2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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平尾丈氏(以下、平尾):五十嵐さんどうぞ。
五十嵐洋介氏(以下、五十嵐):まず、続けていることですよね? 僕は自己紹介でも申し上げたように、コンピューターサイエンスが好きでコンピューターが好きです。
だからいまだに土日とかの余暇の使い方も、コンピューターの前で何かしらいじくっていたり、時にはコードを書いていたりしています。自分がコードを書くことなんて会社では1ミリも求められていないので、仕事でコードを書くのは自重しなければなと思ってるんですけども。
いまだに趣味でコードを書いたりとか、コンピューターをいじり倒してますね。18の時からだから20数年続いてるということになりますね。
次に挑戦についてですよね。僕、臆病なタイプなので、「リスクにチャレンジするぞ! 挑戦するぞ!」というかっこいいエピソードはないんです。
ただどっちかというと、「挑戦をするぞ! さぁやってやる! 勝ってるやるぞ!」という強い意気込みよりも、自然と何かに熱中してる、没頭してる没入感みたいなほうが結局は継続性があると思ってます。それを人はたまたま挑戦と呼んでくれることもあるというだけで。
さぁ、挑戦するぞって毎週月曜日会社行ってるかというとそんなことはなくて「今週もさぁ楽しく物作りするぞ」ってのめり込んでるほうが続くと思いますし、今週も楽しく物作りするぞっていうことすら自覚せずにただ没頭している状態、ゾーンに入ってるような状態であれたらいいなと思って生きています。
平尾:なるほど。ありがとうございます。柳澤さんどうですか?
柳澤大輔氏(以下、柳澤):継続というより挑戦のほうが聞きたいんだよね。「どんな情熱を持って続けられてるんですか?」という問いだったと思うんですけど、前提条件として継続できることは情熱があるだろうということだと思ってるだろうけど、必ずしもそうじゃないんですよ。
実は、継続ってのは情熱がなくても続けられる世界ってのが実はあって、そういう良い事例ってのが、去年ちょうど連載ストップしたんだけど「日経ビジネスオンライン」で8年間毎週連載を書いてたんですよ。
1回も休まずにというのは結構すごくて。31か32くらいの時にスタートしたんだけど、それまで本は全くと言っていいほど読まなかったんです。
最初は何か書いてくれって言われて書き始めたんだけど、それから月30冊くらい読むように変わって、書いていく内に本を書いてくれというオファーも出てきて。
自分の人生の中で本を出したいなんて1度もなかったんだけど、5、6冊出す様になったり、なんとなくやっていくうちに書けるようになって。
そのことから学んだのは、継続って体の使い方みたいな面があるので、とりあえず毎週ブログを書かなければならないので、とりあえずPCに向かってWordを開くんですよ。それで形から整えて書き始めると、原稿ができてくるみたいな。
柳澤:五十嵐さんのゾーンの話と近いんだけど、一見情熱が大事だとか想いが大事に聞こえるかもしれないけど、たとえばとにかく毎日会社に行くとか、継続するためだけに体を動かしていると、最初は情熱がなくても行くっていう世界がありますよ。
平尾:結構自分も外でいろんなことを話しているんで、詳しい方が知っているかもしれませんが、1日のうちにビジネスアイデアを3つ出すっていうのは、19からやっていまして、もう相当数いっているんですよ。
もともとビジネスアイデアを考えるのが苦手だったんですね。そこで自分を変えようと思った時に孫さんが1日時間を決めてビジネスアイデアを考えてると聞いて、自分の中では孫さんが1つ出してる時に自分は3つ出さないといけないのではってところから始まって。
そこは情熱というか、弱みを補おうってところから始まっていったんですけど、ずっと染みついていきました。
では、まず最初みんなに聞いていきながら、パーソナリティを理解した上で、最後ちょっと流しみたいなことやっていこうかなと思っていますので、1回みんなに聞いてみたいなみたいなことがある方、手を挙げて下さい。では前の彼。
質問者:○○と申します。お聞きしたいことは、大学時代に何かしら漠然としても、将来のことを考えたりしたと思うんですよ、その時の未来の自分と今の自分はすごい近いものなのか、もし近いものならその要因はどんなもので、もし全然違うところにあるとしたら、理由も聞きたいなって思っております。
平尾:どの方からいきますかね。結構自分の失敗事例みたいなところでいうと、自分はもともとITエンジニアになりたかったんですよ、でも全然スキルがなくて。
その後いこうと思ったデザインのほうで、デザインがまたセンスがないんですね。もうこれ八方塞がりで、もうSFC辞めようかなと思ってて、半年くらい悩んで学校を休み続けたことがありました。
そこから役割を変えていったので、入学前なんかバリバリコードが書けるITエンジニア出身のマーク・ザッカーバーグみたいなそんな経営者に憧れて入りましたが、今、だいぶアナログ系IT社長になっています。友情・愛情みたいなことを言って、かなりギャップあるかなと思ってます。
ITは一応ぶれてないという形ですね。はい私からはそんな感じですね。じゃあ変化球で五十嵐さんからいきますか。
五十嵐:僕は1週間で没頭できるものが見つかったというわりとラッキーなケースだったんですけど、将来の夢とかなりたい自分像って当時はそんなに自覚的ではなくて。
ただただ目の前のものに没頭していたら、気づいたら周りがリクルートスーツ着始めていたりとか、普段なら学校に来てるやつがどうやら都内のほうに行ってるらしいけど、僕だけ普段着で過ごしていて、置いてけぼりとかの感覚で不安になっていたりとか、そういう過ごし方をしていました。
あんまり立派な将来像とか夢とか、目標とかってなかったですね。今でも覚えているんですけど、大学院2年生の時だったかな? こんなことがありました。
当時自分の研究室の近くに苗村先生っていう方がいらっしゃって、苗村先生はNTTのご出身で、他の先生とは違って民間企業での経験をお持ちだったので、苗村先生のオフィスを突然訪問してキャリアについて相談したんですね
先生に「僕、将来取り換えのきく人材だけにはなりたくないんですけど、どうしたらいいでしょうか」と、今思うと迷惑極まりない質問しに行ってるんですね(笑)。
でも苗村先生はクールな方なので「うんそれはそうだろうね」とおっしゃるだけで特にノーアンサーという感じだったんですけど(笑)。
こんな質問を先生にするくらい人生には迷ってましたね。だから皆さんがもしも夢を持ててないとか、こうなりたい目標が曖昧だったとしても、それはいいんじゃないかって思います。
五十嵐:ただ1つ言えるのは、今日より明日の自分は楽しくなっていたりだとか良くなってるという過ごし方をするとか、何かアクションを起こすことが大事だと僕は思ってます。
最初の僕の例でいうと、何の知識もないのにコンピューターコンサルタントの部屋に行くとかがそれです。自由にコンピューターを使いたいとか部屋がほしいとか、邪(よこしま)な思いがあったのも事実だと思うんですけど、その思いのお陰で行動を起こすことができました。
今日より明日のほうが知識を持てていたいし、今日より明日のほうが居心地の良いキャンパスライフであってほしいから、ちょっとした行動の変化を起こせたんだと思います。
その行動が今の僕に繋がっていると思いますし、キャリアの土台やスキルの土台がそこから蓄積されたと思ってます。
皆さんも、もし「起業するぞ」とか「社会を変えてやろう」とかいう大きいビジョンが描けないんだとしても、ほんのちょっとでいいから何か行動を起こしてみてほしいです。
今日会場に来てる誰かと声かけて友達になるとか、明日の潮目を変えるほんの小さな行動を起こしてほしい。
成功した人に成功した理由を聞くと、こうだあーだと言うと思うんですけど、実はその成功要因は、結果とはかなり遠いところにあるのかもしれないですよね。
僕の場合で言うと、あの日あの時コンピューターコンサルタント部屋のドアを、同級生の森住君がいる事を頼りにノックしたことが遠因だったと思うんですよね。
そうやって行動していれば、未来像とか全然なくてもいいんじゃないかと思います。
平尾:いや素晴らしいですね。やっぱりきっかけがあってそこからいく。柳澤先輩どうですか?
柳澤:結論から言うとですね。将来こういう自分が待っているというのは、全く持ってなかったですね。どんなことをしてるかもさっぱりわからない。何にも描いてなかったです。
ただそういっても、こんな事業をしているというふうなイメージはしていなかったけど、こういう人間になりたいっていうのはあって。
やっぱりおもしろい人間になりたいと思っていたから、物事をおもしろがって楽しめる人になるといいなっていう。おもしろいって言われるのは難しいけど、社名に面白法人ってつけちゃえば、呼び名としてそう思われるし、それでいこうと。
そこだけは最初から一貫していたけど、どんな事業をやるか自体には向かってなかったですね。
今、考えてたんですけど、僕らの時代は意識高い系みたいな言葉もなかったし、周囲や社会に目が向いてる学生って少なかった気もするので、時代が違うってのもあると思うんですよね。
もし今、SFCに入っていたら、大学に入ってからもう少し先のことを考えてる人間になっている気がします。世の中がそういうふうになってるのかな。
海外なんかは早くから専門性を求めて大学を選んだりするから、もしかしたら少し早まっているのかもしれないですね。
どうなのかな? そんなこともないのかな? ただSFCとかを見ると非常に社会性が高い人が多いからやっぱり先のことを見なきゃいけないなって、自分の周りの人を見てなっちゃうだろうなって気はします。
平尾:なるほど。だいぶ広げていただいた後に金子さんに。
金子陽三氏(以下、金子):(笑)。そういう意味では私、リーマンブラザーズで働いていたわけで、全く違うイメージを持ってます。学生の時は金融の世界で生きていこうと思ってました。ふと気付いたらこんな感じになってました。
年を重ねて何がそんなに変わっていったんだろうなって思うと、どこからものを考えるかという時に、学生の時ってまだ学生だからっていうのもあるのかもしれないけど、基本自分から考えていく。発想の起点が自分からなっていく。
そうすると将来の見方もイメージするんだろうな。自分がこうなりたいなとか自分がこうなっているんだろうなとか。でも実際社会に出てみると発想の視点が自分だけじゃなくて、例えばお客さんだったりとか同僚だったりとかいろんな要素が増えてくる。
かつ実際にビジネスをやってみることによって、やれる手段みたいなことも増えてくるのね。こういう職業という選択肢もどんどん出てくる。
こういうのをやってきた結果で今の僕になっている気がしますね。何でもやれることがあるんじゃないかなって。そして変われるんじゃないかなって。
平尾:ありがとうございます。はい次。我こそは。はい。
質問者:SFCの4年生になる○○とといいます。純粋な疑問なんですけど、皆様リタイアされたら何をしたいと思っているのかお伺いしたいです。よろしくお願いします。
平尾:はい。リタイアされる予定のある方はいっらしゃらないですよね? 私はですね、たぶん会社から追い出されるまで居座ると思います。
それくらい起業であったり会社経営に携わっていたいなと思います。じげんに追い出されたら、自分でもう1回作るのかもしれませんが、将来企業家としてシリアルにやっていきたいなと思っております。
じゃあ次は逆からいきますか。じゃあ金子さん。
金子:基本的には死ぬまでなんかやってるんだろうな。全くリタイアするとかは考えてなく。というか考えたこともないです。
今、ユナイテッドという会社の社長をやらせていただいてますが、前に言った通り僕は創業者でもないし、そういった意味では株も平尾さんみたいに、いっぱい持ってるわけではないので。
今の仕事に関して言うと、それこそ会社をそうしたいっていうような想いが誰よりも強いから社長業やっているんだろうなと。それがそうじゃなくなったら自分から降りるべきだろうな思っています。
やりたいこととか人生かけてやらなきゃいけないことは常にいろいろある状態なので、どうなってもいつも何かをやり続けてるだろうなと思っております。
平尾:柳澤さんお願いします。
柳澤:リタイアの定義によるんですけど、社会と関わっていくことや、貢献していくことはやり続けたいから、たぶんリタイアしたいっていう人はいないんだと。では何するか聞かれても答えはないという話と、会社を辞めたいことがあるかという話なんですけど。
会社としてパブリックな存在になったのでやはり、会社を大きくするのに相応しくないと自分が言われたらそれは変わらなきゃいけないですし、それまでリタイアは一切考えないっていうスタンスでやっています。
その気持ちがどこまで本気かというのは、何年か前に大きな病気をした時にそれまで、死ぬまでこれをやり続けようとう想いがあったから。だからそういう意味では本当に考えてないんだと思います。今のところは。
平尾:五十嵐さんお願いします。
五十嵐:ちょっと昔話をしたいんですけど、僕、学生の頃とか40までに稼いでリタイアしたいって考えてたんですね。豊かになりたいとか楽をしたいっていうのも、全くなかったっていうと嘘になるんですけど、どっちかと言うと、正直不安だったと思うんですよ。
生きていくのに困ったらどうしよう、食べるのに困ったらどうしよう。でも40までに稼ぎきって、リタイアしたらきっとかなり不安が減った生活ができるんじゃないか、幸せかどうかは別として、比較的不安の少ない生活ができるんじゃないかという、そんなふうに思ってました。
今になってみて、40をもう越えたんですけど、仮に僕がすごく財産を持っていたとして、リタイアしたいっていう願望があるかというと、年も変われば考え方も大きく変わっているもので、全くそうは思わないんですね。
むしろ働けるってなんて幸せなことなんだろうなって、それは仕事が楽しいとか、楽しくないとかじゃなくて、働けるってこと自体が人に必要とされてるってことなので、それは生きてく上で、理屈抜きでうれしいこと楽しいことだなって思うんですよね。
ちょうど昨日株主総会があったんですが、僕は株主の方々に「1年間経営者として働いてよい」っていう承認をいただいて、初めて今の仕事をやらせてもらえるんですね。そこで否認されたりすると次の日から失業者になるんですけども。
任せていただけるっていうのは本当にありがたいことだし、必要としていただけるってことに対して、責任感っていうのも感じてるわけですよね。
もちろんプレッシャーでもあるけども、有難いなって気持ちが強くて、だからリタイアしたいなんて到底思わないし、思えないし、両方の気持ちがあるんですよ。
何が言いたいかって、もしリタイア後のライフスタイルとかに、不安から興味を持っている人がこの中にいるとしたら、その不安はきっと時を経るごとに違う感情に変容していく可能性っておおいにあると思うので、心配しないでと、きっと大丈夫だと言いたいですね。
働くって思ってるほど怖くないし、求められるってすごくいいことだし。実際、リタイアしたからってハワイに行きたいっていう人なんて、ここにいるスピーカーの中にも誰もいないじゃないですか。
柳澤:今日一番いい話。株主総会のところで止まったらパーフェクトだった。
五十嵐:働くっていいことですよってことだけ伝えたいなって思いました(笑)。
平尾:なんか今の話をきいて、もう1つ補足させていただくと、やっぱり去り際も大事ですからね。
本当に自分がダメだったら柳澤先輩のパブリックっていう話が出たので、すごいなって思ってそこは真面目法人じゃないかって思ったんですけどそこは(笑)。
柳澤:ありがとうございます。
平尾:やっぱりオーナーが経営の邪魔をしていいのかっていうそんな話ではないです。プロとしてやっていますので、オーナーとして早い意思決定ができるならやったほうが、いいかなというですね。
パブリックカンパニーとしての注釈だけ入れさせていただきたいと思っております。
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