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それ生産性あがりますか? 2020年の新常識を問う ~生産性とセキュリティの矛盾を乗り越えろ~(全1記事)

「生産性向上」と「セキュリティ強化」は両立できる IDを中心としたヒューマンセントリックなデバイス管理方法とは

2018年7月19日〜20日、ソフトバンクグループ最大規模の法人向けイベント「SoftBank World 2018」が開催されました。初日となる19日には孫正義氏による基調講演が行われ、その後は40近いセッションが各ホールにて繰り広げられました。本記事ではソフトバンク コマース&サービス株式会社による講演「それ生産性あがりますか? 2020年の新常識を問う ~生産性とセキュリティの矛盾を乗り越えろ~」の模様をお送りいたします。

2020年は5Gによるモバイルワークが活発になる

大塚正之氏(以下、大塚):みなさま、こんにちは。今日はご来場ありがとうございます。ソフトバンクC&Sの大塚です。

今日は「2020年に向かって」ということで、実は2018年のトピックの中に1つ大きなニュースがあるので、それについてさっそくお話をしたいと思います。

10年前のことを思い出してください。2008年はとても大きなできごとがあった年で、あのiPhoneが国内で展開されたのが、2008年の7月なんです。あれから10年が経ちました。そして、今年の1〜3月のニュースなんですけれども、なんとガラケーの出荷がゼロだった月があるそうです。

10年が経って、「スマートフォンが当たり前の時代になった」と言っても過言ではないでしょう。みなさんも当たり前にスマートフォンを持っていますよね。僕もいま持っていますけれども、スマートフォンシフトが起きたのがこの10年です。

では、その先、2020年には何が起きるのか。これからちょっとだけ未来の話をしていきたいと思います。

生産性を上げる方法は人それぞれ

本日の展示ブースの中でもあったと思いますが、2020年にはインターネットが5Gになると言われています。デジタル変革が起きて、ビジネスが進んでいくにあたって、まず1つは「業務がデジタル化していく」ということですね。デジタルトランスフォーメーションについて、いまいろいろと言われています。

データをどんどんやりとりするにあたって、まず大容量の通信ができるようになります。5Gの登場によって、パソコンで仕事をするだけではなくて、テレビ会議をしたり、遠隔の人とやりとりをしながら意思疎通が図れるようなります。つまり、遠隔でのコミュニケーションがどんどん活発になるんじゃないかと私は思っています。

ここで出てくる単語として、ぜひ覚えていただきたいのがモバイルワークです。テレワークという言い方もあるかもしれない。でも、私はあえてモバイルワークという言い方をします。

場所や状況によっては、(パソコンより)スマホのほうがいいときってありませんか? 例えば今日、私がこの会場へ電車に乗って移動している時に時刻表を見るなら、パソコンよりスマホのほうがいいですよね。でも、今日みなさまに発表するためのこのスライドを作っている時は、スマホではなくてパソコンのほうが使い勝手がいいですし、客先で商談する時にはタブレットがいいかもしれませんね。

人それぞれの効率のいいやり方があると思うんです。会社側が1つの使い方に固定して統一してしまうよりは、人それぞれ、よりよい生産性を上げられるやり方を、これから模索していく必要があるのではないかと思います。

時間を有効活用できるモバイルワーク

ある質問を400人の方にしました。「モバイルワークは必須ですか?」「モバイルは業務に欠かせませんか?」「スマートフォンをお持ちですよね、どうですか?」と聞いたんですね。

そうしたら、なんと、ほとんどの方が「モバイルは必要だ」とお答えになりました。頭ではわかっているんですね。続いて「実際はどうですか?」という質問をしたんです。(スライドを指して)この回答を見てください。リモートワーク、モバイルワークなど、なんらかのかたちで遠隔で仕事をするのを、7割の人がもう取り組んでいるんですよ。実際に動き出してるわけです。

さらに追い討ちをかけて「実際にやってみたらどうでしたか?」という質問をしました。なんと、4分の3の方がモバイルワークにメリットを感じていらっしゃいます。75%の方が時間を有効活用できていると言っているんですね。他にもいろんな回答があったんですよ、上から下までズラーッと。でも、この「時間の有効活用」だけはダントツに多かったです。

みなさま、頭ではわかっているんですね。そして実践もされている。モバイルワークのメリットを感じていらっしゃると思うんです。これから労働人口も変わってくるので、それぞれ働き方は多様化していきますよね。そうすると、さまざまなデバイスを使い分ける時代がやってきます。

つまり、最初からモビリティ前提の働き方を考えていく必要があると思います。後付けで「そうだ、モバイルに対応しなきゃ」「スマホにならなきゃ」と考えるからややこしくなる。そうじゃない。最初からこの、モビリティを意識した働き方を考えていく必要があると思うんです。

クラウドがなければ10年前に先祖返りしてしまう

モビリティをどんどん推進していくと、もう1つセットで出番となるものがあります。なんでしょうか?

例えば、私はすでにパソコンのMacとスマートフォンを2台持っている状態なんですけれども、あるものがないと10年前に戻ってしまうんです。なんだと思いますか? これらのガジェットがただのガラケーにならないように、ちゃんとしたインターネットマシンとして活用するために必要なものはなにか。

はい、「クラウド」ですね。みなさんもお気づきだと思います。予定表やメールの簡単なチェックはスマホでやっていませんか? 会社でのメールのやりとりはパソコンでやっているかもしれませんが。

インターネットにアクセスできる端末があれば、いつでもどこでも簡単に情報を取り出せる。それはクラウドがあるから。さまざまなクラウドサービスが増えていますね。今日の展示会場にも、いろんなSaaSのメーカーさんがいらっしゃいます。

とにかく、インターネットにアクセスできるデバイスがあれば、いつでもどこでも情報を簡単に取り出せる。これからは、モバイルとクラウドを組み合わせ、迅速な意思決定をしていくということが欠かせなくなっていくと思います。

人員増減に伴う柔軟な課金体系と、その提供スピードがクラウドの強み

先ほど「モバイルは欠かせない」と言ったお客様に、「クラウドはどうですか?」と聞いたんです。その結果、ほとんどの方が「SaaSやクラウドのアプリケーションは欠かせない」とおっしゃいました。頭ではわかっているんですね。

次に「実際にクラウドのアプリケーションを使っていますか?」「クラウドのいいところはどこですか?」と質問をしました。実感されていることは大きく分けて2つあって、人員の増減に伴う柔軟な課金体系と、提供スピードが速いことです。

それにこれは管理者の都合かもしれませんが、「パソコン以外からも使えること」という答えが出てきたのにはびっくりしました。どういうことでしょうか?

例えば、オフィスではパソコンを使って仕事をしていました。そこから移動します。移動している間にも続きを行う、予定表をチェックしたりしますよね。スマホなどいろんなデバイスを使って、クラウドにつながっていれば仕事は継続してできる。時間の有効活用ができる。それに対して、メリットを感じていらっしゃる方がこれだけたくさんいるんですね。

2020年に向けてクラウドシフトが起こっている

では、「どんなクラウドを使ってるのか?」と質問したんです。これは去年のパネルでも説明したんですけれども、たくさんのクラウドを使っていますと。一般的には「Office 365」が出てくると、クラウドでメールを書くとか、予定表の共有といったことが出てくると思うんですよね。でもそれだけではなくて、最近伸びてきてるのは、セールスフォースなど、メールや予定表の共有以外のクラウドの活用がとても進んでいます。

去年と比較して突出して多かったのが、Dropboxのようなファイルを共有するサービスで、とても大きく伸びていますね。このようにメール以外でもクラウドシフトが起きていることをご理解いただけたらと思います。

実際に、3割の方が複数のアプリケーションをクラウド上で使っているんですよ。メールに営業管理と、複数を組み合わせている方が3割もいらっしゃるんです。これだけクラウドシフトが起きている、ということを理解していただきたいですね。

2020年に向けてとても大事な要素の2つ目は、デバイスの中だけではなくて外で行う業務として、クラウドのアプリケーションをどんどん使っているということです。こういうことについてもしっかりと理解をし、押さえていかないといけないと思います。

クラウドの不安材料はセキュリティ対策

でも、気になったところがあったんです。残りの7割の人は複数のクラウドをまだ使っていないんですよ。それはなぜでしょうか? 複数のクラウドを使わず、たった1つしか使っていないんです。

そこで「なぜ複数のクラウドを使っていないんですか?」と聞いてみました。すると、「やっぱりセキュリティ対策が不安だから、クラウドをやたら使うのはまだちょっと……」とおっしゃいました。

例えば「パスワードが流出する事故が起きたらどうするんだ?」「なりすましの対策はどうしたらいいだろう?」「クラウドがいいことはわかっているんだけど、セキュリティに問題がある」というご意見をいただいております。

そこで、この会場のみなさんも、ちょっと胸に手を当てて聞いていただきたいんですね。みなさんはパスワードをいくつお持ちですか? 多くの人はだいたい、パソコンやスマホ、もしくは社内でのイントラシステムのパスワードなどで、だいたい4〜5個はお持ちだそうです。

それに対して「覚えられるパスワードはいくつですか?」と質問したところ、なんと驚きの2〜3個という方が7割なんですね。7割の方が2〜3個しか覚えられない。この会場でいうと、3人のうち2人ですから、もしみなさまの中で「私は大丈夫」と思っても、その隣の方がドキドキしているかもしれません。「パスワードを覚えきれないんじゃないか?」という不安をお持ちのみなさま、どうしていますか?

(スライドを指して)この絵では、クラウドのアプリケーションとしてメールのOffice 365、営業管理のセールスフォース、経費精算のConcurの3つを使っています。そうすると、クラウドに預けているパスワードは3つ。管理しなければいけないパスワードも3つですね。2〜3個は覚えられるから、まだ覚えられる。

でも「この先どんどんクラウドを活用していこう!」「名刺管理のSansanも使っていこう」など、いろんなクラウドを使っていって、パスワードが4個、5個、6個と増えていったらどうしますか? 管理が大変ですよね。どうしていったらいいのか。これは、これからとても大きな課題になるんじゃないかなと思います。

パスワード管理が課題となるクラウド活用

そこに、もう1つややこしいトピックが加わります。この4月にニュースが出ました。今までみなさまは、情報セキュリティの基本中の基本として「パスワードを盗まれないために、定期的にパスワードを変更しましょう」と言われてきたと思います。しかしそのニュースでは、「パスワードは変えてはいけません」と発表されました。

「パスワードを変えてはいけないって、いったいどうしたらいいんですか?」というと、ポイントは3つですね。まず、パスワードはむやみに変えない。なにか問題があったら変える。その代わり、とても強固なパスワードにしてください。難しいパスワードにしてください。そうすれば破られにくい。また、使い回しは禁止です。こういった方針に変わってきております。

でも、ちょっと疑問です。これって大変じゃないですか? 例えば、あるクラウドのベンダーさんでは最低8文字以上で、アルファベットの大文字・小文字を含む必要がある。また違うベンダーさんは12文字以上で、大文字・小文字に加えて数字も使う。さらに、あるベンダーさんでは大文字と数字と記号を使わなければいけない。クラウドベンダーによって、このパスワードポリシーはバラバラなんです。

さっきのように頑丈なパスワードを作って、さらにこれらを使い回さないように、別々のものを覚えていかなければいけないんです。みなさんは覚えられますか?

クラウド活用はこれからも進んでいきます。しかし社外で動くクラウドアプリケーションが増えれば増えるほど、パスワードの管理をどうにかしなければいけない。これが課題だと思います。

ということで、ここまで3つ挙げてきました。まず、2020年に向かって、デバイスが多様化します。そしていろんなアプリケーションがデバイスの外で動いていきます。それに伴って、IDがたくさん氾濫していく。モバイルワークを推進するにあたり、考えておかないといけない要素が複雑に絡んでくるんですね。

クラウドを入れて新しいIDをつくると、必ず言われることがありますよね。必ず起きる問題。それは、自由と管理なんです。利用者の立場になれば、「すごくいいものだから、新しいクラウドをどんどん使いたいね」と思うかもしれません。

でも、管理の都合で「いや、うちでは管理しきれないから使うのはダメです」と蓋をされてしまう。そうやって、生産性を上げるための可能性を潰していいんでしょうか。もったいないですよね。

モバイルワークの懸念材料もセキュリティ対策

私はクラウドの話をしていますが、実はモバイルワークの世界でもすでに小競り合いが起きているんですね。ここまででモバイルワークを使ってよかったと思うことと、懸念材料のトップ3をピックアップしてきました。

まず1つ。セキュリティですね。時間の有効活用については、先ほど申し上げたとおりです。でも、その反面で一番の懸念はなにかというと、セキュリティなんです。

利便性を上げるためにセキュリティをノーガードのように緩くしてしまえば、確かに便利だけれども、リスクは高まりますよね。情報セキュリティのリスクは、個人情報漏洩など、いろんな問題が絡んできます。だからといって、ものすごく固いセキュリティと固いパスワードを採用して、めんどくさいお作法をいっぱい加えていったら、それをみなさんは使いますか? 本音を言うと、そんなシステムは使いたくないですよね。

こうして矛盾するんです。新しいクラウドアプリケーションに移行しようとして「うちはこれから経費精算のシステムをクラウドにシフトするぞ」と言うたびにセキュリティの問題が出てくる。でも、いつまでもこんな対立をしていたら、生産性なんて上がらない。

この矛盾はどうすれば乗り越えていけるのか。そして、IT活用は本当に生産性向上のための道具になりうるのか?

といったところで、1つデモンストレーションを交えてお話をしていきたいと思います。ここからは、vExpertの増田さんにうかがっていきます。増田さん、よろしくお願いします。

増田立夫氏(以下、増田):よろしくお願いいたします。

サービス個々ではなく、そのサービス群全体を使うという発想

さっそくなんですけれども、増田さんはこの矛盾をどう考えているでしょうか? VMwareではどうなのか、教えてください。

増田:そうですね。みなさん、VMwareというとだいたい「仮想化」というイメージがあると思うんですけれども。実際にはそうではないんですね。それが、次のスライドに出てきます。

(スライドを指して)こういった机のイメージです。机の上に使いたいものがあるので、みなさん自由に使ってくださいと。今回の展示にもいろいろあると思うんですけれども、例えばSlack、LINE WORKS、セールスフォースなどいろいろあります。

こういったかたちでクラウドのサービスをたくさんご利用になられても、この机だけを使うとご理解いただければ、パソコンやスマートフォンなど、どこからアクセスしても同じサービスが表示されます。この机を使っていただくサービスを、いまVMwareでは提供されています。これがWorkspace ONEです。

Workspace ONEならシングルサインオンが可能に

大塚:なるほど。わかりました。私がさっきから何度も何度も言っていますが、「クラウドを使うとパスワードがカオスになる」という課題について、このWorkspace ONEではなにかいい方法がありますか? 

増田:そうですね。先ほどの机にアクセスすることで得られる価値についてデモンストレーションしたいと思います。

(スライドを指して)こちらはWindowsの画面です。例えばOffice 365を使うとき、検索エンジンでまず検索していただくと思うんですけれども。「Office 365 サインイン」とかで検索していただいて、最初はこんな画面からOffice 365を使っていくと思います。

最初にメールアドレスを入力していただくのは、SaaSのサービスではよくあると思います。通常だとメールアドレスを入力したあとにID・パスワードを求められると思うんですけれども、ここで先ほどの机の魅力が出てくるんですね。

画面が切り替わりました。ここからが重要なポイントで、パソコンにログインする時のIDとパスワードをこのまま入力していただければ、アクセスすることができます。

つまりOffice 365のID・パスワードを覚えていただくのではなくて、今みなさんがお使いのパソコンのID・パスワードを再度入力していただくだけで、簡単にアクセスすることができるんですね。

大塚:Office 365のログインID・パスワードやログイン方法のURLを覚えなくても、簡単にアクセスができてしまう?

増田:はい、その通りです。

大塚:なるほど。さっき私は「パスワードを3つ覚えなければいけない」と言ったんですけれども、これがあれば、1個のパスワードさえ覚えておけばいいということですね。Workspace ONEのシングルサインオンと、パソコンのパスワードが連携しているということですか?

増田:そうなんですよ。通常パソコンはアクティブディレクトリという仕組みで管理されています。それがパソコンを使う時のID・パスワードなので、それをご利用いただいて、すべてのSaaSサービスを使っていただくことが実現できます。

大塚:クラウドアプリがどんどん増えても、ここだけ覚えておけばいいと。すばらしいですね。

デバイスごとに適切な認証方法でアクセス

大塚:もう1つ質問です。今のはパソコンからのログイン画面で、Windowsだったと思うんですけれども。例えば私はiPhoneを持っていて、スマホシフトのデバイスもいろいろあります。これが他のデバイスだとどうなりますか?

増田:はい、次にiPadの画面をご用意しました。今回は入り口が異なってくるんですけれど、同じようにWorkspace ONEを使っていきます。これはミソなんですが、最近のiPadには指紋認証がついていると思うんですね。指紋認証を使っていただくと、また同じような画面が出てきます。

ここで私の利用が許可されているOffice 365をタップしました。すると、ここからは先ほどの指紋認証1つで認証が始まっていていくんですね。こういうかたちでもアクセスができます。

iPadの場合は、文字入力はけっこう大変ですよね。そういったときに指紋認証という強力な味方を机と統合して、SaaSを使うということが実現できます。デバイスが異なっていても、適切な認証方法を使ってアクセスができるということで、電車の中でOffice 365を簡単に使うことが実現できるようになります。

大塚:ちなみに最新のiPhone Xは「Face ID」がありますけど、いけますか?

増田:そうですね、顔で認証することができます。

大塚:なるほど。このiPhoneは古いから、早く新しくしたいな。

増田:そうですね(笑)。

アクティブなパスワードを盗まれてしまったら……?

大塚:わかりました、ありがとうございます。パスワードが1つにまとめられるのはとても便利だとわかるんですけれども、インターネットにつながる端末で、もしもそのアクティブのパスワードが盗まれてしまったら、全部終わりになりませんか?

増田:そうではないんですね。

大塚:なるほど。何かいい対策があるということですね?

増田:はい。すばらしいものをご用意しました。お見せしたいと思います。(スライドを指して)これは、Macの画面になっているんですけれども、右側がiPhoneの画面です。それで、左側のブラウザで表示しているものの中から、同じようにセールスフォースを今開いています。

セールスフォースは取引の情報やお客様の情報が詰まっているので、普通には使わせたくないんですが、これは何が起こっているかと言うと、機密情報が高いのでスマートフォンに対して「本当にアクセスしますか?」ということを聞きに行っています。

その時、同じように指紋認証があって「本当に本人ですか?」ということを確認します。ちょっと下の方に、青くなっているんですけれども、「承認します」を選ぶと、左側の画面が切り替わって、セールスフォースにアクセスすることができるんですね。

適切なパソコンで適切な認証ができるようになり、しかも必要最低限のものでできるので、例えばセールスフォースで「どうしてもセキュリティを高くしなくてはいけない」という時には、今のような2要素の認証で「OKだよ」としてあげることで、サービスを使えるようになるという利点が生まれます。

私物デバイスには段階的なアクセス許可が可能

大塚:2つ質問です。

増田:はい。

大塚:私はスマホを持っていますが、この会場の中にはまだガラケーという人がいるかもしれません。これはどうしますか?

増田:ガラケーの方でも、ショートメールがありますよね。ショートメールで数字6桁が送られてきます。今回はデモンストレーションができないんですけれども、そういったかたちで、送られてきた数字6桁を入力していただくと、同じようにこれを実現できます。

大塚:携帯電話さえ持っていれば、2要素認証ができるということですか?

増田:はい、その通りです。

大塚:ではもう1個、意地悪な質問です。アプリケーションによっていろいろいじれると言っていたんですけれども、Office 365のシングルサインオンをやっていて、ある日突然「やっぱり2要素認証も入れたいな」と後から思った時に、Office 365側で特別な設定は要るんですか?

増田:本当に意地悪ですね。

大塚:ふふふ(笑)。

増田:今もいろいろな認証がいろいろパッパパッパと行われていますけれども、裏側で1つ変えていただけるだけで、例えば「明日から2要素認証にしよう」ということも可能です。

大塚:なるほど。では、手軽にセキュリティを固くすることができる?

増田:はい、もちろんです。

不正アクセスができない仕組み

大塚:もう1個。セキュリティについて、私は会社の携帯の場合ということでお話をしてきましたけれども、私物のスマートフォンもインターネットにつながるんだから、クラウドにつながると思いませんか? 普通は思いますよね。私物デバイスをつないだ時は、どうなるんですか? 大丈夫ですか?

増田:大丈夫なんですよ。それを今からデモンストレーションしたいと思います。

(スライドを指して)これはAndroidのタブレットです。ゲームなどが入ってるんですけれども。先ほどの机がインターネット上にあるので、それさえ知っていれば、どこからでもアクセスできます。そして、パソコンを使ってる時のID・パスワードを使えるので、私物のデバイスからアクセスできますよね。

これで進んでいくとどうなるのかですが、もちろん先ほどと同じように、机にある使いたいものが一覧で表示されます。ここから先ほどと同じように、セールスフォースを表示していきます。

先ほどの例で考えると「不正アクセスができてしまうのではないか?」と思われるかもしれないんですけれども。ここがVMwareの机の特徴で、「アクセスは拒否されました」と表示されれるんですね。ちなみに、英語で小さく「あなたのデバイスを会社に登録してください」と表示されているんですね。

ということなので、例えば会社で「BYODをします」という時に「私物のデバイスでも、登録さえすれば使わせますよ」といったことも実現可能なんですね。もちろん一概に使わせないようにするというわけではなくて、基本的には使わせないけれども、段階的に許可することも可能になります。

大塚:例えば、私物デバイスではSlackでの簡単な開発情報の共有はOKだとしても、「機密情報だけは会社のデバイスじゃないとダメ」ということができるんですね。

増田:そうですね。

生産性向上とセキュリティ強化を両立できる

大塚:これは事前に増田さんから教わっていたんですけれども、つまり登録されて認められたデバイスだったら簡単にシングルサインオンができるんですね。

増田:そうですね。

大塚:登録されていないものは、Workspace ONEが「このデバイスは登録されていない」と判断し、そこから先に行かせてくれないと。

増田:はい、その通りです。

大塚:MDM(モバイルデバイス管理ツール)と言われるような、デバイスを管理する仕組みと認証の仕組みが一緒になっているものがWorkspace ONEだということなんですね。

増田:その通りです。

大塚:ありがとうございます、いくつかデモンストレーションをさせていただきましたので、ここで振り返りたいと思います。

クラウドの活用がたとえ増えたとしても、アプリケーションのポータルで、ユーザーさんは簡単にログインができる。そして管理者がユーザーさんに教えるログイン方法はとてもシンプルで、シングルサインオンでIDをまとめると。

ユーザーからすれば、覚えるパスワードはたった1つだけでいい。しかも、かつアクティブですね。使い慣れたパスワードでいいんですから。それがおもしろいところですね。つまり、覚えるパスワードは1つでいいから、管理するパスワードも1つでいい。

さらに特長はセキュリティの強化です。ユーザーはセキュリティを意識する必要がないんですが、その裏側ではなりすまし防止や不正なデバイスを排除するなどでシステムが動いている。デバイスの設定をジェイルブレイク(脱獄)しているとか、怪しいものを簡単に排除することができる。つまり、VMwareのWorkspace ONEなら、生産性を上げるということと、セキュリティを上げるということが両立できるんじゃないかと。

きれいにまとめると、ユーザーにはいろんなデバイスでいろんなアプリケーションをどんどん自由に使ってもらいたい。でも、管理はシンプルに、便利に、横断的にちゃんとやっていきましょう。これを両立していくのがWorkspace ONEだということですね。

増田:はい。そのとおりですね。

大塚:わかりました、ありがとうございます。詳しくはVMwareのブースでガッツリとデモンストレーションをやっておりますので、あとでブースに来ていただけたらと思います。

増田:はい、私がいますのでなんでも聞いてください。

今後必要なのはヒューマンセントリックなデバイス管理

大塚:増田さん、ありがとうございました。いろいろとお話をしてまいりましたが、そろそろまとめに入っていきますね。

2020年の新しい常識として、どうやってITを整えていけばいいか?

業務のすべてがデジタルに移行していくに伴って、「必要な情報をもっと迅速に、手軽に取り出したい」というニーズは圧倒的に増えていきます。さらに、人々の働き方が多様化していきます。

ですから、アプリケーションや使う場所やデバイスが、どんどん多様化していく。とりわけITを取り巻く環境というのはもっとカオスになってくるんです。

そういう時代に、従来通り「このデバイスではこのアプリケーションを動かしていい」「このデバイスではこれを許可する」といったやり方で、果たしてやっていけるのか。

デバイス管理はもう限界だと私は思います。「あれも入れたい」「これも使いたい」こんなわがままにいちいち答えられません。デバイスとアプリケーションやデータを紐付ける、そういうことをやっていくのはもう大変なんです。だったらどうするか。

そうではなく、誰がどの情報にアクセスをしていいか、それをコントロールするがための手段として、デバイスで制御するということをやっていきます。本質は何かというと、人とアプリ、データなんです。つまり、IDを中心に管理していけば、人とデータの紐付けは簡単にできるわけです。いわゆるデバイスセントリックではなく、ヒューマンセントリックな管理が必要だと思います。

そして新しいデバイスと、デバイスの外にまで広がるアプリケーション、さらにはそれに紐付くたくさんのID。これらを従来の方法で個別で管理していくから大変なんです。そうではなく、横断的に管理していきましょうと。管理の都合で、このITの速度を減速してほしくないんです。

ぜひこの矛盾を両立してほしいです。そして、新しいアプリケーションをどんどん活用して、生産性を上げていただきたい。

新しいチャレンジができる器をどこまで大きくできるか。「これも使っていいよ」「どんどん使いなさい」、その器が大きい会社にこそ、成長する伸びしろがあるんじゃないでしょうか。ぜひチャレンジしていただきたい。

ビジネス拡大の後押しをするデジタルワークスペース

大塚:VMwareのWorkspace ONEは、多様化する利用環境に合わせて、さまざまなデバイスやアプリケーション、そしてIDをベースにアクセスコントロールするということと、どんなデバイスからも必要なアプリケーションを安全に呼び出すことができるという、利用者の使いやすさとセキュアな管理を両立することができます。自由と管理は、絶対に矛盾しません。両立できるんです。

ということで、2020年に向けてこの先の働き方がどうなっていくのか、デジタルワークスペースと言われるものがどうなるのか。イメージ動画を用意させていただきましたので、見ていただきたいと思います。

(映像を再生)

テロップ:デジタルワークスペースとはなんでしょうか? 私たちが手にするさまざまなデバイスからアプリケーションやサービスにアクセスし、どこからでも仕事ができる環境のことです。そこには更なる可能性が秘められています。

デジタルワークスペースはビジネスを大幅に変革します。今まで考えられなかった方法で情報を取得し、人々とつながることを可能にします。新たなビジネス機会の創出や、これまでにないコミュニケーションの形成、業務の効率化はもちろん、会社支給のデバイスと個人所有のデバイスに新たな連携方法をもたらし、ビジネスの拡大を後押しするのです。

コンシューマー製品のシンプルさと、企業に必要なセキュリティを実現。デジタルワークスペースは、今ここに。

「情報革命で人々を幸せに SoftBank C&S」

(映像終了)

大塚:ぜひみなさまと一緒に、幸せな2020年を迎えられたらと思います。ありがとうございました。

(会場拍手)

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