2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
リンクをコピー
記事をブックマーク
秋好:そうですね。
宮崎:今後広がっていく可能性としては、どんなことが考えられますか。
秋好:今、力を入れようとしているのが、いわゆる士(さむらい)業というか、税理士さんの仕事であったり、弁護士さんの仕事というところ。地方にもたくさんいらっしゃって、お仕事がない弁護士さんとかもいらっしゃるので、そういうところのマッチングはやっていければと思っています。
アメリカでこのクラウドソーシングは非常に伸びているんですけども、アメリカだとその士業の仕事が今すごく伸びています。
宮崎:なるほど。まさにアメリカの話があったんですが、海外の動向はどうですか?
秋好:海外はクラウドソーシングが非常に進んでおりまして、日本の市場規模の大体10倍近くくらい。
宮崎:10倍!
秋好:(市場全体で)5000億円とかの仕事がオンライン上でやり取りされてます。アメリカのクライアントさんが、フィリピンやインドといった英語圏のランサーさんに対して仕事を発注するというのが世界規模、グローバルで起きているという現状になっています。
宮崎:ますますそれが広がってくるというところですか?
秋好:そうですね。
宮崎:アメリカでは、士業の仕事を取って代わるというのが一番多い……?
秋好:一番はやっぱりITですね。IT以外で伸びているところでいうと、そういった分野の仕事ですね。
宮崎:士業以外に、実際にリアルな仕事なんかもできたりするんですかね?
秋好:そうですね。現状のクラウドソーシングっていう幅だけではなくて、遠隔地間での仕事って観点でいくと、例えば医療。今も遠隔手術とかあると思うんですけど、医療の分野なんかももしかするとクラウドソーシングで、「日本にいながら世界の名医が」だとか、「日本の名医が他の国に」とか……仕事というか、役務提供できるのはすごく面白いんじゃないかなと思いますね。
宮崎:面白いですね。「介護はどうですか? 介護産業は91兆円市場だぞ」と書かれてますけども。そういうところも可能性はありますよね。
秋好:非常にあると思いますね。介護の仕事もいろいろ分野があると思いますので、例えばケアマネジャーさんのいわゆる事務仕事なんかは、オンライン上、遠隔地間でもできると思いますし。
宮崎:いろんな可能性がありますね。ぜひ、ランサーズさんに「こんなのできないか」ってあったら、前向きに受け止めてくださるということですので……。
秋好:ぜひ(笑)。
宮崎:皆さん、お声を寄せていただきたいなと思います。どうですか? 見た中で何か気になったものが……。
秋好:いろいろご質問いただいてますね。
秋好:なるほど。宣伝は、実は大々的にやってはいません。ずっと、サービスを良くすることでクライアントの方やランサーの方のご利用が進んでいって、口コミで広がっていったというのが正直なところなんですよね。現ユーザの9割以上はおそらく口コミで……。
宮崎:9割? ほお~。
秋好:例えば、ランサーズだと名刺のロゴとかデザインの仕事があるんですけど、使っていただくのは最初経営者の方が多かったんですよね。経営者の方が名刺交換するときに、「良い名刺ですね」「実はランサーズというのがあって、使ったんですよね」っていう広がり方を、実は最初はしていきまして。
宮崎:割と経営者ネットワークの中で口コミが広がっていったというような感じで。
秋好:そうですね。特に、地方の中小企業の経営者の方の口コミで広がっていきましたね。プロダクト、サービスを良くしていくということをやっていくと、結果ありがたいことにそうして伝えていただいたというのが、メインの宣伝というか。
宮崎:初めのランサーさんたちって、どういうふうに集めたんですか?
秋好:大きく二つありまして、ひとつは私がブログをやっていたんですよ。ありがたいことに、そのブログに購読者が2000~3000人くらいいらっしゃったので、ブログで告知をするとランサーズにも1000人くらいご登録いただいて。もうひとつは、オンライン上や実際に会うフリーの優秀な方に対して、口説くわけではないですけど(笑)、「ぜひ登録してください」と。
宮崎:「やってみませんか」と。
秋好:そうですね。アナログのコミュニケーションを重ねて、一人ひとり声をかけていって。その当時に声をかけた方は、いまだにヘビーユーザーで使っていただいたりしてるので、すごく感謝していますね。
宮崎:すごいなあ。じゃあ、もともとご自身がやってこられたこと、いろんな思いが積み重なってできたわけですね。
秋好:本当に、過去は現在に繋がってるなと思いますね。
宮崎:すごいですよ。「いきなり1000人はデカい」って書いてありますけど、いきなり1000人が登録してくれたら勢いがつきますよね。しかも、業界の中のコアな人たちがいっぱいやってくださって。
秋好:すごく大きかったですね。
宮崎:10対1000! 取り合いですね。
秋好:そうですね。なので、そこが非常に苦労しましたね。企業の方からすると、当然のことだと思うんですけども。できたてのベンチャー企業で、しかも仕事という非常にセンシティブなものを発注するかっていうと、私が逆の立場だったらやはりそこは心配になると思うんですよね。
宮崎:そうでしょうね。
秋好:なので、企業の方に安心していただけるような実績を作るのが、まず最初にやったことですね。
宮崎:そこは結構ポイントだと思ってまして、企業側が発注してもいいかなって思えるきっかけ、たぶん最初は安価なところから始めてみたって部分はあると思うんですけど、どういうふうにとっかかりを探したんですか?
秋好:ランサーズは、最初「何でも依頼できますよ」ってやったんですけど、「何でもできる」っていうのは、結果「何にもできない」サービスに見えてしまうので……。
宮崎:深いですね、それは。
秋好:何でもできるんですけど、一番最初の見せ方としては「ロゴのデザインができます」「ロゴのデザインができる優秀な方がいます」と。
その個人の方も、免許証とかパスポートとかでちゃんと本人確認して、クオリティを担保して。ロゴの部分で小さくマッチングしていって、そこで上手く成功体験を作って、次はイラストにして、デザインにして、上手くいったらシステムに……という形でだんだんと拡大していった流れになってますね。
宮崎:なるほど。まず本当にニッチなところから始めて、ちょっとずつ信用を高めて領域が大きくなっていって。
秋好:まさにおっしゃるとおりです。
宮崎:というところから、またさっきの話に繋がるわけですね。やれる領域がどんどん大きくなっていきますから。それこそ、ロゴなんかはできあがったら社長さんたちが配りますから、そこでも宣伝になりますもんね。一番最初にそこに着目されたのはすばらしいですね。
秋好:最初は「70カテゴリー何でもできます」って言ってたんですけど、そこで何にもできないことに気付いて、サービスリリースの半年後くらいに「フォーカスする」という……。
宮崎:半年後?
秋好:半年後くらいです。
宮崎:2年間最初は辛かったっておっしゃってましたけど、2年間のうちの半年くらいは70種類くらいバァーっと?
秋好:そうですね。何でもできますっていう状況だったんですけど、そこで大きく舵を切って「ロゴ」っていうフォーカスをして。
宮崎:「ロゴを作るランサーさんが1000人いますよ」っていう。
秋好:そうですね。
秋好:「フリーランス」が語源になっていまして。中世ヨーロッパの戦争では王様が傭兵を雇っていて、槍の数で発注してたんですね。で、騎士団のことを「ランサー」と呼んでたんですけど、戦争がなくなって騎士団が自由人になっていったんです。仕事がなくなって。それで「自由なランサー」、フリーランスという言葉になったんです。
我々は中世ヨーロッパのギルド(職業別組合)のような働き方を将来作りたいと思っているので、そのコンセプトともマッチして、フリーランスの人たちの複数形で「ランサーズ」、一人ひとりの方を「ランサー」と呼ばせていただいているという形になっています。
宮崎:なるほど~。すごいなあ。
秋好:我々のロゴも、実は騎士団になっています。
宮崎:お! どこかにないですか? ……どこかにありますね。また後ほど!
秋好:はい、後ほど(笑)。準備が悪くてすいません。
宮崎:「起業のときの資金はどうしたんだ」ってコメントがあったんですけど、どうですか。
秋好:一番最初の起業のときの資金は、私は前職でサラリーマンをしていたので、そのときにコツコツと貯めたものを資本金にしました。
(事業が)インターネットサービスで、私自身がエンジニアなので自分で何でも作れたので、それほど運転資金は必要なくて、ずっとコツコツ運営していて。大きく拡大するタイミングが2012年~13年にありまして、そのときはベンチャーキャピタルさんから一部出資をいただいて、現在に至るという感じですね。
宮崎:初めは皆さん、「資金はどうするんだ」って壁はあるので、手に職を持ってらっしゃる人は割と(起業)しやすいなというのはありますけど、そうじゃない方……私なんかは、私も手に職と言えば手に職ですけど、会社を起こしたときは資本金10万円でやってるんですよ(笑)。
まあちょっと、10万円で起業しても何もできないなと。私はコンサル業から入って、期間を決めて「この間にできなかったらもうやめよう」と思って。そしたらありがたいことに、それこそ「私を信じてください」じゃないけど、そこから始まった部分があるので。
秋好:すばらしいですね。
宮崎:ある種、ちょっとの余裕がないとなかなか難しいですよね。
秋好:そうですね。
宮崎:政治も起業を促進するって話になってるんで、その余裕をどうやって我々は担保していくのかが大事ですよね。
秋好:そこはすごく大事ですよね。
秋好:こちらが、先ほどご説明させていただいた我々ランサーズのロゴになってます。
宮崎:本当に傭兵の格好をしてますね。
秋好:これも実はランサーズ上で発注しまして。依頼番号1番、一番最初の依頼が「我々ランサーズのロゴを作ってください」というものだったんですね。
宮崎:かわいいってみんな言ってますね。
秋好:ありがとうございます。
宮崎:やっぱりネクタイもランサーズのロゴを意識して……。
秋好:そうですね、ランサーズブルーで(笑)。
宮崎:すいません、私もブルーにしてくればよかったですね。
秋好:とんでもないです。恐縮です(笑)。
秋好:わかりました。本日はご視聴いただきましてありがとうございます。我々ランサーズは、いま日本にいろんな正社員とか、派遣さんとか、アルバイトといった働き方があると思うんですけど、そこに対して「ランサーズ」という時間と場所にとらわれない、新しい働き方を生み出していきたいと思っています。
一人でも多くの方、「こういう働き方がしたい」という方が選択できるような、安心して働けるプラットフォームを作っていきたいと思ってますので、ぜひこれを機会に興味を持っていただければ、「ランサーズ」で検索していただいて、一度アクセスしていただければと思います。今日はありがとうございました。
宮崎:ありがとうございます。ということで、今日は「日本の履歴書」のコーナー第1回目でございましたけども、ランサーズの秋好社長をお招きしました。これからも秋好社長みたいに、道を切り開いて、時代を切り開いてという方から、縁の下の力持ちという方も含めて、いろんな方に日本を支えてもらってるということで、日本の履歴書というコーナーを送っていきたいと思います。
ということで秋好社長、長時間お付き合いいただきましてありがとうございました!
秋好:こちらこそありがとうございました。
宮崎:さようなら。
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには