2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
リンクをコピー
記事をブックマーク
鎌田華乃子氏(以下、鎌田):(「中心から外に広がっていくように連携している組織を目指していく。それをどうやってやっていくのかを考えていくのが、コミュニティ・オーガナイジングです」という話に続いて)そのために5つのステップ+コーチングが必要になってきます。コーチングはご存知の方も多いと思いますけど、質問することによって相手の力を引き出していくものです。
コミュニティ・オーガナイジングは、リーダーをたくさん育てていくんですね。スノーフレークリーダーシップもたくさんのリーダーが育って広がっていくことを目指していきますから、リーダーを育てるためには答えをあげ続けていては人は育たない。質問をして投げかけることで、その人を育てていくことがとても大事になります。
なのでチームがベースにあり、5つのステップの1つ目がパブリックナラティブ、2つ目が関係構築、3つ目がチーム構築、4つ目が戦略作り、5つ目がアクションになっています。
ざっと内容をお話ししていきます。1つめのパブリックナラティブですけれども、「ストーリーを語る」ことになっています。
まず「私のストーリー」として、なぜこの行動をしているのかという私自身の話をします。それから「私たちのストーリー」として、私たちが共有しているストーリーや価値観について話して、一体感を作っていく。
そして「今、行動しなければ」という話をすることで、行動を促していく。まず「私」と関係性を作ってもらい「私たち」のコミュニティを作って、そして「今」行動していく。これがとても大事になってくる「ストーリーを語る」です。
鎌田:次が関係構築なんですが、こういったボランタリー(自発的)な活動って、お金をあげるからとか上司だからやれというものとは違い、フラットな関係になっていくと思うので、価値観でつながって、共通の関心の下にお互いに資源を出し合って関係を作っていくのがとても大事になります。
それを1対1の対話を通じてどうやって作っていくのかを、特にコミュニティ・オーガナイジングで大事にしています。
そして、人が集まってきた時に、構造がないとやっぱり活躍できないと思うんですね。どういう構造を作っていくといいのか。簡単に説明していますけれども、特に一番大事なのが、左側の3つの条件と3つの決定です。
3つの条件は、チームに境界があり誰がメンバーか分かること。毎回メンバーが入れ替わるんじゃなくて、安定していること。そして多様性があることですね。
3つの決定は、チームが集まった時に、この決定をして大事にしていくとチームが強くなっていくというものです。1つ目が共有目的。私たちはどんなことするのかを話して共有していくこと。
2つ目がノームですね。誰か偉い人が決めて「やりなさい」というのがルールですけど、コミュニティ全体で決めていくことをノームと言っています。
そして相互依存に基づく役割が大事になってきます。これを決めて大事にしていくことで、ゴールを達成して、能力が向上して、リーダーシップが成長していくと考えています。これは、いろんな組織学の人たちがまとめた結果に基づいて作っています。
鎌田:そして4つ目の戦略。同志というキーワードがありますけれども、コミュニティ・オーガナイジングでは同志をすごく大事にしています。
同志は簡単に言うと、課題の当事者と、当事者と同じぐらい課題意識を持っている人たちということ。サービスを提供しているだけでは、やっぱり人は強くなっていかない。課題の当事者がアクションを起こすことで強くなっていくと考えています。
戦略も、課題の当事者である同志たちが持っている資源を活かして、どうやって欲しいものを得ていくかを考えていきます。その時にNPO活動や社会運動はすごく大きなビジョンを持ちがちで。例えば「子育てしやすい社会を作りたいんだ!」と言うけど、それは大きなゴールすぎて、どうしたらいいかわからない。
例えば「こども食堂を自分の街に作ろう」とか、明確で達成できるようなすごくわかりやすいゴールを置いて活動をしていくことが大事だと考えて、そういう戦略の作り方を大事にしています。
そして最後は、アクションです。戦略をそのままにしてたら何も起きないので、アクションをしていかないといけないんですけれども、その時に大事なのが、多くの人が参加してくれるようにすることです。
“ツキコイ”とありますけれども、たくさんの人を短時間に誘わなきゃいけないので、つながりを作り、緊急性を語って、コミットメントをとって、勢いをつけて人に来てもらうことを大事にしています。
ざっとお話ししましたけれども、本に丁寧に書いていますので、もしよろしければら読んでいただけたらと思います。
鎌田:ここから湯浅さんとお話をしていきたいなと思います。湯浅さん、今日はよろしくお願いします。
湯浅誠(以下、湯浅):よろしくお願いします。お疲れさまです。
鎌田:お疲れさまです。本当、湯浅さんには2014年からお世話になっていて、長いお付き合いになっています。
湯浅:ガンツのワークショップを受けたのが2012年?
鎌田:2013年の12月ですね。
湯浅:ちょうど最初に、私と鎌田さんの写真が出たじゃないですか。あの写真を撮ったのがその頃なんですよ。年をとったなと思いますね。
鎌田:(笑)。でもずっと応援してくださって、とてもありがたいなと思っています。
湯浅:いえいえ。
鎌田:今ご紹介がありましたけれども、私たちコミュニティ・オーガナイジング・ジャパンが最初にワークショップをやった時、ハーバードでコミュニティ・オーガナイジングを教えているマーシャル・ガンツさんを招いて、湯浅さんが最初の参加者になってくださって。
湯浅:おもしろかったです。パブリックナラティブのところがすごく印象的で。
私も、多くの人がそう思ってるんじゃないかと思うけど、ガンツが「誰でも自分のストーリーで人を動かすことができるんだ」みたいなことを言うじゃないですか。でも、自分に特別なストーリーがあるなんて、まず思ってないですよね。
なので「本当か?」という感じから入るんだけど、やってみると、まぁ確かにそうだという感じがあって。
あの3日間のワークショップは、本当にそういう体験ができる時だったと思いますね。私、翌年から大学で教え始めたから、ワークショップを一部ですけど授業で取り入れてやっていたんですよ。
そしたらやっぱり学生さんたちも、自分のストーリーをちゃんと話せるんだよね。最後、スピーチコンテストみたいなのをやりましたけど、みんなから推挙された人が、200人の前でしゃべるんですよね。
鎌田:すごい! 200人の前で。
湯浅:そうですね。学期の間で2回やるんですけど、みんな、私がしゃべるよりも遥かに真剣に聞くからね。
鎌田:(笑)。
湯浅:同じ年齢の学生さんみんなが影響を受けあって考えて、自分のストーリーを語ることが人を動かし、人の気持ちに働きかける。実際そういう面がとても多くて、すごく印象的だったんです。もとを正せばガンツのワークショップのおかげなので、とても助かりましたよ。
鎌田:本当ですか。でも湯浅さんも、自分にそんなにいいストーリーはないと思ってたんですね。私も、そんなに話すべきことはないだろうって思ってた(笑)。
湯浅:自分の話をするって照れくさいし「俺が、俺が」みたいに見えるのも嫌だし、話す前に、もう控えちゃう。慣れてないから余計に話さなくなる感じがありますよね。
鎌田:そうですね。
声を上げづらい日本社会を「仕方がない」から「仕方がある」へ まるで『スイミー』みたいな、コミュニティ・オーガナイジング
強く推進力のあるチーム作りに必要な「3つの条件・3つの決定」 そこから生まれる、ゴール達成・能力向上・リーダーシップ成長
人類の歴史から見ると、母親1人が子育てを背負う現代は異常? 勝手に広がる「こども食堂」と、日本社会の「疎・密」問題
こども食堂が生んだ「これなら自分にもできる」の連鎖 気持ちはあるけど手段がない人に与えられた、手助けのツール
相手が自治会長や教頭先生なら、左脳的な発想が必要? 地域に「こども食堂」を広める、キーパーソンの条件
こども食堂は「みんなに役割があってみんなが関われる場所」 担い手が持つ、よりインクルーシブな“密”を作りたいという思い
日本人は「詳しくないと政治に意見してはダメ」と思っている 知識なしでも「おかしいと思う」でデモに参加する、欧米との差
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.11
気づいたら借金、倒産して身ぐるみを剥がされる経営者 起業に「立派な動機」を求められる恐ろしさ
2024.11.11
「退職代行」を使われた管理職の本音と葛藤 メディアで話題、利用者が右肩上がり…企業が置かれている現状とは
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.12
先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」 退職代行サービスの影響も?上司と部下の“すれ違い”が起きる原因
2024.11.14
よってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるステークホルダー 「社会的理由」が求められる時代の起業戦略
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.11
気づいたら借金、倒産して身ぐるみを剥がされる経営者 起業に「立派な動機」を求められる恐ろしさ
2024.11.11
「退職代行」を使われた管理職の本音と葛藤 メディアで話題、利用者が右肩上がり…企業が置かれている現状とは
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.12
先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」 退職代行サービスの影響も?上司と部下の“すれ違い”が起きる原因
2024.11.14
よってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるステークホルダー 「社会的理由」が求められる時代の起業戦略