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会社の価値観を、オンラインでも伝えたい。“マネーフォワードの日常”を感じるインナーコミュニケーション。(全2記事)

経営陣同士のディスカッション配信に、社員の半数近くが参加 マネーフォワードの社内コミュニケーション施策の裏側

新型コロナウイルスの蔓延により、働き方に急激な変化が必要とされる、昨今。首都圏を中心にテレワークを導入する企業が増えてきました。顔が見えない中で、マネジメントや人事評価、社内コミュニケーションをどう取ってくかなどについては、まだ事例が少なく、なにが正解と言えるのか難しいところです。そこでこちらのイベントでは、テレワークを含めた先進的な働き方を実践してきた講師の方が「テレワーク中の社内コミュニケーション」について話します。本パートでは株式会社マネーフォワードの金井氏・大崎氏が語っています。

盛り上がる社内配信

金井恵子氏(以下、金井):次「オープンドア」というもので、これ、経営陣同士の素の会話を通じて、会社のメッセージを感じてもらうというのをやっていて。必ず代表の辻に出てもらって、もう1人経営陣に出てもらう感じで、私がMCで入らせてもらっているんですけど。

マネーフォワードって700人くらいの人数なんですけれども、なかなか辻と直接会話をする機会って減っている。みんな萎縮しがちなので、みんなが質問しやすい空気をいかに作るかみたいなのがポイントかなと思っています。

例えば一昨日、丁度やったんですけど。経営陣同士が「戦略ってどうやって立てるの?」とか「経営者ってどういう視点で世の中を見ているの?」みたいなテーマでディスカッションして、すごい盛り上がっていました。

大崎淳氏(以下、大崎):今、質問が「1回の配信、何分くらいなんですか?」と来ているんですけど。ランチ配信もオープンドアも、基本的に1時間をベースにやってはいるんですけど。オープンドアに関してはすごく質問がたくさん来て。

金井:盛り上がって。

大崎:盛り上がりましたね。1時間半くらい。

金井:1時間半くらいやりましたね。これは300名以上のメンバーが見ていました。

大崎:そうですね。経営陣とか、社長にいろいろと喋ってもらう機会というのは、もともともやってはいたんですけど。オンラインによって、物理的に目の前にいないから、気軽に参加しやすいというのがすごくいいかたちで働いて、質問がたくさん出て盛り上がったのかなというのはあります。

金井:はい。あと、運営体制はスピーカーが辻で、経営陣をもう1人呼ぶ。企画運営が4名で、この内訳はMCが1人、配信のホストが1人、あとは、チャットを盛り上げるガヤ要員みたいなのを必ず、大崎君とかなんですけど配置するようにしています。それで会全体が盛り上がるように、仕込んでいるという感じですね(笑)。

頻度として、これは月1回やっていて、使用ツールはZoomウェビナーです。「個別の課題の施策」を大崎君の方から話してください

大崎:もともとオフラインでやっていたものが、オフラインでできなくなった。それをどうにかしてオンラインで補えないかというところで、いろんな施策を打っています。

例えばこの「シャッフルランチ」も、これはオフラインで定期的にやっていたんですけれども。例えば3月から5月に入社した方って、同期とも会っていないし、他の社員とも会う機会がないから、そういう部署を超えた交流をしてもらうために、人事がやっています。

特に、最近入社された人。会社には入ったんだけど、それこそ700人社員いるのに顔を合わせたの、何人いるんだっけ?みたいなことになるので、なるべくそういったメンバーに声をかけて、こういったシャッフルランチとかシャッフルディナー、オンライン飲み会みたいなこともやっていますね。

朝、昼、夜、それぞれの時間帯にいろんなコンテンツを用意しています。運動不足解消も大事だよねということで、ラジオ体操を、ご家族のいるお子さんと一緒にやったりとか。

社内にヨガのインストラクターの資格を持っているメンバーがいるので、ヨガをやってもらったり、外部のトレーナーの方にZoomでオンラインのレッスンをやってもらったり、これもだいたいそれぞれ週に1回やっていたりしますね。

どうしても、参加できる時間帯がみなさんの家庭の事情にすごく左右されるので、全員一気に参加してもらうのはもう諦めてはいて。どこかで参加しやすいように、いくつかの選択肢を用意しています。

今、質問にも来ていたんですけれども「参加するメンバーが固定されてくると、何で参加していないのかな。時間帯なのかな、コンテンツなのかな」と考えて、時間帯を変えてみたりとか、コンテンツの種類を増やして、参加しやすい間口を広げるようなことを、心がけています。もし、補足があればまた言ってください。

あとは、Slack上で「テレワークのナレッジシェア」。

社内報が「マネ報」なんですけど、これは「リモ報」というチャンネルを作っていて。毎日、例えば「みなさん、椅子とかどうしていますか?」みたいなテーマが朝流れて、みんながナレッジを流していくみたいなところがあって。けっこうちょっとした困りごとをみんな相談し合っていますよね。このSlackで。

金井:そうですね。これけっこうアクティブなチャンネルになっていますよね。

大崎:「誕生日のお祝いした」とか「お取り寄せグルメ、これがいいですよ」みたいな話とか。そういったものが、どんどんやりとりされていって。これはテーマ設定だけ毎日担当のメンバーが投げてくれていて、あとは自由にみんなが勝手にコメントするみたいな感じですね。

金井:楽しいコンテンツでした。

大崎:ここはいろんなテーマがあるので、雑談がしやすい。そういうフックになるものをこちらが準備しておくということだけは意識していたという感じですかね。というところですかね。

オンラインでの“お祝いごと”に一体感を出すには?

金井:先月の5月18日がマネーフォワードの創立記念日だったんですけど、8周年のお祝いというのをやって。いつもはみんなで集まってケーキ食べて集合写真を撮る、みたいなお祝いをしているんですけれども。

今回オンラインでやるということで、一体感ってどうやって出そうか? というのをインナーコミュニケーションチームで相談しまして。社内公募でアイデアをもらって、お揃いの記念背景を、私が(いま画面に)設定しているのが丁度そうなんですけど、これを作って配布してみんなに設定してもらう。

人事が辻の自宅にケーキを配送してくれていて、バースデーソングをみんなで歌うみたいなことをやったんですけど。みんなで1つのことをやるというのは、最初恥ずかしいという意見があったんですけど、意外とよかったという声をもらいました。

いろいろやってみて感じることとして、動画の配信のメリットはすごくあるなと思っていて。今まで私たち、インナーコミュニケーションとして動画の配信とか音声の配信とかってぜんぜんやってなかったんですけど。

これを機にトライしてみて、マネーフォワードって全国に開発拠点とか営業拠点とかがあるんですけど。リアルだとなかなか参加しづらい拠点のメンバーが参加しやすくなって、参加のハードルがすごく下がったなと感じています。参加率も上がっているなという感じがしています。

あとは、どうしてもテキストよりも温度感とか雰囲気とかがすごく伝わりやすくなるので。ベトナムに開発拠点があるんですけど、ベトナムのメンバーが「今までの施策の中で、一番マネーフォワードの雰囲気を感じることができた」と言ってくれたりして、これはやってよかったなと思っています。

「社員目線」では、やはり今って、ちょっと孤独を感じている人もいるので。楽しいものとか気軽なものというのが、すごく受け入れられやすいんだなという風に感じています。

とくに、一人暮らしメンバーがわりと参加してくれていて「心細さが和らぐ」みたいなことを言ってくれたりしていますね。さっきの社内報のエモいコンテンツにも通じるんですけど、マネーフォワードの使命感みたいなのを感じるコンテンツというのも、けっこう反響が高いなと思っています。

大崎:そして「運営目線」。オンライン配信って、ZoomのURLさえ発行して、チャットでそのリンクを送ればもう始められちゃう。場所を押さえてとかというのは必要がないので、気軽に始められて試しやすいし。

あと、メンバーもオンラインのイベントをすごく受け入れやすい時期でもあるので、もしそういう施策をなにかやってみるなら、今が始め時じゃないかなと思っています。

例えば、こういうコンテンツをアーカイブするでもいいし、アーカイブしたものを文字起こしして記事にすると、そういった派生もできるので。なにかやってみたいというのがあれば、まずオンラインでやってみるのは、すごくやりやすいと思っていますね。 

今後、トライしたいこと

金井:ありがとうございます。「今後、トライしたいこと」みたいなのを考えたんですけど。今後、オフラインで集まるみたいなことって、とても贅沢な機会になってくるのかなという気がしていて。そこで集まれたときに何をするのかというのを、考えながらやっていきたいなと思っています。

オフィスの在り方とかもたぶんそうなんですけど、今まで働きに行く場所だったものが、コラボレーションする場所だったりとか、会社と自分の繋がりを感じる場所みたいな風に変わっていくのかなと思っていて。これはみんなで考えていきたいテーマだなと思っています。

あとは、何のために働いているのか考える機会が増えてくるのかなと思っているので。自分たちの使命をしっかり伝えることと、それを受け取れる会社と社員の信頼関係の土台みたいなことが、今まで以上にしっかりちゃんと作っていかなきゃいけないのかなと思っています。

「伝え方」のところ、大崎君、どうぞ。

大崎:これはさっきの状況に応じてというところでいくと、昼とか夜とかだけじゃなくて、朝も準備していったりとか。あと、今、オンラインでやっているんですけど、敢えて社内報、テキストも使うとか、いろんなバリエーションが出せると思うので。そこを取捨選択していくというところは大事かなと思います。

あとは、相手に何をどう伝えるのか、みたいなところを設計できていると、より伝わるのかなと思うので。そこはすごく大事に丁寧にやっているというような感じですね。

金井:そうですね。取り組みについては「マネーフォワード公式note」にも載せているので、よかったら見ていただけるとうれしいなと思います。という感じで、ありがとうございました。

大崎:ありがとうございました。

社内で「偶発的なコミュニケーション」を生むには?

司会者:はい。金井さん、大崎さん、ありがとうございました。それでは、質疑応答に入らせていただきたいと思います。

「お話の中にもあったんですけれども、会社の中で偶発的なコミュニケーションを作っていく方法として、アドバイスなどがあれば教えてください」とのことでした。お二人、お願い致します。

金井:やはり、気軽な参加コンテンツ、さっきのラジオ体操とかまさにそうなんですけど。家族と一緒に参加したりとかすると、ランダムな参加者同士のコミュニケーションみたいなのが、すごく生まれやすいのかなと思っています。あと、配信を行う時の盛り上げるガヤ役というのを、私、すごい重要だと思っていて。

(一同笑)

金井:配信する時、必ずチャットに1人担当を置くんですね。それで社員をすごく巻き込んでもらう。そこから社員同士が活発にコミュニケーションをしてくれるという流れになるので、これ、お勧めです。

司会者:ありがとうございます。大崎さん。

大崎:さっきのスライドでも言ったんですけど、そもそも「どんな偶発的なコミュニケーションが起きるといいんだっけ?」みたいなところを実は考えていたりしていて。あくまで施策って、コミュニケーションのきっかけになるかなと思うので。

そういったことを考えた時に、きっかけになりやすいコンテンツ。例えば、万人に当てはまるようなお昼ご飯とか、みんなが知っている人、役員であったりとかモノみたいなものを取り上げるとか、そういったところは工夫していますね。

コロナ前後でのコミュニケーションの変化

司会者:なるほど。ありがとうございます。それではもう1つあるんですけれども「コミュニケーションの取り方で、コロナの前と後、変えたこと、変えていないことを教えていただきたいです」という質問をいただいております。

金井:「変えていないこと」としては、やはりミッション、ビジョン、バリュー、カルチャーを起点にしたメッセージを伝えるという、軸の部分はまったく変わっていないんですけど。

より存在意義というのが問われるので、くり返し言っているんですけど。自分たちの使命、みんなに帰属意識を感じてもらえるようにはどうしたらいいかみたいなのは、今までよりすごく考えるようになりました。

「変えたこと」は、配信のハードルが下がったことです。届け方の選択肢が、今までだったら記事だったりとかリアルで何かを伝えるとかだったんですけど、いろんな選択肢ができたので、本当にコンテンツに応じて何でどう伝えるのがいいのかな、みたいなことを選ぶというのが変わったところですかね。

司会者:なるほど。大崎さんからは何か補足はありますか?

大崎:変えていないことは金井が言ったとおりで、メッセージのコアになる部分というのは変わっていないんですけど。「変えた」というか「変わった」ところでいくと、僕たちだけじゃなくていろんな現場のメンバーが、コメントやパネリストに昇格されていきなり出てきたりとか、画面にいきなりお子さんが出てくるとか。

司会者:(笑)。

大崎:参加型がより進んでいったというのは、「変えた」というより「変わった」ということなのかなと思います。

司会者:なるほど、確かにそうですね。家族とか拝見する機会が増えましたね。ありがとうございます。また「会社との繋がりを感じるために、コラボレーションを促進するためのオフィスの機能ってどういうものがありますかねというところと、付随して、今後残るであろう、オンラインならではの価値って何だと思われますか?」というご質問をいただいております。

金井:(笑)。

大崎:難しいですね。これ、あれじゃないですか。オフィスのデザインとかやっている、金井から答えてもらうのがいいんじゃないですか?

金井:コラボレーションを促進するための機能というよりは、やはりオフィスを作る時に、すごく文化の軸となるようなコンセプトをちゃんと作るというのを考えていて。

拠点のデザインを作るときもそうなんですけど、拠点メンバーが大切にしている価値観とか、この場所で何を成し遂げたいのかみたいな、そういうことをベースにコンセプトを作って、そういうオフィスを作っていくというステップを踏むんですけれども。

会社に行くと、そういう「自分たちが大切にしているものってなんだっけ?」という原点に帰れるような場所であったらいいなと思っていて。

それはやはり、行くと「マネーフォワードらしいな」という感じをみんな感じてくれているんじゃないかなというふうには思っています。コラボレーションじゃないか。使命感みたいなところかもしれないですね(笑)。

コラボレーションはなんだろうな。「自由なエリアが多い」とかですかね。

大崎:ああ。

金井:偶発的にコミュニケーションが生まれるような場所を、意図的にけっこう作っているというのはあるかもしれないです。

司会者:なるほど。

金井:ただ、これ、引き続き考えさせていただきます(笑)。がんばって。

司会者:(笑)。わかりました。

金井:オフラインならではの価値も頑張って考えて、Twitterとかで発信できたらいいなと思いますので、よかったらフォローしてください(笑)。

司会者:とのことですので、ぜひみなさん、SNSのフォローもよろしくお願いいたします。

お時間の関係で、回答しきれなかったものに関しては、後日「CBPlus」の方でお答えさせていただきたいと思っておりますので、みなさんチェックお願いします。それでは、改めまして金井さん、大崎さん、ありがとうございました。

大崎:ありがとうございました。

金井:ありがとうございます。

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