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2015年8月4日平和安全委員会・国会(全1記事)

ミサイルは「武器」ではなく「弾薬」--中谷防衛相の物議を呼んでいる発言部分を書き起こし 

2015年8月4日、平和安全法制に関する特別委員会において、自衛隊の後方支援活動の範囲に関する議論が行われました。安全保障法案では自衛隊による他国軍への後方支援について「武器の提供はできないが、弾薬の提供はできる」と規定していることを受け、中谷元防衛大臣による「ミサイルは武器ではなく弾薬」との発言が物議を呼んでいる。問題となっている中谷氏の発言部分の前後を含め書き起こしました。

クラスター爆弾、劣化ウラン弾は「弾薬」であって「武器」でない

福島瑞穂氏(以下、福島):後方支援というときに、「弾薬」は提供できるが「武器」は提供できない。劣化ウラン弾やクラスター爆弾は「弾薬」であって「武器」でない。本当ですか? 劣化ウラン弾、クラスター爆弾は武器でしょう。

中谷元氏(以下、中谷):劣化ウラン弾もクラスター弾も、これは「弾薬」でございます。

福島:冗談じゃないですよ。じゃあ「消耗品は弾薬である」っていう変な定義、この間おっしゃいましたよね? だったらミサイル、大砲弾、これは弾薬ですか?

中谷:ミサイルにつきましては、これは日米のACSAに基づく手続きの取り組みにおきまして、米国の国内の理由によりまして協議をいたしているわけでございますが、あえてあてはめるとすれば、弾薬にあたると整理することができるわけでございます。

福島:人工衛星もミサイルも弾薬だとおっしゃった。全部弾薬とおっしゃって、これはすごいことですよ。こんなインチキを許してはならないですよ。つまり今までは弾薬に武器も含んで、提供できなかったんですよ。後方支援できなかった。

それを弾薬ができる、ニーズがあるからってやってクラスター爆弾も劣化ウラン弾もミサイルも弾薬だなんて定義がおかしいですよ。

こんなインチキ「ボクちゃんのためのボクちゃんによるボクちゃんための定義」、嘘をついちゃダメですよ! こんなありえない定義を言って、ミサイルも弾薬だなんて言っちゃダメですよ!

……総理いかがですか?

安倍晋三氏(以下、安倍):弾薬と武器の定義については、既に防衛大臣が答弁したとおりでございますが、クラスターについてはこれは禁止条約に加盟をしておりますから、クラスター爆弾については日本はそもそも所有をしておりませんから、クラスター爆弾を提供するということはあり得ないわけでありまして、劣化ウラン弾もそうであります。

これは先ほど福島議員がまるで日本がそれを提供するかのごとくおっしゃったから、今「ない」ということを申し上げているとおりでございます。消耗品についてはこれは弾薬と言う範囲に入っているということでございます。

福島:ミサイルは弾薬ですか?

中谷:先ほどご説明しましたけれども、ミサイルにつきましては日米ACSAの手続きにおいて、物品の相互提供の対象としておりません。

また、重要影響事態等に起きましても、他国の軍隊に対する提供の対象として想定はしていないということでありますが、先ほどお話をいたしましたように弾薬と武器の定義にあえて当てはめるとすれば、弾薬という整理をすることができるということでございます。

サイバー攻撃に対する自衛権行使のあり方について

福島:私も法律家ですから、ミサイルも劣化ウラン弾もクラスター爆弾も「弾薬」だというのは驚きです。日本はクラスター禁止条約に批准をしておりますが、これまでも運び、これまでも提供できるって、こんなふうに言ってたら何でもできますよ!

ミサイルは武器じゃないんですか? クラスター爆弾と劣化ウラン弾は武器じゃないんですか? 武器と弾薬をこんなふうにして、何でもできるなんてしたらダメですよ! まさに言葉遊びをやって、何でもできるようにしたらダメですよ!

サイバー攻撃についてひと言お聞きします。アメリカはサイバー攻撃を受けた場合、これは相手国に対して武力攻撃を行使しうると言っています。日本は集団的自衛権の行使をするかどうかは議論中ということですが、ということは日本もこれで集団的自衛権の行使をすることもあり得るということでしょうか?

中谷:高度化、巧妙化するサイバー攻撃の対応を踏まえれば、今後サイバー攻撃によって極めて深刻な被害が発生する可能性も否定はできませんが、サイバー攻撃の対応はわが国の安全保障にかかわるような課題でございます。

今日、弾道ミサイルや航空機等によって武力攻撃が行われる場合には、その一環としてサイバー攻撃も同時に行われることを想定しておくべきものと考えておりますが。

その上で他国に対して武力攻撃が行われ、新三要件を満たす場合に、その武力攻撃の一環として行われたサイバー攻撃に対して、武力を行使して対応することも法理としては考えられますけれども、これまでサイバー攻撃に対して自衛権が行使をされた事例はございません。

サイバー攻撃に対する自衛権行使のあり方についても、国際的にも様々な議論が行われている段階でございまして、現実の問題といたしましてはサイバー攻撃に対する自衛権行使のあり方について、国際的な議論も見せつつ、さらに検討を要するものと考えております。

福島瑞穂氏「戦争に巻き込まれることはない、は明確に嘘」

福島:サイバー攻撃について集団的自衛権の行使もあり得る? 考えられないです。兵隊が一度も動いていない、武力行使がどこもされていない。サイバー攻撃、インターネットの上で混乱したかもしれない。それでどこに武力行使するんですか。日本が武力行使するんですよ。そんなことを今答えている。

武力行使、新三要件も、集団的自衛権の行使も無限定ですよ。サイバー攻撃に対して集団的衛権の行使をしうるっていうくらい、全く無限定です。

総理。総理は専守防衛に変更はないとか戦争に巻き込まれることはないとおっしゃっています。これは明確に嘘です。明確に、嘘です。

総理は『この国を守る決意』という本の中で、「アメリカの若者は日本のために血を流す。しかし自衛隊はアメリカのために血を流さない。日米同盟の双務性を高めるために集団的自衛権の行使を認めなければならない」というふうに言っています。

2004年ですよね。日米同盟の双務性を高めるために、おじいちゃんのころからの双務性を高める。日本は双務性を持っていると思いますよ。思いやり予算があり、基地を提供しているわけですから。でも「おじいちゃんからの宿題、自分の思いのためだけに日本の若者の血を流させる、集団的自衛権の行使は必要だ」って言ってるじゃないですか。

「国際環境の変化」という自衛権行使容認の理由は後付け

福島:そしてもう1つ同じ頃「集団的自衛権の行使が日本国憲法下でできるか?」と聞いてですね、内閣法制局長官に「できません」って言われてるじゃないですか。

今総理は、国際環境の変化、安全保障環境の変化と言っていますが、そんなの後付けですよ! 利用しているに過ぎません。元々、集団的自衛権の行使をやりたかったんですよ! だから後付けで言っている。

だから専守防衛が変わらないとか、戦争に巻き込まれないっていうのは嘘です。いかがですか?

安倍:抵抗権の範囲内であります。

福島:きちっと答えてくださいよ。総理が言ってるのは嘘じゃないですか。国民に対して嘘を言うことは許されません。こんな内閣、退陣すべきだということを申し上げ質問を終ります。

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