
2025.03.28
AIにUIデザインの大半を任せる時代が来たら──先駆者が語る、人間ならではの「コミュニケーション」の価値
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村上臣氏(以下、村上):一方で僕、最近いろんなキャリアの相談を受けるんですけれども。やはり「今の仕事がつまらない」という人が、すごく多いんですよ。やりたいことができないというのもありますし、自分が今やっている仕事に意味が見いだせなかったりとかして「他に移ったほうがいいんじゃないか?」という人も多いんですよね。
もちろん好き嫌いというのもすごく大事で、すごく同意するんですけれども。一方で、いろんな人が嫌だけど続けざるを得ないと思っていることも、事実としてあります。
また「ジョブ型だとやることが明確でKPIも決まっている」というのもあるんですけれども、時間を大事にする文化がある会社というのがまだまだあって。やはり「時間によって会社への貢献度をはかられてしまう」ような会社も、まだ多いと思うんですよね。
松永エリック・匡史氏(以下、エリック):はい。
村上:こういった環境にいる方に関しては、エリックさんどういったアドバイスをされますか?
エリック:僕はそういうところを楽しめない人は、次に行ってもうまくいかないという考え方なんですよ。僕自身が日立という会社にいて、いわゆる典型的な日本企業じゃないですか。
村上:はい。
エリック:その環境で僕は「ここを楽しもう」と思ったんですね。例えば上下関係もすごい厳しいし、書類1つもすごく面倒なわけですよ。でも、それをとことんやってみたら何かが見えるかと思ったんですね。
“無理ゲー”もさせられるわけですよ。「ふざけんな」みたいなことを「やれ!」と言われることもありました。でも、そう言われた時に「何だよ、つまんねぇな」と思うのは誰でもできると思うんですね。
でも、それを「普通のヤツはやりたがらないけど、これをもう1歩進んでやったら、すごいことができるんじゃないか?」と考えていたんです。
エリック:日立の時の話なんですけど。僕、コーヒー淹れさせられたんですよ。そのときに僕の同期はみんな「ふざけんな。俺たちはコーヒー淹れるために大学出たんじゃない」と言って、不貞腐れていたんですね。
村上:うん。
エリック:でも僕はどうしたかというと、究極においしいコーヒーの淹れ方を研究したんです。
村上:ほう。
エリック:コーヒー豆の量とかお湯の温度、お湯の注ぎ方。すごい研究したんです。お客さんが来ると、毎回コーヒーを出すじゃないですか。だから「どうですか?」と感想を聞いて、とことんコーヒーの味を追求したんですね。そうしたらある日、クライアントの偉い人が、僕のコーヒーを飲みに来たんですよ。
村上:ほう!
エリック:実は、そこからチャンスが来たんですよ。
村上:偉い人の目に止まったんですね。
エリック:止まったんです。単にコーヒー飲みに来ただけなんですけど、なんか噂になって「僕のコーヒーは、むちゃくちゃおいしい」と。
結局、いろんなものってそうだと思うんです。何かとことんやれば、どこかで誰かが見てくれている。そう僕は信じているんですね。一番よくないのは「つまんない」と思うこと。これは誰でもできる、と僕は毎回思っています。「つまんない、くだらない、飽きた」というのは、自分の問題だと思っているんですよ。
そうではなくて「つまんなくなくて、おもしろくて、エキサイティングで、やったことに意味がある」とリフレームしていくことが、僕は大事だと思っていて。だから僕は人一倍、みなさんが言うところの「つまんない仕事」をやってきた自負がありますよ。
しかも、そんなつまんない仕事で、みなさんより倍のパフォーマンスを上げていると思います。なぜなら、楽しんでやっているから。僕はそこがポイントだと思います。
村上:僕もけっこう「おもしろがり力」という言葉を使っているんですけれど、それも立派なスキルだと思っているんです。目の前のことをおもしろがれるというのは、まさにエリックさんがおっしゃったように、自分の気の持ちようでもある。「つまらない」ということは誰でもいつでもできるわけで、それに対してとことんやりきってみて、おもしろさを見つけていくプロセスも、けっこう大事ですよね。
続けていると、誰かが見てくれている。僕もそういう経験があります。「アイツ、すごいやっているから、ちょっとこのプロジェクトに呼んでみようか」と声がかかるようになったり。意外ときっかけが生まれてきますよね。
エリック:みなさん、よく「こんな仕事、誰も見てくれていない」と言うと思うんですけど、絶対に誰か見ています。だから、僕の中では努力に無駄はないと思います。
そのためにも、きちんとやって手を抜かないことですよ。僕、手を抜くとどこか悪いところが出ちゃうと思っていて。手を抜かない癖を付けることが、たぶん今の仕事をよくするし、次の仕事へのチャンスにもなると思うんですね。
村上:「手を抜く」というのは、自分で意図的にすごい手を抜いているという面もあると思うんですけれど、相対評価で、端から見た場合に「アイツ、手を抜いているんじゃない?」と思われることの、両方があると思うんです。
エリック:あります。
村上:その違いはどう捉えればいいんでしょうか?
エリック:すごく大事なポイントだと思うんですよ。他から評価されているなら「(周りの人間や評価者は)何を見ているか?」を、的確に捉えればいいわけです。その人が見ているポイントをちゃんと押さえていれば、要は評価されるワケじゃないですか。そこをきちんとやる。
僕は「手を抜かない」というのは「全部に手を抜かないこと」じゃないですね。やっぱり、メリハリが必要なんですよ。全て完璧にやっていると、時間なくなっちゃうんで。
村上:疲れちゃいますしね。ピーナッツバター的に“薄く広く”になって、結局なんにもならないことになっちゃいますね。
エリック:会社だったら、会社のKPIがありますよね。あと自分の大嫌いな部長とかも、何かを見ているんです。たぶん、それはみなさんわかっていると思うんです。「この部長、何を見て(評価して)いるか?」。それをやればいいんですよ。
それ以外のところは手を抜けばいい。そして、自分のやりたいことをそこ(空いた時間)にブチ込むわけですよ。それが新しい次へのチャンスになってくるんです。
今やっていることをなぜとことんやるか? といったら、認められるということもあるし、自分のモチベーションを上げるということもあるんだけど、実は“次の仕込み”が大きいんです。
新しいことを常にやっていないと、モチベーションって落ちるじゃないですか。僕ら、どんなにがんばったって24時間しかないんです。睡眠は必ず必要なので、それ以外の時間をどう効率的に使うかを、けっこう僕は考えています。
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