2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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河上純二氏(以下、河上):もうやんカレーの、もうちょっと真面目な話もしたほうがいいと思うからこれからするんだけど(笑)。今って10店舗になりましたっけ?
辻智太郎氏(以下、辻):そうですね。
河上:ですよね。何年でここまで来たんですか?
辻:21年です。
河上:21年。どうですか? なんか成功の秘訣って、振り返るとなんかあったんですかね。
辻:いやいや、成功なんて思ってないし、今でもバタバタしてますよ、実は(笑)。成功は別にしてないですよ。
河上:あっ、そうですか。でも、ここまで数が増えてきて、これだけファンも増えてきて、こうなるとは……。最初はどう思ってたんですか? 自信があったというか。
辻:いや、そういうのよりも、仕事を通じて自分の時間とか、あとスタッフと遊べる時間とか、なんかそういうのがしたくて始めたので。別に店舗を増やしたいとか、そういうのはあんまりないんですよ。
河上:あっ、そうなんだ。
辻:だって21年もやってたら、普通もっとあるでしょ? 店舗。
及川真一朗氏(以下、及川):そうかぁ。
辻:5年ぐらいでなんかバタバタっとやる人もいるじゃない。目指すものがちょっと違ったのかもしれないです。そんなに店舗数とか売上とか……まぁ、赤字じゃ困るけど、ちゃんと自分の時間もあったりとかね。そういうのを目指してやってたんで。
ただまぁ、これからは自分勝手なことばっかりも言ってられないから。スタッフもいるしね、生活もあるから、まぁそのへんを考えつつやっていきたいと思います。
河上:でも、辻さんのFacebookとかも見てると、なんかとっても自由じゃないですか。もちろんお仕事を一生懸命やってることは重々承知の上で(笑)。社長自ら、いろんなことを体験したり、体感したり。
特に最近は宇宙の話をよくしてるし、もちろん海に出てる時も見てるし、バイク乗ってるのも見てるし。すごいなんか、公私共々、いいライフスタイルっていうか。素敵な人生送られてるんだろうなぁ〜って思いながら、僕見てるんですけど。
辻:どうですかねぇ? 好き勝手やってるかもしれないのかな(笑)。自分ではそんな思ってないですけど。
僕、今カレー屋もやってますし、あとは屋形船みたいなこともやってるし、あと釣り船みたいなこともやってるし。あとは工場でカレー作ったりとか、開発したりとか。好きなことというか、むしろ「お客さんが何したら喜ぶのかな?」っていう、なんかそれがメインになってくるから。
例えば、うちはスタンプカードがあるんだけど。自分で釣りするんで、スタンプカードが満タンになったら釣り船に乗っけてあげたら、みんな喜ぶんじゃないかなとか考えてます。
河上:ははは! お店飛び越えちゃってるから、サービスが(笑)。
辻:そう。そういうの、なんかおもしろいじゃないですか。
河上:おもしろい。
辻:別に、そんなにボロ儲けするつもりもないので、なんかおもしろいほうがいいかなと思って。なんかそういうスタンスでやってますね。
河上:なるほどね。
辻:だってカレー屋って、そんなにお客さんとしゃべるような場ってないんですよね。今日みたいなバーだったらこうやってしゃべりますけど、カレー屋なんて、ラーメン屋みたいなもんだから。
河上:まぁ、たしかに。
辻:食べ終わったらもう普通に帰っちゃうじゃないですか。だから、顔は知ってて、よくしゃべるけど、名前も知らない人とか、けっこういっぱいいるんですよ。もう20年も来てもらってるけど、名前知らないとか。顔を見りゃあ100メートル先でもわかるけど、そういう方っていっぱいいるんですよ。
だからそういう時に、スタンプカードが満タンになって、遊びに来てもらってね、1日一緒にいるわけだから。もう嫌でも、名前も素性も全部わかるし。
河上:ゆっくり話すんだ。おもしろい。
辻:そうすると、今まで謎だったものが、いろいろそこでできるじゃないですか。そうでもしないとねぇ。カレー屋って、そういうところありますよ。
河上:たしかにそうですね。特に昼は、そういう時間に流れていきますしね。
辻:もう「いらっしゃいませ」と「ありがとうございました」しか言うことないですからね。こっちもバタバタしちゃうから、そんなに時間もないし。
河上:でも、夜はほら、カレー屋の域を出て、さまざまなおつまみみたいなの、ワインもわりかしこだわって出してらっしゃったりしてて。けっこう楽しくワイワイコミュニケーションを走らせられるような夜のスタイルも、お店としてあるじゃないですか。あれ、すごいいいですよね。
辻:でもカレー屋だとね。やっぱり、夜はカレーのイメージないんですよね。ただ、「スパイス料理」だとか「スパイス居酒屋」みたいな、そういう使い方だとみなさんに来ていただけるので。
それで、なんか僕が食べたいものとか、そういうものしか置いてないんですけど、なんだかんだいろいろ揃えていったら、知らない間にメニューが増えていって、なんか普通に居酒屋みたいになっちゃいましたね、スパイス居酒屋みたいに。
河上:そうですよね。交流会、しょっちゅうやってるんでしょ?
磯村尚美氏(以下、磯村):しょっちゅうって(笑)。
河上:あれはしょっちゅうって言うんですよ。いいよね、夜ね。俺も交流会の時に行かせてもらったけどさ。夜に行ったの初めてだったんです、実は。で、衝撃的なのよ。
磯村:何が?
河上:味が。奥深い感じだったの。スパイスの味付けがすごく奥深くて。いろんなタパスが大皿で出てきたんだけど、どれもすごい複雑で、表現できないような味わいなの。
磯村:そんなに(笑)。
河上:そう。腰抜かしそうになったのよ、俺、本当に。こういう言い方すると、ちょっと嘘っぽく見えちゃうか……。びっくりして、辻社長に初めて会った時だったんだけど、「すごいうまいですね!」って言ったのね。
辻:そうそう。
河上:そしたら、「あっ、そうすか?」って軽く流されて。
(一同笑)
辻:うちのスタッフにね、今までいろんな料理やってきたスタッフがいるもんですから。東京って、なんでも食材が揃うんですよね。うちのスタッフの中には、イタリアンやってた人、和食やってた人と、いろんな人がいるんですけど、これでなんかうまいものできないかなぁなんて。
僕は凝ったものというか、いろいろ調べては作るけど、スタンダードなものを知らないんですよ。それをスタッフに聞いて、作ってもらって、「あぁ〜」って。オペレーションとかね、そういうのはそこで見るんですよね。
例えば「ラタトゥイユって、何?」みたいな。よくそこらへんで見るけど。そしたら、それを作ってもらって、「あっ、意外と簡単にできるじゃん」とか思って。「これだったらまぁ値段的にも、いろんなオペレーションの時にもできるなぁ」って。うちで出しても、これ別に普通だし、普通にうまいもんだし。
そこからいろいろ僕が口を挟んで、スパイス味にしたりとか、オペレーションのこと考えたりとかね、そういうのをしていったら、なんか今みたいなスタイルになったんですよね。
河上:なるほど。
辻:だから、うちのスタッフがいろいろ教えてくれるんですよね。あと、お客さんもね。
及川:あぁ、いいですね。
辻:スタッフとお客さんがいろんなこと教えてくれるから、それを元に、今だとほら、ネットがあるから、いろいろと調べられるから。夜な夜なあとはもう作って、作って食べて。
河上:作ってるなぁ〜。
及川:なるほど。
辻:人体実験して。
(一同笑)
及川:そこは今でもやってるんですね。
辻:そうです、そうです。
河上:なんか変わったメニューも多いじゃないですか。そういうメニューって、仲間と一緒にメニュー会議みたいなのとかやったりするんですか?
辻:いや、どっちかというとね、なんかこう「はまる」時があるんですよ。何事にも。
河上:はい、はい。
辻:それで、こないだはまったのがトリッパとギアラ。
河上:うまそう。
辻:いろいろ部位があって、その中で「何が一番うまいんだ」っていうことで、全部もう、食い漁って。
及川:ははは(笑)。
辻:結局、残ったのが、トリッパとギアラだったんですよ。
河上:へぇ〜。
辻:それをスパイス味にしようっていって、ついこの間できたんですけど。もうそろそろ登場しますけどね。
河上:仕込んでるっていうことですか? メニューを。
辻:もうできてますよ。
河上:おいしそう。
辻:あとはバーッと作って、どうやって出すかとかですね。味は決まってます。あとは、最近ねぇ、ネパールのスタッフが多いんですよ、うち。
及川:そうなんですか。
辻:それで、ネパールの子がね、賄いの時に、うちにある材料でパパッとカレーを作って、なんかみんなで食べてるんですよ。「なんかうまそうだな」って、「ちょっと食わして」って、食わせてもらったら、めちゃくちゃうまいんですよ!
河上:ははは(笑)。
辻:「なんだこれ!」と思って。
河上:もう、即採用だと?(笑)
辻:うちの実験場に連れて行って。
河上:「作れ」と?(笑)
辻:もう全部、1個動作したら、もう1人がこうやって全部メモして、グラムとか全部測って。
河上:すげぇ。
辻:「温度、今何度だ?」みたいな。
磯村:ははは(笑)。
辻:それで、ネパールのカレーなんですけど、ベースはね。ただ、そのままだとちょっとね、日本人には合わないような味が少しあったんで、そのへんはちょっと改造したりだとか。
あと、ネパールのカレー屋だと、その場で作ってその場で食べるんですよね。うちの場合だと、作り置きしておいて、注文を受けたりとか、あとお昼のビュッフェのときに出すから、やっぱり味が変わっちゃうんですよ。だけど、その時でも変わらない工夫とかね。そういうのを実験で考えるんですよね。
河上:へぇ〜。
辻:それね、めちゃくちゃうまいですよ。もうやんカレーのカレーソースと、だから今度からネパールっぽい、ネパールっぽいというか……。カレーの名前は「ネパールカレー」じゃないんですよ。僕がちょっと拉致した子はね、ビスヌっていう名前なんですよ。だから「ビスヌカレー」にしました。
(一同笑)
及川:名前がついてる(笑)。
河上:彼も喜んでると思うよ。後世に残る。
辻:すごいおいしいものを簡単にパパッと作っちゃってね。向こうの料理はすごいなって。だから、そのへんもちょっといろいろ研究してるところです。
うちのもともとのカレーって、こねくり回して、本当に1週間〜2週間かけてやっとできて。それはそれでいいんだけれども、あんなパパッと作ってこんなにうまいんかと思ってね。ちょっと衝撃でしたね、最近。
河上:食べたことないなぁ、ネパールのカレー。
辻:いやいや、普通にインドカレーですよ。インドカレーの中で、みんなが好きなやつ。例えばバターチキンとか一時流行ったじゃないですか。あれなんかでも、向こうだと子どもが食べたりなんかするものらしいんですけど、やっぱり日本人に合うやつがあるんですよね。
どれもおいしいとは思うんですけど、中でも今回作ったやつが、僕の中では相当うまいなと思いましたね。
河上:へぇ〜。
辻:ある意味なんかね、イタリアンのすごいおいしいパスタのトマトソースのカレー版みたいな。なんかそんな感じの。
河上:想像できないなぁ。
及川:本当ですね。
河上:それ、今店に行ったら食べられるんですか?
辻:今は出てないですけど、もうちょいしたら、もう一気に仕込みに行きますね。
河上:それ、出たら教えてくださいね。
辻:もちろん、もちろん。
河上:拡散してください、食いに行きます。ファンとして、なんかもうやんに望みたいメニューってある?
磯村:望みたいメニュー? でも、けっこう満足してますけどね。
河上:今の内容で? もっとあるでしょう。
磯村:もっと?
河上:それだけ食ってりゃあさぁ、出てくるでしょう、さらなるリクエスト。
辻:あぁ、野菜ね。野菜。
磯村:野菜は好きですけどねぇ。
河上:あるんじゃない? だって体の3分の1はもうやんになってきちゃったでしょ? 今もうすでに。
磯村:めっちゃカレー臭してそうですよね(笑)。
及川:ははは(笑)。
河上:冬にはもう、半分までいってると思うから。
磯村:いきますかねぇ?
河上:もうやんになってると思う。
磯村:本当ですか? でも、もうやんカレー食べ続けると、痩せるんですよ。
河上:それ、でも本当にねぇ、言わないとわかんないよね、でも。なかなかね。全部野菜でできてるから、カロリーも低カロリーだし、ってことでしょう?
辻:そうですね。
河上:それ、すごいよなぁ。
辻:カレーって作るとき、日本のよくあるカレーは、油に小麦粉をドサッと入れて、それを炒めるところから始まるんですよね。
河上:うん、うん。
辻:なんでそんなことすんのかなぁと思って。別に、それ食べたってうまくないですよ。なんでそんなことすんのかなって不思議でしょうがないですけど。うちは小麦粉使わないんですよ。別に、入れる必要はないし。だからもう、今流行りのグルテンフリーみたいな。
河上:そうですよね。
辻:ちょっと流行りに乗っかって、言葉を使ってますけど(笑)。
(一同笑)
辻:化学調味料も使わずに。別に入れる必要ないから。化学調味料って食べたことあります?
及川:そのものは食べたことないですね。
辻:なんかと相乗効果があるのかわからないですけど。小さい頃、友だちの家に遊びに行った時、友だちが目玉焼きに化学調味料をパパッとふりかけて食べてたんですよね。たぶん、磯村さんの年代の、先輩の方なんかもみんなそうだと思うんですけど。
(一同笑)
辻:なんでそんなことするのかなぁと思って。それで、「うまいんかなぁ?」と思って僕もやったんですけど、「いや、絶対醤油の方がうまいぞ」と。
及川:そうですよね。
辻:で、店始める時も、一応なんかどんなもんかって食べたことあるんですけど、別にうまいもんでもないから、入れる必要ないかなぁと思って。だから、入れてないんですけど。今となってはそのほうがいいみたいなね、風潮がありますからいいんですけど。
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