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西野亮廣さんx元Google尾原「何者かになるための、個人がつながる時代の生存戦略」:あえて数字からおりる働き方(全3記事)

西野氏×尾原氏「書籍の印税は要らない」 2人が語る、本を売るという行為の“遊びしろ”とは?

執筆家/IT批評家 尾原和啓氏がさまざまなゲストと語り合うYouTubeチャンネル「尾原の IT&モチベ解説 ー10分対談・ITビジネスの原理実践編」。今回は自身の新著『あえて数字からおりる働き方 個人がつながる時代の生存戦略』について、西野亮廣氏と対談されました。本パートでは「いまの時代、紙の本をどう届けるか」などについて、二人が語ります。

本を作ってる間に、時代が変わってしまうこと

西野亮廣氏(以下、西野):本の話していいですか、ちょっと。

尾原和啓氏(以下、尾原):あ、そうですね。ぜひぜひ。

西野:本って、なんていうんですか……すっごいスピードでルールとか変わるじゃないですか。今回のコロナなんてわかりやすく、すっごいスピードで変わっていくじゃないですか。そうすると時代が変わるスピードと、本が印刷されて世に出るまでのスピードってあるじゃないですか。

尾原:あぁ、そうですね。

西野:ここが追っつかないってことないんですか? 要は本を作ってる間に、時代が変わっちゃうっていうことはないんですか。

尾原:いや、めっちゃありますね。だから本とかも結局、本屋さんが閉じてるからちょっと遅らせようって話になって。だってほら、西野さんに相談したじゃないですか。これだって『リモートシフト』っていうタイトルになるかもしれなかったんですよ(笑)。

西野:あ、そうだそうだ。

尾原:でもそのときにもう1回、やっぱり多根さんがすごいのは「ちょっと待って」と。営業的にはそっちがいいかもしれないけどちゃんと考えようっていったときに、結局、川の流れがあったときに、川の表面はむちゃくちゃ早く流れてるかもしれないけど、深く潜ればゆっくり流れてるわけですよね。

西野:なるほど。

尾原:川の流れの速いところをついつい追いかけたくなっちゃうけど、ホンマの底流にある変わらないものって何なの? そっちを手に入れることのほうがやっぱり、この変化のときに揺るぎない武器になるんじゃない? っていう話になって。このキャッチコピー、前回なかったじゃないですか。やっぱりこのキャッチコピーが多根さんから出てきて。そしたらやっぱりこっちの「あえて数字からおりる」っていう言い方のほうがええよね、って話になって。

西野:やばっ。

尾原:そこはバランスですよね。

いまの時代、紙の本をどう届けるか

西野:もう1個聞いていいですか、ごめんなさい質問ばっかりして。

尾原:ぜんぜん、ぜんぜん。

西野:今、みんな外に出ないじゃないですか。

尾原:はい、そうですね。

西野:で、本屋さん、紀伊國屋さんとかちょこちょこ開き始めましたが。とはいえむちゃくちゃ本屋さんが元気、っていうわけでもないじゃないですか。この時代に紙の本って、どうやって届けていくってことになってるんですか。

尾原:いやぁ、そうなんですよね。だからそこが問題なんで……。

西野:(笑)。

尾原:だってそれアイデアで出たら、けんすうと3人のメッセージグループで「やったー!」って言ってるんですけど(笑)。やっぱり僕は本屋さんに育ててもらったから、Amazonとか楽天ブックスの中では出会えなかった本に、本屋さんだったら出会うってあるじゃないですか。

西野:あっ、ちょっとわかる、それ。

尾原:ジャケ買いで買ってしまったらむちゃくちゃ中身気に入りました、みたいなものだったりとか。エロ本を買うときに上に乗せた本が、実は自分の人生変えましたとか、いろんな出会いがあって。

西野:わかる、わかる。

尾原:その出会いみたいなものを、どうやって本屋さんの価値として(発信していくか)。今回のコロナでかけがえのないものが返ってこない可能性もあるし。でも一方で、ちょっとメッセージグループでやり取りしましたけど、やっぱ本屋さんをどうにかセカンドクリエイターにして。で、別に僕らって本で儲けなくても生きられる人たちっていうか。

西野:確かに。

尾原:むしろ本ってどっちかというと、自分の考えを広げるミツバチちゃんで。このミツバチで自分たちのファンになってくれたら、サロンという自分の安定した根城があって、そこにみなさんが集っていただくことで、しっかりした発射台ができるからずっと空飛んでられるってのが、僕たちじゃないですか。

だから別にこの本の印税自体は1銭もいらないんで、本屋さんで買ってくれた人とか、本屋さんに行きたいと思わせてくれたみたいなアイデアがあれば、そこにお分けします、みたいな。

西野:なるほど。

尾原:で、お分けするやり方はいろんなやり方があるから。ただこれが、ずっと考えてるんですけどまだ出ないんですよね、いいネタがね。

西野:(笑)。

本を売るという行為の“遊びしろ”はどこにある?

尾原:西野さんも、ラジオで言うてはったじゃないですか。

西野:なんでしたっけ。

尾原:「印税はいらなくて。YouTubeで紹介してくれたりブログで紹介してくれたり、そういう広げてくれた人に配っちゃっていいと思うんですよ」みたいな感じ。

西野:そう、そう。

尾原:あそこに本屋を掛け算したいな、ってずっと思ってるんですよね。

西野:本当は、例えば可能であれば、紀伊國屋さんとかに印税2パーセント渡すとか。そんなんできたらね。

尾原:そうそう。そうなんですよ。

西野:ね。でもそうすると、じゃあほかの本屋さんの気持ちはどうなんだ、っていうとこもあったりして。でも本当はね「この本が売れれば本屋さんとかがもっと潤う」とか「この本が売れれば事業ができる人が増える」とかのほうがいいですよね。一人勝ちしたって仕方がないんで。

尾原:そうなんですよ。だからわからないんですけど、やっぱり「この本と一緒にこの本を読むとええよ」みたいなね。なんか付加価値を本屋さんが付けて、その本屋さんの付加価値でたくさん売れるから、そのぶん僕がたくさんお返しするよ、みたいなものが一番いいループだと思うんですよね。

だから結局、本を売るって行為の“遊びしろ”ってどこにあるんだろう、その本を売るってことで本屋さんがセカンドクリエイターになるってどういうことなんだろう、ってことを。ある種、そこで西野さんは「サインをつける」っていう“伸びしろ”を作ったわけじゃないですか、本屋さんに行く価値みたいなところで。

西野:はい、はい。

尾原:要はユーザーから喜んでボッタクれる仕組みを。定価で1,500円のものをサイン本でちょっと高く売って、でもそれで本屋さん儲けられるし、みたいなことだし。そこは考え続けて、まだないんですよねぇ。というかそれのアイデアあったら。言い方悪いけど、西野さん的には屈辱だと思うんですね。「尾原、また新しい本のときにYouTubeで対談かよ」って。

西野:ぜんぜん、ぜんぜん。

尾原:「なんかおもしろいのないんか」って思わへんかな? ってめっちゃ苦しくて。いろんな思いはあるんですけど、広げるのはけんすうの役割で、僕の役割と違うんで(笑)。

西野:(笑)。

尾原:なかなかアイデア出てこなくてね。

西野:なるほど。

尾原:この動画を見てる人でアイデアを思いついた人がいたら、僕が「こういうことですね!」って整理してセルみたいに吸い取って、西野さんだったり、けんすうもね、いつ出るのかわかれへんけど『物語思考』って本出すはずやし。そこに配れるとええな、って思うんですけどね。

西野:むちゃくちゃおもろいですね。サロンの中に宣伝チームみたいなの作ったらどうですか。で、そこにもう印税100パーセント渡す、みたいな。

尾原:あぁ、でもやってみようかな、確かに。

西野:そうすると宣伝チームもがんばるじゃないですか。がんばって、売上で寿司食おうぜ、とかなるじゃないですか。

尾原:確かにそうですね、ちょっとやってみますよ、とりあえず。

西野:それいいですよね。僕『えんとつ町のプペル』の映画のカバー曲企画みたいなのをしたときって、まさにその発想で。カバー曲どんどんやってください。で、いいのできたら西野がシェアします。

尾原:そうですよね、西野さんがシェアするから広がる。

西野:で、シェアしたらYouTubeの再生が回って、広告費はその人に落ちるっていう。

尾原:そうそう。

西野:株を持たせて。

尾原:そうですね、だから最後やっぱり意味がある存在になれて、数字が持てると、そうやって株を回せるみたいな。そこまでうまく設計したいと思うんでね。ちょっとやります。っていうか、結局「20分あるよ」って言ってもう35分しゃべってますけど(笑)。本当にありがとうございます、いつもいつも(笑)。

西野:とんでもないです。

尾原:いつもヒント満載で、ありがとうございます。

西野:ありがとうございました。

尾原:このセルで吸い取ったものグルグル回したいと思いますんで。

西野:(笑)。

尾原:どうもありがとうございました(笑)。

西野:はーい、どうもありがとうございました。どうもです。

尾原:どうもです、失礼します。

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