2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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白木夏子氏(以下、白木):次のトピックはなんでしたっけ?
亀山敬司氏(以下、):起業のきっかけ。きっかけなんか適当なもんだよね。俺のきっかけは、税理士を目指していて、先生に「税理士は将来仕事ないよ」と言われて、税理士の勉強をやめたんだよ。
白木:その税理士の勉強の前に、アクセサリー屋ですか? その後にアクセサリー屋ですか?
亀山:(税理士の勉強を)やめてアルバイトして、おかまバーに踊りに行ったりして、「やっぱりこんなことやってちゃダメだな」と思ったら、たまたま知り合ったアクセサリー屋をやってた人に弟子入りして、六本木とか原宿で売ってたんだけどね。
白木:おもしろい。その後、どうやってDMMになっていくの?(笑)。
亀山:昔はけっこうやんちゃだったよ。勝手にアラレちゃんの絵を描いたり、スーパーマンの絵を描いたり、そういう著作権違反をやりまくりで。それを1個500円くらいにして中学生に売ってたね。
もともと起業したきっかけなんて、やんちゃなもんよ。初めはなんとなく、適当にやるんだよ。これがだんだん会社らしくなって、人が増えてくると堅苦しいんだよね。
それはそれで責任というやつなんだろうけど、残業代とか福利厚生とかいろいろ、まあ大変です(笑)。でも上場してないから楽よ。株主とか気にしなくていいし、適当なこと言っても飛ばされないから(笑)。
(会場笑)
白木:よく「会社は創業者以上の器にならない」と言うじゃないですか。亀山さんは、今の規模を描いていたんですか?
亀山:初めはアクセサリー(の売上)を明日はいくら、1,000円を1万円にするにはどうしようかみたいな。次は、田舎に帰ったら麻雀荘やろうとか。その時は確か、麻雀荘の全国チェーンを考えてた。
そのうちプールバーをやったら『ハスラー2』で(プールバーが流行って)当たったのよ。その後、ビデオレンタル店みたいな。もうたまたまという感じで、成り行きよ。
ただ、露天をやってる時に、上を見上げたらでかいビルあるだろ? あんなところでタバコふかしながら、後ろに美女がいるといいなみたいな。
『ゴルゴ13』みたいなのをやってみたいというのはあったね。「いつかあそこでタバコ吸いてぇな」みたいな(笑)。
そんな程度で、インターネットに関わるとも思ってなかったし。本当に運だけでここまで来ましたという感じ。
白木:いや、すばらしい。
亀山:あんまり深く考えたらいけないよ。
安藤美冬氏(以下、安藤):その運の秘訣はなんですか?
亀山:運の秘訣。それで言うと、女性にけっこう助けられたな。さっき言ったように、ビデオレンタルのころは、主婦のパートの人たちがけっこう来てくれて。
うちは昔、ビデオレンタル店を5店舗くらい出してて、20〜30人アルバイトを雇ってたんだけど、DVDを盗んだやつがいたのよ。1人捕まえたら、みんなが商品持っていってて、芋づる式に半分くらい首になったわけ。
その時、残ってくれたのが主婦のパートの人たちだった。ヤンキーのやつはみんな持ってったから(笑)。その主婦の人たちに助けられて、今も(その当時の)女性が店長してるんだよね。
その後も税理士の人とか、弁護士の人とか、女性にけっこううまく巡り合ってた。(その人たちが)要所要所で陰ながら助けてくれるというのはあるよ。別に大人の関係にはなってないよ(笑)。
安藤:多少思ってましたけど(笑)。
亀山:いやいやいや、島耕作とは違って(笑)。
(会場笑)
亀山:関係はしてないけど(笑)。でも、支えてくれる人がけっこういて、大抵年上なんだよ。露天商の師匠も、俺が20歳くらいの時に30歳くらいの女性だったの。「亀ちゃん、ここでやると売れるわよ」とか教えてもらったのよ。そんなふうに、とくに年上の女性に支えられてきたかな。
安藤:女神さま。
亀山:俺の女神になってね。
安藤:大事にしてください(笑)。
亀山:(笑)。
白木:瀬戸さんは18年間会社員をやられてから起業というむずかしい決断だったと思うんですけど。
瀬戸まりこ氏(以下、瀬戸):私の起業のきっかけは……韓国で垢すりエステを受けた時に、素っ裸になって小太りのおばちゃんに垢すりしてもらうのが、すごく楽しかったんですよね。
OLの時はずっと経理で仕事をしていたので、パソコンの前で1日数字と向き合う仕事だったのが、「世の中にはこんなにおもしろい仕事があるんだ」と思って。
一番最初は、韓国の垢すりで起業しようと思ったんです。帰国して「韓国・垢すり」と調べたら、風俗しかなかったんですよね(笑)。
(会場笑)
亀山:やっぱり行く勇気なかった?(笑)。
瀬戸:風俗しかなくて(笑)、「あー、ダメだー」と思って。それに似ているもので、アロマセラピスト。トリートメントをするということが個人でできることだなと思ったので、最初はアロマセラピストになろうと思って、スクールに通ったり、いろんな資格を取りに行きました。
会社を辞める前に、それが自分に合っているかどうなのかという適性がわかるようなセミナーがあったので、そこに「セラピストで大丈夫ですよね?」と背中を押してもらうつもりで行ったら、「ぜんぜん向いてません」と言われて(笑)。
私はよくよく考えれば、起業したいというよりも、会社を辞めたかったというのが本当に大きな理由だったので。その適性セミナーに行ったら、「あなたは営業が向いています」と言われて。
これもたまたまなんですけど、そのセミナー講師の方に「よかったら、私の営業やりませんか?」と声を掛けていただいて(笑)。それで、そのセミナー講師の営業をしているうちに、会社員をしながらお金が入ってくるようになってしまったので。
これもたまたまなんですけれども、神社に行っておみくじを引いたら「新しいところに行きなさい」というのが出てきて(笑)。
「もう会社辞めよう」と決めて、おみくじ引いた1週間後に上司に「会社辞めます」と。本当に亀山会長がおっしゃっていた、たまたまの連続です。
亀山:たまたまの連続だったということだよね。今時、そんな先まで考えてられないよ。未来を考えても、みんなせいぜい5年先が限界だと思うんだよね。
安藤:おっしゃるとおりですね。
亀山:せめて5年先は見ておいたほうがいいと思うので。10年先なんて、もうわけわかんないよね。とくに今、インターネットは早いもんね。
安藤:でも実際に、たまたまとか偶然というのはキャリア論でもすごく大事な要素だと言われていて、「プランドハップンスタンス理論」と呼ばれているんですけど。
亀山:なんて?
安藤:プランドハップンスタンス。
亀山:またむずかしい言葉を(笑)。わかりやすく言ってね。
安藤:「計画された偶然」という。たまたま神社のおみくじで引いたとか、たまたま適性検査で営業に向いていると言われたというのは、すごく大事。
亀山:そうだね。でも、「たまたま運がいいのと悪いのはどうなんだ?」「それはあなた、運がよかったからいいでしょ」という話になると思うんだけど。
いつになってもうまくいかない時があるけど、その時にはとりあえずふんばっておくしかないよね。そのうち、いきなり贈りものがくると思うんだけど、その時に(そなえて)。
いきなり誰かと巡り合って「バンド組もう」という話になった時に、日ごろギターの練習をしてないと、「一緒にやろうぜ」と言う時に弾いて、ベロ〜ンというよくわかんない音を出したら、それで終わっちゃうというのがあるかな。だから、(うまくいく人は)そのためにちょっとずつなにかやってるんだろうね。
そういうのは腹筋でも、体力作りでもなんでもいいんだよ。なにかをやっていると、いざという時に無理がきくとか。ここ一番で3日間徹夜できるとかあるじゃない。そういうこところは、なにか日ごろ努力してるの? 「これは私、負けません!」みたいな。「走ってます」とか。
安藤:私の場合は、ふだんから居心地の悪い場所に積極的に行くようにしています。
亀山:ここ、居心地悪いの?(笑)。
(会場笑)
安藤:居心地は……うーん。緊張はしてますけど、楽しむようにしてます。もともと、どちらかと言うと親しい人のなかでしか自分を出せないタイプで、苦手意識があったんですけど。
亀山:この雰囲気?
安藤:今は大丈夫。辞めてからは場数を踏んできたので。ただ、会社勤めをしてた時は、起業とか自分でなにかをするんだったら、いろんな人のところに出て行かなきゃと。
バックパッカー時代に度胸をみがいたのはあっても、実戦で最初からいろんな人と話せるかというと、そうじゃなくて。今も苦手意識はあるけど、「行きたくないな」と思ったら喜んで行くように(笑)。
亀山:立派だよ。俺なんて50歳まで引きこもってたからね。50歳まで、本当に20人くらいで足震えてたから。
ある日、「しゃべって」と言われて「どうしようかな……でも、勇気を持とう」と思って、こっち(登壇者側)だけ見てしゃべる、こっち(客席側)を見ないでしゃべったら、なんとかなったわけよ。「これだ!」と思って。(今は客席を)時々見れるようになったけどね。50歳になってからちょっとは努力したから。
安藤:自分も一番最初が(大変だった)。辞めて半年くらいで、友達の前でセミナーをやってくれと。TwitterとかFacebookの使い方を15人の友達の前で。マイクを持つ手がこんなに震えちゃって。そこからでしたし、恥をたくさんかきましたよ。
亀山:今は慣れちゃって。打ち合わせもしないでワイワイ後ろで雑談やってたもんね。(笑)。白木さんは、なんか努力してるの?
白木:努力というか、セミナーにはそれなりに行こうと思っています。勉強はずっと続けていて、やっぱり経営者になったからといって完成したわけではなくて、経営者0歳から、1年、2年、3年と積み上がっていくものだなと思って、なるべくたくさんの経営者の方に会ってお話を聞いています。それこそ、NewsPicksの亀山さんの対談記事を読んで勉強させていただいたりとか。
自分が次に行くべき場所を考える土台というのは、やっぱり今まで自分が学んだもののなかから作られるというところがあると思うので、その学びはつねに心掛けています。優等生な答えですけど(笑)。
亀山:瀬戸さんは? マッサージやってる?
瀬戸:私は、逆に今、まじめに考えることをやめている最中ですね。もともと考えることがすごく苦手なのに、経営はがんばって考えなきゃいけないのかなと思い込んでいたので。
最近、考えることを手放そうというのをすごくやってます。考えてもなんかぜんぜん浮かんでこないから(笑)。
亀山:ボーッとしてるの?
瀬戸:ボーッとしたり、ひらめいたことで「いいな」と思ったものをやってみるとか。
亀山:うんうん。なんか参考になるような、ならないような話だったね(笑)。
(会場笑)
白木:いまだにバックパッカー的に世界中を回ることはつねにやっていて。
亀山:俺もやってるね、今も。
白木:先週もインドネシアとバリ島とシンガポールに行ってきました。自分が学生時代にバックパッカーをやってきた時と今と、15年くらいの隔たりがあるなかで、やっぱり今見る世界とその当時の世界とすっごく変わっていたりするので、かなりカルチャーショックだし。
やっぱり世界最先端のものとかアイデアがある場所に実際に行くというのはすごく大事だなと思ってます。
亀山:俺も、今も3〜4年に1回は行くんだけど、1ヶ月くらいやれるといいよね。でも、普通はなかなか休み取れないじゃん。どうかな? 勤めてても、有給とか合わせて最大2週間くらいまでいけるのかな。
あとは、2週間は仮病とか使って行ったほうがいいと思うんだよね(笑)。腹痛いとか、ウソついてもやったほうがいいと思って。やっぱ勤めてたら出れないから。「1ヶ月休みます」とか。
なので、俺なんか……。さっき言ったみたいに、自分でやってる人間はやろうと思えば1〜2ヶ月取れるから。でも、それくらい取らないと垢が抜けないというか。浮世のしがらみとか、いわゆる価値観が抜けないから。もう仮病だよ、仮病(笑)。ウソついても自分を守ったほうがいいよ。いつまでも今の会社があるかわかんないよ。
今時、会社にすがってても生きていけないし。ほとんど勤めてる人が多いと思うんだけど、いつ会社が潰れても、クビとか言われても、一応生きる術は置いとかなければいけないと思うんだよね。
その時も1回離れてみて、「この会社、10年後もあるのかな?」とか考えないといけないじゃない。でも、社内にいるとなかなかそういうのが思えなくて。
俺もこの間、石川県のある出版社に行ったんだけど、基本的に田舎の出版社で、先があるわけないのよ。ビジョンもとくになかったわけよね。インターネットをやってるわけでもなくて。地方のコネで、いろんなところに本を置いてるだけという会社だったんだよね。でも、本人はわかってるわけよ、「この先どうしましょう?」とか言うんだけど。
でも、そこから先を考えるところまでいかないんだよね。それでも、もう10年勤めたから愛着もあるわけよ。たぶん、そういう人はいっぱいいると思うんだけど、その時にやっぱり1回離れて。
「辞めろ」と言ってるわけじゃないんだけど、辞めるかどうか、もう1回振り返ってもう1回考え直したら、まだ30代・40代ならなんとかなるけど、50過ぎて俺くらいになるともう無理よ! 本当に動けなくなる。
だから、1回考えて「やっぱりここでがんばっていこう」と覚悟を決めたら、同じことでもまた気合い入れてやれるから。俺なんか時々旅に出て、「このまま行方不明になろうかな……」と思うんだけど、やっぱり家に帰りたくなるから。ちゃんと家族のために帰ろうとなるから。
仕事もそういう感じになるし。日ごろぶつぶつ文句を言ってるんだけどね。「なんでこんなこともできないんだ!」とか。
でも、帰ると「おかげさんで旅ができたし、ありがとうね」という気持ちで。だから、社員もみんな笑顔で送り出してくれる。「いってらっしゃい!」みたいな。帰ったら優しくなるから(笑)。
(会場笑)
亀山:だから、そういった点では今の生活を変えようが変えまいが、とりあえずいったん離れてみるというのは自分の家庭とか会社、自分との関係をもう1回再認識して向き合ってみたら、人生誤らない気がする。
死ぬ間際に「この人と結婚してよかったのか」とか「この仕事をやってよかったのか」とか「仕事だけの人生がよかったか」なんて悩んで、「うっ!」と死ぬのはつらいじゃん。話が長くなりましたけど。
安藤:すごくわかります。
亀山:女性と関係ないけどね(笑)。
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