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成長企業の組織・チーム作り(全3記事)

「"社長と子どもたち"で会社をやると失敗する」 楽天・三木谷氏が伝えた組織哲学

サイバーエージェント、ビズリーチ、フリークアウト、リブセンスという成長企業4社の代表者が集まり、人事・組織論について意見を交わしたディスカッション。100名規模から数千名規模の組織まで、成長ステージや会社の特色によって異なる、それぞれの戦略についてざっくばらんに語り合いました。(IVS 2014 Springより)

採用力=面接数

岩瀬:ありがとうございます。南さんには採用の話を聞いたらおもしろいかなと思っています。僕は個人的に親しいのですが、飲みに誘うと大体「面接してるから行けない」って言うんですよ。平日の夜も週末も、地方に行っても面接してる。とにかく、ずっと面接しているイメージなので、あれだけ社員を増やしていく過程でどんな風にやられているかとか、その辺を伺いたいと思います。

:ありがとうございます。人数を増やすというのは2つあって、優秀な人を採るということと、優秀な人に残ってもらう。この2つに努めてきました。入ってもらうことに関しては、色んな人に色んな事を聞かれます。僕も曽山さんにも相談させてもらったのですが、いろいろな方に相談させてもらった結果、結局採用力=面接数なんじゃないかと。それ以上、それ以下ないんじゃないかと思っています。

僕も営業出身なので、結局テレアポを何件したのかが一番強い指数であって、何人にリーチできて、何社のリードを取れたのかというところにひたすら努めていたというところです。わかりやすく言うと、Facebook上で面識のない人であってもメールを送ってみればいいと思います。

Facebookって名前と年齢と会社名が書いてあるので、この会社のこのくらいの年齢の人なら声をかけてみたいな、ということで。「こんにちは。ビズリーチの南です、今こんな会社やっていて、こんな求人がありますけど興味ありますか?」と。初めてやった時、100人くらいにメールを送って10人くらいから返信があって、2人に内定を出して1人採用しました。

岩瀬:学生時代にクラブ活動で培ったスキルとノウハウが今……。

:そういうのは言わないで下さいよ。

(会場笑)

:結局、確率論という点では、センター街で何人かに声をかければ一緒にお茶ができる、というのとあまり変わらないような気がします。

5年で1300人と面接

岩瀬:これは伸びが鈍化したのかと思いきや、去年の12月から半年分なんですね?

:そうですね、5ヶ月ですね。僕は倍々ゲームをやらなければベンチャーではない、という教えを楽天イーグルズ時代のいろいろな師匠に教わりました。とにかくまずは成長すること、なんです。大きくするということは、優秀な人を採る。そして採りやすい人を採るのではなく、採りにくい人を採る。10人採るには13人に内定を出して、13人に内定を出すためには85人と面接して、85人面接するためには1000人に声をかける。こういうKPI設定をもってやればいい。僕の毎週のKPIは何人面接するかが設定されています。

岩瀬:今どれくらいされているんですか?

:今は毎週10人、1年半前までは15人。5年で1300人くらい面接しています。たくさん面接をすれば面接力も付く。

岩瀬:反省も含めてなのですが、皆「なかなかいい人採れないよね」ってぼやくじゃないですか? それに対しては、お前ら数が足りないだろうと?

:僕も言われた方です。とあるグローバル企業の人事の方に「全然いい人が採れないんですよ、ベンチャーなんで」と言ったら、「南君、先週何人面接したの?」スケジュール見たら3人で。「その前は?」4人、と。「はい、それが採用できていない理由です」。

結局トップが面接をどこまでやるかというのが重要なんです。今はフェーズが変わってきていますが、それでもやり続けなければいけない。それと、入社した後におもしろいと思ってもらえる雰囲気をつくるということですね。

岩瀬:ありがとうございます。ちなみに、ビズリーチ、ベンチャーは使ったら絶対良いと思います。採用する企業側から候補者の情報を直接のぞけるので、普通にしていたら、待っていたら来ないような人もこちらからアプローチできます。ライフネット生命の幹部もビズリーチ経由で来てくれました。「チームづくり困っています」と相談されると、ビズリーチ紹介していますので、ぜひ皆さんご活用ください。

:ありがとうございます。宣伝を。

岩瀬:宣伝です(笑)。

:やっぱり友達は大切ですね。

(会場笑)

異動を促進するCAの社内ヘッドハンター制度

岩瀬:それではもう一問、皆さんにお伺いしてからQ&Aにしたいと思います。各社ひとつだけ、社員にすごく評判のいい制度や仕掛けをご紹介いただけますでしょうか? では曽山さんからお願いいたします。

曽山:一番評判がいいのは「あした会議」ですが、先ほどお話したので4番の「社内ヘッドハンター」です。

これは人事本部の中に「キャリアエージェントグループ」というグループをつくって、事業経験のある社員と、話す人脈のある社員、全部で4人のチームで構成しています。事業部長と言っても、サイバーエージェントは事業がたくさんあるので、多分80とかそれ以上。

事業部長とヒアリング、社員と面談をしょっちゅうして、事業部長と合いそうな人がいたら裏でこっそり会わせて。で、合いそうだったらそれを役員会に提案します。この彼は、今営業で頑張っているけど、こっちの事業に抜擢したほうがもっと生きるんじゃないか? という提案をし、それが決議すると異動となります。

これは去年の5月に立ち上げ、もう1年で150人異動させています。すごい数、この150人異動させていなかったらどうなるんだろう? というくらい、すごくたくさんの異動が進んでいます。異動してからの声を聞くと、新天地になって自分から手を挙げていない人も結構いましたが、気づきやチャレンジが増えて、成長の背中を押すきっかけになっています。この制度は評判がいいです。

村上:当社に関してはまだ人数がそこまで多くないので、制度をつくっている最中です。今年から始まった「Egg(エッグ)」という新規事業の公募の仕組みは比較的好評です。全社員から新規事業を公募し、一次審査から二次審査までの間にメンタリング期間を入れて、そこでフィードバックをしてブラッシュアップする。何もない中で議論をするのではなく、実際の企画をブラッシュアップする。こういった議論を通じて成長がより促されるなと。これが非常に好評なのかなと思います。

曽山:メンタリングは誰がしているんですか?

村上:役員や部長です。

曽山:では直接やり取りが出来る?

村上:はい。

社員全員で運動会!

岩瀬:本田さんもお願いします。

本田:創業の頃からずっとやっていることで、ランチを社員が2人以上で行った場合、それを会議と見なし、会社が負担する、という制度にしています。ランチに限らず、食に関する制度が充実しています。社内のプールに溢れそうなくらいのお菓子を月に1回大量に買ったりしています。あとは通常の部署ごとの月1の飲みがあります。

なにせこのランチがすごく効いています。創業の頃、5人や10人だと自然にみんなで食べに行って、自然とそれが他部署との交流にはなっていたのですが、これが20人、30人と増えていくごとに徐々にエンジニア同士が固まっていく、という現象が起きまして、これは交流としてどうなのかな? と。

今度は人事に相談をして、「シャッフルランチ」という名前を変えた制度を入れて、ちょっと回して男女もちゃんと混ぜてね、とかルールをつくっていくことで、ランチがうまい具合に他部署とのコミュニケーションに繋がっている。これが大きい制度です。

岩瀬:ありがとうございます。ビズリーチさんは?

:運動会ですね。いろいろなイベントをやりまくっているので、時間半分くらい、社内のイベントをどうやるかをいつも考えています。やりたいことは、「小学校の時楽しかったことを全部やる」、これをテーマにしています。一番楽しかったのが騎馬戦だったので、年に1回騎馬戦を、スターフェスティバルという会社とやらせていただいています。

キックオフも、会議室でやるのが好きではないのでキャンプ場でやりました。キャンプファイヤーが好きだったので、皆でキャンプファイヤーの周りでフォークダンスをすると、かわいい子とも手が握れるのかな、とそういうようなことを思い出しながら、全部小学校時代に面白かったことを。

今度ドロケイをやります、会社全員で。優秀な人を採って、仕事以外の楽しい思い出をたくさんつくることを目標にしています。僕は、学生時代に教室で勉強したこと一切覚えていないので。覚えているのは課外活動、部活動。部活制度も充実させたり、キャンプ、球技大会、運動会、ドロケイ、そういうのを会社でやり続けることが、うちの一番自慢の制度かな、と思います。

岩瀬:楽天の時に影響を受けたとか?

:楽天には影響受けてないですよ。小澤さんの影響ですね、大体。

岩瀬:それですべて説明できました(笑)。ありがとうございます。そしたら、会場からQ&Aにしたいと思います。

自分より優秀なやつをまず雇え

質問者:南さんのスライドにありましたが、5人から人数が増えていく。創業メンバーとこれから増えていく時に、例えばリブセンスの村上さんには桂さんという方がいらっしゃるだとか。創業メンバーはどれくらい主要ポジションに残っていくのか? それとも規模に応じて別の方と入れ替わっていくのか? そのあたりを教えていただければと思います。

村上:当社に関しては、厳密に言うと創業メンバーは4名で、1名がすぐ抜けてしまって、実質3名でスタート。私、桂、そして吉田というメンバーです。全員会社にはいるのですが、吉田というメンバーに関してはプロフェッショナル志向が高いので、役員や部長ではなく技術研究に取り組んでいます。

創業後に入ってきたメンバーに関してですが、今年役員になった柴崎は、創業1年後に入ってきて、学生の時から6、7年ずっと一緒にやって役員になりました。非常に濃い時間を過ごしていたメンバーで、担当範囲がとても広い。創業時は何から何まで1人の人材がやらなくてはいけない、成長できる場所ですので、そこにいたメンバーは比較的残って、上のほうに行っているなという印象はあります。実際は学生だったこともあり、そのまま卒業して違う会社に行くメンバーもいました。

:うちの会社は最初に6人いて、6人全員いますが、3人が役員で、3人が役員ではないです。ここは創業時によくわかっていなかった。昔楽天にいたので、三木谷さんと創業時に一度お食事した時に、ひとつアドバイスをもらったのがすごく印象に残りました。「南、お前どんな会社つくりたいんだ?」「僕、楽天みたいな会社をつくりたいです。三木谷さんみたいになりたいです!」

(会場笑)

「おぉ、じゃあお前は5000人の会社をつくりたいのか?」「そういう意味で言ったわけではないんだけれど」と思いながら、まあ「5000人の会社つくりたいです!」。「じゃあ、お前に1個アドバイスがある。5000人の組織になると必ずピラミッドになる。お前の役割は、5000人になった時に一番てっぺんにいる2、300人を一番最初に雇うことだ」。こういうアドバイスを受けました。

常にこれが意識にあり、去年まで26歳以下の社員は3人くらいしかいませんでした。とにかく一番優秀かどうか。23歳の奴が一番優秀だったらいいけれども、キーエンスで営業トップの30歳のほうが、どう考えても売れるだろうと。将来の役員、マネージャー候補を全員現場で揃えようと。全員現場に揃えて、全員現場で闘わせる。すると会社が大きくなると、彼らがマネージメントできるようになる。

三木谷さんが言っていたのですが、ほとんどのベンチャーの失敗例は、社長と子供達で会社をやることだと。それが失敗や成功に繋がらないかもしれないけれども、確率論的に言うと、南と子供達の会社にするなよ、と。とにかく南よりも優秀な奴をたくさん雇え、と。お前よりも優秀な奴を雇うことに集中すれば、きっと素晴らしい組織ができるぞ……というのが最初に受けたアドバイスです。

社員を"辞めさせる"ための制度

質問者:成長していく中で、ついてこれない人、変化できない人が出てくると思います。その時の降格や降級に対する考え方。多分サイバーさんは制度があると思いますが、それぞれ何かあればお聞かせいただきたいと思います。

曽山:私達のミスマッチ制度のことを、今お話しいただいたのだと思いますが、終身雇用の会社にしようという考え方があります。一方で、会社の変化に対応できなくなってくる人材もいる。特に価値観の部分でついてこられないメンバーにはイエローカード、とかレッドカードを査定のタイミングで出して、厳しい対応をしてくことを制度として持っています。

幸いにもそんなに実行はないですが、例えば360度評価を社員とやって、社員同士でやってもらっていますが、その中で合ってないメンバーがいる場合には、ミスマッチ制度の候補のリストをつくり、最終的に異動してもらうことで、環境変化。サイバーエージェントは事業範囲が広いので、この部署がダメだったら他の部署へ。大体セカンドチャンスからサードチャンスくらいまでは黙認するというか、サポートしようという考え方を持っています。

ひとつポリシーがあって、頑張っている人が報われる会社にしたいという想いがあります。頑張っている人達がしらけてしまう人事処遇を経営陣がやると、トップ層がやめてしまうんです。

例えば、仕事をあまりしていない、やる気がない社員を僕らが残して手厚くしてしまうと、「何だよ、曽山さんそういう対応するのね」って辞めてしまう可能性があるので。10年くらい前に社内でもそういうトークがありましたから。

頑張っている人が報われるためには、厳しい対応をして変化を迫るか、もしくは自分の進退を考えてもらうよう率直に言うこともあります。そういう面談は人事本部長である私や、マネージメント陣でやっていくということを意識しています。

学生起業でどうやって会社のことを学んだか

質問者:村上社長に伺いたいのですが、学生起業されていて、正社員として組織での勤務経験はないと思います。今の成長を続けられる組織やマネージメントの仕方にたどり着いた方法や、ブレイクスルーするきっかけがあれば教えてください。

村上:そうですね。学生からのスタートで社会人経験がほとんどないので、島耕作で勉強しようとか色々やったんですが、とはいえやっぱりわからない(笑)。

(会場笑)

村上:非常によかったなと思うのが、リクルートで10年間役員をやっていた方に社外役員として入っていただいて、彼の私に対する接し方を見て学ぶ、というのがあります。例えば、会議が終わった後に、「村上君、あの時ああいう風に動いたほうがよかったよ」とかアドバイスをもらって。あとは熱いメールをもらって、それを自分も同じように部下に送ろう、だとか。そういったメンター的存在を通じて会社全体を見ていく、という学び方をしてきました。

あとはとにかく色々な方に聞く。例えばDeNAさんに長くいた方とかに、DeNAがどう回っているか、非常に数字に強いと聞きますが、どういう風に数字管理しているんですか!? と聞いたり。サイバーの方にも聞いたり。他の組織にとにかく聞いて回る、という動きもしました。一番大きいのはメンター的な方からアドバイスをもらって、という経験です。

岩瀬:ありがとうございます。リクルートの元役員の方がリブセンスの役員に入った人事は、相当リクルートの中でも反響があったみたいで。ああいうシニアの方を説得して入れた、というのは本当にすごいなと思いました。ダイレクトなコンペティターですよね? ちょっと声が小さくなりました。

(会場笑)

「独立したい」という社員への対応

質問者:新規事業について、特にリブセンスの村上さんと曽山さんの2人にお伺いしたいです。社内で新規事業をどんどんつくっていこう、という方針があると思います。その中で、アントレプレナーシップがすごくあって、社外でやりたいと。つまり独立したいというような話は結構、特にサイバーさんの場合起きていると思います。

そういう社員が来た場合、会社として、社員に対して、例えば資本的な。社員が起業したい、社外でやりたいと言った場合、曽山さん、村上さんはどんな方針を持たれているのかをお伺いしたいと思います。

曽山:ありがとうございます。サイバーエージェントの場合は、まず卒業して独立する形というのが今いくつかあります。サイバーエージェントを辞めて、少人数であっても社長とかトップを張っている人材は90人います。起業家なり独立なりできる人が増えているのは、ある意味良いことだと考えています。

ただし、まず人事制度設計としては外に出て活躍できる人材が、サイバーエージェントグループ内で会社をつくったほうが、より成功のスピードと確率が高まるように、そういう環境をつくろう。例えばサイバーエージェント内で子会社をたくさんつくっているのも、ある意味そのアプローチになります。40、50の子会社をつくっているのは外に出るよりも、例えば社長の藤田晋からのアドバイスがもらえるとか、資本金が大きくチャレンジできるかとかを用意してあります。

でもそれでも独立したい場合には、サイバーエージェントベンチャーズとかで資本のサポートをする、ということもやっています。全部止めようと思ってしまうと、変な会社みたいになってしまうので。独立する分にはぜひチャレンジしてほしいということで、サイバーエージェントのベンチャーキャピタルを紹介したり、結果的に人の繋がりで取引が動いたりするので、その辺は黙認している、そんな感じです。

一生懸命、中でも、出なくてもいいように人事制度もつくって、更にそれでも出て行く場合には、より活躍してもらうために応援できるようにするということで、いい競争環境をつくっている。これが私達の取り組みです。

村上:当社に関しては、まだ事例が少ないんですが、独立を応援するかどうかで言うと、一緒に働いていて、且つ起業家精神もあるというと非常に気の合う仲間なので、独立すると言われたら、「やだよ!」とついつい言ってしまうことが多いと思います。曽山さんもお話されていましたが、独立しないで社内でやったほうが成功確率は上がる。お金の部分も含め、ゼロからベンチャーを立ち上げて、良い人を採用していくって相当大変です。

お金も採用も協力できるし、社内で一緒にやれたほうが嬉しいな、というのが大前提です。とはいえ、独立したいと言ってチョコレート屋をやっているメンバーもいますし、色々面白いメンバーがいるのですが。独立して同じ立場で話せるのは、それはそれで面白いなとは思いますね。ただ基本は一緒にやりたい、という想いがあります。

仲間集めが事業の成否を決める

岩瀬:ありがとうございます。最後におひとり1分ずつ今日のディスカッションを受けて、感想や会場の皆さんにアドバイス等、ひと言いただければと思います。では南さんから。

:5年間を振り返って、事業は人だと本当に思います。それならば優秀な仲間を集める。ここにフォーカスするのが、この5年間やってきて一番よかったと、一番の気づきだと思っています。採用とは時間もかかるし、労力もかかるし、情熱も必要ですし、正直面倒です。面倒ですが、やればやるほど優秀な仲間が集まってくる。

これは会社でなくとも、面白いイベントでも、部活でもサークルでも同じです。トップの人間が、情熱を持って良い仲間と一緒に、「楽しくやりたいな」と思えるメッセージを、組織全体が発信できればいいと思います。

僕らはまだ成功と言えるものを何も達成していないので、これが正解か、個人的にはまだわかりません。ただ毎日がとても楽しいので、今やっていることを続けて、いつかトンネルの先に明るい未来があるのでは、と思いながら、これからも面接をたくさんやっていきたいなと思います(笑)。ありがとうございました。

本田:ありがとうございます。私も今日参加させてもらった率直な感想として、ためになるお話も聞けて。一方で、各社それぞれだな、という印象を受けました。自分で起業して、自分でやりたいようにデザインした自分の会社が、自分がつくったなりのユニークなダメージの受け方をしている、というか。そんな中で困難に当たりながら、どうにか解決して、さらに大きくなっていくというのを繰り返しています。

今後、私共もパブリックに出るタイミングではありますので、また新しいさらされ方をして、自分達のカルチャーならでは……痛めつけられるんだろうな、とは思います。ユニークな体験をしているので、楽しんでやっていきたいなと思っています。

経営と現場の一貫性が大事

村上:本日はありがとうございました。組織論というテーマでお話させていただきましたが、当社はまだまだ組織を考え始めたのがここ最近で、試行錯誤の連続です。ビジョンからあらゆるものに意志を持って、制度、ロゴ等に落とし込んでいこうだとか。人と接する時になかなかかみ合わないので、今どこにいるよね、どこ目指しているよね、どう行くよ、といった会話をしっかりやらなければいけない。ということを日々学んでいるという状況です。

“あたりまえ”を発明できる組織ってどんなものだろうと議論をしていっても、いつも少しずつ変わっていく。永遠に答えがない戦いですが、会社を長く続けていく上で、“あたりまえ”を発明するのに熱狂している、そんな組織をつくっていきたいと思います。本日はありがとうございました。

曽山:本日はありがとうございました。今、私人事以外に事業をひとつ持っていて、人事のコンサルみたいなことをやり始めているのですが、その中で伸びる企業と伸び悩んでいる企業を調べて、先日ひとつ気が付いたことがあります。本田さんの話にもありましたが、経営と現場の一貫性が大事、というキーワードが出てきました。

人事制度や手段は会社毎に異なって当然です。他の会社のものを真似しても、しょうがありません。経営陣がやりたいものをまず明確に決め、それを現場の社員にも落ちるように一貫性を持つ。例えば人事制度だったり、コミュニケーションだったり、対話だったり。落ちているかどうかがすごく大事だというのが最近の気づきです。

サイバーエージェントグループ内でもそうですし、それ以外でも歓迎していきたいと思います。今後皆さんとも色々情報交換させていただければと思います。本日はどうもありがとうございました。

岩瀬:皆さん、お疲れ様でした。私も勉強になる話ばかりで、「どうやっていいチームをつくっていくか」が事業を決めるすべてだと思います。最後に拍手でお送りください。ありがとうございました。

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