2024.12.03
セキュリティ製品を入れても検出されず…被害事例から見る最新の攻撃トレンド 不正侵入・悪用を回避するポイント
リンクをコピー
記事をブックマーク
質問者:先ほどの子どもの教育の話で、すごく興味があるんですけど、僕は結局親が子どもに対して、「こっち界隈に来い」というのを投資していかないと、なかなか次世代は育っていかないと思っています。
例えば日本だったら、「弁護士になります」「医者になります」「ピアニストになります」「サッカー選手になります」というものに対してはきわめてわかりやすく、あといい大学に入るため、いい塾に行かせるために投資をするじゃないですか。
でも、インターネットのエンジニアになるために小学校のうちから投資をするとか、もっと言うと、「スタートアップの起業家を目指しなさい」という親のマインドって今はまったくないと思うんですね。
質問が2つあって、シリコンバレーは「インターネット界隈に行きなさい」という投資がどれくらい行われていて、その中で「起業家になれ」という親のマインドはあるのか?
日本ではそれがゼロのような気がしてるんですけど、どうやったら日本でもそのマインドが出て、親が子ども対して教育の機会を与えてくれるんだろうかとか、肌感覚を教えていただければと思います。
宮田拓弥氏(以下、宮田):ありがとうございます。もろ吉川さんかなと思うので。
吉川欣也氏(以下、吉川):(それは)難しくて。ただ、子どもたちは、「アンドロイドを作ってるお父さんはあの人」「iPadを作ってるお父さんはあの人」みたいな感じで作っている人の顔が見えるので、子どもたちはそれで十分イメージが湧くと思います。
当然それぞれの子どもたちもいるので、どういう教育を受けているかというと、子どもたちはバカじゃないので、すごく刺激を受けていると思います。
スティーブ・ジョブズみたいな人間がいて、そういう本が学校のライブラリーに置いてあるんですね。エジソンの横にスティーブ・ジョブズとなってるわけですね。そういうのってけっこう重要かなと思います。
親が「起業家になれ」というのは、自分もふくめて起業家連中は言わないですね。ただ周りをみて、今できることをきっちりと教えている。今、子どもに教えるべきことを見極めてやっているというのが現状で、起業家の教育というのはないですね。
ただ、お父さんがエンジニアだと、ガンガンいろんなものが置いてあるので、そういうものを使って(子どもが)モノを作り始めているということはあります。
うちなんかもそうですけど、会社にどんどん連れてくるので、今楽器を作ってるのでそういうパーツがいっぱい転がっていて、テストマシンがガンガンあるので、(子どもに)触らせてくれるんですよね。
アッセンブル(組み立て)とかするので、一緒に親の会社に行って触れるというのは、もうテックショップとかじゃないんですよね。Googleに行っても、そういうテックショップっぽいものもあるので、子どもたちがそういうものをすぐ触れると。
中にいるエンジニアたちが「こうやって使うんだよ」「グラスってこうやってかけないと危ないよ」とか(教えてくれる)というのは、やっぱりシリコンバレーのいいところです。
日本だとお父さんの会社、お母さんの会社に行ってそういうのを触らせてもらう(機会)ってあまりないと思うんですけど、シリコンバレーは日常のようにあります。
宮田:僕も基本的にアグリーなんですけど、実際子どもを見ていて捕捉があるのが、去年くらいからほとんどの小学校にChromebookが1人1台入りまして、普通に学校の授業でみんなGoogleを使っていて、プレゼン文化なので、たぶん3年生くらいからパワポを作っています。
さらに驚くのが、みんな授業中お互いGoogleで会話をしているから、家に帰って何してるかと思ったら、自分のパワポを作っている延長線上でいきなり3年生同士がハングアウトし始めて、そこでグループチャットしてみんなでパワポ作るみたいな。
すごくベタですけど、学校にIT環境がしっかりあって、「クラウドとか当たり前だよね」っていうのはすごく大事だなと思います。
自分の子どもを見ていても僕の仕事のスタイルと同じくらいのことを4年生で普通に宿題でやっているので、それは末恐ろしいというか……けっこう環境が大事だなと思いました。
吉川:9歳でレジュメを書く練習をしてます。
(会場笑)
吉川:9歳で「(先生が)レジュメ持ってきなさい」と。どうやって書くんだと思いましたが、ちゃんと書いてました。びっくりしました。
宮田:ちょっと話はそれるんですけど、昨日見ていておもしろいなと思ったのが、日本でBtoBファイナンス、CtoCで個人ローンってあまり流行っていないと思うんですけど。
昨日か一昨日出てきたサービスで、高校生が自分のレジュメで個別でone to oneでマイクロ奨学金を受けるというサービスが今伸びていて、それなんかまさにレジュメを書けないと、高校生が自分の奨学金を人からもらうなんかできないわけで、自分というのをすごく確立させられるというのはけっこう違うかなと思います。
2つ目の質問に、どうやったら日本もそういうふうになっていけるかというのがあったので、青柳さんは教育についてコメントとかありますか?
青柳直樹氏(以下、青柳):私は子どもが小さすぎるんですけれども。アメリカだと子どもにしてあげるのって高校までで、大学以降って基本お金も払わないし、勝手にやれっていう感覚がすごく強い。
シリコンバレーのお金持ちでできるのは、いい学区を選んで最後パロアルトハイスクールでも行かせて……開成高校みたいなものだと思いますけど。
その中で大成功するやつって、当然投資銀行に行くやつじゃなくて、在学中に起業して仲間を見つけてっていう環境を日常のものにしていくというのが彼らが信じていること。
僕の周りのベンチャーキャピタリストと起業家の人たちは、「エンジニアになれ」とか「起業家になれ」って言ってない気がしますね。
「俺はこの環境だけ与えたから、お前勝手にしろ」みたいな。そういう感覚がすごく強いなと思います。
宮田:たしかに環境というのはひとつ大きいのかなと思います。
吉川:あともうひとつ! シリコンバレーで親が悩んでるのは、自分と同じ給料を子どもたちが稼げるかというのをみんな悩んでいるんですね。たぶん無理じゃねぇかと。
(会場笑)
そこが今のシリコンバレーの親の悩みだと思います。自分たちと同じ競争を、自分たちの子どもたちはできるのかというので相当みんな悩んでいるし、稼げねぇだろうというのはありますね。
よくそういうのが雑誌とか新聞にも出てるんですけど、答えは出てないですね。
宮田:なるほど。あと3分くらいなので、あと1問くらいいけると思うんですけど、もしご質問があれば。
質問者:日本の企業がシリコンバレー水準、またはそれ以上の給与水準になれない一番のネックは何ですかね?
宮田:青柳さんですかね。
青柳:ネックはなくなった気がしていて、一部ファイナンスがつくようになったので、給与水準を上げて、シリコンバレーだと家賃が倍なのであっちで1500万もらっているエンジニアって日本でいうと900万とかで同じ生活ができると思うんですよね。
僕らは上場企業なのでやられたら一番嫌ですけど、10億20億ファイナンスした会社のCEOはどうせ上場したら給与上げなきゃいけないんだから、最初から上げて、アドオンでストックオプションもあるんだから、そうしたら無敵の戦略が取れる。
一番特徴的なのは、ベンチャーキャピタルのお金を絶対返さなきゃいけない、「これは悪魔の契約だ」みたいな感じで高宮(慎一)さんのブログが上がってましたけど、シリコンバレーにはああいう考え方はないですね!
(会場笑)
「これはあんたが取ったリスクでしょ」という形で、「俺はバーンレートを上げてフォーカスして突っ込むんだ」みたいなことを許容する感覚があるので。言い方要注意ですけど、確信犯でやっちゃえばいいんじゃないかなと(笑)。
2年前までは無理だったと思うんですけど、今そういう方策取れるので、一番自分たちのレバレッジが効く。
上場しちゃってる会社だとさすがに開示もあってやりにくいので、やっちゃえばいいのになと思っています。
宮田:なるほど。大丈夫ですか?
質問者:よろしくお願いします。シリコンバレーがかっこいいとかいうのは置いといて、アメリカのマーケットは大きいので、僕らは日本とアジアで事業をやっているんですけど、やっぱりアメリカ市場にいきたいんですよ。
カルチャーコンテクストも違う日本のサービスを提供している会社がシリコンバレーでどうやってチームを立ち上げられるかというのがすごく悩んでいるところで。
スクラッチでチームがつくれるのか、もしくは日本とアメリカでは全然コンテクストが違うからアメリカ向けのサービスをまたゼロベースでつくるか、M&Aするかとかというのは、どうなんですかね? たぶん青柳さんとかはいろんなチャレンジされているので……。
宮田:ドンピシャで青柳さんの質問なんですけど。
青柳:つくれると思います。単純につくり方を知ればいいだけかなと思います。
宮田:最初は少し時間かかったんじゃないですか? 1年とか2年とか。
青柳:そうですね。最初の雇用制度とか、日本だと就業規則とかいろんなもののパッケージが違うので、一番の障壁は日本と違う制度を入れるよということを、日本のマネジメントが理解して受け入れることかなと思って。
「これだとじゃあ中国オフィスつくったときどうすんだ!?」とか、全部グローバルの画一のものにしようとするとハマるので。
本当の障壁は、アメリカで同じ能力の人に給与を2倍払わなくてはいけないということとかをどう役員に説明しようかみたいな。そういうものをまず取っ払えるか、うちの会社の場合それに1年はかかりました。
その先のところは先ほど申し上げたように、現地に行けばやったことある人とか、ツールというのがそろっていて。
最近日本でもスマートニュースさんもそうだし、2回目の起業をあっちでやっている会社とかトレジャーデータだって日本人がやってるし、エニーパークだってやってるし、ほとんど日本人がいない会社になってるかなと思っているので。
日本のマネジメントが違う制度を許容できれば、やる方法は増えていて、やってる人たちも増えていると思います。
宮田:ありがとうございます。ちょうど時間切れということで。今日はシリコンバレーというテーマで、実際に活動されている方々から、ビジネスとか起業とか投資とか、あと教育も含めてけっこうおもしろいディスカッションができたかなと思います。
最後にみなさんに拍手をお願いします。
(会場拍手)
関連タグ:
2024.11.29
「明日までにお願いできますか?」ちょっとカチンとくる一言 頭がいい人に見える上品な言い方に変えるコツ
2024.11.28
管理職の「疲弊感」がメンバーに伝わるリスク 部下の「働きがい」を育む6つのポイント
2024.11.27
何もせず月収1,000万円超…オンラインゲームにハマって起こした事業 大学中退し4社立ち上げ・2社売却した起業家人生
2024.11.27
部下に残業させられず、自分の負担ばかり増える管理職 組織成長のカギを握る「ミドル層」が抱える課題
2024.11.26
タスクの伝え方が部下のモチベーションを左右する マッキンゼー流、メンバーが動き出す仕事の振り方
2024.11.25
仕事はできるのに、なぜか尊敬されない人が使いがちな言葉5選 老害化を防ぐために大切な心構えとは
2024.12.03
職場の同僚にイライラ…ストレスを最小限に抑える秘訣 「いい人でいなきゃ」と自分を追い込むタイプへの処方箋
2024.11.28
“新規事業が生まれない組織”に足りていないもの 「PoC貧乏」に陥らず、アイデアを形にするためのヒント
2024.11.29
やたらと多い自慢話、批判や噂好き…「自己重要感」が低い社員の特徴 管理職が知っておきたい「一生働きたい職場」の作り方
2024.12.02
給料や人間関係が良いだけでは部下は満足しない メンバーの「働きがい」を育む5つのステップ
2024.11.29
「明日までにお願いできますか?」ちょっとカチンとくる一言 頭がいい人に見える上品な言い方に変えるコツ
2024.11.28
管理職の「疲弊感」がメンバーに伝わるリスク 部下の「働きがい」を育む6つのポイント
2024.11.27
何もせず月収1,000万円超…オンラインゲームにハマって起こした事業 大学中退し4社立ち上げ・2社売却した起業家人生
2024.11.27
部下に残業させられず、自分の負担ばかり増える管理職 組織成長のカギを握る「ミドル層」が抱える課題
2024.11.26
タスクの伝え方が部下のモチベーションを左右する マッキンゼー流、メンバーが動き出す仕事の振り方
2024.11.25
仕事はできるのに、なぜか尊敬されない人が使いがちな言葉5選 老害化を防ぐために大切な心構えとは
2024.12.03
職場の同僚にイライラ…ストレスを最小限に抑える秘訣 「いい人でいなきゃ」と自分を追い込むタイプへの処方箋
2024.11.28
“新規事業が生まれない組織”に足りていないもの 「PoC貧乏」に陥らず、アイデアを形にするためのヒント
2024.11.29
やたらと多い自慢話、批判や噂好き…「自己重要感」が低い社員の特徴 管理職が知っておきたい「一生働きたい職場」の作り方
2024.12.02
給料や人間関係が良いだけでは部下は満足しない メンバーの「働きがい」を育む5つのステップ