2024.10.10
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鈴木貴歩氏(以下、鈴木):Facebookは、来場している方も仕事で使っていたり、家族で繋がっていたりすると思うんですけれど、ツイキャスやInstagramを意識して見てる方ってあまりそんなに多くないんじゃないかと思っていて。
「こんなだったんだ」というのが今日は(ここまでのお話で)おわかりいただけたかと思います。というぐらい、ユーザーに若い人が多いんですよね。
西村顕一氏(以下、西村):はい、うちの場合高校生が一番多いので。これからどんどん世代を広げていきたいと考えています。
鈴木:海外の、例えばブラジルとか台湾のユーザーも若い子達が使ってるってイメージが……。
西村:そうですね、顔を出して話をすることに抵抗があるのはどこの国でも世代で分かれるというか。スマホが昔からあって、そこで繋がってるのがあたりまえという状況になってくると、そういった抵抗が薄まるのかと思います。
鈴木:いわゆる、ミレニアル世代ってことですか?
西村:そうですね、はい。
鈴木:まさにミレニアル世代の代名詞が、Instagramだと思うんですけど、若い人たちが相当使ってますよね。
綾尾康嗣(以下、綾尾):そうですね。Instagramは日本でも多くの若い人たちに活用されております。特にファッションとの相性がとてもいいので、多くのモデルさんにも愛用されております。
最近の若い子はレストランの検索ツールとしてもInstagramを活用しています。レストランを決める時に、Instagramで食べたいものの写真を検索し、「これ美味しそうだな」と思った写真の位置情報を調べ、友達と一緒に行くそうです。
鈴木:アーティストとかメディアと接してると、みなさん若者にアクセスしたいと言うんですが、Instagramの活用っていうのは多いんですか?
綾尾:はい、多いですね。Facebookページを運営されているパートナーの方々はすでに多いのですが、今後は、Facebookにいるファン層以外のユーザーをどのように獲得していくかというところで、Instagramに興味を示してる方々が多いです。
鈴木:長渕剛さんのマーケティングをやってたときも、ツイキャスにお世話になったんですけど、長渕剛さん本人が「若者にいろいろと伝えていきたい」というテンションだったんで、「じゃあやっぱりインスタじゃないでしょうか」ということで、実際にインスタをお見せしてやったというのもあって。
画像や動画でのコミュニケーション、両者に共通しているのは、すごくシンプルでわかりやすいってことがあるんですよね。
じゃあ次、綾尾さんからいただいたテーマがいろいろありますので、より今回のBIG PARADEのテーマに沿った、ディスカッションポイントを議論できればと思います。
じゃあ、まず「ソーシャルメディアをうまく活用している国内のアーティスト、タレントはなにが上手なのかというのを、ぜひ事例を教えてください」。もっと突っ込んでいただいて。
うちのアーティスト使わせていただいてたりしているんですが、それは増えてきてるんですかね。ツイキャスで言うと。
西村:そうですね。若い方にツイキャスの使い方が上手い方が多いです。最近ツイキャスから出てこられた方として、名前がどんどんあがってきているユニバーサルさんの井上苑子さんという、高校生のシンガーがいらっしゃいます。
苑子さんは毎回ファンと近い距離で、友達のような距離感をツイキャスで作っていて、それ以外のSNSとも使い方で共通することがあると思うんですけれど、プライベートも含め、いろんな面を見せながらやっていただいてるのが特徴的です。
鈴木:Instagramはどうですかね? 今うまく使ってるなっていう人はいますか?
綾尾:そうですね、三浦大知さんは、実際に写真好きということもあり、Instagramをうまくギャラリーとして活用してくださっています。
お笑いタレントの渡辺直美さんはオフショットをあげるのが上手ですね。特に渡辺直美さんのファッションコーディネートはInstagramでも常に話題になっています。
Instagramはユーザーによって様々な活用の仕方がありますが、特にうまく活用されてる方はみなさん自分が描きたい世界観を表現できています。
コンテンツのばらつきもなく、コンセプトの統一感があるからこそ上手く伝えたいことが表現できているのかと思います。
鈴木:となると、ツイキャスの、(神聖かまってちゃん)の子さんの例も、継続的にやっているっていうのは大きいですかね?
西村:そうですね。継続的に配信いただくことでファンの方々と近い距離感を保っていただけるということがあります。ファンとしては、テレビで見るような遠さではなくて、コメントしたら読んでくれるような近い距離は、映像として綺麗なものを見るよりも、ひとりとしてみた時にすごく嬉しいようです。それをかなりの数でやって下さっているというところは、特徴的な使い方です。
鈴木:なるほど。とは言え、まだソーシャルメディア連動企画っていうのが少ないんじゃないかっていう投げかけがあり。何でなんですかね? どうですか? 綾尾さん。
綾尾:それぞれのプラットフォームには目的があります。例えばInstagramは、著名人が写真や動画を通してストーリーが伝えられるツールです。スタッフの方々が写真や動画をアップすることにより、そのストーリーは変わります。
まずは各プラットフォームの特性を理解することにより、シチュエーションに合った活用法が見えてくるかと思います。
鈴木:エンゲージメントがないと駄目ってことですかね。ツイキャスで言うと、普段はTwitterで、いざという時にツイキャス、みたいな?
西村:そうですね。よくあるのはほかのソーシャルメディアと連動して、例えばTwitterやInstagramでやって、「フォロワーが何万人超えたので、じゃあファンの方と話す場所としてツイキャスやります」みたいなのは、上手い使われ方なのではと思ってます。
先ほどテーマの「なぜソーシャルメディアの連携企画が広がらないか」というところで、ツイキャスに関して言うと、テレビの影響がすごく強いと思ってまして。
動画というフォーマットになった時に、テレビみたいに見せたいというお話をいただくことがあります。アーティストご本人様はまさにファンの方とコミュニケーションを取れる、ということで楽しみながらいつも実施いただけるのですが、スタッフの方はテレビのイメージで動画は綺麗に見せたいとか、コミュニケーションよりも伝えたいことをしっかり伝えたい、といったことを気にされることが多く。
うちの場合、ありのままの姿で、コミュニケーションを双方向に取っていただくことで、伝えたいことがより伝わるようになるという場所なので、そこがまだすごくギャップがまだあるところかと思っています。
鈴木:わかります。30代、40代、どうしてもテレビっ子世代ですからね。整ってないと、みたいなところがありますよね。なるほど。そういったところがありつつ、今後活用が進んでいくのではと思うんですけれども。
鈴木:より今回のイベントのテーマに引き寄せて、日本のアーティストやタレントだったりが、もっと海外で知ってもらうために、ツイキャス、Instagram、Facebookをどういうふうに活用すべきかを、ぜひ伺いたいのですが。先ほど、藍井エイルさんの例がありましたが、あの時は普通に日本語でレポートというか、ツイキャスをしたんですよね?
西村:はい。配信は日本語でやっていただきつつ、Facebookのページが、蒼井さんの場合は全て英語で投稿をされているので、そちらにも「台湾の現地から密着で配信をやりますよ」と英語で告知をしていただいたんです。
やはり台湾に来て配信をするということが、台湾のファンにとってはすごく嬉しいところだったのかなと思ってます。
鈴木:その時にはもう、コメント欄も現地の言葉で、みたいな。
西村:そうですね。台湾の方が頑張って日本語で。
鈴木:あ、頑張って日本語で(笑)。
西村:現地の臭豆腐を食べる、というシーンがあったんですけれども、「日本の納豆に比べたら全然だよ」みたいなコメントがついたりしていて。
鈴木:じゃあ、そういう意味で言うと、現地の言葉で配信しなければいけないって萎縮するよりは、現地のツアーでは日本語でもどんどん配信をしたほうが効果的っていうことですか?
西村:そうですね。まさに接点を作るきっかけというか、アメリカにいるのであればアメリカを楽しんでいる様子が見えると、アメリカの人にとっては嬉しいと思いますし。海外のファンの方々が入りやすいきっかけを作ってあげるといいと思います。
鈴木:Facebook、Instagramの場合はどうですか? Instagramは画のコミュニケーションということで、言語の壁を越えるようなところもありますけど。
綾尾:そうですね。写真だからこそ表現しやすくなったと思います。
鈴木:例えば、海外の人にアピールするための細かい手法として、Instagramのハッシュタグは大事みたいな話とかってあります?
綾尾:そうですね、海外でバズが起きているハッシュタグをまず参考にしていただきたいですね。日本のコンテンツを海外へアピールしていくには、まず海外で何が話題になっているかを調べ、それにどう絡んでいくかというのが重要かと思います。
鈴木:そうですね。乗っかるっていう意味で、例えばハッシュタグで「#TBT」とかあるじゃないですか。まだまだ日本だと知られていないと思うんです。でも海外のアーティストだと普通に、木曜日になれば「#TBT」を使っている。
「#TBT」っていうのは、「Throwback Thursday」っていうのの略で、アメリカ人が多いのかな? 世界中でInstagramを使ってる人が、木曜日になると子どもの時の写真とか、昔の思い出を写真で上げるみたいなのが流行ってるんですよね。
「#TBT」で検索してみるとわかるんですけど、ある種ムーブメント的なものがインスタのなかにはあって。アーティストやセレブリティもそれに乗っかって、木曜日になると「#TBT」で上げていくっていうことです。
そういうのはどこで勉強したらいいんですかね?
綾尾:Instagramで自分がフォローしているタレントさんが、繋がってる海外の方々がどういったハッシュタグを使っているかっていうのを、まず見ていただくのが、良いかもしれないですね。
最近はソーシャルメディアのコミュニティ、いわゆる一般人の方のコミュニティがすごい大きいので、そのコミュニティの方々とどう接していくかっていうところが、ポイントになっていくかなと思います。
鈴木:綾尾さんにお話を伺った時に、Instagramってフォロワー以外からのアクセスが多いよって話があって、そのきっかけがハッシュタグなんですよね。
綾尾:そうですね。ハッシュタグで皆さん見たいものを検索しているので、その中にタレントさんが上げてるコンテンツがあったり、一般の方々が上手く写真撮って上げてるコンテンツもあったりします。
一般の方でもいいコンテンツを上げることによって、フォロワーが増えインフルエンサー的な存在になる方々もたくさんいらっしゃって、一般の方でも、何十万人フォロワーがいる方も多くいらっしゃいます。
鈴木:ツイキャスの場合も、海外を意識した配信は出てきてるんですか?
西村:そうですね、例えば英語で。うちの場合、iPhoneの言語設定を変えると英語になるんですけれど、それで配信をしていただくと海外に出やすいということにもなります。そうすると海外からコメントが来て、しっかり拾ってもらうと海外の方もコメントもしてくれるので、そういう使い方はあると思います。
鈴木:なるほど。ツイキャスならではの「#TBT」的なムーブメントってあるんですか? 何だっけ、この間ツイキャスしたけど、参加するときにみんな何か言いますよね?
西村:「初見です」とか、そういう?
鈴木:とか、そんな感じの。
西村:「初めて見ました」とか、いろんな用語があって、海外もいろいろな言葉ができてるんですけど、ぜひ一度見ていただくのが早いと思います(笑)。
鈴木:アーティストとかが、そこへ参加してバズを起こそうと思うと、そういう世界観を理解しなきゃいけないっていうことですかね?
西村:そうですね。はい。
鈴木:なるほど。最後に「日本の現状の課題と今後の期待に関して」どう思ってるのかを、綾尾さんがぜひ聞きたいそうなんですけれども、ご質問とかご意見とかありますでしょうか? じゃあ、客席の西島さん一言いただいていいですか?
西島氏(以下、西島):急にですね(笑)エイベックスの西島と申します。僕はInstagramは使わせていただいてるんですがツイキャスのほうはあんまり知見がないので勉強中で。
弊社のアーティストが、Instagramを含めたSNSをどう使っていくかは、日々考えています。長渕さんの例も勉強しながらやってるんですけど、なかなかうまくいかず。
先ほどの、ツイキャスの中でも、30代40代はテレビのように上手く見せたいみたいなところがあるというお話もありましたけど、アーティスト自身、ブランディングっていうところにこだわりが多くあり。
僕が常々思うのは、我々はレコード会社なので、プロダクション、事務所の方と、マネージャーさんと本人の理解がすごく大切で、それがないとなかなか告知ばっかりになってしまうケースが多いです。「いつリリースします」とか、「ジャケ写が上がりました」ばっかりになっちゃうので、その辺を上手くやらなきゃなと思ってるんですけれども。
これ答えになってないですね、ごめんなさい、すみません!
鈴木:いやいや、全然大丈夫です。そういう課題があるということですね。
西島:あります。
司会:でもやっぱり理解がまだ浸透途中ということですかね。
西島:そうですね。例えばInstagramでいうと梨花さんとかローラさんみたいに、おそらくカメラマンか誰かずっと付いてるような感じの、ああいう上手いコンビネーションというか。
ローラさんって写真の画角がいつも一緒なんですよね。写真集でも出すのかなと思ったら、案の定写真集出したりとか。
(会場笑)
料理も、料理の写真の画角がいつも一緒なので、料理本出すのかなと思ったら案の定出したりとか。極めて戦略的というか、戦略と、チームの中での意思疎通が極めて取れてる人たちは成功する。今ローラさんは日本のタレントさんのなかでは1番か2番かですよね。
チームワークと戦略的な使い方の活用が、我々のビジネスにも反映されるんだろうなっていう感じでいます。
鈴木:そうですね、うちのユニバーサルのアーティストは、発売日にiTunesの1位とるためにツイキャス結構やってますよね。
西村:そうですね、かなり多いですね。
鈴木:「買って」って素直に言うと、結構買ってくれるんですよ(笑)。それが1位になると、みんなでワーって(喜んで)。
西村:みんなで「ヤッター」みたいな感じ。
鈴木:分かち合う的な。
西村:まさにファンの方々とそういった距離感がつくれるのがツイキャスの強みだと思います。
鈴木:ありがとうございます。世界と繋がるソーシャルメディア戦略、これで終わりたいと思います。西村さん、綾尾さん、どうもありがとうございました。
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