2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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松山太河氏(以下、松山):「世間はある程度定型化されている」。僕はすごい経済オタクで、世の中のお金の流れを、かなり正確に把握しているほうだと思います(笑)。
日本国の中で年間に流れているお金は、だいたい400兆円ぐらいなんですね。事業消費とか政策投資が200兆円ぐらい流れていて、個人消費が200兆円ぐらい流れている。
皆さんのお父さんとかが会社で給料をもらったり、家賃を払ったり、電気代を払ったり、教育費払ったり、世の中のお金の流れは、みんなが思っている以上にルーティーンなんですよね。
社会というのは、意外と固定化されています。ニュースが日々あって、世の中って日々変わっているように見えるかもしれないんですけど、経済的には、日本国内の人が家に対して払う家賃はずっとだいたい同じですし、皆さんが食べる食事の量もあんまり変わりません。
年間消費されるポテトチップスの数みたいなものも、大した変化はないんです。個々人では「今日、ポテトチップス食べたいな」とか思うかもしれないんですけど、押しなべて統計的に見ると、年間に売れるポテトチップスの数はあんまり変わりません。
その中において変化をつくれる人が、僕は起業家に向いているなと思います。世の中の資金の流れの95パーセント以上は変わってなくて、その中において、年間少しですが、変化が起こるんですね。
それこそ、今までガラケーだったのがスマホに買い換えられていったりとか。世の中の変化の部分で仕事をしているのが起業家だと思います。
そういう意味で言うと、起業家とか、自分でなにかしらスタートアップをしていくということは、変化をつくっていくというか、変化を見つけてより大きくしていくというか。そういう仕事なのかなと思います。
そうなると、次に「異常値となること」と書いたんですが、結局、世の中の流れが大きく変わらない中で、自分自身が異常値にならないといけない。
異常値であるということは、周りから「君、ちょっと変わっているね」とか、「君、やっていることおかしいんじゃないの?」とか、ある程度の反発が予想される。でも、それは自分がその世の中において、変化をつくりだそうとしている側であれば、一時期はしょうがない。
なにかしら事業をしていたりすると、当然ながらいいこと言う人も悪い人言う人も出てくるんですけど、毀誉褒貶を避けられない。社会に対して変化をつくろうとしている中で、異常値であるということが周りにとってのストレスだったりするけど、そこを避けないようにしないといけない、ということですね。
僕の話がいかに下手か、だいたい伝わったと思うんですけど、わりとボーッと考えていることを言っているというか、普段、仕事においても、こんなことを考えています。「変化が起きているのかな?」とか。
ここ5年ぐらいの流れでいうと、一番大きな変化は、特にインターネット業界でいうとモバイル。スマホへのシフトという大きなうねりがあって、その中でグノシーとかメルカリとかツイキャスは流れにうまく乗っているというか、変化を捉えて、機敏に対応している。
そういう世間のうねりを発見することも重要なのかなと思っています。そういった世間のうねりを見つけるためにも、最後に「メンターをつくる」と書いてあります。
若いうちって、世の中で知らないことが結構あります。僕が20代前半で皆さんと同じぐらいのときって、わりと自信家だったので、世の中のことをかなり正確に把握しているんじゃないかなと、今もそうかもしれませんけど、思っていたんですね。
でも実際はそんなことは全然なくて、世の中の経済活動の全体像を全然つかめていなかったし、日本以外のアジアの伸びとか、そういうことに関しても全く無知だった。若い人は自分の無知がどれぐらいの無知かが、わからないんです。
もちろん若い人は若い人で、さっき木下が言っていたポテンシャルを持っているので、世の中を壊していける。そこに関しては、僕は賛同したいんです。
でも、世の中全体の中で、自分がどこまで把握しているか。そこに関しては限界があるので、その知恵の不足の部分を補ったり、大きな流れを指摘してくれたりするメンターみたいな人が必要なんです。
もしくは、これは同世代でもいいんですけど、自分よりもちょっと物知りで、かつ自分と同じようなマインドを持っているメンターなり友人なりをつくって、それを補足していくっていうのが重要なんじゃないかなと。
これは別に、経済的に利害関係があってもなくてもよくて、例えばスタートアップだったら投資家かもしれないし、先輩経営者かもしれないし、社内にいる同じ目線で話せるようなメンバーかもしれないです。
そんなに頻繁に会わなくてもいいんですけど、なんとなく2、3カ月に1回ぐらい会って、率直に話をしてくれるようなメンター。自分の目指しているものをすでに成し遂げたような人であればベストなんですけど、そういう先輩というかメンター的な人、いわゆるロールモデルというやつがあると、すごくいいなと思いますね。
あと今日の趣旨としては、こういった若くて可能性のある人たちの交流の場を作ろうというのが、木下の今回の狙いだと思います。僕の話はどちらかというと、単なる出し物というか(笑)。こういう場所に集った人同士の横のつながりが最も重要なことなのかなと。
僕もいろいろ考えながら投資しているんですけど、フリークアウトという去年大きく上場してくれたやつは、僕の高校の同級生なんですよね。本田(謙)氏は、入学当時の1人目の友達でした、メルカリの山田進太郎も、彼が学生時代に、僕の友人の後輩として出会ったんですよね。
こんなかっこいいことして、分析しているとか言いながら、「なんだ、友達に投資しているだけじゃないか。かつ、その友達がたまたま優秀だったんでしょ」みたいな感じなんですけど、そんなもんです。なにを言いたいかというと、良き友達をつくるのは、非常に経済合理性がある。
(会場笑)
もちろん相乗効果もあると思うんです。(山田)進太郎が学生時代にアプリを作ったかっていうと、そういう時代でもなかったし、単にインターネットにちょっと詳しいぐらいだったんです。だけど、「こいつ、なにかやるかもしれないな」と感じるるやつは、5年10年スパンで見ると、必ずなにかをすると思います。
若いときには難しいことなんですけど、若いうちって、自分より10歳ぐらい上の人をすごいと思いがちなんですよね。同世代のことを甘く見るというか、油断することがあります。
ただ、実はそれは間違っていて。なんで同世代に油断しちゃうかというと、歳が近いっていうのもあるし、さっき言った実力が向上していくのを認識できていないのもあります。だから最初に会ったときに、「あ、こいつ、なんか頼りないな」と思って、3年とか5年とか会わないと、その認識のままになっちゃうんですよね。
そのとき周りがみんな「あいつ、すごいよ」と言っても、「いや、俺が会ったときはそんな人間でもなかったよ」と。でも、人間力は年々向上しているので、アップデートしていかなきゃいけないんです。
同世代のことを油断しがちなのは、アップデートをしていなかったり、若者が成長することを認識していなかったりするから。
メルカリの山田さんも今やすごい名経営者ですけど、会ったときはそんなに完璧というわけではなかったし、フリークアウトの本田氏も、全然ビジネスマンという感じではなかったので、人は上昇していくんです。同世代を甘く見て、10歳ぐらい上の経営者のことをすごいと思いがちなんですけど、それはミスを犯している。
しかも、10個ぐらい上の人と心を割っていろいろやっていくって、難しいんですよ。皆さんがチャレンジしていく中で一緒に戦う人たち、一緒の仲間となって戦ってくれる人たちは、結局は同世代なんですね。
一緒に仕事をするかもしれない関係として、同世代のことをもっとウォッチしたほうがいいなと。「ちょっとこういうところが頼りないな」とか思うかもしれないけど、その評価・認識は、半年なり1年なりでどんどん変えていかないといけない。
なので、同世代の友達は大切にしたほうがいい。今は力が弱く見えるかもしれないですよね。10歳ぐらい上の人のほうがしっかりしているなと。ただ、そこには10年の成長の余裕があるというか、時間的な間があると思うので。
なので、僕からのお話のまとめとしましては、いい友達をつくりましょうと。いい友達をつくるには、ある程度心を開かないといけないと思うんですよね。
結構、友達ってつくりにくいんだよね。これは僕もまだ思いつけてなくて、結局は、スタートアップで成功するメンバーって、昔からちょっと関係性があったやつがいいんですよね。幹部とかも。
そういう意味でいうと、事業ドメインをなににするかも重要なんですけど、その前に、その人がどういう友人関係をつくっているかも、かなり重要なんです。
だから、友達をつくるスキルとかノウハウが一般化すればいいんですけど、これはなんとも言えない。僕も早稲田に行ったけど、「みんなの就職活動日記」を作ったいとまさ(注:ユーザーローカル代表、伊藤将雄氏のこと)が山田進太郎の先輩にあたって、いとまさは僕の大学の友達だったんだけど、それも広い関係から、たまたまというのがあるので。
自分の心を開くっていうのと、相手を尊重するっていうところですかね。すみません。最後なんか道徳の授業みたいになりましたけど。
(会場笑)
あとは、僕のファンドは新しく運用しているんですけど、この中の人たちで、将来大きくチャレンジしようというタイミングが来たら……。タイミングって重要なんだよね。ちゃんと整ってないと、なかなかそういう話って進みにくいので、やはりタイミングってあると思うんですね。
「完全なるいいタイミングが来た」と。「これ、今勝負のときだ」というところになって、きちんとしたある程度の実績値を見せられるぐらいのタイミングが来たら、ぜひ、East Venturesというベンチャーキャピタルの名前を覚えておいてほしいなと思います。
すみません。拙い話でしたが、こんなもので終わらせてもらって。僕は添え物なので。今日のメインコンテンツは皆さんっていうことなので。
今日1日、友達をミニマム3人はつくってほしいですね。Facebook申請は10人ぐらいしてほしいです。僕は今日来ている人は全員、フレンド申請を受けるので、今日の僕の話がおもしろいなと思ったら、申請しておいてください。よろしくお願いします。どうもありがとうございます。
(会場拍手)
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