2024.10.10
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仮屋薗聡一氏(以下、仮屋薗):先ほどの(第4部分科会の)「金融資本市場ができること」に引き続きまして、今度はいわゆる「ベンチャーキャピタルである我々ができること」というセッションでやっていきたいと思います。
私、先ほどのセッションを後ろ側で聞いていたのですが、日本のベンチャーキャピタルはまだ本当にサイズ感が小さくて、機関投資家からするとカウントできないぐらい小さいということを言われて、胸がズキンと痛んでいたのですが。
そういうなかで申しますと、みなさんご存じのところも大きいかと思うのですが、アメリカのベンチャーキャピタルがちょうど昨年の投資金額規模が8兆円。
当然エンジェルですから正確な統計はないのですが、アメリカのエンジェルのサイズ感は2兆円。そして、アメリカの大企業、いわゆるコーポレートベンチャーキャピタルやダイレクト投資も数兆円の規模が当然ありますから、総計すると米国はやはり10兆円を超えてきている状況があります。
我々は、実はこの4年間で約4~4.5倍の投資額にはなっているのですが、それでも3,000億円弱ですね。ベンチャーキャピタルがだいたいその半分ぐらい。とくにCVC(コーポレートベンチャーキャピタル:ベンチャー投資を、事業会社が自社の戦略目的のために行うこと)は貢献しています。この現状を考えると、実は30倍から40倍ぐらいの大きな資金投資量の差になっています。
それを今日のテーマの「1兆円」というところから考えますと、日本におけるベンチャーの投資額がやっぱり3,000億から1兆円になるというのが、我々がまずは目指さなきゃいけないことかなと思っていまして。今日はそのあたりに発展・展開するようなお話をしていきたいなと思っております。
まず最初に、具体的に我々ベンチャーキャピタルとして1兆円企業を生み出すという手触り感ってどうなんだろうというところからお三方にお話を聞きたいなと思っています。
ついさっき調べたんですけど、いま日本で1兆円を超えているベンチャー由来の会社は7社ありました。最大がリクルートさん。そしてLINEさんと楽天さんがちょうど1兆円ぐらい。そして、日本のベンチャーで参考にできるエムスリーさんやスタートトゥデイさんがちょうど1.5兆円をつけているような状況です。
昨今ではUS、中国で企業の変化が激しいと思います。日本を見ていて、この1兆円企業の具体的な手触り感や「こういうのが自分としてイメージある」というような俯瞰したかたちで、まず宮田さんからお話しいただければと思います。
宮田拓弥氏(以下、宮田):わかりました。ありがとうございます。
宮田:アメリカでしか投資をしていなかったのでアメリカの話をすると、今朝来る前にアメリカに未上場の1兆円超え企業がどのぐらいあるのか調べたら、いま7社ですね。
実は急激に中国に追いかけられていて、ほぼ同じ数が中国にあります。みんな知ってるUber、Airbnb。WeWork、Palantir、Lyft、それとSpaceX、Pinterestが1兆円超えですね。
何か共通点はないか見てみました。実は、私はもともとエンジニアで、いわゆるゴリゴリの研究開発型の企業を自分でやっていたので、テクノロジードリブンの会社が非常に好きで投資をしています。
背景としては、アメリカの場合はイグジットがほぼM&Aなので、そういった会社のほうがM&Aされやすい。とくに、いまコーポレートがガンガンM&Aに来ています。50億、100億、ビリオンダラー以下のM&Aがテック系では起きやすいので投資をしているという背景があります。
一方で、今回のテーマである「1兆円」というスケールを考えたときに、UberとかAirbnbの起業物語ってけっこう有名ですが、誰も技術に関しては大したものを持っていません。
結果から見ると、「旅行」という、ものすごく大きなマーケットや、タクシーなどの「モビリティ」という大きなマーケットに果敢にチャレンジしたのが1つ大きなポイントなのかなと思いました。
仮屋薗:宮田さんのいまの観察ですと、いわゆるデカコーン。未公開でも1兆円つけているような、世界の巨大マーケットにアタックしているような企業群。一方で、ユニコーンでM&Aが起こっているのは、わりと技術ドリブンなところでどんどん大手が買収している。そういう2つの層があります。
宮田:そうですね。たぶんもうちょっと細かく分けられるんですけど、わかりやすいところで言うと、GitHubがこの間、6,000億円ぐらいでMicrosoftに買収されました。個人的にはIPOもできる企業だったと思うのですが、逆に言うと、ああいうのはまさにM&Aされやすいタイプの会社かなって気はします。
仮屋薗:ありがとうございます。
仮屋薗:じゃあ続きまして、堤さん。日本のこの数年来の非常に大きなベンチャーのエコシステムの変化。我々VC業界も、資金量でも、そして参加しているVCのタイプも、非常に多様化してきてエコシステムが広がっていると思います。
そういう中から、いま応援している企業群が1兆円にいくような姿とか、何か今日いきなり高い目標のお題を与えられているのですが、感じていらっしゃること、まずはそこからお話し願えますか?
堤達生氏(以下、堤):もちろん気持ちの上ではみんな1兆円いってほしいんですが、なかなかそんな簡単にはいかないなと。先ほどの(リクルート社長の)峰岸(真澄)さんとか(KDDI、イー・アクセス創業者の)千本(倖生)さんのお話もあったように、やっぱり時間がかかるんですよね。
VCとしてのある種の限界を感じるのは、ファンドライフというものがあって、この10年間の中で結果を出していかなきゃいけないんですが、その中で1兆円をその間尺で作り出すのは相当ハードルが高いです。
ただ、そこを作るような、VCの役割の1つでもあると思うんですが、そういった素地を作る。経営者といったものやそういう組織を整えるためのお手伝いを、僕らとしては常にしているつもりですし。
僕はあるイグジットした会社の経営者に言われて一番うれしかったことが、イグジットしたことじゃなくて、「なんでもなかった僕を経営者にしてくれた」ということだったんですね。それは最高の褒め言葉だなと思っています。
1兆円企業になるために、必ず経営者自身の成長とか組織の作り方は重要になってくるんですが、やはりそのあたりをいかに上場するまでの間に作ってあげられるか、手伝えるかがすごく重要だなとは思っています。
仮屋薗:なるほど。1つは期間の話、それからもう1つは、いかに起業家、そして経営チームを育てられるかって、2つの話があったと思うのですが。
私、先ほど日本のベンチャー企業の資金が3,000億という話をしましたが、この5倍ぐらいになったのみならず、1件あたりの投資額も非常に大型化してきています。ご存じのとおり、100億円の投資をできるラウンドも組成されてきているので、このあたりはいま発展途上にあると思います。
ただ、ユニコーンを「デカコーン」にしていく、つまり1兆円を目指すためには、ユニコーンのタイミングで数百億からもっと投資をしてそれを10倍にすることが1つのパスになるんですが、先ほど千本さんがオープニングにおっしゃられたような、数百億から数千億を投資できるような力はまだ我々にはないというのが1点で。
USを見ると、いわゆるインベストメントバンクがもうその世界に入ってきますよね。ヘッジファンドだって入ってきている。そんな部分が日本にはまだないので、後ろがやっぱりないということ。
マザーズというマーケットは、やはりこの数百億円弱からユニコーンになるようなところまでは、VCが10年間のなかでできるところの「その次」を担ってもらっていたのかなという連携は、これまであったんじゃないのかなと思いますね。そういう意味で言うと、まさにユニコーンの先、そこから1兆円になるところをどのように資金面でやるのかが鍵です。
あと、人を育てるという観点でいうと、みんなが職人的にやっているだけで、日本ではまだほとんど明示化されていないですよね。このあたりは後ほど詳しくお話をできればと思います。
仮屋薗:続きまして、朝倉さん。朝倉さんは、もうみなさんご存じのとおり、ミクシィの経営者もやられて、その前はベンチャーの起業から売却へ。そして、いま新たな付加価値として、ポストIPOの1兆円の道を作ろうとされているわけですが、どうでしょう?
朝倉祐介氏(以下、朝倉):私はいわゆるベンチャーキャピタルをやっている人間ではないんですが、スタートアップの成長をお手伝いする立場の人間としてお話します。今回のG1ベンチャーでは、時価総額1兆円を超えるスタートアップをどうやって創出するかというテーマが掲げられていますが、そもそも「スタートアップっていったいなんなんだ?」という話ですよね。
ものすごく形式的なものの見方をすると、「IPOしているか・していないか」「ベンチャーキャピタルの投資対象であるかどうか」というのが、わかりやすい杓子定規な解釈だと思います。
一方で、じゃあ上場企業ってスタートアップじゃないのかというと、そんなことは決してないでしょう。スタートアップの本質というのは何かというと、スケールする事業に挑戦し続けて、成長を続ける会社ということだと思っています。そうした解釈に従うと、スタートアップは上場か未上場かという区分で判断されるものではない。
先ほど1兆円企業をいくつか仮屋薗さんから例示していただきましたが、その中でとくに我々にとって参考になるんじゃないかなと思う会社がエムスリーとスタートトゥデイ(現在のZOZO株式会社)です。
エムスリーは上場したのが確か2004年なんですね。上場時の公開価格が確か300億超ぐらいで、初値が600億円超程度。そこから確か2016年に1兆円を超えたということですので、12年かけて1兆円を超えてきたと。
また、スタートトゥデイもそうです。2007年に上場されて、その時の初値が初値ベースで確か300億円ちょっと。考えてみたら2013年頃も確かまだ400〜500億円ぐらいの水準だったんですよね。そこから5年ぐらいかけて、上場から10年でいまは1兆円を超える企業に成長しています。
こうした先行事例があることを考えると、上場の段階で大きな時価総額をつける「大きく生んで、大きく育てる」という方針も1つの考えだとは思う一方で、「上場したあと、いかにしてスムーズに会社を育てていくか?」ということも重要な論点だと思います。
スタートアップの取り組みとは、世の中から見て何なのかと言うと、単に上場企業の数を増やすことではなくて、世の中に本当にインパクトのある新しい産業、経済成長の牽引役となるような事業を生み出していくこと、それが本旨のはずですよね。
そういうことを考えると、単に上場前だけでなく、上場後もそこからスケールするような仕組みづくりが必要ではないかというのが、いまの1兆円企業から学び取れることだと思う次第です。
仮屋薗:朝倉さんご自身、確かミクシィのときには数千億の中盤ぐらいまで、一気に持っていったご経験があると思います。
ご経験からして、上場からそのあと、数百億の企業価値から数千億、1兆といくなかで、いま日本に足りないものや、ご自身としてこれから提供していきたいと思う価値は、だいたいどのあたりにあるんですか?
朝倉:ミクシィの場合は、私が代表就任した当時が時価総額180億円だったと記憶しています。そこから1年かけて一気に5,000億円まで伸びた。いまちょうど2,000億円の半ばぐらいにまでなっているんですが、いずれにせよ1年で大きな成長ができた。
それだけを見てみたら、ゲームという当たり外れが業績を大きく左右する領域で非常に運がよかったこともありますし、「まぁ、よかったね」という話になります。ただ、ここで確認したいのは、ミクシィが決して成功事例ではないということです。
本当の成功事例とは何かと言うと、上場したあともちゃんといろんな障害を乗り越えて、あんなドラスティックな変革をしないで成長し続けることだと思うんですね。私はもう二度とターンアラウンドはしたくありません。
そういう意味で言うと、「転ばぬ先の杖」と言いますか、予防策。ちゃんと上場したあと、前後含めて事業が飽和する前に、どうやって継続成長するかという仕組みを整えておくことが非常に重要だと思います。
仮屋薗:なるほど。これはもう上場したあと、マザーズのタイミングでのガバナンス、コンプライアンスというところもあると思いますが、やはりその前から必要なんじゃないかというのが、昨今、私も思うところです。
ベンチャーキャピタルをやっていますと、ともに3年、5年、7年と歩んで、パートナーとしていわゆる個人的な信頼関係を持って率直な対話ができるのですが、逆に言うと、いまこのような資本市場の状況だと、上場前に降りざるをえないようなところがございます。
その瞬間にボードメンバーの構成とか、そこの人的な、千本さんの言葉で言うと「ケミストリー」とおっしゃってましたよね。ケミストリーの部分とか、そこで何か一気にガラッと変わって、そしてゼロからスタートすると、いろんな問題が起きてくるということがあるのかと思っています。
仮屋薗:未公開の段階でもやるべきことってたくさんあると思いますが、堤さん、いま、日本の投資先の現場で、未公開段階でのいわゆる付加価値の部分や仕組み、健全に成長していく仕組みとして、必要だったり、足りていない部分をどう感じていらっしゃいますか?
堤:そうですね、やっぱり1兆円という大きな目標に向かっていくにあたって、ここにはいらっしゃらないですけれども(ラクスルCEOの)松本(恭攝)さん。ラクスルさんが、やっぱりすごくうまいなと思っています。
もともと「ラクスル」という事業があって、それに「ハコベル」という事業をもう2年ぐらい前から仕込んでるんですよね。つまり、上場したあとの2段ロケットのものをやっぱり上場する前の2〜3年前から仕込んで、それが次につながっていったり。
僕がサポートさせていただいたジーニーというアドテクの会社は、いわゆるSSPの会社からスタートしているんですが、その2段目としてMA(マーケティングオートメーション)であったり、その4〜5年前から海外といったものを意識して動いているとかですね。
上場したあとにちゃんと株価が維持され、さらに上がっていくというのは、経営者がその2段ロケット、3段ロケットをいかに早めに仕込めるかどうかというのがすごく(重要)。僕は単一ビジネスで上がる会社もご支援させていただいていたんですが、正直、やっぱりきついんですよね。
なので、僕らとしてはそういったもの、「2段ロケットをいかに弾を埋め込めるんだっけ?」という意識を常に議論の中で彼らの中にも植え付けていくというのが、僕らがやっていることでもありますし、すごい大事だと思っています。
仮屋薗:アメリカで投資先とその現場で、経営陣のさまざまないわゆる中長期的な視点。もしくはビジネスモデル。もしくは人・組織・採用、そういうものを作っていく部分。そして米国の特徴として、やっぱり経営チームの成長に応じた新陳代謝を促すような仕組みができている。
それはシリコンバレーだからできているのかもしれませんが、それと日本の違いとしてどんなことを感じていらっしゃいますか?
宮田:まさに最近ある種ショッキングなできごとがあって。私、シリコンバレーが8割ぐらいで、あとはLAとボストンとニューヨークで2割ぐらい投資をしているのですが、たまたまニューヨークへ出張で行ったときに2人の社長から連絡があって。結果から言うと、2人ともクビになったんです。
それは業績が悪いんじゃなくて、実はどっちも超調子がよくて。シリーズB、でどっちもちょうど25〜30ミリオンぐらい集めて非常に勢いに乗っている会社のファウンダーCEOがリプレイスされたと。1つは、食のWeWorkみたいな感じのシェアリングエコノミーの会社。もう1個はバーチャルリアリティの会社でした。
簡単に言うと、Bをリードした、わりとスケーラブルなビジネスを経験しているVCの側から見たときに、せっかく0→1を成し遂げた彼が成長するスピード以上に事業が成長しているのだから、彼の成長を待つんじゃなくてリプレイスしようということで、どちらも、ある成功したスタートアップの経営者がボーンとやってきて社長になったパターン。もう1個、私もびっくりしたのですが、同業のシリーズAを一緒にやったファンドのGPが入ってきて、彼が社長になったんですね。
私はいわゆる本当に0→1をやっている投資家を応援しているので、そういう目線で言うと心情的にはショックなんですが、ただ、ある種強さを見たというか。役割分化がされていて、やっぱり0→1と1→100にするのとでは明らかにスキルセットが違うので。
さっき朝倉さんがミクシィでターンアラウンドの話をされましたが、当然、私はベンチャー企業の経営はしましたが、1兆円の会社の経営をしたことはないわけです。であれば、そこの教育をするんじゃなくて持ってくるという、そういう発想が良いか悪いかは実態としてあって、それがアメリカの急速にスケーラブルなビジネスを作る強さの1つだなと感じました。
仮屋薗:朝倉さんは、いわゆるベンチャーの創業経営チームとしてもそうですし、そしてプロ経営者としても、両方やられた経験があるじゃないですか。いまのお話をお聞きになられて……。
日本的なまったく同じようなエコシステムではないので、簡単に言うと、そんなにプロ経営者の層もいないし、そして、いわゆるステージごとに本当に適切な経営チームを組成するだけのガバナンスとかそういう仕組み、HRコミュニティの仕組みも日本ではまだほとんど導入されていない。
そういういろんな状況は違いながらも、このアメリカの経営の成長のように最適なチームをどんどんやっていくというダイナミズムと、いま、日本で我々が応援しているような、ベンチャーで創業者の思いを丁寧に汲み取りながら、入ってくる社員を一人ひとり採用とか組織づくりをやっていくような部分と、ここの違いについてどう思われますか?
朝倉:みなさん経営者と言うと、起業家であれ、大企業の経営者であれ、十把一絡げに同じようなキャラクター像を思い浮かべてしまうわけです。日本人だったら孫(正義)さんだとか柳井(正)さん、あるいはアメリカだったらマーク・ザッカーバーグとかスティーブ・ジョブズを思い浮かべるんだと思うんです。
だけど考えてみたら、Appleという会社において、サイズ感や成長フェイズの違いによって、スティーブ・ジョブズが求められている経営者としての才覚と、ティム・クックが求められる経営者としての才覚なんて、違って当たり前なんですよね。だから「ティム・クックにはスティーブ・ジョブズのようなクリエイティブさがない」なんて言っているのはものすごく的外れな批判だと思うわけです。
ただ、日本であれば同じ経営者がずっと同じ事業、企業にコミットし続けるのが当たり前のことだと思われてしまっているがゆえに、会社の成長、可能性にキャップをしているところがあるんじゃないか。
たまに言うんことですが、0→1でサービス・プロダクトを立ち上げることと、1→10でプロダクトをマネタイズしていくところは求められる資質が異なる。今度は10→100の段階ですが、10に育った事業を100に伸ばすという意味じゃなくて、10×10で事業を10横並びで運営できるかが問われる。ここまで来ると、0→1で必要なことと比べれば、かなり違うはずなんです。
確かに孫さんのように全部できる方もいらっしゃるのかもしれませんが、みんながみんなそんなわけではないんだから、足りない要素や資質があれば、それを補足する仕組みを作ることが非常に重要だと思います。
そういう意味で言うと、アメリカの機関投資家やアセットオーナーなどとお話ししているとよく驚かれることがあります。まずは上場時のサイズ。「日本って100億円ぐらいの規模で上場できるんですよ」と言うと、まずびっくりされる。次に、「シリアルアントレプレナーが非常に少ないうえに、経営者候補のプールはない」という話をしても驚かれます。
シリアルアントレプレナーが少ないということは、イコール、新規上場する会社の経営者の中に上場企業経験を持っている方々がほとんどいないということを意味するわけです。そういうことを話したら「だったら経営者を外から連れてくればいいじゃん?」ってもう非常に簡単に言ってくれるわけですよ。「そういう人、いないから」って話をすると、「それでどうやって経営するんだ?」と言われます。
いないものは仕方ないので、どうやってそういった知見をため込んで、そういった0→1の段階から1つ抜け出した会社をサポートするような仕組みを作っていくか。これが、日本のエコシステムを作る上でのチャレンジだと思っています。
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