2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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司会:それでは、登壇者の自己紹介のほうに移りたいと思います。2分程その場で立っていただいて、自己紹介をしていただければと思っておりますので、よろしくお願いします。では最初は、ヴォラーレ株式会社の代表取締役社長、高橋飛翔さんからお願いします。
高橋飛翔氏(以下、高橋):ヴォラーレ株式会社代表の高橋と言います。僕は大学時代に起業をして、今は2つ事業をやっていてですね、ちなみにSEOって言葉をご存知の方って、どのくらいいらっしゃいますかね。みんな知っていますね。
検索エンジン経由でのアクセスをより獲得していくSEOというノウハウを強みとして、法人企業向けにWebサイトの成長を支援していくというWebコンサルティング事業というのをやっています。
それにプラスして、スマートフォンアプリの情報サイトのApplivというサイトをやっています。こちらは何をテーマにやっているかというと、アプリの市場って今めちゃくちゃ伸びていて、アプリの数もこの2年で2倍以上に上がっている、増えているっていう現状があります。その一方で、意外と人ってアプリを新規にインストールしないっていうデータがあるんです。
このアプリを見つけるっていうところをいかに解決するかというのをテーマにやっているのがApplivというサイトになります。今は国内で500万人以上のUUがあって、今年からは海外展開していこうというフェーズになるので、そんな形の2つの事業をやっているということでお見知りおきいただければと思います。
今日はHR系の話ということで、採用の部分を他の起業家の皆さんとお話しできればと思うので、何がしかの参考になればというふうに思います。よろしくお願いします。
司会:ありがとうございました。では次は株式会社FreakOut取締役COO、株式会社イグニス社外取締役の佐藤裕介さんお願いいたします。
佐藤裕介氏(以下、佐藤):皆さんはじめまして、FreakOutの佐藤と申します。FreakOutは広告技術とかアドテクノロジーと呼ばれるような領域の事業を展開している会社でして、そもそも皆さんもスマホとかPC見ていて、広告がうざいと感じることが多分多いと思います。
とんでもなくうざいんじゃないかなというふうに思うんですけれども、特にスマホの細っちょろい広告を見て感動して泣きましたという人は多分いないと思います。そういう広告市場の環境を技術の力を使ってどういうふうに変えるんだ、というところにトライをしている会社です。
去年の6月に上場して、今大体120人くらいでやっています。もう1個、イグニスという会社を4年半ぐらい前からやっていまして、こちらはスマートフォン向けのパブリッシャーでメディア、コンテンツを作る会社です。
これも皆さん実感があるんじゃないかと思うんですけれども、例えばエスカレーターに乗っているときに20秒くらいスマホを見るとか。エレベーターを待っている時にスマホを見るとか、これも30秒もないぐらいだと思うんですけれど。
スマホが出てきて暇に感じる時間も概念が変わっている。暇に感じる時間の概念が変わって、そこにメディア接触が起こるのであれば、それに最適化されたコンテンツとか体験というのがきっとあるんだろうなというところで、それを追求してみたいなということをやっている会社です。
今日は僕もHR系のお話というところで、多分会社をやっていく上で、人事HR周りは一番その会社のコアとか、赤裸々な部分とか、だめなところとか、嫌なところとか出る部分かなというふうに思いますので、そういうところをいろいろ皆さんに正直にお伝えすることができて、何か参考にしていただければなと思っております。よろしくお願いします。
司会:ありがとうございます。次はRetty株式会社代表取締役、武田和也さんお願いいたします。
武田和也氏(以下、武田):皆さんこんにちはRettyの武田です。Rettyというサービスを2011年の6月からやっておりまして、いまユーザー数が500万人ほどになっております。
どういうサービスかというと、グルメサイトは色々あるとは思うんですが、ホットペッパー、ぐるなび、食べログがあって、Rettyは何かというと、食べログさんのようなランキングで探すサービスではなくて、自分の信頼できる友人であったり、嗜好の合う人からお店を探せるようなサービスです。
現在、24名の社員でアルバイトとかインターン生の方を入れると50名ちょっとまでいっているので、色んな採用にまつわるエピソードなんかを話せればなと思っています。よろしくお願いします。
司会:ありがとうございました。では次は株式会社ギブリー取締役の山川雄志さんお願いいたします。
山川雄志氏(以下、山川):こんにちは。ギブリーの山川と申します。よろしくお願いいたします。今日はモデレーターという立場で最初のセッションの係を務めさせていただくんですけれども、皆さんの代弁としてこのお三方の中に切り込んでいきたいと思います。
ギブリーという会社は何をしているのかというと、いわゆる採用の支援をしている会社でして、特に新卒の学生の方々であるとか、中でもIT領域のエンジニアの方々の採用のお手伝いとかをしています。
やっぱり就職をする人とか転職をする人側からすると、今の採用市場でもっとよくできるところってあるんじゃないかなと思っていて、例えばスマートフォンを生かした就職活動であるとか、あるいはソーシャルメディアを使った就職活動であるとか、色んな事業展開をしています。
採用側の人事の人たちの話とかよく聞いていたりする会社なので、そういう観点も活かしつつ、今日はお話を進めていければと思っています。よろしくお願いします。
司会:はい。ありがとうございます。では、続いて株式会社リブセンス取締役の桂大介さんお願いいたします。
桂大介氏:はい。すごい人数ですね。どこ向いて喋っていいかわからないんですけれども(笑)。僕はヴォラーレの高橋飛翔さんと同い年で、85年生まれで、同じ学生起業家なんですが、その前に僕はもともとエンジニアで、今もエンジニアなんですが、中学校のときにプログラミングを始めて、高校のときにシステム受託で個人事業主をやって、企業から仕事を受けて仕事をしていました。
それで大学に入って、うちの代表に村上っていうのがいるんですけれども、村上と会社を作って、その後は人材業界とか不動産業界とか昔からある業界をどうインターネット化していくかみたいなことをやっています。
僕自身は創業から9年ぐらい、エンジニアリングやったり事業部長やったり、最近は人事とか社内広報とか、制度設計とか採用とかいろいろやっています。今日は社内活性化というテーマですので、エンジニア的な話も含めて色々お話できるかなと思います。よろしくお願いします。
司会:はい、ありがとうございます。
六人部生馬氏:こんにちは。オーマイグラスの六人部と申します。僕は新卒から2社程度、まずソフトバンクという会社に入って、投資とかそういった仕事を証券会社でやって、そのあとベンチャー企業に入ってという感じで。オーマイグラスという会社をご存知の方いらっしゃいますか?
簡単に説明すると眼鏡をネットで販売している会社で、もともと3年前に立ち上げてネットに特化して、普通ネットで眼鏡を買わないと思うんですけれども、5個までだったら送料無料でご自宅までお届けして、気に入らなかったらば無料で返せると、そういったサービスをやっております。
大企業からベンチャーの立ち上げ時期まで色々と経験をしております。そこら辺の話を今日はできればなと思っています。よろしくお願いします。
司会:ありがとうございます。続いて、株式会社VASILY代表取締役CEOの金山裕樹さんお願いいたします。
金山裕樹氏(以下、金山):こんにちは!
会場:こんにちは!
金山:VASILYの金山です。僕らはVASILYという会社で、iQONという女性向けのファッションサービスをやっています。今ユーザー数が200万ぐらいいて、去年Googleからベストアプリをもらいまして、AppleとGoogleからベストアプリをもらっている世界で唯一のファッションアプリになりました。これマジなんです。
(会場笑)
嘘っぽいでしょ、世界で唯一って。でもこれマジなんです。組織について話すんですけれども、僕は結構普通じゃないキャリアといいますか、もともとミュージシャンを結構ガチンコでやっていまして、わりと組織はバンドと一緒だと思っていて、だから今日これも対バン相手がいて、そのくらいの気持ちでやっていたりとか。社内制度とかも結構、バンドの時の経験が紐付いているものが多く、はっきり言って全然役に立たないです。
ですが、そういうやり方もあるんだなと思っていて、別にバンドじゃなくても良くて、自分がそれまで属したところ、自分のルーツとなるものの組織運営っていうものが、実は起業した後、その後の社会人としての方向を見続けてくれるものかなと思っているので、それの1つの例だと思って聞いてくれたら嬉しいかなと思います。今日はよろしくお願いします。
司会:ありがとうございます。金山さんのように私も面白くなりたいなと思う今日この頃です。では、最後になります。株式会社アイタンクジャパン代表取締役社長の丹羽健二さん、お願いいたします。
丹羽健二氏:こんにちは。アイタンクジャパンの丹羽と申します。キャリアバイトというサイトをご存知の方、どのくらいいらっしゃいますか。おお、多いですね! ありがとうございます。嬉しいです。
そのキャリアバイトというサイトを大学の在学中に立ち上げまして、もともと大学生のアルバイト時間っていうのは月に60時間あって、その時間を有給の実践型のインターンに変えて、大学生の4年間という時間をもっと成長する時間に変えようというようなコンセプトで立ち上げたサイトをやっています。
今現状、インターンの採用支援を1,000社程させていただいていて、今日はそういう採用周りの支援をさせていただいているということで、モデレーターとしてお三方にどんどん盛り上がるような質問をして、皆さんと一緒に楽しめたらな、というふうに思っています。よろしくお願いします。
司会:ありがとうございました。では、今自己紹介いただいた8名の皆様と今日は一緒に進めていければと思いますので、よろしくお願いいたします。
山川:はい、よろしくお願いいたします。今回のテーマは主に採用の話が中心となります。例えば立ち上げ当時、どのように人を採用していったのかとか、そこからどうやって口説いてチームのメンバーに入れていったのかなどを聞いていきたいと思います。
現在も各社ともにかなり採用に力を入れてらっしゃる会社さんばっかりですが、成長中の企業はどういう基準でメンバーを精査しているのかとか、見抜いているのかとか、切り込んだお話もできればと思っています。どうぞよろしくお願いします。
では早速なんですけれども、まずそれぞれお三方の立ち上げ当時、だいたい何人位で立ち上げをされたのかというところと、創業メンバーは、どのように集まったのかというのをお伺いしたいと思います。では、武田さんからお願いしてもよろしいでしょうか?
武田:まず立ち上げた人数と、本当の立ち上げの立ち上げというか、会社を作った際のメンバーは僕ともう1名の2人ですね。もともとITの会社に居て、今のユナイテッドという会社に入ったんですけれど、同じチームのメンバーと一緒に創業をしましたね。
山川:はい、ありがとうございます。創業のとき、Rettyさんはどのようなはじまり方をしたのかや、創業メンバーへの声のかけ方がどのようなものだったかも教えていただけますか?
武田:そうですね、起業するということは前の会社にいる時からずっと言っていて、そういう前提があったんですけど、起業する前に、この前職を辞めてから1年間の時間があって、そこで海外に行ってたんですね。
アメリカに1年ほどいたんですけれど、その時にどんなことやろうかなぁというのをずっと考えていて、それでRettyをやることになったんですけど、アメリカには2010年の始めくらいに行って、夏に1回日本に帰ってきたんですね。その時に今の開発担当の長束にやろうよと言って、もう1回アメリカに戻って、帰国して創業したという経緯があります。
山川:ありがとうございます。では佐藤さんにもお伺いしたいんですけれど、まず先に今日のTwitterのハッシュタグを見ると、金山さんと言う方から、「Tシャツはどうやったらもらえますか?」という質問がきてます(笑)。そちらも含めてお願いします。
金山:お洒落! お洒落!
佐藤:ありがとうございます。ぜひオフィスに皆様遊びに来ていただければ、ある気がします。金山さんまだ来たことないですね。
金山:確かに。
佐藤:ぜひお願いします(笑)。
山川:創業の時にどういう始まり方をしたのか、という点を教えてください。
佐藤:はい、本当に最初の最初は代表の本田が、僕らが今、コアでやっている事業の1つであるDSP(デマンドサイドプラットフォーム)というのを作りたいというふうに言いだして、一緒にやろうよと誘われたのが最初っていう感じですかね。プラス、佐俣アンリさんという人がいるんですけれど、彼がクロノスファンドという僕たちの株主のところから送り込まれてきていて、3人でがんばってた感じです。
山川:ありがとうございます。では高橋さんお願いします。
高橋:最初始めた時は、大学の友達と2人で始めて、そいつが3か月くらいで辞めちゃったので、途中で走りながら人をかき集めていって、サークルの友達とか先輩とか同い年のインターン生とか3人位が一応創業メンバーと言えるかな、みたいな感じですね。
山川:学生の時?
高橋:そうですね、はい。
山川:その前に、最初に聞こうと思って忘れちゃったんですが、今日どういった方々がいらっしゃっているのかちょっと手を上げていただきたいと思います。学生の方ってどのくらいいらっしゃいますか?
学生はすごく多い。一応社会人の方? 学生の方がちょっと多いかな。では、既に起業されていらっしゃる方ってどれ位いらっしゃいますか? なるほど。
起業をいつかしたいなと思っているというかそういう準備中も含めてそういった方? そこへの関心はある方は多いんですね。ありがとうございます。
さて、では戻ってそういった立ち上げの経緯にはいろんな思いがあったと思うんですが、掲げたビジョンをどう達成していこうかという時に、非常に人集めは大事ですよね。そこで最初から10人くらいの規模感までは、どのようにメンバーを集めていったのかという点をおうかがいしていきたいと思いますので、また武田さんからおうかがいしてよろしいですか? 10人くらいまでのフェーズをどのように増やしていったのか。
武田:まず10人になったのは、ほんの1年前ですね。今会社をやって3年半くらい経つんですけどサービスをリリースして、2年くらいはずっと5人位でやっていたので。どういうふうに増やしてきたかというと、最初の創業メンバーは前職のチームメンバー、友達の紹介、知人の紹介というのが3名、ウォンテッドリーと勉強会やイベントで出会って、来てもらった方が残りという構成ですかね、はい。
山川:ありがとうございます。ちょっと議論したいんですけれど、武田さんのように立ち上げのタイミングで比較的近い存在、例えば友達と一緒に作ったというパターン、一方で佐藤さんは違った出会い方だったとのことですけれども、今振り返ってみて最初のメンバーや、10人ぐらいまでの方々でどういう採用の仕方が1番よかったな、というものはありますか?
佐藤:そんなに多分選択肢が無いのかなと思っていて、友達とかじゃないと実際ムリなんじゃないかと。
うちの会社だって10人中9人は友人や知人、同僚みたいなところのリファラルベースの採用ですけれど、それ以外にない。他人で来る奴って意味が分からないと思うんです。僕らが来てほしいという思いがあっても、「何で来るんだ?」みたいな。全員知らない人がやっているアパートの1室に来る奴っていうのは、ちょっとやっぱりなんかおかしい。なので、選択肢が無いというのが正直なところかなとは思いますけれど。どうですか、飛翔さん?
高橋:集め方というか、とりあえず僕としては、どんな手を使ってもいいなと思ったやつを採りに行くしかないんですよね、最初って。そこについては、正攻法で行こうと思ったらダメなんで、友達っていうのもそうですし。
後は個人的には、エンジニアを死ぬ気で1人採るというのがすごく大事かなと思っていて、特にネット系の企業だとエンジニアがいないと何も始まらんと思うので、そこで良い人をいかに採れるかっていうのがすごく大事かなという気はしますね。
佐藤:手段を選ばないっていうのは、どれくらいやりましたか? 誘拐レベルとか?
(会場笑)
僕、おもいっきり騙したりしましたからね。
(会場笑)
高橋:そうですよね。
佐藤:騙しました。オフィスは雑居感のものすごいビルだったし、できるだけ近くの寿司屋とかで面接して。オフィスには来させないで首を縦に振らす、みたいなのをどう頑張るかとか。じゃないとほんと無理なんですよね、で、どんな卑怯な手段を?
高橋:嘘にならない範囲で最大限にふかすっていう。
佐藤:あ、逃げた。
高橋:ちなみに何かと言うと、最初立ち上げたオフィスが入っている雑居ビルに、応接的な会議スペースがあって、その横にホワイトボードがある訳ですよ。
佐藤:うん、うん。
高橋:そのホワイトボードは入口のほうを向いているんですけれど、ここに次のオフィス移転先、サンシャイン60って書いて。
(会場笑)
佐藤:やってんじゃん。
高橋:一応俺の中では行く予定あったんだけど全然行けなかったっていう話で。サンシャイン60行かれるんですね、とか言われて「いや、余裕で行きますよ」みたいなことをこいていたというのがありました。伸びている感をちゃんと出すみたいなね、それは結構重要かなと思いますね。
武田:僕はとりあえずオフィスに来てもらう、というのをやっていましたね。会って優秀かどうかもわからない人も多いんですけど、オフィスに遊びに来て欲しい、というかたちで連れてきて、来たらすぐ仕事をお願いするんですよ。
仕事をお願いしていく中で、色んな困難が出てきます。その中で困難を乗り越えていく人、やりたいと思ってくれる人は、いつの間にかジョインしていくし、なんだこのベンチャーはわけわかんねぇと思う人はどんどんフェードアウトしていく、というプロセスで採用活動を続けていきましたね。
山川:まず遊びに来てもらう?
武田:まず遊びに来てもらうというのが一番重要かなと思っています、ずっと。
山川:最初のオフィスはどういうオフィスだったんですか?
武田:最初のオフィスは赤坂で、ほんと5畳半で家賃6万円位のところなんですけれど、ぼろぼろの、ちょうど震災があった時なんですよ。3.11の時だったんで、そういう中で壁にひびが入っているみたいな、そんなオフィスでしたね。
山川:ひびを見に来てよと?
武田:そうそう。
山川:なるほど。
佐藤:なんか普通にやっていたら、絶対来てくれないっていうのは最初の認識としてはきっと持っておいた方がいいだろうと。どうにかなるだろうといっても、どうにかなんないんで。本当は騙しちゃいけないけど、それくらいやる気で集めないと、そもそも仲間になんかなってもらえないよと。たぶん思ったより大変なんじゃないかなと思いますけれど。
高橋:これでいうと俺、起業の前に仲間集めの時間を半年おいたほうが良かったかなと思っていて。
佐藤:ほう。
高橋:起業やろうぜって2人で盛り上がって、ポンと起業して雑居ビルに人を呼んで仲間集めして超大変だったんですけれど、起業前の状態だと自由に動けていくらでも人に会えるから、自分がチームに欲しいスキルを持っている人たちのコミュニティに行って仲間候補と繋がれる。そこでメンバー候補をしっかりストックしてから起業するほうが、たぶんチームが集めやすいですね。
山川:それぞれいずれにしても起業しようと思った人がいて、学生の場合であれば当然就職という選択をする人が多いですし、社会人であれば当然起業というのはリスクに考えたりすることとかも多いと思うんですけれど、特に最初の10人のところにいくら友達とはいえ、なかなか意思決定をさせるのは難しいというところもあると思うんです。最初の10人に対して「起業したての会社で一緒にやっていこう」と、ジョインさせる意思決定のさせ方みたいなポイントってありますか。あったらぜひ教えて欲しいんですけれど。
武田:ジョインさせる意思決定。最初は本当に給料が払えないじゃないですか、普通に。今みたいに資金調達を容易にできる状況でもなかったんで、当時は。なので、最初は普通の会社員で働いている人の週末であったり、平日の夜ですね。そこからじわじわじわじわRettyに移行してもらうという事をやっていきました。まずお金じゃ絶対引っ張れないし、オフィスとか環境もそうですし、となると普通に正攻法では無理なんで、いかにうまく巻き込むかというのをずっと考えてやっていましたね。
高橋:基本立ち上げたばっかりのベンチャーってなんも無いですよ。お金ないし人もいないし雑居ビルだし、なんも無い訳ですよ。なんだけど、とりあえず画を語ることだけは出来るからこれから無限の可能性が俺たちの前には広がっているんだと、今お前は将来のホンダ・トヨタを目にしていると。トヨタ・ホンダを前にしてこの時期に入らないなんて狂気の沙汰だ、くらいのことを言いまくっていました。そうすると夢を持った人ほど、確かにそうかもしれないとなって、気持ちが傾いてきたりするので。僕の場合は、そこをがっつり、一緒にやろう! と言ってました。
山川:嘘は言って無い?
高橋:嘘は言って無いです。トヨタ・ホンダを目指す、越えるんだと言っていましたね。
山川:佐藤さんはいかがですか?
佐藤:そうですね、僕らの場合は10人中……。行いが悪いと、嘘とかついていると、マイクも通じなくなる(笑)。
(マイク交換)
佐藤:10人中、最初の9人が知人とか友達とか同僚だったというのもあるので、既にそこには信頼関係ができていて、採用する側がされる側から見て、それまで何をしてるかという行いのほうがたぶん重要というか、普通に社会人として会社勤めしているんだったら普通に仕事頑張っているとか、普段友達関係の中でどういうふうに相手に接しているかというほうが大事で。
本当に説得材料って飛翔さんが言っている通り、こんなふうになるんだというくらいのことしかないので、むしろそれまで過去に一生懸命ちゃんと仕事を頑張ってたのかということが信頼につながって、こいつとならどうにかなりそうとか。結果的に仲間集めにも繋がる気はすごくする。最初の10人をリファラルで採るというんだったら特にそうかなと思います。
山川:はい。最初の自己紹介の際におうかがいした時に、色々な成功事例しかり、失敗したこともあるということもおうかがいいしたんですけれど、皆さんメディアをご覧になる方も多いと思うんで、お三方のニュースとかもみられる方も多いと思うんですけれども、一般的にはすごく成長している企業だなという認識を皆さんもたれていると思います。当然最初の段階とかで失敗している事とか、失敗したことがあるんじゃないかなと思うんですが、こういう失敗があったな、みたいなことがあったら教えていただきたいと思います。
高橋:俺、超大失敗してます。起業して2年後くらいの2009年に当時社員数が17~18名くらいで、これを売れば会社が伸びると思えてた商材があって。もう雇おう、人どんどん雇おうって、当時某まぶしい漢字の通信会社出身の……。
(会場笑)
営業部長だった人がいて、その人の薦めで人を採りまくったんですよ。20人位採用して1年間に20人辞めるという大変な事をやったことがあって。イケると思ってた商材が実は全然イケてなかったんです。売れるけどあまり継続してもらえない商材で、お客さんも満足してくれなくて、それでどんどん人が抜けたみたいな事例はありましたね。
山川:それは商材が売れなかったから、こんなものを売っている会社は嫌だと辞めてったんですか?
高橋:そうそう、妥協採用というか人を広く採ってしまって。本当にカルチャーマッチしない人を採るみたいなことと、会社の業績が良くない方向に行くみたいなのがコンボでくると人がバサッと抜ける現象が生まれるんだなと思いましたね。ある種の妥協採用をするだけだったら、それ自体はクリティカルにはならないけど、他の問題とコンボで来ると会社って傾くというのをその時に経験しました。
山川:いかがでしょうか。失敗事例とか有りますか?
佐藤:うちの場合は最初の10人に絞っていうと、IPOまでに10人中8人が在籍していて、10人中7人が今も在籍していて、管理職なのが10人中6人とかなので、逆にそんなに最初の10人の仲間集めというところですごく失敗したなという認識はあまりないんですけれど、気を付けていたというところでいくと、まず1つはスタートアップオタクみたいなやつを1人も採用しないというのは気を付けていました。
やたら知識だけが異様にある奴っているじゃないですか。スタートアップ界隈っていうとあれですけど、コミュニティの中にそういう人たちが多々いるんで、そういうやつを全員無視するみたいな。「ベンチャーって何?」とか、「ストックオプション良くわかんない」って言っているやつで、おもしろい仕事をハードにしにきたやつを採用するというのはすごい気を付けたのと、ベンチャーの初期フェーズだと、マネジメントしに来るやつみたいなのがいるんですよ。結構ハイキャリアの人で。僕が外資系の会社にいた頃、そういう人たちを心底憎んでいたんで。
(会場笑)
とにかく手元で仕事をするやつだけをちゃんと見る、みたいなことを頑張った結果、そうすることによって、東大・京大・早慶・海外大出身の人は10人中2人になるというわりと雑草魂溢れる初期メンバーだったんですけど、それでもすごくよかった気はします。大丈夫ですか? この会議を否定しているわけでは一切ないです。
(会場笑)
高橋:スタートアップオタクはいますよね?
佐藤:いますよ。
高橋:うちね、ああこの話はやめておこう。
(会場笑)
高橋:やばい、実際そういうとこありますよ、あります。そういう人はすぐ辞めます。結局スタートアップを実際やってみると、どんなに華々しいベンチャーだろうが超ストイックに働いているんで、中に1歩入ってみればしんどいことがいっぱいある訳ですよ。そういう時に華々しい世界とのギャップがありすぎてみんなバタバタ辞めるんです。絶対そうなんです。しゃべっちゃった。
(会場笑)
武田:そうですね、佐藤さんと似ていて、基本的に最初に呼んできてもらってその場で働き始めるんで、何の契約もしない中で。なので、基本そこはどんどん肩書きとかそういうのを求めている人っていうのは自然と消えていくんですね。
本当に実行できる、手を動かしてやれる人が残っていくのでそこをとにかくすごく意識しましたね。失敗談ってやっぱりそこまでなくって、最初の10人で今4年くらいやっていて2人は辞めてしまったんですけど、デザイナーの子とエンジニアの子で1人ずつ。そうですね、そんなに大きな失敗というのは無いですね、そこは。慎重に採っていたんで、最初は。
山川:このへんは慎重に行った方がいいなとか、そういうところは、もともとネットエイジにいらっしゃった時とかに培ったものが大きいんですか?
武田:そうですね、ネットエイジもそうだし、学生のころからECサイトをやって、そのあとそのままやらせてもらっている会社に入って、その会社が潰れたんですけれど。その会社が潰れる状況とかをよく見ていたので、そこでの経験というのは大きいですね。
こうやって組織ってうまくいかなくなるんだとか、逆にすごい勉強になったこともあったので。結局カルチャーフィットってものすごく大事でRettyという1つのチームとして大きなビジョンを目指すというふうに思ってもらえる人じゃないとうまくいかないです、チームワークは本当に大事です、はい。
山川:ちょっとTwitterのほうを見てみると、「優秀なエンジニアを探したいのですが、友人関係の伝手を使えない場合どんな手段があるか?」という質問が6分前くらいにきたんですがいかがでしょうか? 優秀なエンジニアを探したい。どなたか? 友人の伝手が使えない場合ということなんですけれど。
佐藤:使えないのはなんでですか?
山川:まず伝手を作ろうというところではあるんですが。
高橋:まず伝手を作ろうよということしかないのかな。
山川:伝手の作り方を聞いてみましょうか?
高橋:今はFacebookとかで沢山イベントが組まれてるじゃないですか。近々、豆まきイベントとかもありますし、結構スタートアップ系のいろんなイベントってあるじゃないですか。そういうところに大企業でくすぶっている超できるエンジニアとかいっぱいいると思うんですよね、多分。
それこそ一緒になんかやりましょう、お前がCTOだみたいなこと言ったら、今の時代は全然来る人はいるだろう、と思いますけれどね。僕らの時代とかどこでそういう集まりがあるとか全然情報が無かったから、それこそ「どこにいるんだ?」みたいな感じだったんですけど、今は探しやすいと思いますよね。
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