2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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谷本有香氏(以下、谷本):ただいまご紹介にあずかりました、フォーブスジャパンの谷本有香と申します。みなさまたいへん楽しみにされていたセッションだと思いますけれども、「Go Global 2020年に向けたアプリビジネスの展望とは」と題しまして、これから1時間にわたってお聞きしていきたいと思います。
この4人で1時間って絶対足りないですよね。絶対無理だと思います。でも、ちゃんとエッセンスをぎっしりと詰めておうかがいしていきたいと思います。
自己紹介はご自身でしていただくということでご準備いただいています。私は、フォーブスジャパンの副編集長をしております。
では、続いて、Tencentのシン・ジュノ様は、Business Development Platformのディレクターをされています。自己紹介をよろしくお願いいたします。
シン・ジュノ氏(以下、シン):はい。はじめまして。Tencentのシンです。今、日本と中国で事業開発をやっております。
(スライドを指して)これはTencentの2016年の売上の推移ですけれども、だいたい毎年40〜50パーセントずつ伸びてまして。去年の売上がたぶん3兆円ぐらいでした。
これはTencentが今世界で何をしてるかというページです。弊社の一番大きく有名なアプリとしてはQQとWeChatというのがありまして、MAUはWeChatが9.8億人、QQが8.6億人くらいです。
今、3万5,000人がTencentで仕事をしてまして、60パーセントがエンジニアで、平均30歳。オフィスはいろいろありますが、基本的には中国に拠点を置いていて、日本、韓国、台湾、アメリカ、ヨーロッパのオフィスは事業開発の拠点としています。
Tencentの組織図なんですけれども、今、3万5,000人で、本部が7つありまして、私らが属しているのがエンタメ本部。その中で私はTencent Gamesというところに属しておりますが、基本エンタメの事業をやっております。
なぜ日本にオフィスを作ったかというと、日本の優秀なコンテンツを中国の人たちへ送るためです。日本のオフィスでは、出版社様とかゲーム会社様、アニメの制作会社様とお話をしながら、どんどん日本の優秀なコンテンツを中国に持っていくということをやっています。
(スライドを指して)今まで弊社が取り組みをさせていただいている企業様のロゴをいくつかあげておりますが、日本は一番右ですね。Aimingさん、カプコンさん、バンダイナムコさん、集英社さん、講談社さんなど。
日本はほぼ30社ぐらいのエンタメ企業様と、今まで50件ぐらいの案件をやってきました。日本でやってきた案件ですが、『パズドラ』『モンスト』はがんばりましたが、ちょっと結果的にはうまくいかなかったつらい記憶があります。今は、『NARUTO』『FAIRY TAIL』『進撃の巨人』『聖闘士星矢』のIPをいただいて、中国でゲーム化して、ゲームごとに月間3桁億ぐらいの売上を出してる状況です。
谷本:はい。ありがとうございました。では続いて、株式会社メルカリ取締役社長COO、小泉文明さんです。自己紹介と事業内容をお願いします。
小泉文明氏(以下、小泉):いやー、Tencentすごいですね。でかいね。ちょっとうらやましいもん。だって(売上が)3兆円とかもあって、毎年40〜50パーセント増えてるんでしょ? もう国家予算じゃん。
(一同笑)
すいません(笑)。メルカリの小泉と申します。よろしくお願いいたします。じゃあスライドをスタートしていただければと思うんですけれども。
僕らの会社ですね、先週ちょうど5周年を迎えまして、今……。
(会場拍手)
ありがとうございます。今、日本とアメリカとイギリスでビジネスをやっています。社員数としては、グローバルで800名ぐらいいまして、国内が600名ぐらいです。半分ぐらいがカスタマーサポートです。
去年の12月に、ダウンロード数がグローバルで1億というのを達成しまして、(そのうち)6,000万ぐらいが日本ですね。アメリカが3,000万強。UKは去年始まったばっかりなのでまだ数百万強なんですけれども、アプリベースで数多くの方々に利用していただいています。
今、日本だけで1日にだいたい100万品以上の出品があり、非常に多くの方が売買をされています。
ストラテジーは大きく3つ設けてまして。1つ目はまず、ベースになるのはメルカリ自体の成長という、(スライドの)真ん中のほうですね。例えば、去年メルカリチャンネルというライブコマースを始めたり、メルカリNOWという買い取りをやったり、まずメルカリというのをきっちり伸ばしていきましょうと。
そのなかで、2つ目としてグローバルですね。UK、USにも力をいれていきたいです。最後3つ目ですけれども、国内でも、このあと新規事業がいくつかデビューしますので、こういう新規事業もやって会社を伸ばしていきたいです。
(スライドを指して)次のページはとくに新規事業系の話なんですけれども、メルカリ自身はモノとモノのC2Cですね。新規事業系は、モノとモノだけじゃなくて、ヒトとかノウハウであるとか、そういうみんな持ってるアセットというのは、モノだけじゃなくていろんなものがあるので、そういうものも流通させていきたいなと思っています。
それを真ん中でつないでいるのがID。そして、このIDの中には決済の情報であるとか信用情報がたまっているんですけれども、このIDにひもづいた決済のところを外部に出していこうというのが、メルペイという決済系のサービスの構想です。
こういったかたちで私たちのエコシステムというか、メルカリ自身の影響力を広げていきたいなと思っています。以上です。
谷本:はい。ありがとうございました。では続いて、dely株式会社社代表取締役CEO、堀江裕介さんです。
堀江裕介氏(以下、堀江):はい。お願いします。delyという会社で、もともとデリバリーのサービスをやっていたので「dely」という名前なんですけれども。
今やってるのは「クラシル」というレシピ動画のサービスで、だいたい今、会社自体は(設立から)4年なんですけれども、最初2年は別のサービスを作っていてうまくいかず、直近2年で作った「クラシル」が、今1,000万ダウンロードを突破しました。
今1万4,000本ぐらい料理の動画を作っておりまして、社内で全部内製しています。これをいわゆる……なんて書いてありますか? あ、「レシピ動画数世界No.1」だね。
もともとはTastyさんとかTastemadeさんのグローバルでマーケットが広がっていた領域に、「日本なりのビジネスの展開の仕方があるんじゃないか」と気づいて始めたのが2000……何年か忘れちゃいました。たぶん2年前ぐらいですね。はい。ほかに何言えばいい?
谷本:動画の(説明をお願いします)。
堀江:あ、じゃあ動画の(スライドを)お願いします。ちょっと粗いですね。大丈夫ですかね。画質が荒いですね。大丈夫ですかね。
(スライドを指して)こういう動画を作ってまして、すべての料理がだいたい1分程度でわかるという。すごく簡単に、どんな方でも失敗せずに料理ができるというようなサービスになっています。
最初は僕が料理を作って、iPhoneで撮ってSNSにあげたのがきっかけで始まったんですけれども、それが今非常にユーザーさんから支持をいただいているアプリになっていて、レビューも(5点満点中)4.8をいただいています。
あとはSNSも今、インスタで100万フォロワーぐらいいまして、どんどん(増えている)。
僕はみなさんと違って、どっちかというとまだ国内でビジネスをやっている人間なので、「なんで今日、呼ばれたのかよくわからないなぁ」と思ってるんですけれども(笑)、これからがんばりたいなと思っています。よろしくお願いします。
(会場拍手)
谷本:はい。ありがとうございました。それでは続いて、フラー株式会社代表取締役CEOの渋谷修太さんです。
渋谷修太氏(以下、渋谷):こんばんは。よろしくお願いします。渋谷と申します。本日はお集まりいただいてありがとうございます。主催者側なんですけれども、ササッとご説明させていただければと思います。
本日の「App Ape Award」は昨年始めたイベントで、本当にたくさんの方にお集まりいただいて、たいへんありがたいです。そこにいらっしゃる、メルカリさん、クラシルさんは、両方昨年受賞していて、すごく成長しているアプリになっています。
我々は、いわゆる、アプリの視聴率調査のプラットフォームをやってまして。「どのアプリがどのぐらい成長していってるのか」っていうのを、データをもとにパネル調査で追うようなことを4〜5年やっています。
データを見てるといろんなアプリがすごくあたって、堀江さんや小泉さんのようなアプリが、がんがん成長していくのを横目で見て「あ、これやりたいな」とか毎回思いながらですね。ただ、僕らは基本的にはみなさんの成長を応援して見守るというような立場なんですけれども(笑)。
最近もう1個始めているのが、(スライドを指して)下側の「スマホビジネス共創事業」というやつです。アプリのデータがかなり集まってきたので、成功しているアプリの特徴がわりとつかめてきました。
そのデータをもとに、いわゆるNetflixのやり方に近いことをしています。 Netflixって動画の再生データを解析して、オリジナルコンテンツを作っていると思うんですけど。
それと同じ要領で、「〇〇のアプリ作るんだったら、こういうふうにやったらうまくいきますよ」っていうのを、企画から、開発して運用して改善するところまで、データをもとにコンサルティングしながら、お客さんの困っているところをピンポイントに解決していくみたいなことをやってまして、実は下側(スマホビジネス共創事業)がすごく伸びてきています。
他には、(スライドを指して)今ユーザーさんがスマートフォンの端末でどのアプリを使っているかというデータをもとに、「昨年度成長したアプリはこれです」みたいなアワードをやらせていただいています。
作っているアプリも多岐に渡ります。僕は新潟県出身なんですけれども、地元の「長岡花火」っていうイベントのアプリを作っていて、これも当日だけで10万人ぐらい使われてですね。App Storeの旅行カテゴリ1位になったりしました。
他にも、行政もアプリを使っていけるようにというところとか、選手の情報とか試合結果とかをウォッチできるスポーツチームのアプリも作っています。それ以外にも、地元の新聞社さんのアプリを作ったり。
我々は常にアプリのデータを見てる会社なんですけど、「自分たちも新しいテクノロジーを使ったアプリを作り続ける」ということを一番大事にしています。そうしていないとデベロッパーさんの気持ちがわからなくなっていっちゃうので。
(スライドを指しながら)ここに出てるのはARのアプリなんですけれども、これはARで写真を撮るときにキャラクターを出現させて360度撮れるみたいなやつで、フキダシくんっていうんですけど。よかったらダウンロードしてもらえるとうれしいです。
用途としては、Instagramみたいな写真をあげるときに、吹き出しの中に文字を入れられるので、InstagramをTwitterライクに使える感じになります。Instagramとかをやってると、自信がある人は自撮りで出てると思うんですけど、そうじゃないと(自分が)出てなかったりします。そういうところに、「パスタおいしい」みたいな自分の気持ちを代わりに表現するキャラクターを出すとかいうことができます。
これもARの流れのなかで、AppStoreの「今日のAPP」に取り上げてもらったりして、インストールがすごく伸びました。
僕らが1個1個アプリを伸ばしていきたいという思いもありながら、いろんな会社さんが今後ARを展開していくなかでどういう気持ちでいるかみたいなことを、自分たちで実証実験しながら支えていく意図もございます。
ということで、今日はお集まりいただいた来場者のみなさん、引き続きよろしくお願いします。
谷本:ありがとうございました。
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