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第4部 分科会「企業による地域・都市の再生~新しい地方創生のカタチ~」(全3記事)

なぜ天王洲に私費100億を投入したのか? 寺田倉庫CEO、儲け度外視の「アートの島」への想い

経営に関する「ヒト」・「カネ」・「チエ」の生態系を創り、社会の創造と変革を行う株式会社グロービス。グロービスが主催する「あすか会議2019」では、テクノロジーや宇宙、地政学、ダイバーシティなどのさまざまな分野の有識者らが集い、日本の未来のあるべき姿と、その実現にむけて一人ひとりがどう行動していくべきかをとことん考えます。本パートでは「企業による地域・都市の再生」をテーマに、起業家・経営者が地域課題を解決する取り組みについて意見を交わしました。本記事では、各プレゼンターの自己紹介と、実際の取り組みに関するトーク内容をお届けします。

企業による地方・都市創生をテーマに、パネリスト4名が登壇

仲川げん氏(以下、仲川):はい。地方創生のパネルですが、今日は「企業による地域・都市の再生」というテーマをいただいております。登壇されている方の活動や取り組み、また事業内容などについては、ご存じの方も多いと思います。ですが、もしかすると地方創生とのつながりとしては、あまりイメージがない方もおられるかと思います。

まず最初に、パネリストのみなさんが、いわゆる地方創生という分野とどのようなつながりをお持ちなのかうかがってから、議論を深めていければと思っております。

今日は1時間という限られた時間ですので、議論を絞り込んでいかないとなかなかまとまらないと思うのですが、会場のみなさんからの議論への突っ込みも含めて、深めていければと思っております。それでは、まず順番で恐縮ですが、石川さんからお話しいただければ幸いです。

岡山で起業、根強い女性人気を誇るアパレル会社創業者・石川氏

石川康晴氏(以下、石川):はい。すごくみんな、勉強熱心な感じでうれしいですよね。

(会場笑)

石川:誰一人下を向いていないし、目力がすごくて怖いぐらい(笑)。本当にすごいですね、(仲川)市長。

仲川:(真顔で会場を見ながら)はい。

(会場笑)

仲川:私に来るとは思いませんでしたが。目がいっぱいで。

石川:僕たちはアパレル会社をやっています。ストライプインターナショナルという会社で、「earth music&ecology(アースミュージックアンドエコロジー)」というCMなどもやっている会社なんですが、創業が25年前なので、もう四半世紀も社長をやっています。23歳のときに起業しました。

岡山が創業の地なので、岡山に恩返しをしようということで、個人的にも100億円ぐらい岡山に入れてホテルを作ったり、醤油の蔵を買って、そこでギャラリーをやったりしています。また、海外からカフェを引っ張ってきたり、美術館を作るための土地を買ったり、さまざまなことをしていますが。

会社もある程度スケールして安定してきて、創業者ですからキャッシュインも入ってきたので、「お世話になった地域を応援したい」と思ったことからはじめました。たぶんみなさんも生まれた場所であるとか、起業で成功した場所であるとか、会社の縁ができた場所で、なにかそうした一社一村運動的なことをするとよいのではないかと思っています。

僕たちは岡山に集中して、さまざまな地域創生の活動をしております。ありがとうございます。

石垣島で作ったミドリムシを元に、横浜でジェット燃料を生産 ユーグレナCEO出雲氏

仲川:はい。ありがとうございます。まだまだお話うかがっていきたいところですが、とりあえずは、サラッと。お隣の出雲さんもお願いできますでしょうか。

出雲充氏(以下、出雲):(株式会社)ユーグレナの出雲です。ミドリムシを作って売る仕事をしています。ミドリムシを作る場所が(沖縄県)石垣島なんです。とにかく石垣島のご縁をいただいたので、日本中、もっと申し上げれば世界中から、「石垣島に行ったことがないけれども、行ってみたい」と、そう思ってもらえる島にしていこうと思っています。

もう一つ、ミドリムシを作った後、(ミドリムシから)ジェット燃料を作る仕事をしているのですが、工場が横浜にあります。横浜は、日本で29ヶ所ある「SDGs未来都市」にも指定されております(注:2018年当時)。SDGsというのは17の目標があるのですが、この目標を達成していると、都市で暮らす市民はこんなに楽しいんだと(感じる)。日本で一番初めに、横浜から日本に、そして世界に発信していくということを、石垣島でもやっていこうと思ってます。

仲川:はい。ありがとうございます。石垣島を選ばれた理由というのは、やっぱり地方創生のような切り口もあったからですか?

出雲:地方創生の切り口は、ありません! 日当たりがいいからですね。

(会場笑)

出雲:日当たりの切り口で選びました。

仲川:ありがとうございます。今日のパネルに最適。

(会場笑)

仲川:ぜひ、石垣よりも日当たりのいい町があれば、積極的に後で情報交換をいただければと思います。

(会場笑)

実家は広島の造船所 瀬戸内クルーズ船「guntû(ガンツウ)」を運営する末松氏

仲川:はい。それでは、末松さん。

末松弥奈子氏(以下、末松):はい。(株式会社)ジャパンタイムズの末松です。私は高校を卒業するまで、広島県東部の備後というエリアですね。福山市や尾道市といった、あの辺で育ちました。田舎が嫌で嫌でしょうがなくて、大学で東京へ出まして、戻らないために起業をして、東京で小さなネット系の会社をやっていたんですが。

ひょんなご縁がありまして、昨年の年末まで5年ほど家業のお手伝いをしていました。家業は、曾祖父が創ったもので、4代目で造船所をやっていたんですね。海運・造船をやっていたんですが、最近ではホテル・リゾート業をやったり、客船をやったりしています。

そこを5年ほど手伝った後で、瀬戸内をクルーズしている「guntû(ガンツウ)」という客室船をはじめました。ジョージアのCMに出ていたので、もしかするとみなさんもご存じかもしれませんが。

石川:guntûとてもよかったですよ。この間乗りました。

末松:ありがとうございます。社員のみなさんを連れて、ですよね?

石川:社員のご褒美旅行で連れていったんですが。瀬戸内海に浮かぶホテル。めちゃくちゃいいですよ。もう、すぐ予約したほうが。

(会場笑)

石川:いいと思います。

末松:(笑)。19部屋しかない小さな船なんですが、自分のところの造船所で0から図面を起こして船を造り、オペレーションも自分たちでやるという、レガシーな自前主義のファミリービジネスもやっています。

日本最古の英字新聞「ジャパンタイムズ」経営と、全寮制小学校の創設も

末松:本業のほうが、2年前に「ジャパンタイムズ」という英字新聞の経営をやることになりまして、今年で123年の歴史がある、日本で一番古い英字新聞なんですね。

けれども、おそらくみなさんは、読まれたことはないのではないでしょうか。「ジャパンタイムズ」をとったことがある人がいらっしゃいましたら、手を挙げていただけますか。

(会場挙手)

さすがグロービス! ありがとうございます。うれしいな。ジャパンタイムズというのは本当に日本人には読まれないんですが、日本のことを英語で発信している、一番影響力のある媒体です。

その媒体をもっとうまく使いたいと思いまして。地方出身ということもありますから、地方・地域でがんばっている企業が、どんな地域貢献をしているか、あるいは自治体の取り組みなどを英語で発信する「Satoyama推進コンソーシアム」もやっています。

仲川:はい。あとは今、学校作りも、インターナショナルですかね。

末松:そうですね。地元に1つ残った仕事が、教育の仕事です。全寮制の小学校を作ろうと思っています。女性の社会進出にともない、やらなきゃいけないことがすごく増えていて。欧州では小学校ぐらいから全寮制の学校があるんですね。ですから、そうしたものを日本で立ち上げて、働く女性の選択肢にしていきたいという想いと。

私が田舎にいたときは、やっぱり男性と女性の(待遇に)違いがあったりしたのですが、そういったものを次世代に残さないためにも、教育のところに関わっていきたい。そういう想いで、今は学校作りもやっています。来年、開校の予定です。よろしければWebサイトなどで見てください。

仲川:はい。ありがとうございます。

(会場拍手)

東京・天王洲の再生を目指す「寺田倉庫」3代目CEO寺田航平氏

仲川:すでにホームページに企画の情報が載っているので、ご覧いただければと思います。それでは最後になりましたが、寺田倉庫の寺田さん、お願いします。

寺田:はい。寺田倉庫(株式会社)の寺田と申します。本来であれば、出雲さんが最後に座って、オチにもっていくという流れを4人で打ち合わせていたのですが、トイレに行っている隙に出雲さんが2番目に座っちゃいまして。

出雲:(笑)。

(会場笑)

寺田航平氏(以下、寺田):オチをつけなければいけないのかと思いながら、ここに座っている寺田でございます。そうは言いましても、私自身はどちらかというと地方の再生というよりは、都市の再生というようなことをやっている、そんな会社でございます。私自身も東京都に生まれ、そして天王洲という島をいかに盛り上げるか、さまざまな角度から動いている。そんな会社でございます。

ところが、私自身も3代目として会社に入って代表になったのは、実は先々週でございまして。

(会場笑)

寺田:実際には、どうして堀さん(グロービス経営大学院大学学長)は僕を選んだのだろうと思いながらいるわけです。私自身は、普通に大企業勤めをしたあとに、2000年に自分でベンチャーを立ち上げました。

最初は天王洲という場所に構えて、そこからどんどん拠点を展開していきながら、データセンターという仕事をしていたのですが、最終的にはJASDAQといって、東証1部にいきました。そのあとで、世界の最大手からTOB(株式公開買い付け)がかかりまして、会社を売却したあとに、結果的に家業に戻ってきたというきっかけでございました。

もちろんその間におきましては、さまざまな側面から家業のサポートもしてまいりました。もともと天王洲という島は、戦前はもう漁師の網小屋のような(場所だった)。さまざまな企業が入っていきながら倉庫街になって、それがバブルの時期にいわゆるオフィスビルの開発が一気に進んだような、そうした町でございます。

一方で、バブルの時期にどんどんビルが乱立していったので、本当の意味での根っこがないままオフィスビルの島になってしまった。最初に立ち上げたとき、本来は再開発のコンセプトは「アートの島にしよう」というものでした。もともと我々はそこで、築70年ぐらいの倉庫をまだ6棟ぐらい持っておりまして。

“アートの島”をコンセプトに再開発を進行

寺田:我々自身が「文創企業」というテーマで事業をやっているのですが、文創というのは台湾でよく使われる言葉でして、いわゆる古きものと新しいものをどう融合するかといったことです。そうした意味では、古い倉庫を生かして、そこにいかに付加価値を上げていくかというようなことを一生懸命にやっております。レストランをやっていたり、自分たちがリノベーションしたスペースをいろいろと展開したり。

ところが一方で、やっぱり町全体のことを考えると、当初のコンセプトに立ち返った「アートの島にしていきたい」という想いが非常に強くなってまいりまして。今、実際にその中でアートを修復するための専門の工房を作ったり、画材ショップを作ったり、アトリエや画廊が入るようなスペース、アーティストの方々がそこで制作するような場所を作ったりしています。ですが、当然これが黒字になるためには、ものすごく時間がかかります。

一方で、世界中のアートフェアは、協賛をさせていただきながら外と中をつないでいき、そして一つの集中拠点を作っていく。また、私自身がIT事業をやっていましたので、中長期的に言うとまずリアルを確立して、それをどうバーチャルにつなげていくのかというようなことを、一生懸命にやっている最中です。以上でございます。

仲川:はい。ありがとうございます。そうですね。オチの出雲さんが先にきてしまった感じで。

寺田:(笑)。オチがね、あまりないものですから。

仲川:オチない感じ。

石川:いえいえ。とんでもないです。

寺田:落とすために、出雲さん、もう一回なんかしゃべります?

出雲:いやいや(笑)。

石川:いや、でもすごくその緑(のネクタイ)かっこいいですよね。

(会場笑)

仲川:ぜひ、全国のお店で。石川さん。

石川:全国のearth music&ecologyで展開中。

(一同笑)

石川 :エコロジーなので(笑)。

「岡山に来ればすごい建築が見られる」と思ってもらえる町づくりが目標

仲川:ちょうど石川さんに、マイクを持っていただいておりますが、いま、寺田さんから、アートを1つの切り口として、天王洲の地域を再開発していこうというお話でしたが、石川さんも非常にアートに携わっておられますよね。

石川:はい。ちょうど8年前からコレクターとして作品を買い始めて、今260点ぐらい購入しておりますが、実は先週パリのある都市に行ってきまして。

末松:モンペリエ?

石川:モンペリエ。そう、よく覚えていますね。モンペリエ市のことは、あまりみなさんご存じないと思いますが、モンペリエ市が美術館を作るということで、そのこけら落としで石川コレクションをやってもらいました。260点中40点。

いわゆる国立のミュージアムが僕たちのコレクションだけで企画展をやってくれまして、あいさつに行ってきたんです。そこでやきもちを妬いたのですが、「まだ岡山でそれができていないのに、先にモンペリエなのか」ということが、さみしかったんです。

実は今、将来美術館を作るために、スイスのある建築家に依頼をかけています。その建築家に「俺と仕事するなら20年はかかるぞ」と言われまして。

仲川:おお。

石川:「ちょっと待ってください」と。だってその人は今もう74歳なんです。

(会場笑)

仲川:(笑)。これはユーグレナを飲まないとだめですね。

出雲:だめですね。

石川:たぶん、ユーグレナを飲めば200歳ぐらいまで生きることができるので。

出雲:(笑)。

石川:大丈夫だと思うんですけどね。安藤忠雄さんも、その建築家の方に憧れているので、やっぱり日本で建築の勉強や研究をしている学生に、「岡山に来ればすごい建築が見られる」というものを提供していきたい思いがありまして。

建築家・現代美術家がデザインしたホテルを町中に新設

石川:実は岡山の倉敷には、日本初の近代美術館「大原美術館」ができましたし、岡山からフェリーで30分のところにある香川県の直島(なおしま)ですが、ベネッセ創業者の岡山県出身の福武總一郎(ふくたけそういちろう)さんが、アートの聖地を作っています。岡山市からだいたい車で1時間圏内のところに、日本初の近代美術館と、日本初のアートの聖地みたいな島ができている。

交通の結節点となる岡山市は、ダウンタウンのど真ん中にマンションやスーパーがいっぱいあるカオスな感じで、パリのような魅力はありません。ですが僕たちはそんなカオスな町に現代アートを飾ったり、壁にアートを描いたりしながら、町を美術館にしていこうとしているんですね。

仲川:町全体を美術館に?

石川:そうです。町全体にタダで見ることができるアートをたくさん置いていき、その最終ゴールに、石川現代美術館を作ろうとしているのが、我々の構想です。その一歩手前に、「A&A(エー・アンド・エー)」というプロジェクトも動かしています。

アーキテクチャー・アンド・アーティストということで、建築家と現代美術作家による協業のホテルを2棟、9月にオープンさせるのですが、1棟150平米ぐらいですからスイートルームのサイズで。町中にヴィラのように20棟ほど作っていって、上空写真をドローンで撮ると、上からアートが20個見えるような仕掛けです。そうしたホテルを作っているんですね。

一応、1泊10万円もするので高いんですが、僕に直接連絡してもらえれば3万円で泊まれるように……。

仲川:(笑)。

(会場笑)

石川:さらに4人部屋ですから、3万円を4で割れば1人9千円ぐらいで泊まれますので、かなりいいと思います。ただし、アーティストが作っているホテルなので、快適性はありません。

(会場笑)

石川 :お化け屋敷に泊まるぐらいのつもりで、来てもらうといいと思いますね。

仲川:へぇ。でもそうした特徴的なホテルがあれば、海外からわざわざ泊まろうという方もおられるでしょうね。

石川:そうですね。岡山にくる日本人は駅前のホテルグランヴィアに泊まっちゃうかもしれませんが、海外の方のほうが文化の教養が高いので、僕たちのA&Aというプロジェクトに泊まってくれるんじゃないかと思っています。たぶんここにいる方々は、みんなグローバル志向なので、たぶんホテルグランヴィアではなくて、僕たちのA&Aに泊まってくれるんじゃないでしょうか(笑)。JR(注:ホテルグランヴィアを運営)の人がいたら怒られますが。

(会場笑)

石川:そう思っています。はい。

“模型”預かりで建築家をサポートする建築倉庫

寺田:聞けば聞くほど、コンセプトが(寺田倉庫と)すごく似ているんですよね。

石川:似ていますよね。

寺田:我々も建築家をサポートしようということで、建築倉庫というものをやっておりまして、簡単に言えば模型を大量に預かっているんですね。隈(くま/研吾)さんや坂(ばん/茂)さんといった方々をはじめとして。

石川:海外では模型はすごく重要視されているのですが、日本では軽視されているんですよね。

寺田:そうですね。しかも、例えばコンペに出して最終的に賞が獲れなかったけれどもすばらしい作品なんていうものが、ものすごくありまして。それを展示するためのミュージアムを作りました。

ミュージアム自身はぜんぜん”真っ赤っか”なんですが、それでも「いろんな建築家たちが自分で作った作品を見せる場を形成していきたい」という想いでやったり。例えば隈さんと「水の上で住むライフスタイルをやってみようよ」ということで、今、運河の上に普通の誰でも住める家を建てているんですよ。

石川:えー、すごいですね。

寺田:ところが、別に我々は営業をしていなくて、「泊まりたい人は泊まっていいぞ」というスタイルで今はやっています。

5年で天王洲の再開発に投じた私費は約100億円

石川 :今、寺田さんの話を聞くと、僕と一緒ですが、すべてがあまり儲かりそうにない話をしていますよね。

(会場笑)

寺田:はい。そうですね。

石川 :その儲からなさそうなことをやれる原資というのは、たぶんIPOしてエグジットして、お金が相当入ってきた。そのお金で今、町づくりをしているんだと思いますが、いくら入ってきたんですか?

(一同笑)

石川:(会場に向かって)興味あるよね?

寺田:そうですね。会社は最終的に400億で売却しましたが……。

石川:おー。

寺田:私のグループ全体では、30パーセント程度の株式保有比率でした。

石川:では、120億円入ってきた?

寺田:そういう結論になりますね。はい。

(会場笑)

石川:それで、120億のうち、100億ぐらいはもう天王洲に突っ込むと。

寺田:そうですね。天王洲はそうした意味では、この5年だけでも、そうした付加価値を及ぼすためだけの投資として、おそらく100億ぐらいは突っ込んでいますね。

石川:おー。これからさらに。

寺田:はい。ここから毎年、どんどんそれぐらいの金額を突っ込んでいきますんで。

石川:毎年。

寺田:はい。どんどん町を変えていこうと。

石川:じゃあ、1,000億円。

寺田:もう、なんかいきなり電柱を自分たちで埋めちゃったり。

仲川:そうなると、もう……。

石川:自分たちで埋めることができるもんなんですか。電柱というのは。

寺田:そうですね。私費で埋めました。

石川:私費で!?

仲川:ということは、もう行政は要りませんよね。

(会場笑)

寺田:(笑)。いや、そんなことはないですよ(笑)。大変。

仲川:独立国家!

石川:市長、市長! 市長だ!

寺田:大変、品川区にお世話になっております。

石川:やばい、やばい。

仲川:でも確かに行政で、例えば電線の地下埋設をしようと思っても、なぜその地域だけ? といったことが出てきますから。やっぱり、お金を持っていても権限がないというのがね。そこで行き詰まることは町づくりではよくありますよね。

寺田:そうですね。やっぱり美観一つ形成するのにも、時間がかかることはいっぱいあります。

石川:そうですよね。

寺田:一方で、場所が持つ気のようなものもあるんですが、そうしたときに全体の感覚を醸成するために必要な要素があって。それを待っていられなければ、自分たちでやったほうがいい。そうした感覚でやっぱり我々はやっていますね。

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