2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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佐俣アンリ氏(以下、佐俣):僕すごい興味あるんですけど、創業期に来てくれた人じゃなくて、新しいフェーズで人を呼んだ時に、どういう人に活躍してほしいですか?
今、クラウドワークスって知名度も高いんで、いっぱい働きたい人が来ると思うんですけど。
どんな人を採用して、どういう人がリーダー的になっているかというのをお伺いしたいです。
吉田浩一郎氏(以下、吉田):これはよく他の社長さんに驚かれるんですけど、創業から今までほとんど面接してないんですよね。
入社してから「初めまして、私が社長です」「ちなみにどういう経緯でいらっしゃった……?」と(笑)。
佐俣:志望理由とかもあまりわからない?
吉田:わかってないですね。
佐俣:じゃあ「今日から入社のなんとかさんです」というと……。
吉田:「ああ、初めまして、吉田です」っていうケースが多いです。いきなり役員クラスとか部長前提の人は、会うことはありますけど、そこで私自身がジャッジすることはほとんどないですね。
創業から現状の正社員の100人の中で、私が推奨したのは現執行役員の田中と大場の2名くらいですね。
それ以外については、基本的にみんなが採用したい、一緒に働きたいという人を採用しています。
吉田:これにはやっぱり理由があって、先ほどの「透明性のある時代」の話じゃないんですけれども、今の時代は「個人がいかに納得するか」ということが非常に重要な時代だと思っています。
これはお金の考え方の面からもあって、もともとお金がない時代には、人ってその日暮らしだった訳ですよね。その日お腹が減ったから、狩りに行って獲るとか、貯蔵も限られているわけです。
お金によって、未来っていう時間軸ができましたと。今余ってるものを誰かに売って1000円手に入れて、お腹が減ったときに1000円払えば、労働しなくてもご飯が食べられる。
ということで「お金が生まれて、未来のために今貯めよう」っていう働き方が20世紀の非常に大きい考え方だったわけなんですね。
だから、「今大変かもしれないけど、頑張れば家が買える」とか「年収1000万円になると車が買える」とか「電子レンジが買える」とか「冷蔵庫が買える」とか、そういった形で「未来のために今我慢しよう」という働き方が20世紀でした。
吉田:ところが今、「3.11」の東日本大震災のときに、2時間かけて会社に通っていたけれども、いざというときに家族のそばにいられないのってやっぱり意味がないんじゃないか、生きていて意味がないんじゃないかとか。
そういう中で、限られている人生であれば、自分の生まれ故郷をもっと助けたほうがいいんじゃないかとか、あるいは親にもっと貢献したほうがいいんじゃないかっていう正社員以外での働き方の多様性を求められるようになった。
要は「未来のために今我慢する」ではなくて「今をよりよく生きよう」と。だからやっぱり、お金の価値が相対的に薄れてきていて。
お金を貯めて家を買ったとしても、年収が1,000万円になったとしても、必ずしもそれが幸せを規定するものではないということが、みんなわかってきているわけですね。
それよりは、今納得いく仲間と、納得いく家族と、納得いくユーザーさんに向き合って、納得いくサービスを提供しようとしている。それが「今」ですね。「今」にすごく働き方のフォーカスがあたっていると。
それから考えると、基本的には、自分が100パーセント決めてやってみて、成功か失敗かで、失敗だったらそこから学んでいくということで組織ができていくと思っているんですね。なので、さっきの話に戻るんですけれど、採用に関して私が介入しないんです。
佐俣:なるほど。
佐俣:そういう期待値の中で入ってきて「こいつはすごいな」っていう人ってどういう人なんですか?
吉田:今のタイミングですごく重要なのは「人は変われる」とか「人は環境によって変化できる」っていうことを信じている人がすごく重要ですね。
すごく抽象的で、あの……具体的なスキルとか、正直あんまりわからないんですよね(笑)。
佐俣:いきなりぶっちゃけないでください!(笑)
吉田:具体的なスキルとかは、副社長の成田とか取締役の野村とかそれぞれが見てるので。すみません!
私は今組織づくりに集中している中で、第2創業でやっぱり「新しく組織を変えていくんだ」「今の現状ではなく、変わり続けるんだ」っていうことに対してポジティブである人。
中途の方であれば、過去の会社で何か環境変化があった人、成長していくということを目の当たりにした人なんかは変わっていく。
実際に、今ウチの人事をやっている人間は、入社してまだ3ヵ月ぐらいです。その彼は、大手のシステム開発会社で環境や人事制度を変えていくことで200人ぐらいのエンジニアの働き方がとか考え方が変わったっていう経験を持っているんですね。
その200人の、大手で見ているものを「自分自身として関わって、自分自身が主体となってやってみたい」というふうに入って来て、入社3ヵ月で人事部のGMです。そういった形で、やっぱり人を変えることに対して積極的であることが必要です。
佐俣:「自分が見てきた組織はこうだ」とか「こう変えるべきで、変われるよ」みたいのをポジティブに働きかけられる人。
吉田:他人に働きかける。それはつまり、チームとして機能するか、チームとして働きかけられるかってことなんですね。
ウチの会社は4月1日に3つの意識のランクというものを明確に打ち出しています。
まず第1は「個人の仕事感で仕事をしている人」。
第2は「ミッションに基づき個人として成果を上げる人」。
第3は「ミッションに基づきチームを率いて成果を上げられる人」というふうになっています。
第1創業の今年の3月末までは、第1段階と第2段階の人しかいなかったんですね。要は、チームとして他人に働きかけて「こういうことやっていこうよ」とか、「こういうふうに盛り上げようよ」という人がいなかったんですよ。
これってやっぱりすごく労力がかかりますし、自分の中でその人を率いるための未来を描かないといけないんですね。
第2創業においては、企業の未来、チームの未来、その個人の未来というものを率先して描いていくということに対して時間を使う人が必要なので、そういう意味でこれからは、第3段階の人が評価されていくと思っています。
佐俣:「基準が変わりましたよ」ということですか。
吉田:そうです。ミッションに基づき個人として成果を上げられる人っていうのは、我々上場まではすごく賞賛していました。ところが4月1日からは「組織です」と。
組織をつくるってことが、これからの3兆円を目指す上で最も重要なので、組織をつくるっていう観点で貢献できる人を最も評価しますということで、4月1日で評価軸がガラッと変わりました。
佐俣:なるほど。ここまで「クラウドワークスの今」ということで伺ってみると、99パーセント組織のことしか話されてないので、本当に今、組織にフォーカスさせてるんだなっていうのが、みなさんに伝わったかと思います。
吉田:そうですね(笑)。
佐俣:これが第2創業のスタートとして、ここから1年、2年、3年っていうところは何を目指しているんでしょうか?
今はギュッと組織をつくるわけじゃないですか。ここでギュッとつくった組織で今何を見ているのか、今見えているものについて伺わせてください。
吉田:すごくいい質問をいただいたと思っていて。今私は3つの仕事に集中しています。それ以外はやらないと決めている。
それの1つが、今おっしゃっていただいた未来戦略ですね。10〜20年後の未来戦略をつくるっていうこと。
佐俣:10年後、20年後なんですか、このスパンは?
吉田:そうですね。2、3年後とかだったら成田ができるので(笑)。
佐俣:なるほど。じゃあもう吉田さんは10年、20年まで考えている。
吉田:未来戦略で、道を指し示すこと。
2つ目が組織をつくること。
3つ目が機関投資家、個人投資家のみなさまとの対話の型を見つけていくことですね。
未来の話なんですけど、未来はもう明確で、我々「働き方革命」というふうに打ち出しているんですけれども、これの肝となるのは個人の与信インフラです。
最近よく、わかりやすく言っているのは「食べログです」っていう話をしている。食べログがなかった時代って、知らないお店に行くのってめちゃくちゃ敷居が高かったですよね。
食べログによって、知らないお店に対してみんなの評価がついて、これが1つの与信の情報になっていって、知らない店でも3.5だったら「おいしい」ということが、今個人に対して起きているわけですね。
今までは、企業に所属している人が認められる。企業から出るとクレジットカードをつくれません、ローンを組めませんと。
佐俣:極端に言うと「トヨタさんなら安心です」ということですよね。トヨタを辞めた人は「トヨタとは関係ないです。信用はできるかわかりません」っていうことですよね。
吉田:その人に対して、食べログと同じように、今すでに40件飲食店の看板のデザインをやっている、42歳の埼玉の主婦の方がいます。
この人はもうデザイナーになっているので、企業から相談が来るんですよね。実績があるので。
吉田:何が起きるかっていうと、例えば「この人は今年は年収300万円稼いだからクレジットカード発行しても大丈夫ですよね」と。あるいは「100万円までだったらお金貸してもいいですよね」とかそういったものだったり。
こういった与信の形が全部整ってくると、この人たちによって1つの大きな共済、互助の保険の仕組みをつくれると思っています。1人1万円積み立てるだけで、60万人で60億円になるわけですね。
佐俣:確かに。
吉田:だから、この60億円の基金でみんなの「いざというとき」を助けることができる。例えばけがをしたとか、子どもが生まれたとかいうときの一時金をつくることもできる。
佐俣:そのクラウドワーカーという人たちをたくさん生んでいく中で、与信の仕組みとかできてくるし、クラウドワーカーが増えていくので、ここに共済をつくっていって、極端なことを言うと……。
吉田:「まち」とか。
佐俣:新しいまちとか国みたいなものができていくと。
吉田:だからインターネットによって新しいまちをつくると。1つ想像しているのは、例えば私の父はもう70を超えてるんですけれども、朝起きて奥さんとごはんを食べて、午前中はクラウドワークスで、インターネット上で70代の仲間で集って仕事をすると。
昼にまた奥さんとごはんを食べて「午前中、北海道のほうの誰々さんがこんなこと言ってた」とか「沖縄の誰々さんがこんなこと言ってた」みたいなことを話しながら、午後はゲートボールに出かけていく……。
みたいな形で、地域のコミュニティ、あるいは家族、そしてインターネット上の働く仲間たちみたいな形で、自分自身のコミュニティをたくさん持って「働くを通して人々に笑顔を」というミッションがまさに実現できる、多様な働き方を選べるような世の中をつくっていきたいと思っています。
佐俣:いい会社ですよね。
吉田:ありがとうございます!(笑)
佐俣:本当に「ちょっといいな」って思いました(笑)。はい、ありがとうございます。
佐俣:最後にまとめとして、吉田さんからこの動画を見ていただいてる方にメッセージをお願いします。
吉田:今日はありがとうございました。クラウドワークスは、ご存知の通り創業以来赤字、今期の決算も赤字といった形で、異例の赤字のまま上場させていただいてます。
それはひとえに、ここにおける成長市場を認めていただいたと。この成長市場は何かと言うと、全く新しい個人の与信インフラができ上がったときに、個人とインターネットによって全く新しい社会ができ上がるっていうことですね。
そこに対して我々は、日本最大のクラウド型の人材バンクになっていくという目標を掲げています。
ですので、こういうめったにない、インフラをつくるチャンスにご興味のある方をお待ちしています。
本当に多種多様な業種から来ています。トヨタさんとか、リコーさんとか、ANAとか、本当にそういった既存のメーカーさんからも来ていたりとか、大手の商社さんから来ていただいたりとか。
全然インターネットと関係なくとも「働くを通して人々に笑顔を」という願いがある方であれば本当に幅広く迎えていますので、ぜひお気軽にエントリーいただければと思います。あれ? こういうまとめじゃない?(笑)
佐俣:大丈夫です。それでは「クラウドワークスの今」ということで、クラウドワークスの吉田浩一郎さんにお伺いしました。ありがとうございました。
吉田:ありがとうございました。
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