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今後のスマホ・ビジネスの主戦場はどこか(全5記事)

「LINE MUSIC」リリース初日の反響を舛田淳氏が語る

IVS 2015 Springの本セッションにLINE・舛田淳氏、メルカリ・山田進太郎氏、スマートニュース・鈴木健氏、サイバーエージェント・宮﨑聡氏の4名が登壇しました。モデレーターを務めるIVP・小林雅氏の進行で「今後のスマホ・ビジネスの主戦場はどこか」をテーマに意見を交わしました。本パートでは、舛田氏がストリーミングの動画をLINE上で配信できる「LIVE CAST」や決済サービスの「LINE PAY」など、エンターテイメントとライフの領域で新たに展開している注目のサービスを紹介しました。また、IVS登壇日の6月11日に「LINE MUSIC」リリース初日を迎えた感想とユーザーからの反響について語りました。

LINE舛田氏が語る、スマホビジネスの最前線

小林雅氏(以下、小林):それでは、舛田さんお願いします。

舛田淳氏(以下、舛田):ここ最近、LINEがどういうことをやっているのかご紹介させていただきたいと思います。

これがLINEのスマホビジネスの最前線です。LINEとしては去年あたりから「ライフプラットフォームになりましょう」と。オンラインだけではなくオフラインも含めた、さまざまな物やサービスをLINEとつなげようとしています。

先ほど(鈴木)健さんからもありましたが、LINEが「コントローラー」となって、フィジカルな物もデジタルな物もつなげて、デリバリーできたり、コントロールできるようになると。

小林:つまり、牛耳るということなんですか?

舛田:一部です。

山田進太郎氏(以下、山田):一部牛耳ると(笑)。

LINE上でストリーミングの動画を配信

舛田:その中で「エンターテイメント」と「ライフ」を分けていまして、エンターテイメントでいうと、(山田)進太郎さんからもありましたが、注目は動画ですね。LIVE CASTというのがそれにあたるんですが……。こんにちは。

宮﨑聡氏(以下、宮﨑):どうも、こんにちは。

小林:ちょうど次の順番ですので、ピッタシですね。

宮﨑:間に合いましたね。

舛田:それで、「LINE上でストリーミングの動画を配信しましょう」ということでコソコソやっているんですが、実はかなり反響が高いです。

東京ガールズコレクションの公式アカウントから中継させていただいたときは、16万人くらいに利用されていました。他にも、自分たちのゲームの紹介番組をやってみたら100万視聴くらい取れていると。

あとは「マンガ」ですね。順調に売り上げが上がっていて、おそらく「デジタルマンガの取り扱い」で言えば、アプリでトップだと思います。あと上にいるのは、おそらくアマゾンさんというところです。

これは、「プロコンテンツだけをやっていると、マンガのプラットフォームとして弱いよね」ということで、インディーズのマンガにも力を入れながらやっています。

あとは「ニュース」ですね。実はLINE NEWSは早々と「ニュースアプリ戦争」から離脱しました。もうアプリはいい、と。LINEの中にあるブラウザとLINEのアカウントからニュースを配信することによって読んでいただこうと。

そういう取り組みをいたしまして。先日発表させていただきましたが、MAUで1000万人を超えています。スマホの世界ではかなり上に来ているんですが、日本にはもっとモンスターがいまして、Yahoo!ニュースさんですね。

過去、各社いろいろチャレンジをして弾き飛ばされてきたと思うんですが、逃げることなくYahoo!さんを王者としてリスペクトして「2000万、3000万にどうやって辿り着くか?」というのを今LINE NEWSでやっています。

LINEが提供する注目の新サービス

舛田:Eコマースはですね、LINE MALLというものがメインアプリとしてあるんですが。そこから派生したものとして、LINEギフトとかLINE FLASH SALEをやっています。

これは、ECをLINEっぽくしたものです。LINEギフトであれば、友達にプレゼントするとか、LINE FLASH SALEであれば、アカウントからプッシュが来るとか。そういったことにチャレンジしています。

O2Oの領域でいうと、中心となるのがLINE Payという「決済」です。これは個人間送金もできますし、オンラインの決済もできますし、銀行口座とつながってお金を使うこともできる、複合的な決済サービスです。今はここにも力を入れております。

LINE@の中で新しく始めたのは「予約」ですね。オンライン予約。レストランなどを予約できる「LINE グルメ予約」というのを始めています。今までのようにプッシュするだけではなくて、そこから予約もして店舗に集客をすると。ゆくゆくはLINE Payで決済ができるようにしたいと思っています。

LINE WOWはフードなどをデリバリーするサービスです。それがパワーアップしまして、渋谷区、港区、新宿そして今度、中央区と千代田区ですかね。まだ拡大するんですが、単純なフードデリバリーではなくて「テイクアウトできる物なら何でも届けます」というものです。

あとは「おねがいWOW」という、コンシェルジュサービスをやっていまして。言うなればパシリです。薬買ってこいとか、パン買ってこいとか、そういうことを500円で叶える何とも言えないサービスを実験的に始めています(笑)。

これは、かなりブランディングを徹底していて。1時間でも2時間でも並んで買ってきます。「出来たてをお届けしたい」というコンシェルジュの意思もありまして、お客様が2時に欲しいと言っているのに「焼きたてが4時だから」と言って、4時をすすめてきたりするんですね。というような、かなり俗人的なサービスをトライアルでやっています。

あともう1つがPopcorn Buzzというサービスです。これは独立ブランドで、LINEブランドではありません。

「200人同時に音声通話ができる」という、エンジニアリングが走りすぎているようなプロダクトなんですが。どちらかというとビジネスユースです。もともと我々LINEが世界各国にオフィスがあって、会議を行うのが大変なんですよね。

なので、社内利用も含めて「200人で通話できるサービスがあったらいいな」ということで作られたサービスです。

2015年6月11日に「LINE MUSIC」をリリース

舛田:それで、本日6月11日にリリースさせていただいたのがLINE MUSICになります。

(会場拍手)

「もうダウンロードしたよ」という方はいらっしゃいますか?

(会場挙手)

ボチボチですね。これは何かというと、オンデマンドで、定額で聴き放題というものです。価格としては大体、国内でも海外でも1000円以上するサービスなんですが。今回は2つのメニューを用意しまして、500円のベーシックプランと1000円のプレミアムプランで分けています。

500円のプランは「30日間で20時間の聴き放題」、1000円のプランは「30日間で無制限の聴き放題」となっています。なので、フリーミアムというよりはライトミアムに近い形ですね。

そして、「若い子たちの音楽離れを何とかしよう」という音楽業界からのミッションを受けまして「学割」を導入しています。500円のプランは300円、1000円のプランは600円でやっています。今までは、サブスクリプションのモデルは楽曲がなかなか揃わない、というものだったんですが。

ソニーミュージック、エイベックス、ユニバーサルミュージック、ワーナーミュージック、キングレコードなど各社にご協力をいただいて、150万曲以上の新譜も入った状態でオープンしています。年内には数千曲レベルになる予定です。

そして、実は音質も良いんです。通常ダウンロードするものは256kbpsなんですが、ストリーミングで320kbps出ています。でも、今朝使っていただいた方には「そんなこと言ってもブツブツ切れてんじゃん」と感じられているかと思います。

今朝だいぶ大変だったんですが、プレスリリースを出す前にみなさんに見つかりまして。アスキーさんに見つかって、ちょうど「めざましテレビ」にも取り上げていただいたんですね。それで、三宅アナウンサーが「試しましょう」というときにですね、ちょうど、サーバーエラーを出しまして、全員が顔面蒼白になるということが今朝起こりました。

我々もサーバーの負荷対策というものをやっているんですが、今回で言うと、「毎分10万人以上が追加される」というLINEの中でも特殊なユーザーの増え方になってしまってですね、計算間違いでちょっとインフラに影響があったと。今は安定していますので、フリートライアル期間中でもありますから、お試しいただければと思います。

サブスクリプションのサービスをLINEが単純にしてもしょうがないですから。特徴としては、「音楽とコミュニケーションを近づける」というところで、楽曲自体をLINEのトークやタイムラインに送ることができます。友達に楽曲を送ることもできます。

その送った楽曲はフル尺で聴くこともできます。例えば、誕生日のお祝いに曲を送るとか、告白するときに曲を送るとか、グループトークのBGMにすることもできると思います。

一方的にサービス側がユーザーに音楽をリーチさせるのではなくて、「ユーザーのコミュニケーションの中に音楽を取り入れる」ことで、ストーリーが生まれて、音楽が新しい価値を持つと思うんですね。そういった、記憶に残るようなモデルを心がけてつくっています。

LINE MUSICが出て何時間か経っていますが、所感はですね。「若い子たちが使うかな」と思って設計したんですが、若い子たち以外にも、年配の方たちにも多く使っていただいています。新曲だけではなくて、懐かしい曲もたくさんありますので、かなり楽しんで使ってくれていると思います。これは手応えがありますね。

小林:ありがとうございました。

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