2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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森山高至氏(以下:森山):ここまで説明しましたね。左側の平面図を見ていただくとわかるのですが結構土地の周りが空いていて、また公園にするのも良しなんですよ。森って書いてきましたけど。外苑西通り側も今よりも空いているし。
これ、6万人は入るって言っていて、学徒出陣の見送りでも7万5,000人が入ったと書いていましたけど、そこまで入るのかなぁ、とは思ったので、検証しました。
これはさきほど言いました、この部分だけで済むよっていう話。
これが工程の話。これで言っているように、いまラグビーが間に合わない間に合わないって騒いでいるけど、間に合わないどころかもっと早く出来上がっちゃって、この計画は2018年中に出来上がるじゃないかと僕は思っています。
先ほど有識者会議がめちゃくちゃにした今回の施設用途ですけど、もう1回これいろんな人に聞いて整理すると、たぶんこうです。陸上競技場にするか、専用球技場にするか、という話が実はスタジアムにはたぶん、今後ずっとついてまわる。
理由はその後の利用方法によって、やっぱり陸上競技で例えばですけど、お金儲けをしようなんていうのは難しいです。だから陸上競技用でいくとしたら、お金儲けの必要がないようなシンプルな建物にして、無駄が出ないようにして、お金儲けをしなくてもいいようにしてあげなきゃいけない。もちろん球技場でもね、同じです。
一番やっちゃいけないのが、どうやら球技場との併用らしいです。これはサッカーファンの方々とか、いろんな人から聞くと皆さんがおっしゃるけど、やっぱり競技フィールドから目線が遠くなって、観戦環境としては最悪なんだと。
で、何とかしてサッカーの時に近づけようとして可動席の準備をするけど、これがまた非常に大掛かりな機械なのです。故障もするし。それで維持管理費もいる。
だから球技場併用というのをとにかく捨てるっていうのが、たぶんこういうものを考える上でのコツなのだろうなあと思います。
陸上競技場であろうが、専用球技場だろうが、常設観客席があって、観客席に屋根がないといけない。これはたぶんサッカーのFIFAなんかの基準があります。今でも屋根がなくてね、みんな困っていたと思うけど。ここに全天候型と書きましたけど、どうもなんかこれはダメみたいです。全天候型は。
まず屋根を閉めると芝生が腐る。これはどこでもそうらしくて、ピッチがめちゃくちゃになるよっていう。開閉式屋根は、今回言っているようにダメですよね、絶対。豊田スタジアムも止めましたもんね。
世界中の開閉式スタジアムで大規模なもので、うまく働いているものは本当に少ないです。だから開閉させることに特化した設計をしないと、たぶん開閉式屋根付っていうのは難しいと思います。最後の最後に開閉式にさせようっていうのはたぶん無理。
だから、常設観客席を造って、屋根を造ってという形に、このチャートに沿ったもの中に、各アスリートの人やスポーツ関係の人や、いろんな人の要望を入れていかないといけない。ここにコンサートって僕は入れてないんですよね(笑)。怒られるかもしれませんけど。
でもコンサートやったらいいじゃないですか。今までのようにスポーツ施設の部分を使ってコンサートをやればいいんで、コンサート用に施設を造る必要はないっていうことですよ。
で、この場所でどこまでそういったことができるかの検証。まずサブトラックは取れました。向こうの明治公園の敷地が使えるならば。だから、これで陸上の正式な大会が開けます。
次に観客席ですけど、これ芝生席がいいのかどうかという問題があるのですが、3万人ぐらいは座れるかなーと。そうすると、この旧初代競技場のスタンドは1万5,000席ですね定員が。だからそれを増やさなきゃいけないなってことで、たぶん僕は上に増築したらいいので上に増築して3万席にして、全体で6万確保できるだろうと。立ち見とか含めたらもっと入るっていうことになるのでしょうけど、たぶん4万前後のスタジアムでいいじゃないかなぁと思っています。
芝生の座り方もチェックしたんですよ。だいたい芝生席で、いい感じに見ようと思ったら、半分後ろに寝転がる感じで0.7平米ぐらい使っちゃうので、芝生席の定員は大分減っちゃうんですよね。体育座りでちょうど3万人と判りました。
これはスタンドを増設しましょうというもので、これも古い資料を見つけたんですけど、昔の建物っていうのはスタンド1段が10メートルぐらいしかないんです。だから2段重ねても20メートルぐらいしかないから、この間まであった国立競技場よりも高さが低くなる。それで3万人ぐらい入ると。そういうことがわかりました。ちなみにこれ、10メーターって書いてないのです。昔の設計士が、37尺って書いている。戦前は尺寸で設計していたのですね。
次、屋根問題というのがあって。屋根について検討してみました。屋根は果たしてうまいことつくのかなと。左側の絵の上、大体スタジアムの屋根ってあんなふうになっています。屋根が上にあって、柱から支え棒を出しているっていう。右側にちょっと書きましたけど、スタジアムの屋根っていうのはほぼこのどっちかしかない。上から吊り下げる棚か、下から支え棒で支える棚。
吊り式っていうのはスタッド・ド・フランスの上から吊っているタイプ。静岡のエコパスタジアムは支え棒式。
これどっちかで屋根が作れればいいだろうと。この柱が取れないかなーと思ったのです。材料を減らしたほうが、よりシンプルだし。直接斜面からを出せないのかなーというので、こんなことができるじゃないかと検討してみました。黄色いのが鉄骨です。斜面のところに、基礎になるようなものを階段として設置したらどうかと。
なぜこれ、トラスかというと、どこの鉄工所でも作れるから、このトラスは。僕が何を考えているかというと、スタジアムだからといって特別な工法とか、特別な企業とか、特別な設計者が関わらなくてもできる方法を考えてみようと思っているわけです。
鉄骨の工事は扱う材料とかやる工事の内容でグレードというのが決まっていまして、技術者の数もあるけど。SHMとグレードがあるうち、Mグレードっていう鉄工所は全国どこでもあるので、このスチールの屋根の支えを47本準備して、47都道府県で造ってもらって持ってきたらどうかと考えて、次の計画を立てました。
これです。だから47本のこの鉄骨をオールジャパントラス47(フォーティーセブン)って名付けて、北海道から沖縄まで、各県を代表する鉄工所に造ってもらって持って来たらいいじゃないのと(笑)。
ほぼほぼ同じ作り方だから、溶接の仕方とかボルトの止め方みたいな部分で競い合ってもらったらどうかと。そういう技術甲子園みたいなのがあるでしょ。そういうのをやったらいいじゃないのかなと。
そしてこの骨組み1本1本に「何々県どこどこ鉄工所作」と書いて。そしたらですね。なんか今、地方の人がね。新国立競技場の話って本当ね、頭に来ていると思うのですよ。まったく、自分たちは関係ないところで何千億使う話をしているでしょ? オリンピックが来るからといって、盛り上がり感が全然なくなっていますよね。だからそういう意味でもこういうのはどうかなぁという提案です。
それで、こんなふうになるでしょうと。この席をどうするかっていうのはあるのです。芝生は虫が出るから嫌だとか、チクチクするっていう人もいるので、まぁこの段々に合わせて席を造ってもいいと思うけど、一応、芝生でこんなのを作ったら映画の「フィールド・オブ・ドリームス」みたいにね、なんかいいかなぁと。古いものを新しく造るっていうのは面白いかなと思っています。
これは僕がポストオリンピックでこんなこともできるよって言っているもので、外苑西通り側にまだ建物を建てる余地があるので、JSCなのか何だかわかりませんけど、わけのわからないコンサートをするよりも、こっちの方が収益構造を埋めるよというものです。
ここの大家さんになればいいでしょと。アスリートホテル、アスリート専門の病院、リハビリセンター、スポーツ研究所とか、スポーツに関するあらゆるものを集めて、外苑西通り側の低層部にショップとかレストランのテナント入れて、競技場を中心にした、誰でも利用できる総合的なスポーツの施設にしてあげたらどうですかと。
それで地方から来る選手とか外国から来る選手が泊まれるようにホテルをやったりとか。ここは道路側ですから、すでに30メートルくらいのビルが建っている側なので道ギリギリでも少しセットバックのあたりに、病院とか造ってあげたら非常にいいじゃないかなと。これはポストオリンピックで、こういうこともありえますよという提案の話です。
だいたいこれが全体の話、ここまでが今日お話しした内容で、この真国立競技場っていうのは本当に建てようというよりも、この状況下でもいろんな知恵は出せますよっていうことのひとつの例。
それで安心してもらって、槇先生をはじめ、いろんな他の建築家の方がいっぱいいらっしゃられるので、どういうふうに窮地を脱するか、日本の建築界も総力を挙げて、政治家の先生や官僚の方を助けてあげてくださいねという話です。
だいたい今日の話は以上です。このあと質疑コーナーがあるそうですので、どうも有り難うございました。
(会場拍手)
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