2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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田中章雄氏(以下、田中):ちょうど北川さんが今話していたので、北川さんから自己紹介スライドをいきますか。
北川拓也氏(以下、北川):僕は今、何をやっているかというと、いわゆるビックデータとか、データサイエンスといわれる分野で、楽天でそういう責任者をやっていまして。
楽天の中であれだけ膨大なデータがあったら、新しい世界が生めるのではないかと、今、世の中的に期待されているわけで。それをどんどんつくっていこうということをやらせていただいています。
その前は物理学者だったということで、先ほどの、海外に行ったくせに内側に向かっていった結果、究極的に内側の世界である物理学者の世界にはまり込んで……量子コンピュータとかわかりますか。
田中:わからないです(笑)。
石川善樹氏(以下、石川):すごいコンピュータ(笑)。
北川:そうそう、一言でいえばすごいコンピュータ(笑)。よく説明するのが、暗号解読というのは国防にとって1番大事じゃないですか。暗号解読は、今のコンピュータだと、地球の生命と同じぐらい時間がかかるという理屈によって守られているというのが今の考え方なんです。
ただ、その量子コンピュータを使えば、これがものの3秒とかで高速に解けてしまうということが証明されていまして、あとはこれをつくるだけだと。
今、ダーパ(DARPA)といわれる、知っていますよね? アメリカの国防軍が出している予算からお金をもらって、量子コンピュータの開発だとか、どういったプラットフォームを使えば実現されるのかというのを提案していた、そういう仕事でした。
田中:これはまだ製品としては実現化されていないんですか。
北川:実は量子コンピュータというのはアメリカの中では2つほど販売されていました。1億という値段がついたのですけれども、ちゃんと売れていました。
田中:それで、僕らのプライバシーがみんな破られているのですね(笑)。
北川:残念ながら、今できている量子コンピュータは、いってしまえば5×10ぐらいを計算するのが精一杯で、まだまだ実用には……。
そこまでいくと、さすがにアメリカのダーパとか国防軍も僕みたいな外人にはやらせないと思うので、そのときが来たら僕は入れなくなるのですぐわかると思います。
田中:ありがとうございます。ちなみにこの下の写真のブランディングはどういう意味ですか。何か髪の毛がくしゃくしゃ。
北川:マッドサイエンティスト的なやつがみんな好きなのかな、みたいな(笑)。
田中:なるほど、そういうアピールだったんですね(笑)。
北川:一応、空気を読んだ写真感になっていますけれども、全然……(笑)。
田中:ありがとうございます。
田中:では、次どこ行きますか? 北川さん、これも出しますか?
北川:ちょっと手短かに。皆さん、楽天と聞いたときに、アマゾンと何が違うんだみたいに思われることがあると思うので。例えば、僕が今どういう仕事をしてるのかというのを説明をするついでにその説明をしたいと思って、これを持ってきました。
1番わかりやすい違いというのは商品ページなんです。アマゾンのページはこういうふうな形で、基本的には何で売っているかというと、値段、プライスだとか送る速さ、送料みたいな、数字で勝負をしにいくのがアマゾンの勝負の仕方だと。
それに対して、楽天はこういった売り方をすると。基本的に数字なんてないし、どこに値段が書いてあるかもわからないページも多いのですけれども、結局、僕らは別に値段で物を売ろうとしない。
僕はよく「感情価値」というのですけれども、エモーショナルバリューで物を売ろうとするというのがうちのページのつくりです。
なぜかというと、この左側のページは、うちの店舗さんです。僕ら自身がつくるページではなくて店舗さんがつくるページなので、彼らは物への思いがある。
その物への思いをページに反映したのがこういったものなのです、という形になっています。今まで、例えば価格の最適化みたいなアルゴリズムによって物が売られる世界があった半面、同時に、そうやって感情価値によって売られたものはたくさんあった。
恋人からもらうアクセサリーもそうですし、お母さんにあげる母の日のプレゼントとかフラワーというものはそういうものだと。そういったものを買うのに、eコマースというプラットフォームでどれくらい感情を表現して売ることができるのかというのを、すごく逆説的なのですけれども、科学的にアプローチしてやろうというのが僕の今の仕事です。
田中:でも、データサイエンティスト的には、この右側の数字の世界のほうが操りやすそうですね。
北川:圧倒的に儲かるのですけれども(笑)。儲かりながらも、僕の本質的な興味は、実は左側にあるということです。
田中:ありがとうございます。
田中:これは誰のスライドですか? わからないので大きくしてみましょう。
佐々木紀彦氏(以下、佐々木):私ですね。
田中:では、佐々木さん、お願いします。
佐々木:変な履歴書みたいな、殺風景なスライドで済みません。何を説明していきましょうか。
田中:一部はもう触れましたよね。では、2002年くらいから。
佐々木:2002年からですね。2002年から東洋経済という出版社に入りまして、最初は自動車とかIT分野とかを担当する記者として合計4年ぐらいのキャリアを過ごしました。
今メディア業界は留学している人はほとんどいないのですけれども、その理由は基本的に休職したりとかそういうことが認められないんです。
なので、海外に行きたい人でも、なかなか赴任する以外には行けないという状況があるのですけれども、東洋経済は休職制度がありまして、そこで2年間休職させてもらって、スタンフォード大学の大学院に2年間行ってきました。その後、帰ってきてからは……。
田中:それは、もともと狙って東洋経済に入ったのですか?
佐々木:そこまで深くは考えていないです(笑)。
田中:僕のイメージだと、SFCを出た学生って東洋経済新聞社に入らないイメージがあるので、なぜ入ったのか、まずそこから教えていただけますか。
佐々木:わかりました。私は、最初は外資系の金融だけに行きたいと思っていまして、そこしか受けなかったんです。それで、内定も取ってサマーインターンに行ったんです。アナリストの仕事だったのですけれど、行った瞬間に、初日から1日、財務データ分析とかをして、この仕事は全く自分に合わないなと。
北川さんがやっているような仕事は全く合わないと思ったんです。もう生理的にこれは向いてないと思ったんです。
なので、1回留年みたいのをして、もう1回就職活動をやり直したんです。その大学時代に1番好きだったのが本を読むことだったので、本をつくりたいなということで、次は出版社だけ受けたんです。
全く真逆のアプローチをとって(笑)。それで、経済をやっていたので経済の出版社ということで東洋経済に入ったということです。
その後、雑誌をして、2012年の11月ぐらいから東洋経済のオンラインの編集長をさせてもらって、ちょうど来週の月曜日まで東洋経済なのですけれど、来週の火曜日、4月1日から転職することになりまして、ユーザーベースという、NewsPicksという経済キュレーションメディアをやっているのですけれども、ちなみにNewsPicksをご存じの方はどのくらいいらっしゃいますか?
結構、手が挙がっていますね。
田中:もしかして……。東洋経済オンラインを読んでいる人?
(会場挙手)
NewsPicksが勝ってますね(笑)。
佐々木:NewsPicksやりますね。ちゃんと使ってる方はどれくらいますか?
田中:おお!
佐々木:結構アクティブユーザー率が高いですね。ありがとうございます。
田中:高い。
佐々木:ということで、ここに行って、今スマートニュースとかグノシーとか色々あるんですけれども、どこも基本的にアルゴリズムで集めてきて、人はあまり介在しない形でやっているのですが、NewsPicksは色々コメント機能もありますし。
今度、8月中ぐらいにスタートすると思うんですけれども、オリジナルコンテンツをどんどんどんどん入れていって、アルゴリズムと人による編集、そこの融合という形をこれからやっていきたいと思っています。面白くしますので、ぜひ皆様これからも使ってください。お願いします。
田中:ありがとうございます。
石川:(北川氏を指して)ダウンロードしようとしている人がいる。
田中:今ですか(笑)。
北川:恥ずかしくなる。みんな使っているので、とりあえず使ってみて、みたいな(笑)。今から知ったかぶりしようと思ってました。
田中:次はビズリーチ南さんのプレゼンですね。
南:ありがとうございます。どこから始めたらいいかわからないのですけれど……。お三方に比べて比較的ぶれぶれの人生を生きていますし、アメリカの留学時代はサッカーとパーティーしかやっていないです。教授と話したこともないかもしれない。
僕自身のテーマはやはり「人生を楽しむ」なので、勉強するのも大切だと思うんですが、今日は留学の対談なので。留学で1番学んだことは世の中にはいろんな価値感があるんだといったところ。
ひょっとして、今、起業している理由は多分、海外に行って、いろんな価値感や常識があるんだな、というのを気づけたところが1番大きいのではないかと。
僕はアメリカの大学を卒業した後にモルガン・スタンレー、佐々木さんが生理拒否的なのを起こしたものを気合いで2年間やりまして、投資の世界にあと2年間いて、前職は去年優勝したプロ野球チームをつくっていたんです。5年前からインターネットの世界に入って、今420人ぐらいのベンチャー企業をやっています。
ですので、金融やって、プロ野球やって、インターネットをやってきた。5年、5年、5年ぐらいですけれども、これも海外に出て行って、本当に自分が思うままに生きていていいんだと感じられた、それが1番大きな自分の留学の影響かなと思います。
南:今やっている会社、実は会社を2つに分社化していて。5年前に始めたビズリーチというのは……基本的に人材業界というのは、皆さん今の大学生だとわからないかもしれませんので、小売業界を例にお話します。
小売業者ってeコマースがなかったんです。ですので、売り手と買い手の間に問屋さんとか、二次問屋さんとか、今もあるけれども、小売店というのがあって流通業界がシェアしていたんですね。
売りたい人は自分で主体的に売る場がなかったし、買いたい人は主体的に物を買う場がなかった。本当に問屋さんが、流通が牛耳っていたんです。それが楽天市場さんとかアマゾンさんが登場してきて、ブラックボックスになっていた流通業界のど真ん中に可視化されたマーケットプレイスをつくって、売り手も主体的に物が売れるようになったし、相手も主体的に買うことができた。
これが今、実は人材業界でも同じようなことが起こっているんです。人を採用したい企業と仕事を探したい求職者。ひょっとしたら皆さんも就職活動をしている、もしくは終わった人も感じたかもしれないですけれども、人材業界って本当にブラックボックスなんです。
ある意味、流通業界と一緒なんです。だって、別に企業と求職者が、もしくは企業と大学生が直接やりとりできれば別にいいわけですよね。何で、そこで大量のお金を投下しなくてはいけないのかわからない。
ですので、自分たちのプラットフォームは、まさに人材業界の楽天市場みたいなものをつくっています。人を採用したい企業が仕事を探している求職者、もしくは学生と直接やりとりができて。
これはダイレクト・リクルーティングといいますが、これを5年前からやったら、2,000社以上がジョインしてきて、どんどんと人の採用、雇用が生まれているというのが自分たちが今、行っているイノベーションです。
田中:南さん、ちなみに今、日本で従来のパターンと、あとは今、ビズリーチも他社さんも含めて、新しいダイレクト・リクルーティングのシェアはどれくらいになってきているのですか。
南:もう多分0.1%ぐらいだと思います。
田中:では、まだまだ今こちらは……。
南:いやいや。例えば小売業界におけるeコマースのシェアは確か5%ですよね。4%とか5%ですよね。ですので、僕たちは人材サービスから15年後発でやっているので、まだ本当に0.何%という世界。
ただそれでも、今ビズリーチ単体で300人の会社になっているので十分ポテンシャルがあると思っていますし、まだあくまでも僕たち年収ピラミッドでいうと、1番上の2、30%の管理職とかグローバル人材のところをやっているんです。
この12カ月以内にマスマーケットの、本当に残りの8割のマーケットもやっていきたいと思っているので、非常にわくわくしてやっています。
田中:ありがとうございます。もう1個スライドがありました。
南:これは従業員数の増え方です。この中でベンチャー企業をやっているのは僕だけなので、これも入れておこうかなと思ったのですけれど。
こういうスピードで成長ができるんだと思っていて、途中で1つ事業部を分社化したので会社は2つになっちゃていますけれども、ちょうど5年で420人ぐらい。今年また200人ぐらい採用するので、この中で1回ベンチャー企業で働いてみたいと思う人はこっそりminami@bizreach.co.jpにメールをください。
田中:こっそりじゃないですね。
南:ええ、こっそりやる必要はないです。
田中:以上宣伝タイムは終わりにいたします(笑)。
南:今メールしてくれてもいいですよ。
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