2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
リンクをコピー
記事をブックマーク
斉藤知明氏(以下、斉藤):では、Q&Aコーナーに移ってまいりたいなと思います。
34件も質問いただいているので、一問一答形式ではやりきれないかなと思います。少しまとめて、私のほうから代表して問いかけをさせていただければと思うんですけれども。
「自分自身もAさんになってみて話し出すというところについても、難しさがあるのではないかと思っています」という問いをいただいています。「難しさがある中で、どうやって最初に話し始めればいいんだろうか? 場を設け始めればいいんだろうか? というところについて、なお疑問が残っている」というお声をいただいてるんですけれども、いかがでしょうか?
宇田川元一氏(以下、宇田川):それに関して言うと、個人の問題を語るよりも、組織で起きている……繰り返し起きている、慢性的に起きている課題について「こういうことが起きている」というのを目にして「これ、みんなで話したほうがいいんだけど」みたいな感じで投げかけるのが、けっこうおすすめですね。
だから日頃から「自分のいるところで、繰り返しこういう問題って起きてるよな」とか、そこを考えてみるといいんじゃないかなと。先ほど出した例が「個人の困っている例」だったので、そこのところよりも、むしろ「組織の課題」を考えたほうがより深まるんじゃないかなと思います。
斉藤:なるほど。僕が例えば例を挙げるとしたら「こういうのもいいでしょうか?」という問いなんですけど、例えば全社会議というのを弊社ではやっているんですよ。
これはみなさん、どれぐらいの頻度でやられてるかはわからないですけど。我々、変化の激しいフェイズでもあるので、週に1回やってるんですね。
頻度が多いということもあるのかなとは思いつつも、この全社会議の参加率がオンラインになってから、2割ぐらいの人が参加できないことってあるんですね。でも、できるだけやっぱりみんなに参加してほしいと思っているんだけど、なんでなんだろうな? って、これがなんとなく常に思っている課題感の1つで。
この「2割の人が固定化しているかどうか?」というのも、別にまだ探索をしているわけではないんですけれども。こういうことって、みなさんもある意味、当事者意識を持ちやすい。自分自身も参加者、ないし欠席者の主体として関わっているものですし。切り出しやすいのかなーと思ったり。少し広すぎますかね? どうですかね。
宇田川:そういうやり方でもいいんじゃないかと思います。ただ、他の人の声が混じるとやりにくいというのはあって。あと、話したい人に手を挙げてもらうというのがいいと思いますよ。
斉藤:なるほど。そうか、そうか。Bさん・Cさん・Dさんをバッと指名するわけじゃなくって「ちょっとこういうのやってみない?」というのを、手を挙げてもらうということなんですかね。
宇田川:そう、そう。「こういうことについて話したい人いませんか?」という感じで呼びかけるのが、けっこうおすすめかなと思います。
斉藤:なるほど。これ確かに、けっこうポイントですよね。近場の人だけでやってみるというのも、1つ、アリでしょうし。すごく決め打ちで「この人たちにやってほしいんだ」という課題から考えてしまうと、それがまた対話としてうまく進みづらいこともあるかもしれない中で。Aさん・Bさん・Cさん・Dさんも、さっきおっしゃっていた主体性があるかないか? って大きな違いなんですよね。
この組織における現場と、リフレクティング・プロセスを実行されている現場との違いとしてあるんだ、というふうにおっしゃっていましたけど。手を挙げてやってみるというのは、それをとれるようにするってことですよね。
宇田川:そうです。そうするとたぶんこっちが想定していたのと、ぜんぜん違うかたちでその問題を捉えている、というようなこととかも逆に出てきて。いい場になりますよね。
「こういうことについて課題だと思うんで、誰か話してくれる人いませんか?」と、例えば斉藤さんが呼びかけたとして。でもAさんが手を挙げて、違う観点からその問題について語ると「あーそうか。そういうふうにも捉えられるんだ」みたいなこととかが見えてきたりします。
斉藤:これ、意外とだと思うんですけど「そもそも、手を上げてこないんですよね」というのもバイアスな気はしていて。どういう反応があるかなって想像してたんですけど「いや、声かけてもなかなかみんな乗ってくれないと思うんだよね」って思っているとしたら、それは1つのバイアスである気がしていて。
たくさんの大手企業さんも、僕ら「Unipos」を通して支援させていただいている中で。まさにこの「Unipos」って、最初にある意味「たくさん活発に活用して、意義を理解して活用していただく人たちをどれだけ巻き込めるか」ってポイントなんですけど。
「こういうのやるんだけど、乗る人います?」と聞いたら、どんな企業さんでも必ず何人かは手が挙がるんですよね。
宇田川:だいたい挙がりますよね。
斉藤:そうなんですよね。そこは僕の中でも、ある意味、導入推進していただいているみなさんの感じられている感覚との、ギャップで感じることがあって。この2on2もそうやって……。
宇田川:そうですね。手が挙がらなかったら「手が挙がらなくて困っている」ということから話すのがいいかもしれないですね。
斉藤:あー、なるほど。それすらも課題の1つですもんね。
宇田川:そうだと思います。いつも、どうしてこうなっていくんだろうか? でも、そこで何に自分は困っているのかな? みたいなことについて考えるところから、まずスタートしていくといいんじゃないですかね。
斉藤:ありがとうございます。では、別の問いにもいかせていただければと思います。このOさんが出してくださった問いが、少し気になっているんですけれども。
「会社方針で『業務の効率化』を謳いすぎているのかもしれないのですが、目的が明確にならない話し合い。特にこの『慢性疾患』というテーマって、目的がなかなか緊急度の低い課題に見えてしまうものについては『業務ではない』という意識が、現場でも管理者層でも強く持たれてしまっている中で。ここを掘り下げる機会を得るのが難しくなっている。経営者意識を変えていくべきなのか。どういう動き方ができますかね?」って悩んでいらっしゃいますね。
宇田川:うーん。そうですね。たぶんまず「これを変えよう!」ってすると、挫折すると思うんですよ。
こういう会社、僕もお話を伺って大変だなって本当に思うんです。これを変えようと思うと、ものすごく挫折してしまうので。まず「目先の業務が逼迫してる中で繰り返し起きていて、みんなの効率性が下がっているような具体的なテーマについて考える機会を持つ」というところからスタートするといいんじゃないかな? って思います。
要はこういう「風土を変える」とか。風土って実態がないじゃないですか。「風土を変えるために話し合いをする」と言ったら、実体がないものについて話し合いをしないといけない。そうすると「それはなんのために、業務の役に立っているんだ?」という話に、すぐなります。これは危ない。
これをやっていくと、そういう状況との対話をぜんぜんできていないということになるわけです。でも、そうではなくて。「具体的に繰り返し起きていて非効率になっているので、これが『どういう原因で起きているのか?』ということを特定して、業務の効率化に貢献するために大事なことについて話しませんか?」という話の持っていき方が、大事じゃないかなと思います。
斉藤:あ~、いいですね。さっきの宇田川先生の「どういう問いを最初に持っていけばいいか?」という時に「個人の問いじゃなくて、組織の問いを持っていくのがいいんじゃないか」っておっしゃっていたのは、まさにそこだなと思っていまして。最初はこういう、経営層も悩んでいる問いを持っていっちゃえばいい、ということですよね。
宇田川:そうです、そうです。困ってるから、そうなっているんですよね。だから「効率化のために時間を使いなさい」というのは、別に効率化をしたいだけでもなくて。たぶんパフォーマンスがどうもいまひとつ出なくて、そのことに対して、みんなよくわかってくれていないんじゃないかな? とかという、いろんなことがあったうえでの方針だと思うので。
そのいろんなところがなんなのかというのが、なんとなく垣間見えますよね。なので、そこの筋に沿ったかたちで始めるっていうのがおすすめかな、と思います。
斉藤:組織の慢性疾患、課題感っていうものって、ここに合意しない人ってあんまりいないと思うんですよ。昨今の経営者のみなさんも、マネージャーのみなさんも含めて。「このままだとゆっくり悪化するんじゃないか?」とか「繰り返し問題が起きてるんじゃないか? 例えばこういう例があって……」って言ったとき「それそれ!」って頷いたところを1個目のテーマにして話し始めてみると「確かにこういう対話って重要かもね」って巻き込みやすいってことなんだろうかと思いました。
宇田川:そう、だから繰り返し起きてる問題がいいですよってことです。
斉藤:まさにそれこそ「慢性疾患」ってことですもんね。
宇田川:そうそう。だから例えば「なんか最近、失注が増えてる」とか。
斉藤:(笑)。
宇田川:そういう話でいいんじゃないかと思いますけどね。
斉藤:その中でも「みんなを巻き込むのが難しい」という、Kさんからの質問なんですけど。「このようなプロセスや考え方を行っていかないと『慢性疾患は手がつけられなくなる』ということについては、まさにそのように思います。しかし、今は硬直した息苦しい組織だと、特に若手社員が声を上げるのは難しいんじゃないでしょうか」っておっしゃっていただいてるんですが。
これこそまさに、経営陣含めて、ご自身含めて、自分が声を上げてみるのを、Bさん・Cさん・Dさんの立場で見せると「声を上げていいんだ!」っていう安心感が生まれて、次からも上げやすくなる。そういうサイクルをみんなが思ってる共通の課題……例えばさっき言った「失注が多くなっている」っていうのは、チーム全体の課題なので。
「失注が多くなってるのって、こういうこと悩んでるんだよね」っていう発露から、自分から入っていくっていうのは、今の宇田川先生のお話を聞いていても。みんなが自然に巻き込まれたくなるというか、自分も発露したくなる環境づくりに貢献するんじゃないかなと思いました。
宇田川:そうですね。たとえば「もっと失注増やすにはどうしたらいいか」とかって考えたら……(笑)。
斉藤:(笑)。っていうことですよね、さっきの、反転でしたっけ?
宇田川:そうそう。反転的なことで「もっと失注増やすにはどうしたらいいだろうか?」みたいなに考えてみると「意外にこういうことが原因だったな」みたいなことが、自分たちなりに手立てが見えて。「ちょっとそれ、やってみよっか」みたいなことになりますよね。
監視だらけで、すべての意見を否定され、息が詰まる… “組織の慢性疾患”から脱却する「2on2」の可能性
解決策がなく、緩やかだが確実に悪化する「組織の慢性疾患」 不快な状況を緩和するのは「1on1」でなく、新たな手法「2on2」
「目的が不明な1on1」を無理に制度化すると起きる、悪循環 「やってみよう!」的なノリで始めると良い、4人1組の2on2
解決を急ぐと疎かになる「なにが問題なのか?」の掘り下げ 課題を深掘る質問は「why?」でなく「What・How・When?」
失注ばかりで困ったときに考える「もっと失注を増やすには?」 反転的な発想で見い出す、意外な原因と今後の手立て
「アルコール依存症」と「組織の課題解決」にある類似点 表の問題を解決すると“裏での困りごと”が手つかずになる?
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.11
気づいたら借金、倒産して身ぐるみを剥がされる経営者 起業に「立派な動機」を求められる恐ろしさ
2024.11.11
「退職代行」を使われた管理職の本音と葛藤 メディアで話題、利用者が右肩上がり…企業が置かれている現状とは
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.12
先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」 退職代行サービスの影響も?上司と部下の“すれ違い”が起きる原因
2024.11.14
よってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるステークホルダー 「社会的理由」が求められる時代の起業戦略
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.11
気づいたら借金、倒産して身ぐるみを剥がされる経営者 起業に「立派な動機」を求められる恐ろしさ
2024.11.11
「退職代行」を使われた管理職の本音と葛藤 メディアで話題、利用者が右肩上がり…企業が置かれている現状とは
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.12
先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」 退職代行サービスの影響も?上司と部下の“すれ違い”が起きる原因
2024.11.14
よってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるステークホルダー 「社会的理由」が求められる時代の起業戦略