笑)。AWS、アジャイルは最近ですよ。早すぎて。
(会場笑)
それが言いたくて。タイミングってすごく大事だなと思って。どれだけいい技術をやっても、マーケットのタイミングというのがすごく重要なんですね。じゃあ、それはどうやって見分けるのかと。この技術はすごく良くて、なおかつタイミングが合ってるのか。これって成長の速度・進化の速度じゃないかなと思っていて。
なんでAWSに入ったかというと、「このサービス、すごく成長してるな」「どんどん進んでるな」と。そこに間違いなく確信を持てたので。だから、やっぱり進化の速度を見極められるのか、ということがすごく重要なのかなと思います。
大石:なるほど。おもしろいですね。技術だけじゃなくて、タイミングも大事だと。
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