2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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小林雅氏(以下、小林):これはよくある質問ですね。どうですか?
長谷川敦弥氏(以下、長谷川):とりあえず面白そうと思ったり、興味あると思ったらまずやってみるというところで、色々なところに顔を出したらいいと思うんです。
日本は1個入社したら続けなきゃいけないとか、1個会社やったら続けないといけないとか、クラブに入ったら続けなきゃいけないとかって、もう全然ないので。
行って1日でやめるみたいなことの経験を20、30、40していっていいと思うんです。それくらい本当に自分の心がこれだと思うものを見つけるって、そんなに簡単じゃないと僕は思うので。
だからこそ、たくさん色々なところに、興味あると思ったらまずやってみる。その後に自分でしっかり対話をしていくということが大事だと思います。
山田淳氏(以下、山田):僕はちょっと違うと思っていて。
小林:違うんですか。
山田:燃えるものを見つけるんじゃないと思うんです。燃えるまでやるだけだと思うんです。最初に何かビビッとくるものがあるんじゃなくて。僕は山を始めたときに屋久島すげぇと思いましたけど、山でこんなに人生を取られると思っていなくて。
こんなことになると思ってなかったのですけど、続けていてこうなったんですよね。だから、最初の出会いで何かやりかけたときに、俺はこれに人生を賭けるんだみたいなものが見つかるという漫画みたいなストーリーを思い描いていちゃだめ。
やっぱりやっていても、山を登っていても、それは苦しいこともあるし。エベレスト前で金を集めなければいけなくて、それでも登れなくて、新聞だけは先に出ちゃったみたいなことがあったんですね。それでもやらなきゃいけないわけですよ。
そのときの山登りといったら、楽しいかといったら楽しくなんかないわけです。どこかの段階でレジャーからアスリートに変わったときに、七大陸ぐらいまでになるとアスリートなので、別に楽しくて山を登っているわけではないんですよ。
だってプロなんで、スポンサーがいて、そのために登っているわけですから。ただそれはビビッとくるものを探しに行くのではなくて、それまでやるんじゃないですか。やっている量が足りないんだと思います。
小林:(質問者に)大丈夫ですか?
質問者:はい(笑)。
長谷川:整理はされてないですね(笑)。
山田:スパルタなんです。
小林:スパルタですね。
質問者:はい。山田さんに質問ですけれども、山に登った後、仕事に対する価値観というのは大きく変化したんですか?
山田:難しい質問で、山に登っているのが学生の頃だったので、僕は山に登った後しか仕事をしていないので、そこからスタートの感覚なんです。山に登っていて変わったかといわれると、変わってないとは思うのですけれども。
ただ仕事というスタンスで仕事をしたことがあまりないというか、自分自身で山の中で何をするかということを考えてマッキンゼーも入ったので、人から与えられて何か仕事をしたということがあまりないから、仕事感といわれると難しいかなという感じはしますかね。答えになっていませんね、すみません。
質問者:山を続けるモチベーション、何でそこまで続けられるのかというのはやはり燃えるまでやる、そういう覚悟ですね。
山田:燃えるまでやるという覚悟、というよりも、やっていったらそうなるということだと思うんです。だから、どこかで燃え尽きたらやめていたと思います。
長谷川さんの話と全く逆行してしまうのかもしれないですが、例えば1日で嫌いと辞めて、1日で嫌いと辞めて、というふうにやっていても、結局山登りを1回やって「楽しくなかったです」と帰って来た人に山登りの楽しさなんてわかるわけないので。
そこをかみ砕かなきゃいけないのも僕の仕事ではあるのですけれども、一方で他のことも汎用的に当てはめたときに、3年ぐらいやらないと仕事なんてわかんないよというのとよく似ていると思うのですけれども。
一旦腰を落ち着けてやらない限りは、そのことが本当に好きか嫌いかというのはわからないんじゃないか、それを早くに見切りをつけるのは、すごくもったいないなというか……。
山田:あります。
質問者:山に登って「ああ、何かもう疲れてきた、もうやめよう」、そういうときは何が原動力になって、やっぱり自分は頑張ろうかなと?
山田:一般的にというか、山に登っていて疲れてきたらやめようということは、ゴールが頂上なのであんまりないんです。
リスクを考えて、このままいくと例えば死ぬリスクがある、事故るリスクがある、ということでやめることはもちろんあるのですけれども、そういう意味でいうと、例えば1個のものを始めたときにずっと続けていって、どこかでやめるタイミングというのは出てくるわけですよ。
転職にしても出てくるわけです。そのときに1番大事なことは、嫌なタイミングでやめるのではなくて、次のものがあるタイミングでやめるんだ思うんです。
だから、よく転職してくる人たち、転職したいという人たちを面接していて、「前の仕事が嫌だからって来るんだったら採らない」という話をしているんです。ではなくて前の仕事は楽しいけれども、もっと楽しいことがあるかと思って来るんだったらありだと思うんです。
質問者:期待を膨らまして。
山田:そうそう。かといって、皆さんが、山登りか何かわからないですよ? 例えばITでもいいし、社会的な何かでもいいし、始めたときに、長谷川さんみたいに例えば「熱が注げない」「自分には合っていないかもしれない」というフェーズって来るわけじゃないですか。
でも、合っていないと思ってやめるんだとすると、まだだめだと思うんですよね。そうではなくて自分はやりきって、これはすごい熱狂しているんだと。
僕はどんなものでもはまったら熱狂すると思っています。ただ、熱狂したタイミングで、もっと違うものがあるんじゃないか、だったらありだと思うんです。だから、「嫌でやめる」「色々やってみましょう」というのはちょっと違う感じがします。
質問者:ありがとうございます。
柴田陽氏(以下、柴田):社会人の方も多少いるかもしれないですけれども、学生の方々がほとんどで、あと数年したら結局働かなきゃいけないわけです。食うために働かなきゃいけないので、そこはもう変えられない事実。
働いてお金を得るということは人の役に立つ……それが上司なのかもしれないし、起業していれば直接のお客さんなのかもしれないんですけれども、やはり人の役に立たないといけないんです。そうじゃないと食べていけないから。これは変えられない事実。
その中で、相対的に自分が楽しいと思えるものを見つけていくというのがすごい大事かなと思っています。今日楽しいことが見つからないから、今日という日をスキップしようということはできないじゃないですか。
だから、今日1番楽しいと思えることをやらなければいけないのかな。だから、そうやって見つけていけばいいんじゃないかと思います。
山田:重たいな。最後締めろと言われて。最後の議論はすごくいい議論だと思っています。皆さん学生さんだったり、社会人の方だったり、何かやりたいことがあってそのやりたいことが例えば趣味だったりして、この先これで食っていくという姿って想像つかないと。
例えばボーリングが好きとか、ゴルフが好きとかっていうものは、時間が24時間あって、1週間に7日あって、365日あるわけですから、何かしらやっていてその中で自分がやっていたら楽しいと思うもの、それだけあればいいと思うんです。それだけやっていく、それで何とかなるような時代になっているし。
日本は食っていくのに困るというとき、本当に食っていくのに困っているという姿と、いわゆる将来までの像が描けないという姿とをごっちゃにしていて。もちろん日々食べるものに困るというと働かないといけない。働きながら色々なものに打ち込んでいく、というような人生設計というのができるような時代になってきたと思っています。
そういう意味では、僕みたいに山登りばかりで、事業で何とか生業が成り立っているわけで、好きなものに打ち込んでもらいたいなぁと。それを打ち込むと決めたらそんな簡単にやめないでほしいなと思います。
小林:ありがとうございます。
柴田:はい。テーマに立ち返って。起業は楽しいということを伝えに来たのですが、伝わったかどうかわからないですけれども、すごく楽しいんですね。将来、起業したいなぁと思っている方がこの中にいるとしたら、1番いいタイミングは今から始まる夏休みにやることだと思います。
学生のときがリスクが1番少ないんです。もし失敗したとしても、うまくいかなくても、夏休みが終わってまた授業に戻ればただの学生に戻れるわけなので、なかったことってできると思うんです。お父さんお母さんを心配させることもないと思うんです。
だから、もしちょっとでも楽しいなと思ってくれたら、この夏休みからやってみるということを強くお勧めしますし、自分でやるほどじゃないな、そこまで確信持てないなと思ったら、ぜひ他のスタートアップのインターンをやってみるとか、社長についてかばん持ちをやってみるとか、何でもいいのでそういうところに飛び込んでみるというのがすごくいいと思います。
もしかしたら、それが自分のやりたいことだと気づけるかもしれないので、まさに今すごくいい。もしかしたら来年になるともう少しベンチャーブームが下火になっている可能性も20%ぐらいあるかなと思っていますけれど、まさにこの夏、ぜひやってください。よろしくお願いします。
小林:ありがとうございます。
長谷川:今日、リスクの話も色々あったかと思うのですけれども、長い目で考えていくと、やりたいことに挑戦しないということが、1番リスクになっていくんじゃないかと思うんです。
長い目で考えたら多分5,000万の借金も、10億も大体一緒に見えるじゃないですか、僕は一緒に見えちゃうのですけれども。不安とか色んなこともあると思うのですけど、人生通してやりたいことができた、悔いなく挑戦できたというのが、最終的に僕だったらそうありたいなと思っているので、そういう意味での本当のリスクを考えて、どんどん挑戦していけるといいと思うんです。
曖昧さをなかなか許容してもらえないとか、これをやりたいとか、あれをこうしたいとか言うと、周りの方が色々心配されて、「いや、具体的なビジネスプランはどうなんだ」とか、「それは失敗するかもしれない」とか、色々な方が、色々な心配をしてくれると思うのですけれど、僕が大事だと思うことは、やると決める。
とにかく社会をこうするんだとか、この業界をこう変えるんだとか、このビジネスは成功させると決めて旗を揚げるということが1番大事なんじゃないかなと思っています。
迷っていると、できない理由が集まってくる。やると覚悟を決めたらできるようにする方法や協力者が集まってくると思うんです。ですから、迷っているんだったらやると決める。周りがどんどんどんどんいい循環で協力してくれると思うので、そういう気持ちでチャレンジしていくといいんじゃないかと思います。
幸いなことに、これだけITが普及していって、個人のパワーが最大化されるような時代になっているんです。ある意味、世界的にもっと世界を良くしなきゃいけないとか、日本がピンチとか、危機感が高まっている。
危機感が高まっているときって、国全体としても若い人の力を必要としている。空気感として若い人のチャレンジをもっと応援しようという空気もできているので、今は本当に社会を変えていったり、新しいチャレンジをする絶好のチャンスだと思います。
そういった挑戦の絶好の機会でもあるので、楽しみながら頑張っていくことが大事だと思っています。自分がつくりたい世界に向けて、自分が大好きな仲間と挑戦していくってすごく楽しいことなので、この中で、ぜひ一緒にやりたいという方がいたら、同じように楽しみながら頑張っていきたいと思うので、お互いに協力し合ってやっていきましょう。きょうはどうもありがとうございました。
小林:どうもありがとうございました。では、これにてこのセッションは終わりにしたいと思います。山の話から教育の話、何回も起業する話、色々出たと思うのですけれども、ぜひ心にとめて、今から頑張っていただければと思います。どうもありがとうございました。
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