2024.10.10
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村田あつみ氏・特別講義(全1記事)
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司会者:それでは、村田あつみさんによる特別講義、「世界観をカタチにするためにWebサービスから始めよう」を始めさせていただきます。村田さん、お願いします。
村田あつみ氏(以下、村田):はい。じゃあ、今から、ご紹介あったように「世界観をカタチにするために、まずWebサービスから始めよう」といったテーマで講義させていただきます。
突然なんですが、みなさん夢ってありますかね? さっき「夢ある方?」って聞いたときに、みなさんチラホラ手が上がっていたので、なにかしらあるのかなっていう印象なんですけど。
例えば、「いつかカフェを開いてみたいな」とか、今は普通に会社で仕事をしているんだけど、「自分のブランド作ってみたい」と思っているとか、世界旅行がめっちゃ好きで、「世界中を旅したいな」とか。
私でいうと、恋人や家族をすごい大切にしたいと思っていて、そういう世界はめっちゃすてきだなと思っているんですよね。だから、これからも世界中にもっと愛と笑顔があふれますように、そんなふうに本気で思っています。
今回のテーマ、「世界観をカタチに」っていうんですけども、そもそも「世界観」っていうのは何なんだろう?
最近、「Lovegraph(ラブグラフ)」も「世界観のあるサービス」というふうに言っていただけるんですが、そのほかにも「世界観のあるInstagramがめっちゃ好き」とか。
結局、「世界観って何なんだろう?」っていうところで、ちょっとかみくだいて考えてみて、自分にとって夢のような世界、そういう概念に近いものなのかなって考えました。
だから、世界観っていうのは、あなたにしか想像できない世界だと思います。それがすごい浸透していくと、その世界のことをほかの人が自分のことのように語ってくれるような、そういうものが世界観じゃないかと思っています。
私はそんなふうに家族とかカップルさんの愛とか笑顔がすごい好きなので、そういう世界観を作りたいと思ってカタチにしたのが、このLovegraphというサービスです。
さっきもチラッと言ったんですけど、マーケットインとかプロダクトアウトとか、そういうサービスではなく、世界観。
「こういう世界を作りたいね」みたいなところから始まったサービスなので、今回で言うWebサービスはあくまで目的ではなくて、この世界観やビジョンを達成するための手段であると思っています。
では次、初めに聞いたように、みなさんそれぞれ夢とか、成し遂げたい想いがあると思うんですけども、それをカタチにするためには、といったところを話したいと思います。
例えばめちゃめちゃパンが好きだから、「いつかお店開きたいな」とか、最近だったらVR(バーチャルリアリティ)の世界でめっちゃ憧れの漫画のキャラと恋愛したいと思うかもしれないし、こんなふうにイベントを開くだったり、いろいろ手段はあると思っていて。
それぞれの夢に合った手段を選べばいいし、なんでもいいと思っているんですが。今回は、テーマである「Webサービスでカタチにするにはどうしたらいいのか」というところにフォーカスして話していきたいと思います。
私自身がなぜWebサービスを選んだのかというと、Webサービスはそんなにコストがかからない。
例えばリアルな店舗だったら、はじめにそのお店を作るのに1,000万とか2,000万かかるんだったら、そんなに生半可な気持ちで始めれないですよね。イベント運営でも、こうやって毎回準備とか……。
それもいいんですけど、それに比べるとWebサービスはコストがすごく低いので、気軽に、そんな全部を投げうってやるみたいなことをしなくても始められると思っています。
2点目としては、ほかの手段と組み合わせやすいというのがあると思っています。
お店を作ったり、イベントをやるにしても、この日の時間にみんなスマホを持っていて、その情報をみんなWebだったりアプリだったりで見ると思うので、結局なにをやるにしてもWebサイトは使うので、応用が効くという面でも、これから始めるのにすごくいいかなと。
3つ目なんですけども、いつでもどこでも作業できるというのがあって、職業によっては本当にその場所に行くことでしかできない仕事ってのがあると思うんですけど。世界中どこでも、好きな場所で、どんな時間でも働けるというところ、これが3点目のメリットとしてあると思っています。
総じて言うと、今回のイベントに重ねあわせて考えてみると、すごく女性に向いている職種なのかなって思っています。
しかも、現状でいうとすごく男性が多い。まあ、Webというか、IT企業とかエンジニアという職業は男性が多いので、とくに女性の感性とかを発揮できるので、そういった意味でも女性には今お得な領域となっています。
冒頭に言ったように、それぞれの夢とか想いとかを叶えるというところで、今回はWebサービスを使って叶えていこうという話を進めていきます。
では、その夢やビジョンを叶えていくために、Webサービスを作るのでスキルが必要です。そういったときに、具体的にどういうスキルが必要なのかという話をしていこうと思います。
今回必要だと思っているスキルが、デザインとプログラミングですね。デザインとプログラミングだけではなくて、マーケティングだったり、経営戦略だったりいろいろあると思うんですけど。とにかくカタチにして、世に出して見てもらうことが重要だと思っています。
今回は、このデザインとプログラミングを身につけて、まず自分の想いを世に出そうっていうところをやっていけたらなと思います。
この2つを順に説明していきます。まず、デザインについて。そもそも、「デザインができる」ってなんだと思いますか?
「デザインってなんやろ?」って考えたときに、例えばかわいいとか、オシャレとか、使いやすいとか、いろいろあると思うんですけど。
デザインってイメージとして「センスいるじゃん」「私、センスないし無理そう」「デザイナーってもとから超オシャレで、バリバリやってきた人しかできないんじゃないか」みたいに……。
私はずっと「Design Girls」という初心者向けのデザイン講座をやっていて、こういう声をよく聞くなと思っているんですけども。でも、それは大きな間違いです。
デザインっていうのは、単にさっき言ったようなビジュアルとか、かわいいとか、そういったことだけじゃなくて、この3点の要素があると思っていて。
デザインができるって言えるようになるには、まずデザイン理論を身につけること。2つ目に引き出しを増やすこと。3つ目にツールの使い方を覚えること。このツールっていうのは、Photoshopとか。
だから、デザインって聞いたときに、そういう「オシャレ」とか思い浮かぶ人もいれば、「Photoshopできるようにならないといけないんですよね?」みたいに言う人もいるし、そういうデザインシンキングみたいなのも最近はあるんですよ。
いっぱい出てきて、「結局デザインって何?」というところがあると思うんですけど、私はこの3点だと思っていて、どれもデザインなんですけども、その3点がすべて押さえられて、やっとデザイナーだと思っています。この1個1個について説明していきます。
まず、デザイン理論なんですけど、そもそもデザイン思考というのがあって、昔はデザインという言葉自体がビジュアルデザイン、見た目だけの意味で使われていたんですけど、最近は体験とかUX自体も総じて考える。
そういった体験をまるごとデザインするといった意味で、デザインという言葉が使われています。そういったことを理解したり、あとは座学的なこともあります。
例えば基本原則として、近接「内容が同じものは近づけましょうね」とか、整列「要素をちゃんと並べましょう」とか、反復「同じデザインを何回も使いましょう」とか。
コントラストをつけて大事なことは大きく、詳細なことは小さく書くだったり、そういった座学的な議論・原則を学ぶこと。
あとは統計とか心理学とか。例えば、Webサイトをさわってみたときに、人は一番左上から見ますよとか。まずそういったことを学んでおくのが1つの例です。
次に2つ目として、引き出しを増やすこと。これは私が思うに、すごい女性が得意なことじゃないかと思っていて、ここが得意な人が女性に多いから、「女性のほうがデザインいいな」というイメージが強いのかなと思っています。
たまに、デザインをやらせているときに、もとからセンスいいものを作る人がいるんですけど、そういうのを見ているからみんな「自分には……」とか、「ちょっとできそうにない」って思うと思うんですけど。
そういう人って小さい頃から親がきれいな絵が好きだったり、きれいな食器が好きだったり、すごい計算しつくされたお家に住んでいるとか。
そういったことで、さっきのデザイン理論に当てはめてすごい美しいとされている、人間が美しいと感じられるものを日頃から見ている、日頃からインプットしているという人はやっぱりいますね。
そういう人は引き出しが多いとところで入って、もとからそういう環境にいた人もいれば、もうずっとビジュアルとかにはまったく興味なくて、そもそも引き出しなんかゼロっていう人ももちろんいると思います。
そういう人は例えば私だったら「Pinterest」とか、最近だったら日常的に使うのは「Instagram」だったりだと思うんですけど。画像収集して、最新のトレンドのデザインを見るとか。
あとはアプリのランディングを見て、「流行ってるアプリってどんなんだろう?」ってダウンロードしてインプットするとか。
あとは中吊り広告。電車でずっとスマホを見てると思うんですけど、ちょっと顔を上げて広告を見るだけでも。
例えば、「この広告はどういうターゲットで、どういうことを意図してこういうデザインになってるんだろうな」とか、「なんでこの写真使ったんだろう?」とかを考えてインプットしていく。
「こういうときはこの色使ったほうがいいんだな」とか考えながら、インプットしていくということが、引き出しを増やす秘訣だと思っています。
女性は男性に比べて、例えば雑誌とかを見る機会が多いので、日頃からわりと自然にインプットしているという意味で、ちょっと優位なのかなという感じはあります。
3つ目として、ツールの使い方。例えばWebデザインをするんだったら、Photoshopとか、最近だったらSketchとかなんですけど。これの使い方は、覚えるだけなんですね。
例えば、PowerPointを使うとかExcelを使うとか、そういうのと同じことなんで、それがめっちゃ苦手という人もいるんですけど、ある程度覚えれば誰でも使えるし、これこそ一番教えてもらう必要はなくて、ググればでてくるんですよね。例えば、「丸 切り抜き Photoshop」みたいな感じでググれば出てくる。
やるべきなのは、こっちのインプットを日頃からやっていって、ツールの使い方はこのデザインができるという1つの要素でしかないので、まあやればできるといった感じです。
デザインができるというのは、この3つの要素が合わさってできていると考えていて、デザインは目的ではなく、目的を達成するための手段であるということを頭に入れておいてください。
いろいろ言ったんですけど、そんなこと言われても、基本原則とか知らんし、Photoshopの使い方も独学でやるのはわからんわみたいなのがあれば……。そういった人ってけっこう多いので。
そういった女の子のためのデザイン・プログラミングスクールをやっていて、2ヶ月に1回ぐらいですかね? こんな感じです。
右上は、さっき私の隣で登壇なさった(菅野)有希子さんですね。例えば、みんなでデザインして、HTMLとCSSでコーディングして、そのあとでこんな感じでケーキを食べたり、ヨガとかをして、女の子でも気軽に参加できるようなプログラムになっています。
私のTwitterは@murata_atsumiなんですけど、フォローしといてもらえれば、またやるときにツイートします。
次に2つ目として、プログラミングを学ばないといけない。さっき言ったWebサイトのデザインをPhotoshopを使ってやりました。でもそれだけじゃ、「デザインできた、やったー!」って思うんですけど、誰にもそのデザインを見てもらえないんですよね。
例えば、それを友達に見せたいってなったときに、自分のパソコンにアクセスしてもらうことってできないので。
そういったときに、そのデザインをコーディングという作業、HTMLとかCSSを使ってコーディングして、それをサーバーと言われるみんなが見られる場所、HTTPとかHTTPSでつながるような場所に置いて、みんながやっとアクセスできるようになる。
という作業をやるときに、このプログラミングが必要です。これは私が書いたコードで、Ruby on Railsのなかのテンプレートエンジンを使ってるので、HamlというやつとSassというやつで書いています。
こっちでいうと、ターミナルでいろいろコードを操作してるという感じで、あとデータベースをいじったりという感じで、ちょっとこの時間では説明しきれないので、詳しくはぜひTECH::CAMPさんに。
TECH::CAMPに行けば、全部学べるって聞いているので、TECH::CAMPに行ってぜひやってみてください。という感じで、デザイン力とプログラミング力を身につけて、いろんな世界を達成していきたいなと思うんですけど。そこでもう1つ……。
「じゃあ、今までやってきた仕事ってめっちゃ無駄だったん?」「もっと早くこれを始めとけばよかった」と思うかもしれないんですけど、その今やってることこそが、自分にしかない強みだと思っています。
例えば、私だったら営業とかしたことないし、だからそういった知識がまったくなくて、そういった人がなんで困ってるのかとかわかんないんですよ。
だから、そういう系の機能を実装するときとか、ぜんぜん気持ちがわかんないけど、そういうのをやったことがある人は、その人自身も打ち合わせに行ってやり取りがめっちゃできるしとか。
ぜんぜん関係ないことでも、昔からやっていたことがめっちゃ活きてることもあると思うんですよね。
だから、このスキルはベースとしてつけてもらって、それにプラスで、例えば女性であるということとか、ずっと営業やってましたとか、マーケティングやってましたとか、そういったことを強みとして、あなたにしか作れない世界観を作っていってほしいなと思います。
これは最後になるんですけども、私がやってる株式会社ラブグラフは、今メンバーを募集しています。デザイナーとかマーケターとか、営業の人も募集しているので、もし興味がある方はFacebookとかTwitterからメッセージをください。
では今、このITスキルを身につけて、そして自分の今の強みを活かして、大好きな世界で生きていこうということで、以上とさせていただきます。ありがとうございました。
(会場拍手)
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