2024.10.10
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7月29日参議院特別委員会・山本太郎氏質問(全1記事)
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山本太郎氏(以下、山本):(他国からの武力攻撃の危険性について)以前出しました質問主意書の中でこうお答えをいただきました。まさに、脅威であると、我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威になっているとお答えいただきました。
これ、テレビをご覧になっている方はご存じないかもしれないので軽く説明させてください。質問主意書というシステムがございます。何か疑問に思ったことがあれば、質問を書いてそれを政府に渡すとその答えが閣議決定として帰ってくるというシステムなんですね。非常に良いシステムですよね。
で、私は去年12月、政府に対してこの質問主意書を使って出しました。どんな内容だったか。
「九州電力株式会社、川内原子力発電所に対する他国等からの弾道ミサイルによる武力攻撃を想定していますか」との質問をいたしました。
安倍総理の名前で帰ってきた答弁書、質問主意書に対する答えは「他国等の弾道ミサイル攻撃に関する想定については、政府として特定施設についてお答えすることは差し控えるが、弾道ミサイル等の移転・拡散、性能向上にかかる問題は我が国や国際社会にとっても大きな脅威となっており、特に北朝鮮の核と弾道ミサイル開発は我が国に対するミサイル攻撃示唆等の挑発的言動と相まって我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威となっていると認識している。政府としては国民の生命、財産を守るため平素より弾道ミサイル発射を含むさまざまな事態を想定し、関係機関が連携して各自のシミュレーションや訓練を行っているところである」と書いてありました。
総理、政府としましては平素より弾道ミサイル発射を含む、さまざまな事態を想定し、関係機関が連携して各自のシミュレーションや訓練を行っているということで間違いございませんか?
安倍晋三氏(以下、安倍):政府においてはですね、国民の生命・財産を守るため平素からさまざまな事態を想定して、地方公共団体や関係期間を通じた対処能力の向上が図られるよう各種のシミュレーション、そして政府機関が連携した各種の対処訓練や、地方公共団体と共同した国民保護訓練の実施をしているところであります。
このうち国民保護共同訓練については各種テロや武装グループによる攻撃など緊急時の対処を主として警察、消防、自衛隊など関係機関が参加した総合した訓練を行っておりまして、原発に対するテロ攻撃を想定した訓練も行っております。
議長:山本君。
山本:ありがとうございます。やはり、有事に備えてしっかりとシミュレーションをするんだと、訓練をするんだというお仕事を垣間みれたような気がします。
では、総理にお聞きします。
さまざまな事態を想定し、シミュレーションや訓練を行っているそうでございますが、川内原発の稼働中の原子炉が弾道ミサイル等の直撃を受けた場合、最大でどの程度の放射性物質の放出を想定していらっしゃいますか?
議長:原子力規制委員会、田中委員長。
田中委員長:ご質問ですが、航空機衝突を含めて原発が大損壊した場合の、対象施設は規制要件として求めてはおりますが、弾道ミサイルが直撃した場合の対策は求めておりません。
弾道ミサイルが直撃するような事態はそもそも現職施設の設置案に対する規制により対処すべき性質のものではないと考えています。
放射能が放出されるという事態は、したがって弾道ミサイルによって行使されるという事態は想定しておりませんが、川内1、2号炉の適合性審査では原子炉格納容器破損の防止、あるいは放射性物質が異常な水準で敷地外に放出されることを防止するための対策を求めると同時に厳しい事故を想定して対策の有効性を確認しています。
それによりますと、放射性セシウム137の放出量は川内1、2号機の場合には約5.6テラベクレルと評価しております。ちなみにこの値は、福島第一原発事故で放出された量の1000分の1以下ということになっております。
議長:山本君。
山本:いまの答弁はあまりにも長過ぎて、テレビご覧の方は何を言っているかわからなかった方が大勢いらっしゃると思います。
要は、シミュレーションしていない、シミュレーションしないんだ、とおっしゃったんですね。
弾道ミサイルが飛んできて原子炉その近くに着弾した場合、もしそれが破損した場合に一体どうような状況になるか、その漏れだす量に対しては計算されてないということですよね。
で、今言われた「福島の1000分の1」、もちろん基準はあるんですよ、もしものことが起こった場合1000分の1だったり、100分の1だったりとうっすらとした基準はあるんですよ。
だけど皆さんどう思いますか? 弾道ミサイルが着弾して原子力施設が破壊されて、福島の東電原発の1000分の1の放射量で済むと思いますか? って話なんですよ。思えませんよね。
どうしてそれを計算しないのかというお話になるんですけれども、あまりにもひどくないですかね、これ。質問主意書でこれも質問したんですよ。
そうしたら「仮定の質問なので、お答えを差し控えたい」っていう話になってんですよ。仮定の話っていうけれども、仮定の話ってなると答えるのが難しいものなんですかね、総理?
やっぱり何が飛んでくるかわからないっていう状況のなかで、仮定の話っていうものには答えづらいものなんですかね。
安倍:武力攻撃自体はその手段、規模の大小、その攻撃パターンが異なることからですね、これにより発生する被害も様々であり、一概にお答えすることは難しいということでございます。
山本:まあ、一概に答えるのは難しい。答えるのは難しい。そして、安倍総理のお名前でいただいた質問主意書でも、仮定の質問でありお答えするのは差し控えたいというようなお答えをいただきました。
でも、考えてみてください。今回の法案(安全保障関連法案)は中身は仮定や想定をもとにされていないですか? A国がB国に攻撃を仕掛けた。友好国のB国から要請があって要件を満たせば、武力行使が出来るの出来ないの。これは仮定ですよね? 仮定でしょ?
仮定でわからないどうこうってごにょごにょ言うわりには、仮定で物事をどんどんつくっていこうとしていらっしゃるんですよ。
仮定、想定でシミュレーションしていって、物事をつくりあげていくっていうことは当然だと思うんです。都合の良い時だけ、仮定を連発しておいて、国防上のターゲットになりうる核施設に関しての想定や仮定ができかねます、ってどんだけご都合主義ですかって話ですよね。
我が国を取り巻く安全保障環境は著しく変化してるんでしょ! 飛んでくるかもしれないんでしょ、ミサイルが。中国が、北朝鮮がっていろんな話されてるじゃないですか。10分で到達します。で、飛んできた時に何もできていませんじゃ困りますよね。本気で守る気があるんですか?
この国に生きる人の生命・財産、幸福追求権を守るんだったら、一番脆弱な施設、しかも核施設をどのように防御するかということを考えなきゃいけないのに、逃がす方法も1000分の1、100分の1程度の放出量でしかないなんて、これ何なんですか? 意味がわからない。続けます。
先ほどお示しした質問主意書。「避難計画、防災計画の必要性は最大で何キロメートル圏の自治体に及ぶと想定していますか?」と質問しました。
でも、これは答えなかったんですよ。おかしくないですか? 何があったときにどの範囲で避難するか、どのような方法で避難するかということを決められていないといけない。
国民の生命・財産、幸福追求権守るんでしょ? どうして書かれてないんでしょう?
総理、もしも弾道ミサイルが飛んできて(核施設が)破壊された場合、何キロ圏までの計画を策定すべきなのかを教えてください。
内閣官房内閣審議官・大場氏(以下、大場):武力攻撃自体は武力攻撃の手段、その規模の大小、攻撃パターンなどにより様々な想定がありうることから、国民保護措置の実施に関する基本的な方針を閣議決定した国民保護基本指針においては、着上陸侵攻、ゲリラ特殊部隊による攻撃、弾道ミサイル攻撃、航空攻撃、この4つの類型を想定しておりますが、特定の定量的な被害は期していないということであります。
そして弾道ミサイル等の武力攻撃により、原子力災害が発生した場合についてはあらかじめ地域を定めて避難等の措置を講ずるものとするものではなく、事態の推移等を正確に把握して、それに応じて避難等の範囲を設定すると決定しております。
山本:後半の部分が聞き取れたんですけれども、いろんなパターンがあるからどういう状態になるかがわかりづらい、だから実際に状況を見て、実測値をはかっていきながら避難の範囲を決めていきたいという理解でよろしいでしょうか?
大場:事態の状況を正確に把握して、その対処範囲を決定するということでございまして、例えば放射性物質の放出の状況とか、武力攻撃地帯の推移等を正確に判断して対処してきたいという考えであります。
山本:みなさん、今のわかりましたか? 要は前もってのちゃんとした避難計画であったりとかっていうのはうっすらとしか存在しないって言うんですよ。
今言いました。「事態の推移」この意味わかりますか? 原発にもし事故があったとしても、福島原発のような事故があったとしても、そしてその他に今一番危険をされている安倍総理が声高に叫び続ける、中国・北朝鮮からのミサイルが原子力施設に着弾し、被害があった場合、一度被爆していただくという話ですよ。実測値ではかっていくしかないんだという話ですよ。
こんないい加減な話があるのかと。誰の税金で食べて、誰のお金でこの国会が成り立っていて、霞ヶ関や永田町も誰のおかげでやってきてるんだって。誰の命を守るって話でしょ、どうして真剣にやらないんですか!
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