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【投資のプロが語る】日本人のお金が増えない理由 眠れるタンス預金を動かそう(全1記事)

日本に眠るタンス預金、総額は「約50兆円」にものぼる 投資のプロがすすめる、未来を変えるための「投資」への第一歩

レオス・キャピタルワークス株式会社のYouTubeチャンネル『お金のまなびば!』は、ふだんは語りにくいお金や投資、経済の話について、ひふみシリーズの最高投資責任者の藤野英人氏や、ひふみシリーズのメンバーと一緒に学んでいくチャンネルです。本記事では「日本人のお金が増えない理由 眠れるタンス預金を動かそう」というテーマで、藤野氏が日本のタンス預金の問題点を解説しています。 ■動画コンテンツはこちら

日本のタンス預金の総額は「50兆円」

藤野英人氏:今、日本のタンス預金はだいたい50兆円ぐらいあると言われています。実は、コロナ禍でタンス預金がますます増えています。ものすごい金額だと思いませんか? 50兆円という巨大な金額が、タンスの中に入っているんです。

あとは、大きな壷の中にお金を入れて、油紙で巻いて軒下に埋めている人もいるんですよ。お金を埋めても『ジャックと豆の木』みたいにお金の木が出てくるわけじゃないですが(笑)、お金を埋めている人は多くいらっしゃいます。

アメリカ、もしくはヨーロッパなど世界の先進国の中で比べると、日本人は圧倒的にお金を持っています。個人金融資産1,800兆円のうち、現預金で1,000兆円もあります。1.800兆円のうち1,000兆円ですから、約55パーセントのお金を現預金に置いていて、投資する部分はものすごくわずかです。

けれど、アメリカの人たちは50パーセントぐらいのお金を投資に回しています。残り30パーセントぐらいが年金資金で、現金で持っているのはだいたい15パーセントぐらいです。投資に回るということは、どういうことか。新しい研究開発等をするので、社会がどんどん進歩していきますよね。

日本人は、ただ現金で溜め込んでいるだけなので(経済が)動きません。それが消費にも投資にも回らないということであれば、結果的にお金を抱いて貧乏になっていくことになります。

日本人が投資をしない原因は「教育の失敗」

(「なぜ日本人は投資をしないのか?」という質問に対して)これは、教育の失敗じゃないでしょうか。教育は何が一番大事かというと、「未来を自分たちで創る」「明るい未来が前にある」と思うことだと思います。

小学生から大学生まで、学年が上がれば上がるほど、未来に対して悲観度が増してくるということは、教育の失敗です。教育をすればするほど未来に対して暗くなる。子どもにとって、それはとてもつらいことだと思います。

投資は未来に賭けることなので、「未来が明るくなる」と思っていれば、多くの人がお金を投資をして世の中に回りますが、「未来が暗くなる」と思ったら、投資もできないことになり、結果的にお金も回らなくなり、人生が暗くなるスパイラルになっていきます。

アメリカも中国もイギリスも、どんどん成長しているんですね。例えば、1995年から現在まで、アメリカの個人金融資産は3倍になっているんです。ヨーロッパは2.5倍になっています。しかし日本は1.5倍で、貯金した分だけしか増えてないんです。なぜかというと、お金が働いていないからなんです。

投資はどのくらいの金額から始めればよいのか?

今から10年前の2010年は、日本と中国のGDPが一緒なんです。中国が日本を抜いたのが2010年ぐらいなんですね。それから10年が経ちました。さあ、中国と日本の差はどれぐらいになっているでしょうか? もちろん中国が上です。日本のGDPと中国のGDPでは、中国のほうが3倍あるんですよ。

この差は何かというと、未来に対する確信の差や挑戦の差だと思います。別に、すべてを投資や消費に回すことはないけれども、全部のお金を全員が溜め込んでしまったら、世の中が回らないですし、挑戦者が出てこないですよね。

10パーセントでも未来に使うと100兆円です。100兆円のお金を僕らが未来に投資したら、なんでもできますよね。イーロン・マスクが火星に人を送ろうとしていますが、僕らに100兆円もあれば、どの星にだって人を送れるんじゃないかなと思います。みなさんのお金をたった10パーセント未来に向けるだけで、日本は激変すると思います。

投資って、始めることがすごく大事だと思っているんです。若い人ほど時間がたくさんあるので、早く始めれば始めるほど大きくなる可能性があるわけです。

「じゃあ、どのぐらいから始めればいいですか?」「1万円ですか? 10万円ですか? 100万円ですか?」とよく聞かれるんですが、それに対する私の答えは「ドキドキしない程度」です。

投資することによって、自分が不安になったり人生を振り回されたら、元も子もありません。まずは少ない金額でもいいから、一歩を踏み出していくことが大事なのではないかなと思います。

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