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withコロナ時代でどう変わる? 女性ビジネスパーソンに聞く!企業経営とマーケティング、そして個のキャリア(全2記事)

「最悪なのは、40代になって将来を不安に思うこと」 スマートラウンドCOO・冨田阿里氏らが語る、女性のキャリアプラン

新型コロナウイルスの蔓延により、働き方の変革が叫ばれる、昨今。これまで漠然と考えていたキャリアプランを、今一度、見直してみる時期かもしれません。そこで本イベントでは、3名の女性ビジネスパーソンが「withコロナでのキャリアと働き方をどう考える?」を語りました。本パートでは、スタートアップのCOO冨田氏、複数のキャリアチェンジを行ってきた諸町氏がこれまでのキャリアを話します。

女性ビジネスパーソンのキャリアと働き方

武井梨名氏(以下、武井):「withコロナでのキャリアと働き方をどう考える?」について、LiBの武井がモデレーターをさせていただきます。

1部では、コロナ化の企業経営やマーケティングに関するお話を展開してきましたが、2部からは登壇者個人のキャリアについて、お話をお聞きできればなと思っております。

まず、私の簡単な自己紹介をさせてください。株式会社LiBに創業から入社しまして、PR・営業などを経て、今はPrismyという、ベータ版で出している新規サービスのプロデューサーをやっています。立ち上げの経緯は、当社は女性向けの転職サービスを長く運営していますが、その中で、多くのユーザーから「転職の前にどんな人生を歩みたいかが判断できない」「軸が不明瞭だから動けない」といった声をたくさん聞いてきました。

しょうがないと思うんです。やはり、結婚だったり、出産だったり、育児のような、ライフイベントの話もそうですし。お金のこと、仕事のこと、あとは趣味とか学びとか。女性って興味範囲も広いので、優先順位付けのプロセスが複雑化しちゃうんですね。

そんな背景から、仕事という1面で選択肢の実現をサポートするのではなくて、その1つ前にある人生の選択肢の発見というところを、しっかりとサポートしていくことが必要ではないかと、そういう結論に至りました。

さらに今は、非常に不確実で変化が多い時代です。そんな時代だからこそ、自分の価値観をちゃんと理解して、見えづらい強みや魅力に気づいてもらいたい。

それを一部の人だけ、方法論を知っている人だけじゃなくて、多くの人が気軽に実践できるかたちで実現したいなと思い、スマートフォンで気軽に利用できる形式で立ち上げたサービスがPrismyです。

Prismyでは、多種多様な診断が受けられて、自分のことをどんどん知ることができます。それが「カルテ」という形式で、自分を360度スキャンするようなイメージで、1つのものに蓄積されていきます。

コーチやアドバイザーなど、プロに相談できたり、サポート機能も付いています。

(スライドを指して)ここにちょっと出ていたんですけれども、Prismyの中に、「ライフキャリア年表」という機能があります。その人のストーリーを蓄積できる機能なんですが、それを実際にパネラーのお三方に作っていただいて、そちらを見ながら深堀りをしていきたいと思います。

スタートアップのCOOって何をするのか?

まず1テーマ目なんですけれども、これまでのキャリアについてお聞きしていきます。まずは、冨田さんからお聞きしていきます。

冨田さんは、株式会社インテリジェンス、今のパーソルキャリアさんに新卒で入社されて。その時にベンチャーとか中小企業みたいな「これからがんばる」フェーズの企業の採用支援に携わられました。

そこから、外資の大手のセールスフォース・ドットコムに入社されて、はじめはインサイドセールスとして勤務されたあと、スタートアップ戦略部を立ち上げてスタートアップをあらゆるソリューションで支援をしていくという仕事をされて。

そのあとに2019年の夏ですね。スマートラウンドさんに執行役員COOとして入社して、今、奮闘されていますというところです。

私も採用の仕事をしておきながらなんですけれども、ちょっと聞いてみたいなと思っていたのが。一体、スタートアップのCOOって何をするのか? というところ。イメージわかないの方も多いのではないでしょうか。今、実際にどういう仕事を、どんなやりがいを持ってされているんですか?

冨田阿里氏(以下、冨田):はい。具体的な業務としては、本当に何でも屋さんです。もちろん採用もします。例えば、Wantedlyで応募してきてくれた方の書類選考というか、メッセージを全部読みますし、それに返信も日程調整もも面接もやります。

そうではなくて、マーケティングに当たる、自社のイベントやウェビナーをやっていて、企画から当日の運営まで全部やりますし、何ならそのウェビナーの中身も自分が喋っています(笑)。

武井:(笑)。

冨田:他にも、自社プロダクトを作っているので、開発会議だったり、あとは営業とユーザーサポートもやっていて、スマートラウンドに問い合わせが来ると、その問い合わせへの返信もしていますし、その内容によってはエンジニアチームに共有はして、プロダクト改善することもやっていますね。何でもやっているという感じです。

武井:1人CS、1人セールス。

冨田:そうですね。よく言われるようなマーケティング、インサイドセールス、セールス、カスタマーサクセスを一通りやっています。関わる人たちがいろんな人がいるので、社外とのコミュニケーション全般ですね。

あとは、広報、PRもやっていて。プレスリリースを書いたり、いろんなメディアに取り上げていただくために、今もいくつかWebメディアの会社に「共同でイベントをやらないか」と、企画を持ち込むところからやっています。

武井:なるほどちなみにCOOの仕事って、各社で役割が違うんですか?

冨田:違いますね。ただ、どこも共通しているのは、CEOがいてのCOOですので、CEOがやらなくても大丈夫な仕事をやっています、という会社がほとんどかなと思います。

武井:CEOの得意領域とは逆の、背中になれるようなことをやられるという感じなんですね。

冨田:CEOが採用するというか、COOのポジションを与える時に、自分が任せたい仕事や、。自分よりこの人の方が得意そうだという人を、COOにするケースが多いんじゃないかなと思います。

例えば、CEOがもともとエンジニアで、プロダクトを作るのが得意という場合は、COOには経営やファイナンスが得意な人を持ってきたりとか。私たちでいうと、うちのCEOの砂川は、もともとハーバードに行って、そのあとアメリカのベンチャーキャピタルで投資をしていたので、ファイナンスはめちゃくちゃ詳しいと。なので、私がそうじゃないところを全般やるという感じですね。

なぜCOOというキャリアを選んだか

武井:なるほど。ちなみに、COOとか役員のキャリアって、もともと思い描いていたものなんですか?例えば3年前とか、5年前とか、当時のキャリアの延長線にあったんですか?

冨田:まったくないですね(笑)。

武井:けっこういきなり。

冨田:そうですね。前職を辞めるつもりもなくて「外資系IT企業のサラリーマン最高」と思っていました。給料も高いし、働き方も柔軟、同僚も上司も働く仲間も本当に最高だし。そもそも会社のプロダクトもカルチャーも何も不満がなくて、まだまだセールスフォースの中でやりたいことがあって。

自分がやりたいということを会社に提案させていただき、部署を立ち上げ、部署がチームになって、さらには2年連続で社長賞と、実績もちゃんと認められて社長賞の旅行から帰ってきたタイミングでした。

武井:へえ。今、視聴者の方からも質問が来ているんですけど「では、何でその大手企業から今の仕事に変わったんですか?」と。その決め手を教えてほしいです。

冨田:まだプロダクトが世に出てない、会社がこれからどうなるかわからないフェーズの会社で声かけてもらったことです。もちろん事業内容にも、ビジョンにもとても共感しました。他の外資系企業や、もうみんなが知っているようなスタートアップから、年収1千万円超えのいろんなオファーレターがあったんですけど。

そういった会社に行くなら、むしろセールスフォースで、このまま会社と一緒に成長していく方がおもしろいんじゃないかなと思っていました。保証されているところに行っても面白くないなと。

一方で、スマートラウンドはプロダクトもできてなくて「本当にプロダクトが世に出るのかな」とか「世に出たところで誰か使ってくれるのかな、わかんない」みたいな状況だったので。わかんないんだったら、ちょっとやってみたいという好奇心が一番ありましたね。

私みたいな1回もスタートアップで働いたことがない人に、自分がもともと知っている社長で、尊敬する人が声かけてくれるというのが、びっくりしたしうれしかったです

武井:なるほど。不確実性とかってリスクに思う人もいると思うんですけど、逆に不確実な状況で、まさに荒波に飛び込んでいくみたいな。

冨田:(笑)。

武井:そういうの、好きなんですね。

冨田:わかるところにいて安定するのは、もうちょっと年を取ってからでいいかなと思っていて。自分が1番最悪なケースとしては、40代、50代、60代になってから、今までやってきたことが自分の力だと思えないとか、自分に自信がないとか。将来が不安だってなりたくないんですよね。

武井:はい。

冨田:そのためには、自分が今、経験していることが「これは自分の力とか、自分がやったことが結果に繋がったな」と思う経験を、あと2~30年積まなきゃいけないなと思っていて。 

武井:はい。

冨田:そのためには不確実性のあることをどんどんやっていかなきゃいけないと思って、部署を立ち上げたり、いろいろ挑戦していると。1社目で新規事業やって全部失敗していますし(笑)。

武井:(笑)。その経験があったからこそ、今があるという。こういう変化の多い時代だからこそ、カオスに飛び込み生き残っていく、力を付けていくという。そういうキャリアなのかなと、お聞きしていて思いました。

複数回のキャリアチェンジ

武井:次、諸町さんのところに行かせていただきますね。諸町さんはけっこう昔から知っているんですけど(笑)。

諸町実希氏(以下、諸町):はい。

武井:改めてよろしくお願いします。

諸町:お願いします。

武井:諸町さんは、いろんな職種を経験されているなという印象があって。最初はWebデザイナーをやられて、その後にデジタルマーケティングをクライアントワークとしてやられたあとに横浜にあるスタートアップに行かれて、ここで初めてPRの担当になられるんですよね。

今は、マーケティング、及びブランディング、またプロジェクト推進とどうやってご自身の今のキャリアを掴み取ってきたのか。そういったところをお伺いできればなと思います。

諸町:はい。気づいたらこんなキャリアになっていたという感じなんですけれども。はじめに入ったところでは、大学でグラフィックデザインを専攻していて。自分は昔から「物を何か作る、表現する」ということが好きで。ちょうど就職活動を考える頃、おもしろいインターネットのコンテンツがいろいろ出てきたタイミングで、自分もWebの仕事に携わりたいなというところで、新卒で活動していたんですけれども。

あまり大きい会社で働くこと、自分が何をするのかわからないところに飛び込むというのにとても苦手意識があって「絶対に自分はこの仕事するんだ」というところに、とくに新卒のときはこだわっていて。ベンチャーで、自分の関心ある現場に入れるところ。そんな就職活動をしていました。

その時は、Webデザイナーになりたいなという志を持って、まずは制作のアシスタントでディレクター的な動き方をしていたんですけれども。全体のキャリアでも同じなんですが、やりながら自分で「これはどういうことなんだろう?」とか。

その時で言うと、作ることも好きだったんですが「何で作んなきゃいけないんだろう?」とか「もっといい作り方ってあるんじゃないか」。もっともっと考えていくと、そもそも課題は何か、そこから考えたい。そうなるともっと広く打ち手を考えられるようになりたい。

じゃあ、ここじゃなくて違うところで。もちろんその会社でできることというのは試した上で、第二新卒でけっこう早かったタイミングだったんですけれども。悩んだ挙げ句に転職をしようということで、2社目に移りました。

自分がやりきれると思って挑戦したいタイプなので、そこでは「28才まではいよう」と入ったタイミングで決めて。そこを厳守しなきゃいけないとは思ってなかったんですけど、ある程度はお尻を決めて。そこまではとにかくがんばって一人前というか、人並みに仕事ができるようになろうということでやっていた矢先に、クライアントに提案しながらも、果たしてクライアント側に行った時に「提案していることがしっかり使えるものなんだろうか?」だったりですとか。

いろんなお客様とお仕事させていただく中で、事業を運営していくというところの、また違う視点での仕事の仕方というところに大変興味があって。今度はそちら側に行きたいし、どうせ行くんだったら20代のうちに、何も失うものはないという気持ちだったので。「スタートアップに入るのに、どんどんもしかしたら腰が重くなっちゃうかも」と思ったので「今だ」ということで飛び込みました。

PRとか新しいことをどんどん手探りでやっていた時に、その頃、本当に自分が何をしたいのかをいつも考えていて。ちょうどたまたま出会った方に「君の願望は何なの?」と問われるタイミングがあって。

とっさに「何になりたいの?」というと「こんなマーケターになりたい」とか「こういう人になりたい」とかすぐ出てくるんですけど。問いの仕方がおもしろくて「願望」と言われると、とっさに「美しいものを見たい」と、ずっと思っていたことがポロッと口から出て。そこからは「自分の美しいってなんだろう?」「美しいものを見るだけでいいんだっけ?」とか深堀りをするようになり、自分の想いに気づいてきました。

3社目で新規事業を最後ローンチするところに携わって。製造業向けの調達購買のプラットフォームだったんですけれども。刺激的でおもしろかったんですが、初めてスタートアップで「0、1」の仕事を作る瞬間を見た時に「サービスって作れるんだ。じゃぁ自分は何のサービスを作りたいんだろう?」と、また自分に問うた時に「私は美しい瞬間を作って共有するような、自分のテーマのサービスを作りたいな」というところで、自身が「何がやりたいか」とかというのをもう1回考え直しまして。

ちょうど30歳を迎えるタイミングだったので、改めてけっこう仕事が楽しくて時間を使うタイプだったので。どうせこんなに時間を使うんだったら、自分の好きなことで30代以降の時間を使っていきたいなと思うことで、ちょうどその時出会ったのがオルビスで今に至っているというところです。

チャンスに出会う秘訣

武井:どうやって色々なチャンスに出会うんですか。自分に合った機会を引き寄せていますよね。

諸町:(笑)。そうですね。ひたすらいろんな人にあってお話聞いたりですとか、自分が気になった方についてすごい調べたり、それを知ってそうな人がいるところに行ったり、自分の思っていることをとにかくノートに書いたり、人に話したり。そういうことはひたすらに、いつもしていると思います。

武井:うーん。口に出したりとか、行動したり。外に出ているんですね。チャンスが来そうなところに。

諸町:そうですね。いい例だと、今携わらせてもらっている「2029のプロジェクト」というのも、新しいサービスを作っていくようなことも考えているんですが。それもオルビスの最終面接の時に、マーケティング戦略の部署での応募だったんですが、あまり気にせず「サービス作りたいです」みたいなことを言って。

とくにそれに対する募集じゃないんですけど「え?」という感じもなくて、それを面白いねって受け入れてもらった会社というのもあり。

入社しても事あるごとにというか「機会があればそういうことやってみたい」とずっと話していたら、プロジェクトに入っていま行っていることは、意外と思い返せば繋がっているんだなというのは思っています。

武井:へえ、おもしろい。(スライドを指して)このリブランディングのプロジェクトって、具体的にはどういう変遷で立ち上がりどのような動き方をしているんですか?

諸町:そうですね。まずは2018年の10月から、先ほどお話したようにオルビスのブランドメッセージを変え、リブランディングを進めています。リブランディングでコアバリューである「スマートエイジング」というのがしっかりと見えているので、それをより足元から創っていくのも必要なんですけれども。もっともっと飛ばした先にどういう価値が提供できるんだろうという。

ビューティーブランドとして「ビューティーというものを、スマートエイジングというものをオルビスはどう解釈して『ここちを美しく』をどうお客様に提供していくのか」というのを、今あることを前提にというより、ありたい姿から考えているような取り組みをしています。

武井:プロジェクトチームは部署横断で動いているんですか?。

諸町:そうですね。プロジェクトチームが今、主に4名くらいでやっているんですけれども。部門横断メンバーで少数精鋭なんですけれども、それぞれの持ち場を活かしてやっています。

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