2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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小野隆氏(以下、小野):全社のトランスフォーメーション自体は、いずれにしても進んでいくと思うんですよね。DXは推進されていくし、ESG、SDGs、コーポレートガバナンス・コードは進んでいきます。会社として対応しなきゃいけないんです。
それからWithコロナ・ポストコロナも、どんな働き方をするか、それぞれの現場で決めないといけないので、たぶん勝手に進むと思います。その中に、人事はどう熱意を持って絡んでいくか。付加価値を出していくか。こうした図式になると思います。
なぜかというと、やはり必ず人は、(スライドを指して)ここに挙げているようなテーマに絡んでいます。また、自組織の人材マネジメントの観点だと、プロジェクト別にいろいろやるにしても、この(テーマの)中でなんらかの整合性を取りながら考えていく必要があると思いますね。
斉藤知明氏(以下、斉藤):それこそWithコロナ・ポストコロナなんて、勝手に出てきたテーマですもんね(笑)。
小野:そうですね(笑)。誰も予期してない中で、勝手にテーマとして出てきて。我々もそうですが、メンバーが孤独感や不安を感じたらリモートワークを含めて対処しないといけない。
「今後、育成をどうしていくのか?」「そもそも働き方をどうデザインするのか?」などにも対処が必要です。ぜんぜん予期していなかったテーマがいきなり出てきたので、本当に大変ですよね。
斉藤:やっぱり個人を知る(ということですかね)。現状やリアルを、本当の意味で知らないと、かなりスベった施策になってしまう。それでみんながついてきてくれなかったりするのは、けっこう“人事あるある”だと思います。
小野:(スライドを指して)この昨年度に実施された調査のサマリーに、興味深いデータがいろいろありまして。ぜひ小野さんに何点か解説していただきたいと思います。
小野:このページは、2020年の調査の振り返りですね。2021年のものは、(スライド指して)こちらのミレニアル世代とZ世代、グローバルで約23,000人、日本は約800人を対象とさせていただいています。
(スライドを指して)下にミレニアル世代・Z世代の定義を書かせていただいています。ミレニアル世代は若い人のイメージがありますが、もうそうではなくてですね(笑)。世代としては、30代後半の方も含まれています。どちらかというとZ世代が、新卒の方や学生の方といった本当に若手の方ですね。
いくつか、トピックとしてお話をさせていただきます。パンデミック期間中の行動についてサーベイを取っているのですが、通勤時間が減ったなどもありつつ、衝撃的だったのが、「新しいスキルを習得した」と回答した人が、グローバルに比べて、日本のミレニアル・Z世代は非常に低かったんですね。
(スライドを指して)下にありますが、むしろ戦略的な自己投資を実施した層は、どちらかというとリーダー層だったということで、ちょっと衝撃的でした。
小野:そして、これは斉藤さんとも議論したいところですが、グローバルのミレニアル・Z世代はある意味で我々が持っているイメージどおりで、社会課題に強い関心があるんですよね。
斉藤:気候変動や環境保全などですね。
小野:はい、そうですね。一方で日本のミレニアル・Z世代は、(世界と日本の)どちらが良い悪いということはないですが、より身近なテーマに関心があるんです。医療、疾病予防、高齢化、失業、経済成長などです。だから、いわゆる世代のイメージだけで施策を打つと、やっぱり間違ってしまうところはあると思うんですね。
斉藤:2021年になると日本の場合は、それこそ気候変動とかがランクインしなくなっちゃったんですよね。若者になればなるほど、いわゆるパーパスが重要で、社会にどれだけ貢献しているか? ということに関心があると聞いたような気がしますが。むしろ日本ではそんなことはなくて、どちらかというと経済成長や所得の不平等さに関心がある。
また別件ですが、新卒1年目のまさにZ世代の人たちに「どういうことを会社に求めているか?」を調査した結果、「経済的安定」と「仕事の楽しさ」という回答が多かったそうです。「仕事の社会的意義」に関しては、ミレニアル世代は高かったのですが、Z世代になるとむしろ落ちてきているというデータもあるそうです。
今まで(こうした傾向は)ミレニアルを前提に考えていましたが、(さらに若いZ世代になって)また変わってきているんです。このマクロのデータだけでも、ギャップや違和感の気づきになりますよね。
斉藤:こういう調査や、個人を知る活動において、小野さんの中で大切にされていることは何ですか? 組織をコンサルティングされる中で、個人を知るために、他に何か大事にされていることがあれば教えていただきたいです。
小野:ある意味、これ(調査結果)は、傾向を示すことはできますが、あくまでサンプルだと思っています。傾向は傾向として押さえつつ、やっぱり会社さん、クライアントの従業員の方々の思いや気持ちをしっかり把握することを大事にしています。
そのために、個別のヒアリングもよくやりますが、やっぱり限界があります。よくプロジェクトで「100人ヒアリング」みたいなことをやるんですが、工数もめちゃくちゃかかる。そのヒアリングに3ヶ月かけて、施策実行が1年後では、やっぱりどうしてもスピード感がなかったりする(笑)。
最近はデジタルのツールを使いながら、サーベイをクイックに取れるものがあります。スナップショットとかクイックサーベイのようなもので、短いスパンで傾向を確認したり、施策に対する感想や関心をフィードバックしたりすることもできます。こうした高頻度なフィードバックをもらいながら、施策を考えていくんです。
今までの人事は「うちの施策はこれなんだ」「これでいくんだ」といったケースが多かったんですね。でも、最近は日本企業の人事の方々も、いろいろトライ&エラーで施策を変えながら、より良いものにしていくことにチャレンジされていると感じています。そういった動き方が、すごく大事だと思います。
斉藤:否が応でも世の中は変わっていくし、組織として目指さないといけないことも積極的に変えなければならない。それに適応していくために、1人の人事が全部を(担ったり)、同じ人が動くことは難しい。だからこそ、目的ごとのプロジェクト型組織をつくる。今それに至れていないのであれば、そのギャップを把握するために個人を知る活動が重要です。
斉藤:うまくデジタルツールを使うのも良いですよね。もちろん、100人インタビューがダメだということはないと思います。必要に応じてインタビューもやるべきです。人事の方は活用できる武器が増えてきたんだから、目的ごとに個人を知ることも妥協してはいけないと思います。すごく泥臭い話だと思いますが、一つひとつ個人を知っていかなくてはいけないと解釈しました。ありがとうございます。
ここでいったん、Uniposを紹介させていただいて、その後Q&Aに入っていきたいと思います。
我々は、Uniposというサービスを提供しています。どんな仕組みかといいますと、個人が個人に、(何か助けてくれた時などに)「ありがとう」と少額のポイントを送り合うことができるんですね。なかなか数字に直結しづらい貢献も含めて、一人ひとりの現場の活躍に対して、感謝し合うことができる。そういう仕組みになっています。
それを見た他の人が「確かに良い貢献だな」と思えば、パチパチと拍手を送ることができて、その拍手もポイントとなります。だから、(人の良い行いを)見つけた人は、「こういうことが素晴らしかった」とオンライン上で発信しさえすれば、拍手が集まることで、自分のポイントにもなるんです。
もちろん、(良い)行動をした人にも感謝とポイントが集まります。(それとともに、)「(自分の)やっていることを見ていてくれる」という実感を、メッセージを通じて感じることができるんですね。そんな仕組みを提供しております。
「感謝のツールって、結局は何のために活用するんですか? 何のために導入するんですか?」と聞かれることがよくあるんですね。僕らが行っているのは「組織における関係性の質を改善していることである」と、最近は定義しています。
関係性はいろんなところにあります。それこそ、経営層と現場、事業部と事業部、上司と部下。また組織全体の関係性をひもといていくと、上司であっても部下全体の行動は、特にリモートワークも含めると見えなくなってきていると思います。
斉藤:だからこそ、一人ひとりがチームのために、目的達成のために行った行動をUniposを通じて称賛され、見ていてもらえる(実感を得ることが大切です)。(それにより)個人は「この行動はやって良いんだ」という自己肯定感につながり、どんどんそれが高まっていく。そして、もっと(称賛されるような)行動を取ろうという気持ちになっていきます。
上司の方は、メンバーがもらったUniposをちらっと見ておくことで、「最近はこんなことをしていたんだな」と把握した状態で、1on1や対話に臨むことができます。個人の貢献のデータがどんどん貯まっていくんですね。これを活用することで、上司と部下とのコミュニケーションの質、関係性の質を改善していくことができると思います。
事業部と事業部の間でも「なんであの事業部は、うちにとって損になることをやるんだろう?」「こちらの事業部が損食ってるんじゃないか!」「なんでああいうことをしているんだろう?」ということがあります。これはそもそも、その人たちがどんな行動をしているのか・どんな貢献を日々しているのか、お互いに知らないことに起因するのではないかと思っています。
(Uniposを活用することで)部署における貢献、個人の貢献をどんどん知ることができる。そうすれば、事業部同士でも自然に関心を持てるし、「こんなことをしてくれているんだ。ありがたいな」と思える。疑問が感謝になって、お互いを認め合える組織を作っていくことができると思っております。
他にもいろんな活用の仕方があります。同僚や保護者からの感謝を実感することによって、離職率が実際に34パーセントから10パーセントにまで低下した保育園の企業さんもあります。
また、日阪製作所さんでは(理念浸透に活用くださっています。)企業理念とは、かなりメタなもの、抽象的なものであると思うんですね。
(そこで、メンバーの)一つひとつの行動について、「これ、会社として大事にしている行動指針の『まずやってみる』に、まさにつながっているよね」といった投稿が日々送られることによって、企業理念を体現していく実感を持つことができるんですね。これが組織の一体感になっている事例もあります。
今日のUniposの説明は以上となりますが、興味をお持ちの方は、「組織を根本から強くする心理的安全性の高い組織づくり」という実践編のウェビナーも行っていますので、ぜひよろしくお願いします。
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