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株式会社スペースマーケット 代表取締役 重松大輔氏(全5記事)

ビジョンやミッションは事あるごとに語らなければ伝わらない 社員全員を同じ目線に合わせるために、経営者にできること

FMラジオ番組「大人のミライ」でパーソナリティや、IT企業の顧問・アドバイザーを務める河上純二氏をモデレーターに、スタートアップ・ベンチャー企業のCEOを招き、その人柄や創立秘話などについて話を聞くYouTubeのトークライブチャンネル「『JJの部屋』by COLABO」。第6回となる今回のゲストは、空いたスペースをレンタルできるプラットフォーム・スペースマーケット代表取締役の重松大輔氏。本記事では、人生100年時代の生き方・働き方について語った最後のパートをお送りします。

52歳になっても、ボロボロのオフィスで夢を追い求めたい

河上純二氏(以下、河上):ちょっと後半戦に入ってきたからさ、重松さんの未来的な話を聞いてみたいなと思うんだけど。もちろんスペースマーケットの10年後みたいな話もあるし、重松さん個人としては……10年後だから52歳のタイミングで。どうなっていたいかって、なにかあったりする?

重松:そうですね。自分としては……なにをやってるだろうな? スタートアップ投資みたいなのをやりたいな、みたいなのはすごくありつつ。

河上:そういうのもあるんだ。

重松:もう1発くらい、なにかビジネスをやるか。

河上:まったく違う領域で?

重松:そうそう。リアルが絡むのはやっぱり得意なので。ゼロイチがすごく好きなんですよね。

河上:なるほどね。

重松:やっぱり現役でいたいですよね。常にバッターボックスに立っていたい。

河上:52歳でも最前線っぽいね。

重松:52歳とかでも、ボロいオフィスとかで次を夢見てる、みたいなのはすごくやりたい。

河上:なるほど。それって何だろうね? 持ち合わせた性格なのかね?

重松:ハングリー精神。そういう状況がすごく燃えるんですよね。

河上:みんなで雑魚寝してる状態みたいなね(笑)。

重松:いつか見てろよ! みたいな。楽しいんですよね。

河上:最初はNTTだけどね。

重松:そうそうそう。

河上:20万人くらいいるからね。

重松:ね。

河上:そのギャップ感が、なんかいいんだろうな。

役職が下のほうが上に奢る、という不思議な文化

重松:あれはあれでたのしかったですけどね。毎晩おじさんたちと飲む、みたいな。割り勘で飲む。割り勘なんですよ。

及川真一朗氏(以下、及川):割り勘なんですか(笑)。

河上:部長は払わない、みたいな。

重松:そうそうそう!

河上:部長は払わないんだよ。

及川:どういうこと?

重松:ああいう会社……って言ったら失礼ですけど。好きなんですけど、不思議な会社で。普通は役職が上のほうが奢るじゃないですか。

及川:ですよね。うんうん。

重松:逆に、下のほうが上に奢るっていう文化があって。

及川:上に奢るんですか? 下から上へ?

河上:(笑)。

重松:もしくは、割り勘。

及川:そうなんですか!? へ~、おもしろい。

重松:けっこう衝撃でしたよ。

及川:確かに。

重松:新卒歓迎会みたいなのでも、支店長とか来ても割り勘なんですよ。「え、今日入社するんですけど」みたいな。思わず聞いちゃいましたもん。「え、これ本当なんですか!?」って。何言ってんだみたいな。

河上:ちょっと怖いでしょ? 怖くない?

重松:まあ、不思議な。

河上:怖いなんて言っちゃダメだ。カットしてもらっていい?

及川:もう出ちゃった(笑)。

河上:やばい。

重松:あれは独特の企業文化ですね。当然はぜんぜん奢ってくれた先輩もいるんですけど。

河上:逆もあるしね。

重松:あれはけっこう、僕が学生からあがって一番びっくりしました。「え!?」とか言って。

河上:そういう考えでいるんだったらさ、スペースマーケットの会社とか事業は、本当に任せられる人が現れてたら、その人に任せていくっていう気持ちもあるのかな?

重松:はい。そこは常に最先端で、最速でいきたい。自分がやれるんだったら、ぜんぜん自分でやるけど。

ことあるごとにビジョンやミッションを語っていかなければならない

河上:未来で締めくくりに入っていこうと思ったんだけど、1個聞きたかったことがあるから、やっぱりちょっと聞いていい?

重松:大丈夫ですよ。

河上:会社のさ……一体感というかモチベーションというのかな。ぶっちゃけのところ「辞めたくない空気感」みたいなのとか、同じ目線に持っていく努力みたいなのっていうのは、どんな感覚でやってる部分がある?

重松:ビジョン、ミッションに共感することと、あとやっぱりサービスが好きかどうか、みたいな。

河上:自分のサービスが好き。

重松:そうそう。

河上:ビジョン、ミッションについては定期的に語っていくの?

重松:そこはもう常に語ってます。当然社員会とか社員総会とかでもやるし、あとは当然メディアとかネットを使ってもやるし、そこはすごく大事だと思っています。そういうホストのみなさんとか集まると、やっぱりそういう話をずっと聞かされる。

みんなやっぱり、最初にやるときは「本当にこんなところ借り手つくのかな?」みたいなそんなレベルからやって、「いや、すっげえ借り手ついちゃって、人生変わったわ!」みたいな方を見たりとかすると、やっぱすごく楽しい。あと、けっこう自分の家のスペースを貸しているメンバーが多いんですよ。

河上純二氏:なるほど。

重松:そうすると、めちゃくちゃいろんな使われ方するので、すっごいおもしろいなって。やっぱりおもしろいんですよね。「こんな使い方するんだ?」みたいな。

場所には「ロマン」と「ドラマ」と「想い」がある

磯村尚美氏(以下、磯村):いいですか? 「ビジョン、ミッションは何ですか?」ってコメントがあって、みなさん聞きたいんだなって。

重松:ビジョンは「チャレンジを生み出し、世の中を面白くする」ということで。やっぱり場所を簡単に貸し切りできるようにすることで、場所を貸す人は新しい収益源を得るし、新しいいろんな人と出会えるわけですよね。

一方で借りる人は、例えば「こういうイベントの企画をしたい」とか「ちょっとしたお店を1週間限定でやってみたい」とか、あと「起業するので、1ヶ月ぐらい籠もってやりたい」とか、やっぱりなにかやろうとすると、場所って意外と必要じゃないですか。それをスムーズにしたい。そこがやっぱりハードルになることがあるので。「場所を借りられないから、やめちゃおうかな」みたいな。「簡単に借りられるんだから、あとはやるだけですよ」みたいにしたい。

及川:確かに。

重松:そうして、結果的にいろんなチャレンジが出てくると。こういう取り組みもおもしろいじゃないですか。やっぱりおもしろい社会にしていきたいなという。ミッションは、それをやるために、世界中のあらゆるスペースを簡単に流通させるということです。

河上:場所にはロマンがあるもんね。ロマンとドラマがある。

重松:ロマンとドラマと想いがあったりして。

河上:俺、良いこと言ってない?

磯村:それを褒めてほしいんだなって。めっちゃ(笑)。

重松:やっぱりこだわりがないとね。

河上:社長に褒めてもらおうと思って。

及川:すごい(笑)。

重松:こだわりがけっこうみんなあったりして。それってすごくおもしろいですよね。

重松:そこを褒めてもらったりすると、もう「いや、本当やっててよかった」みたいな。「貸してよかった」みたいになる。

空きスペースのレンタルが、文化になっていく流れを感じる

磯村:今、5年目ですよね。

重松:そうです。

磯村:5年やって、社会はどんなふうに変えられたとか、実感はありますか?

重松:いや、でも本当になんか文化になりつつあるなって。まだまだですけどね。認知度5パーセントぐらいですけど、かなりいろんなチャレンジが増えてきて。

磯村:ですよね。おもしろいですよね。

重松:うん。まだまだいろいろできると思っていて。自分の住む家とかだって、別に1週間単位で、下手すりゃ1日単位で変えてもいいわけじゃないですか。

河上:そうですね。

重松:働く場所だってそうだし。パッと思ったらパッと借りられる、みたいな。パッと思ったらパッと貸して、パッと収益をあげられる。よりシームレスになって、フリクションレスになって、やりたいこと・やれることによりフォーカスできる、すごい時代ですよね。

河上:おもしろいよね。

重松:うん。

磯村:逆に「ホテルの部屋を売ってください」とか「貸してください」とか、そういうのもある?

重松:ホテルも最近ある。

磯村:ああ、あるんですね。

重松:はい。ホテルの持ってる会議室とか、それこそ待合ルームみたいな。待ち合わせ室みたいのあるじゃないですか。あそこってけっこう借り手がつくんですよ。

磯村:へえ。

重松:打ち合わせで1時間とか、どうせ空いてるんだったら、お金を払ってくれた人に貸したいじゃないですか。

河上:うん。

重松:有名なホテルのそういった待合場所みたいのを勝手に使ってるおじさんっているじゃないですか。

及川:うんうん。いますよね。

重松:それならちゃんとお金を払ってもらって「一応オフィシャルですよ」みたいにね。

及川:確かに。うん。

人生の後半戦でなにをしたいか

河上:ちょっと未来の話に戻すけど。

及川:はい、未来の話。

河上:あ、そういえば、本厄だよね。42歳だから。

重松:……あっ、いや。ええと、去年でした。

磯村:ああ、そうだ。数えだから。

河上:じゃあ後厄?

重松:後厄、後厄。

河上:そんなお年頃になってきたからさ。別に意識しているかはわからないけど……。

重松:意識してましたよ。

河上:最後のね、結末の話を聞きたい。

磯村:結末(笑)。

河上:後ろがあることに、このへんになってくると気づくじゃない。だから、終わり方みたいなところっていう意味で、たまに聞いてるんだけど。

磯村:いつも聞いてる(笑)。

河上:いつも聞いてる?(笑)。終わりのタイミングみたいなのは、どういうかたちであったらいいなと思うことってある?

重松:なんだろう。僕の理想は、いろんな人を育てていきたいというか。人とか事業とか、いっぱいそういうのを残したいなと。

河上:なるほどなるほど。自分の培ってきたものを若者たちに反映させていくような後半戦にしたいということね。

重松:そうそう。だから、おもしろいやつをどんどん束ねていくじゃないですけど、なんかね……で、うまい酒を飲みたいなと。世の中にとって良いことをして。

河上:もうそのとき、白髪で、こんなヒゲなんだよ。

磯村:髪がないかもしれない。

重松:うん。いや、もうギラギラしてたいです。

及川:(笑)。

河上:髪がなかったら困る。

重松:いや、もうギラギラしていたいですよね。死ぬまでやっぱなにかチャレンジしていたい。

おもしろい人たちが集まる地方の可能性

河上:そのときは、やっぱり東京なの? 都会というかさ。

重松:いろんな拠点に住みたいなと思ってますね。やっぱり地方もすっごいおもしろい。地方、すごく好きなんですよ。だから地方出張も大好きで。だからいろんな拠点があれば……まぁ、そういうビジネスなので。

河上:でも、やっぱり人が集まっているところというか、コミュニケーションが活性化されている場所だよね、地方って。

重松:そうですね。

河上:だから、山の頂上とかじゃないでしょ?

重松:そうです。

河上:ぽつんと「一軒家がここにありますよ」みたいなところに引っ込むことはないよねっていう。

重松:なんですかね、やっぱりおもしろい人たちが集まるエリアってあるじゃないですか。鯖江もそうだし、福岡とかも最近熱いし。あと千葉もね、金谷と、僕の両親は富津のほうなんですけど、そこにけっこうおもしろい人たちが集まってたりとか。そういう熱気を帯びるエリアみたいのがあるので、そういうところはどんどん行きたい。まぁ海外もね、当然。

河上:でも、80何歳だよ。

重松:いや、でもそれが最高の道楽だなと思いますよね。

河上:俺がよく話してるのは、南の島に最後は行きたいっていう……。

重松:あっ、言ってますよね。

河上:ありたいなと思っているのは、日差しの下でっていうね。

重松:南の島も行きたいですね。

河上:そう。

重松:けっこう飽き性なので、いろんなところをもう1ヶ月ごとに住み替えたいぐらい。

磯村:じっとしていられない派なんですね。

重松:あんまりじっとできない派なんで、常にこうなんか。そうそう。

河上:奥様は、なんかほら、もちろんいま子どもで大変だから忙しいけど、それが落ち着いてきたら、なに、またなにかグイグイと?

重松:まぁ、今もグイグイ行ってますけど。

河上:グイグイ行く? あっ、今もグイグイしてるんだっけ。

重松:もちろんです。

人生100年時代の海外渡航計画

重松:海外とかやっぱり行きたいですよね。海外に住まないで死ぬのは絶対イヤだなと思って。しかも何ヶ国かに住みたいし。

河上:どこ行きたいの?

重松:どこ? 良い質問ですね。やっぱり飯がうまいところがいいな。

河上:最初はどこだろう? 

重松:まぁ、暖かいところですよね。

河上:スペインみたいなところ?

重松:ああ、スペインいいなぁ。スペイン最高ですね。スペイン最高ですよ。スペインとか、ヨーロッパは住みたいですね。

河上:あっちがいい?

重松:うん。あと、普通にタイはやっぱり好きなので。

河上:ああ、東南アジアね。

重松:うん。楽園ですよね。

河上:最高だもんね。俺……おじいちゃんみたいな話だけどさ(笑)、だんだん遠くに行くのがやっぱりしんどくなってくるでしょ? 身体的にも。だから、「早めに遠くに行っておかないとな」という焦りを最近は感じてます。

及川:なるほど、なるほど(笑)。

河上:ほら、俺たちもなかなか時間をさ、バシッとさ、2ヶ月休み取りますって……。

重松:いや、取れない。

及川:取れない。

河上:行きにくいでしょ。だから、どうしてもさ、なんとか取って1週間みたいな感じで。そうすると東南アジア近辺になっちゃう。

重松:うん、なっちゃうね。

河上:ここはけっこうほとんど行き尽くしている感があったりするじゃない?

重松:そう。わかる。

河上:でも、エジプト行ってないし。

重松:行ってない。

河上:でしょ? イースター島も行ってないし。

重松:アフリカも行ってみたいですね。

河上:でしょ? キューバも行ってないわけよ。これ、今健康だから後回しにしてるけど、後回しにしてたら、ここに行けなくなっちゃったらどうするのって。

重松:確かに。ジジイになったら……。

及川:確かに。それは間違いない。

河上:本当に行けなくなったらさ……。

磯村:心配しすぎだよ。だって、まだ48歳だよ?

河上:うん、そうだよ。でも……。

重松:100年時代だから。

河上:そうだね。あと50年あるのか。そっか。

重松:そうそう。ああ、でも、あと50年ありますね。間違いない。

死ぬ前に行っておきたい場所

河上:じゃあ最後にね、みんなそれぞれの「一番行きたいところはどこ?」を聞いてみようかなと思う。及ちゃんは、一番行きたいところは?

及川:いや僕ね、もうさっき出ちゃってたので微妙なんですけどね、スペインに行きたいだけなんですよ。僕、画家が好きなので。

河上:誰だっけ、スペインだと?

及川:サルバドール・ダリとかね。

河上:ダリね。

及川:ダリとか、あのへんの時代はみんなスペインですからね。ピカソもそうだし。

河上:なるほど。

及川:あのへんは一通り回りたいですけどね。確かに行けてないんですよね。だから、ちょっとやっぱり休みを取らなきゃいけないから。

河上:遠いから。

及川:これがなかなか取れてないですね。

河上:ワーカホリックだからね。

及川:ねえ。いや、そうですよ、もう本当に。

磯村:私はヨーロッパ行ったことがないから、イタリアとか行きたいです。ローマとか。

重松:ローマ行きたい。

及川:ローマね。

磯村:オシャレじゃないですか。

河上:ローマは行った。

及川:行ってる自慢(笑)。

河上:俺は……うーん、そうだな、どこにしようかな。でも、まぁあれだな。ペルー?

及川:ペルー。

重松:あ、ペルーね。

磯村:えー、なんで?

河上:マチュピチュもあるし、ナスカもあるしね。

及川:ああ、確かになぁ。

河上:危険地帯というか治安が悪いからさ、元気にかみさんを守れる歳のうちに行かないとさ、もう金品全部持っていかれちゃうから、早めに行かないとなと思うけど、「まだ行けてないじゃん?」というのはあるなと。

重松:そうだ、南米とかぜんぜん行けてないんだよな。行ったことないので。

河上:重松さんのさ、なんか行きたいところ、最後締めてさ。

重松:行きたいところね。まだロンドンと……イギリスとか行ったことなくて。やっぱり僕はラグビーが好きなので、トゥイッケナムは行きたいですよね。トゥイッケナムってラグビーの聖地なんですけど、8万人も入る。この前、イングランドと日本が試合をした。あそこ行きたいな。本当に飯まずいんですかね?

及川:っていう噂は聞きますけどね、食べてみないと。

重松:まぁ、中華料理を食えばいいんじゃないですか。

河上:本当はおいしいんでしょ?

及川:うん、食べたら食べたで。どうなんですかね。

重松:あと、アイルランド。そう、ウイスキーもすごい好きで。

及川:ウイスキーはいいですね!

重松:うん、アイルランドとスコッチ好き。だから行きたいんですよね。

及川:スコッチは間違いなくいいですね。

河上:イギリスね、わかりました。話がグローバルに広がった。みんな早めにね、年老いる前に行かないといけない。

及川:そこで締めるんですか(笑)。

重松:絶対に行ったほうがいい。

河上:みんな日々忙しいけれども、ご利用は計画的にということ。今日はゲストの重松さんがいろいろ話してくれたけれど、どうでした? 楽しかったですか?

重松:いや、楽しかったです。さすがです。おもしろいですね。

河上:今度は年末に……あっ、もう年末近いな。来年はちょっとトークサミットみたいな。

重松:トークサミットやりましょう。

河上:おもしろいメンバー集めてやりましょうよ。

重松:もうベロッべロになって。

及川:ベロベロって(笑)。

河上:そうね。はい。

及川:自己責任でみんな(笑)。

重松:あとでみんな見て青ざめるみたいな。

河上:田原総一朗役をやらせてほしい。よろしくお願いします。

河上:今日はね、スペースマーケットの重松さんに来てもらいました。ということで、はい、ありがとうございました。

一同:ありがとうございました!

(一同拍手)

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