2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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平口洋氏(以下、平口):それでは、平河クラブ所属の方から質問をお受けいたします。私が指名いたしますので、マイクを受け取り、社名と氏名を名乗ってからご質問をお願いいたします。どうぞ。
記者4:読売新聞のカリヤと申します。よろしくお願いします。外交・安全保障政策についておうかがいします。
石破新総裁は、総裁選の期間中、日米地位協定の改定やアジア版NATOの創設に意欲を示されました。日米地位協定については、いつアメリカ政府に提起し、また、警戒感を抱くアメリカ政府の理解をどのように得ていくお考えでしょうか。
また、アジア版NATOの創設を提唱されるのは、現在、日米同盟だけでは抑止力が不十分だという認識をお持ちなのでしょうか。こちらも検討の進め方、日程感と合わせて見解をお聞かせください。
石破茂氏(以下、石破):冷戦終結後、ドイツ、あるいはイタリアであるとか、地位協定の改定に取り組み、そしてそれを実現させたということでございます。
我が国は、私も当事者でございましたが、運用の改善ということで努力をいたしてまいりました。ただ今回、我が党の沖縄県連が、地位協定の改定と専用区域の7割が集中する沖縄からそういう声が出ているということを、私は等閑視すべきだと思っておりません。
そして、対等な地位協定とは何かというと、韓国やヨーロッパ諸国と比べてみても、元になる安全保障条約が違いますので、そのことにあんまり意味があるとは思っておりません。
石破:今まで他国がどのように地位協定を改定してきたかをきちんと検証する。そして、私は選挙期間中に申し上げたことでありますが、合衆国に自衛隊の訓練基地を作ることは極めて有効なことだと思っております。
陸上自衛隊・航空自衛隊は、国内で最大の能力を発揮するような訓練がなかなかできません。航空自衛隊の飛行機は、日本の領土上空を十分に飛ぶことができません。
そういうことになりますと、合衆国において陸上自衛隊・航空自衛隊が持てる能力を最大限に発揮するような訓練基地というのは、ドイツも設けておりますが、極めて日米同盟強化のためには有効なものだと考えております。
そうしますと、地位協定というものは必要になるものでございまして、そういう具体的な案件から取り組んでいきたいと思っております。それは、日米同盟の強化に大きく資するものだと考えておる次第でございます。
アジア版NATOと言いますと、なんのことだい? ということでありますが、集団安全保障の本質は義務でございます。集団的自衛権というのは、その言葉のとおり権利であります。ヨーロッパでNATOがあるのは、助けても助けなくてもいいよという話ではない。その本質は義務でございます。
石破:私は防衛庁長官をしとった時からそうなのですが、ハブ・アンド・スポークという合衆国があり、そこからスポークのように放射線状にいろんな同盟関係が伸びていくということから、ネットワーク型の同盟に変わるというのは二十数年前から言われておることでございます。
そうすると、相対的に合衆国の力が低下していく中において、いかにしてこの地域において集団安全保障の仕組みを作っていくか。
ANZUS条約があり、日米安全保障条約があり、そして米韓相互防衛条約があり、米比相互防衛条約があり、ここにはそういう同盟関係が多く存在をいたしております。そういうものを有機的に結合することを考えていくべきだと思っておりますし、それはQUAD(日米豪印4ヶ国)の延長線にあると考えていただいてもけっこうであります。
いかにしてこの地域において平和を構築していくかということについて、我が国は主体的な責任を果たしていくべきだと私は認識をいたしておるところでございます。
記者4:地位協定の改定については、速やかに米国側と議論自体を始めたいというお考えですか。
石破:私が防衛庁長官、防衛大臣の時にこの議論は提起をいたしました。なかなかこれが具体化しないということでございますので、外務省あるいは防衛省ともよく確認を取りながら、具体化をしていきたいと思っているところでございます。いついつまでにということは、今、申し上げられる状況にはございません。
平口:他にどうぞ。そこの白いシャツの方。
記者5:日本テレビのマエノと申します。経済についておうかがいしたいんですが、石破新総裁は経済についてはそれほど強くないんじゃないか、みたいなイメージもあると思います。
この後、新総理になるわけですが、経済対策としてまず最初に何を打ち出すのか。物価高対策なのか、補正予算なのか、そのへんのお考えを聞かせていただけますでしょうか。
石破:補正予算につきましては、これは各党、特に自公でお話をしていかなければなりません。
喫緊の課題は、能登の震災、そして直近の豪雨対策でございますが、これは補正予算の編成を待っておるわけにも参りませんので、基本的に予備費で対応したいと思っております。
そして、予備費の執行が早急に円滑になされるような工夫は、さらに努めてまいりたいと思っております。補正予算につきましては、これから自由民主党の中で、あるいは自公でよくお話をしてまいりたいと思っております。
当面の物価高に対応していかねばなりません。賃金は上昇いたしておりますが、それが物価高を超えるものでなければならないので、実際に賃金が上昇していくまでにややタイムラグがあるものだと承知をいたしております。
そういたしますと、物価高対策で、例えば食料品、エネルギーというものに対してどういう施策が最も有効であるかをよく見極めて、やってまいりたいと考えております。
石破:冒頭でおっしゃいましたように、どうも経済に弱いのではないかというお話であります。それは、私がいろいろと至らん点があるからでございます。
GDPに個人消費が占めている割合は54パーセントでございます。いかにしてデフレスパイラルを脱却するかということは、基本的に個人消費が上がっていかなければ経済は良くならないし、デフレスパイラルも解消しないと考えております。
人口は減っていきます。将来は不安であります。医療、年金、介護どうなっちゃうの? と。お金があったら、それは使わないで貯めときたいねという心理になられる方も多いのだと思っております。
医療、年金、介護等々が安心ですよということが、即座に示せるとは私は思っておりません。そういうものに対する不安を払拭をしていくこと。そして設備投資を行うことによって、いかにして欲しい商品を作るか、いかにして欲しいサービスを提供するかということがなければ、デフレスパイラルは止まらない。
そして日本とドイツを比較した時に、経済全体に占める輸出の割合がドイツは47パーセント、韓国は44パーセント、日本は18パーセントであります。
海外において生産拠点を多く持っておりますが、それを国内回帰させることによって日本国内に雇用と所得の機会を作っていく。
我が国は貿易立国と言われておりますが、経済の構造を見ると、必ずしもそうではない。そして、それが成長と分配の好循環になかなかうまくつながらないことの根本的要因であると、私は認識をしておるところでございます。
平口:挙手されてる方、どうぞ。
石破:はい。じゃあTBSさん。
記者6:TBSのナカジマと申します。総裁選では、防災省の創設やさまざまなテーマを掲げていらっしゃいました。党改革、政治改革、経済、安保とかいろんなテーマがある中で、新政権が発足したら特に優先的に取り組みたいテーマがあればおうかがいできますでしょうか。
石破:政治改革は急ぐんですよね。ただ、それはいろいろなお金の出と入り、誰が出してどのように使ったかの透明性を上げていくことであり、そしてそれが有権者の方、国民の方から見て、非常にアクセスが可能である仕組みを作っていかなければならないと思っております。
これは総裁選挙の途中にも申し上げたことでありますが、選挙制度についてどうなんだいとか、あるいは政党法についてどうなんだいということは、今から35年前の政治改革大綱にもうたっておることでございます。
これは一朝一夕にできることではございませんが、そういうことも併せて、野党のみなさま方のお知恵とお力もいただきながら、政治改革をやっていきたいと思っております。
経済政策につきましては、今、申し述べたとおりでございます。防災省が簡単にできるとは私自身は認識をいたしておりませんが、今の内閣府の防災担当の人員、予算は決定的に足りないと思っております。
平成7年度からでも、人員の拡充、そして予算の増額。これは即座に可能なものでございまして、それが今後の内閣府の外局としての防災庁、あるいは防災省につながっていくものだと考えておる次第でございます。
ある優先課題だけに限りますと、「そうじゃないだろ」「私たちの課題はどうしてくれるんだ」という方が必ずおられますので、優先順位を1、2、3というふうにつけるつもりはございません。
本当に困っておられる方、困窮な状態の中にある方々が、「わかってくれたんだね」と思っていただけるような政策を優先してまいりたいと考えております。
平口:他に。どうぞ。
記者7:テレビ東京のシライシと申します。選挙制度改革についておうかがいします。
石破総裁は、島根の討論会でも合区の解消についても訴えられたと思うんですが、この合区の解消の時期について、いつ頃までに行いたいとか、そのあたりのお考えをおうかがいできればと思います。
石破:これは、我が党として憲法改正によって合区を解消したいということを掲げておるものでございますから、そのことについて総裁として、ましてや行政府の長としての内閣総理大臣として申し述べる立場にはございません。
ございませんが、これから先、いろいろな統計によって、今の鳥取、島根、高知、徳島のみならず、合区がこのままどんどん全国に拡大するということがあっていいとは思っておりません。
そうしますと、憲法改正によらなくても合区の解消は可能なのかという議論は党内でもございます。物事の喫緊性と言いましょうか、急ぐということに鑑みて考えれば、どうすれば有権者の方々が政治に対するアクセスが可能になるのかも併せて、合区の解消はできるだけ早くやりたいと考えておるとおりでございます。
平口:間もなく所定の時間となりますので、次で最後の質問とさせていただきます。それでは、どうぞ。
記者8:時事通信のイチカワです。今後の政治日程で、新執行部の発足と組閣の日付をどのように考えていらっしゃるのか。また幹事長に求める資質をお願いします。それと、旧派閥のバランスに配慮するかどうか。お願いします。
石破:日程について、まだ確たるものを持っておるわけではございませんが、(2024年)10月1日に首班の指名をいただくことになれば、天皇陛下のご認証を仰ぎまして、新内閣はその日に発足をさせねばならんと。その前に、党四役の決定をせねばならんというのは今までどおりでございます。
そうしますと、10月1日の前に党の体制、そして10月1日に新内閣の体制を確立をするというのは今までどおりでありまして、その日程に変更はございません。
幹事長の質と言われますと、「お前はどうだったんだい」みたいな話になりますが……やはり選挙に強いということは極めて重要なことだと思っております。幹事長の第一の仕事は選挙に勝つことでございますので。これから1年間を展望しました時に、時期のいかんはともかくとして、衆議院・参議院の選挙はございます。
そして、東京都議会議員選挙をはじめとして各級選挙がございます。それにきちんと勝つことは、幹事長に要求されるような資質だと考えております。
それと同時に、党内を掌握をするということ、いろんなお考えがございます。もちろん幹事長だけでやるわけではございません。
総務会長、政調会長、選挙対策委員長、みんなで力を合わせてやることでございますが、党内の取りまとめ、あるいはいろんな懸案につきまして、与党内、あるいは野党のみなさま方と幹事長同士による折衝・交渉はございます。
そういうことにおいて、自分自身が幹事長の時に心がけてきたことでございますが、なるべく総理総裁に負担をかけてはならないということ。そして第一線の方々に負担をかける、あるいは責任を転嫁することがあってはならないと思っております。
私は、泥をかぶるのが幹事長の仕事だと思ってまいりました。行き届かないことも多々あって、安倍総裁にご迷惑をかけたこともございますが、幹事長となられる方はそういう方であってほしいなと。そして、そういう適材の方は党内におられると考えておる次第でございます。
また、派閥についてどうなのかということでございますが、派閥はもうなくなっちゃいましたので、どの派閥から何人ということは考えることはいたしません。結果的に、きちんとバランスの取れた、あくまで結果としてそういうことになるものだと考えておるところでございます。
平口:それでは、以上をもちまして石破総裁の記者会見を終了いたします。どうもありがとうございました。
石破:ありがとうございました。ご質問に答えられなかった方、ごめんなさい。
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