2024.10.10
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記者:市長選の対応ですが、維新の市議団の間では維新で候補を擁立するべきとの考えが大半のようですが、現時点でのお考えはいかがでしょうか?
橋下徹氏(以下、橋下):大阪府知事選挙と市長選挙、候補者擁立します。そちらの方向でこれから党内プロセスをふむように、松野(頼久)幹事長に指示を出しました。
大阪府知事選挙と市長選挙、両方で維新の党の候補を出して、ダブル選挙。自民党、ないしは維新の党以外の政党と、選挙で有権者のみなさんに訴えかけていきたいと思います。
そのまま維新の党について説明させていただきたいんですが、今回、松野代表をはじめ維新の党に関係する国会議員、大阪維新の会のメンバーといろいろ話をしまして。
もちろん松井知事もそうですけど、この大阪府知事選挙と大阪市長選挙のいわゆるダブル選挙というものにしっかり取り組んでいこうと。僕と松井知事は国政政党からは離れると。大阪の地方政治のほうにしっかり軸足をうつすと。
今、安全保障法制で、日本にとって非常に重大な局面なわけですね。こういう状況で、政党内で内紛をやっているような状況ではないですから、維新の党には国のために安保法制をしっかりやってもらう。
それからやっぱり、与党に対してしっかりした野党がないということが日本の非常に危機的な状況でもありますので、野党再編をしっかりやってもらうと。
今の目の前の安保法制の対応と、中長期的かもしれませんが、野党結集ということを国政政党としてやってもらって、僕と松井知事は来るべき大阪府知事選挙と大阪市長選挙に集中すると。
みなさんご存知の通り、政治家の中、国会議員の中の話になると、何が損で何が得か情報が錯綜して、みんなの思惑がぶつかり合うような状況ですけど、これは国のためによくないんで。
損得とかではなく、原理原則で考えようと。であれば、今は国政政党として、安保法制に全力で取り組まなければいけない。野党再編もやらなければいけない。
そうであれば、維新の党にそれをしっかりとやってもらって、僕らは大阪府知事選、大阪市長選に力を注ぐと。
これは松野代表にも提案して、了承してもらいましたけど、公開討論会なんかはもういりませんよと。いわゆる(特定の立候補予定者を応援した)柿沢幹事長問題なんかは、もうなしにしましょうと。
公開討論会もなし、柿沢幹事長も辞任する必要なしと。党を割るような話ではないので、これは大阪維新の党出身の国会議員のほうにも納得してもらいましたけど、すぐ大阪維新の党を出るということではないということを理解してもらいました。
執行役員に入っている大阪府議会の浅田(均)議員と今井(雅人)議員も、これはもうすぐ出ていくとかいう話ではないので。
僕と松井知事がこれから大阪府知事選挙と大阪市長選挙の準備にかからなければならないので、いったん国政政党からは引くけれども、あとは何も変えずに、冷静にこれまで通りにやっていきましょうと。
そういうことで、関係者の方と話ができて、維新の党でもそういう発表をしてるんじゃないですかね。
記者:ダブル選挙のほうから伺いたいんですけど、候補の目処はもうあるんでしょうか?
橋下:ないです。これからです。
記者:候補は維新の議員の内部がいいとか、外部がいいとかは?
橋下:僕はこれはね、大阪政治にいい影響をあたえたといろんな意味で自負しております。今まで、大阪府知事選挙とか大阪市長選挙とか、これだけの大型選挙になると、僕もそうでしたけど、TVとかメディアとかで知名度がある人をポッと持ってくるのが普通だと思うんですよ。
でも、松井知事が大阪府議会から議員出身で誕生したと。やっぱり、僕はこれが本筋だと思いましたね。
大阪府政を熟知している、人間関係がある議員が行政の長につくと。国会でいうところの議院内閣制で、議員から首相が出るようなもんで、これが本来の姿だと思います。
自民党もどうなるかわかりませんけど、柳本(顕)議員が市長選に出るということだったら、これはものすごいいいことだと思います。
本当にちゃんとした地方議員をやろうと思えば、やっぱり地方議員が行政のトップに立つと。議院内閣制だったら、議員の中でトップを選ぶんでしょうけど。
まさにこれ、僕の理想としている首相公選制にもつながるような、議員活動をやって、議員の資格を有するか議員の推薦を得たような人が一般の有権者から直接選ばれるというのが理想の形だと。
首相公選制の地方版みたいなものだと思っているので、もし自民党が柳本議員を出してくる、まあそれに関わらないですけど、維新の会としては議員出身でやっていきたいですね。これがやっぱり王道ですよ。
自分自身も振り返ってみて、メディアとかで知名度のある、違う活動をやっている人をポッと持ってきても行政できないですね。
今まで府議会議員とか大阪市議会議員が市長になるっていうと、どうしても及び腰になるんですけどね、これだけ大きな選挙だと「知名度はどうなんだ」ってなるんだけどね。
知名度ではなくてしっかりと政党が地方政治で実績をあげていけば、有権者のみなさんは、政党出身の首長、政党出身の知事、政党出身の市長というものをしっかりと支える、大阪市民や大阪府民のみなさんはそういう意識になっていると思います。
橋下:できれば大阪維新の会も議員から、府議会議員か市議会議員か、なかなか難しいところもあるので、幅広に言わせてもらいますけど、大阪維新の会の議員のメンバーから出てもらいたいですね。
記者:市議には限らない?
橋下:選択肢を今ここで決めてしまうとあれなので、僕は維新の会の議員から誕生させたいと思っています。
記者:外から著名人を探してくるということはしないということでしょうか?
橋下:松井知事ないしは維新の会の執行部にこれを図って、まだ決めていませんので、これから党内プロセスに入りますけど、僕が代表して執行部に出すのは、外から(候補者を)もらうというのはやめようということは言います。
記者:国会議員は選択肢にありますか?
橋下:僕は地方議員が基本的には王道だと思っています。
記者:府知事選に関しては、松井さんが出てくれるなら適任だというふうにおっしゃってましたが、それは変わらず松井さんが望ましいということでしょうか?
橋下:それは松井さんの意向しだいですけど、やっぱり大阪維新の会で、大阪府知事といえば、松井さんしかいないんじゃないでしょうかね。今の大阪の状況を見て、松井知事に代わる知事がいるかっていったら、それは外からどんな人を連れてきたって無理ですよ。
あの巨大な大阪府庁で、それまでのように「冠知事」だったら誰でもいいんですよ。座布団の上に乗っかっているような知事だったらいいんですけれども。しっかりと職員をマネジメントしていくということであれば、松井知事に代わる知事はいないと思いますけどね。
さっき国会議員って言われましたけども、それもあとで嘘ついたらあれなので。一応その選択肢の中には、大阪維新の会の議員出身の国会議員もいるわけですから。大阪維新の会の地方議員をやっていた人が今国会議員であったとしても、それは候補者の中には入ると思っています。
記者:維新の中にも少数意見ではありますけれども、市議会で過半数を持っていない中で、単独で市長を出しても市政運営がうまくいかないので、他会派との協力を模索すべきだと言う意見もあるようですが、それはもう(協力を)取らないと言うことですか?
橋下:これは僕の今の基本的な方針を今日ここで説明させてもらったわけで、これから党内プロセスに入ります。ただ、維新の会の全体会議でいろいろ意見聴取をしたときと、市議団でいろんな意見交換をやってますけれども。その状況を見るともちろん全員一致でまとまることはないですよ。賛成反対いろんな意見がありますけども。
ただ体制としては、市長選を擁立すべきだと。僕はやっぱり大阪会議が、このままやっても絶対うまくいきませんから。知事選は大阪維新の会で出すと言っているわけですよ。
大阪の府知事が維新、仮に市長選挙が他の会派、これは大阪の不幸です。有権者のみなさんにしっかり見てもらって、大阪維新の会がダメだったら知事も大阪市長も大阪維新を辞めてもらいたいんですよ。
僕は松井知事に代わる人はいないとは思っていますけれども、大阪市長が「維新ダメだよね」ということになればですね、また大阪府知事が維新、大阪市長が維新以外、これは不幸の極まりですから。そこは有権者のみなさんにしっかり知事と市長を合わすような形で選挙で選択してもらいたいなと思うんですけどね。
記者:今おっしゃったのは、(府知事と市長)両方取れなければ勝ったとしても辞退するという意味ですか?
橋下:違うよ、辞退はしませんよ。だからそれは有権者にちゃんとそういうところを見てもらいたい。維新と維新以外で知事と市長をやったら大阪の不幸のどん底になってしまうんでね。
そういう意味で維新で知事選をやるということは、そういう方向でいこうということになっているわけですから。そのときに大阪市長を維新以外に渡してしまうと、これはもう大阪のためにならないなと。しっかりとこれから自民党や他の会派と政策論争をやって。
知事のときにも、国政政党をつくったときにもずっと言ってきましたけれども、政治家の役割として、有権者に選択肢をつくるというのも1つの義務ですから。
やっぱり棄権とか不戦敗はせずに候補者を出して、しっかり政策論争をしていくべきだと思いましたので、これから党内プロセスを踏んでいきます。
記者:国政のほうですけれども、松井さん橋下さんは離党されるけれども、国会議員は党を割るんだという理由として、2つおっしゃったと思うんですけど、国で安保法制の準備が議論中であるというのとダブル選に専念すると。
橋下:国政政党としては安保法制と野党再編です。僕らが抜ける話としては、3つの理由でね。安保法制への対応と野党再編を維新のほうがしっかりやってもらうと。大阪府知事大阪市長選挙のダブル選を僕と知事がやるために、今回のような結論にしたということです。
記者:安保法制やダブル選が終ったあとには、党をあけることも視野に入れておられるんですか?
橋下:それはそのときの政治状況で、今考えるような話じゃないと思います。そういうことを考えた上で今回行動するんじゃなくて。
知事とも、関係するメンバーとも話をしたんですが、原理・原則本来あるべき姿に1回原点に戻って考えようと。
やっぱりこれを自分達の損得勘定とかで考えてしまうと、絶対これは国民から見放されるので。今の段階でどうしなければいけないのかということを考えれば、まず国政においては安保法制の対応ですよ。
僕らはダブル選挙やるって決めれば、そちらに集中することですから。それにもとづいてやるということだけで、先のことはわかりません。
記者:ありがとうございました。
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