2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
リンクをコピー
記事をブックマーク
西村創一朗氏(以下、西村):この番組(ウズカレch)は、僕のFacebookで「見てください!」と言ったりもしているので、UZUZのことをよくご存じの方もいれば、一方で「UZUZって何それ」という人もいると思います。改めてUZUZはどういうサービスなんですか?
今村邦之氏(以下、今村):大学を卒業して就職していない方を既卒者と呼ぶんですけれど、その既卒者と、働いたけれど3年以内に会社を辞めた第二新卒者を分けていて、その人たちだけに特化した人材紹介というか就職支援の会社を、今6年半くらいやっています。
西村:なるほど。既卒者と第二新卒の方だと、基本的には20代の方?
今村:そうですね。22歳から27歳までの方の人しかほとんど来ないです。
西村:なるほど、そういう方々を対象に、既卒であれば就職支援、第二新卒であれば転職支援をされていらっしゃるんですね。ちなみに、人材紹介は儲けることだけを考えたら、エンジニアの採用支援をやったほうがぶっちゃけ儲かるじゃないですか。
僕はもともと人材サービスをやっていて、人材紹介のいい部分も悪い部分も、面白い部分も苦しい部分もいっぱい知っています。そのうえで言うと、既卒の方々、あるいは3年未満でやめてしまった第二新卒の方々は、企業が喉から手が出るほど欲しい方々かというと、そうじゃないですよね?
やっぱり、喉から手が出るほど欲しい方々に対してはたくさんお金を払うけれど、そうではない方々に対しては、そんなにお金を出したくないのが企業の本音じゃないですか。なぜ、あえて儲からない既卒、第二新卒の方を対象に人材紹介、あるいは就職転職支援をやろうと思ったんですか?
今村:そうですよね。いろいろ考えた結果というよりは、スタートした時点でそれしかなかったんですよ。能力があって選べるわけではなくて、現時点のうちの会社としても、それしかできないんです。なので、それしかしたくないし、それしかできないというような状況でした。
西村:それしかできない、それしかしたくないというのは、よく「Will」「Can」「Must」と言うなかで、WillやCanで考えたときに、第二新卒あるいは既卒者の就職転職支援に至ったということなんですね。
今村:そうですね。よくご存じだと思うんですけれど、第二新卒者や既卒者は、紹介業として成り立たないようなところがあります。そういう方を提供する会社が少ないので、自分も短期離職した時に支えてくれる会社がすごく少なくて。創業するときに、やるとしたらそういうサービスの方がやっていて面白いなと思ったんです。
西村:そういうことなんですね! そういう意味で言うと、今村さんご自身のバックグラウンドというか、経歴もけっこう大きいのでしょうか。「ニート社長」と書かれていますよね(笑)。ニートだったんですか?
今村:はい、一時期だけですけれど(笑)。短期離職すると、まず受けられる求人がまったくないんです。
西村:えー! どういうことですか? 検索しても出てこないとかですか?
今村:そうです。自分は2010年くらいに退職したんですけれど、一見「若手の募集」と書いてあるけれど、受けると実はターゲットラインが違うことなどがあります。
西村:なるほど! 全然書類が通らないとか。
今村:書類も通らないし、面接も落ちまくるんです。
西村:へー!
今村:そもそも既卒、第二新卒の求人が少ないんです。あとこれも大きいのですが、大学の友達に久しぶりに会って、「飲みに行こう」と言われたときに、こっちは働いていないので金がないとか、「お前、今なにしてるの?」と聞かれたときに「いやー……」と答えづらいので、途中から友達と疎遠になってしまう。
最後に、一番大きいのは、何がしたいのか自分でもよくわからないというものがあります。迷路の中に突入する感じです。そういうことが、背景としてありました。なので、それを突破するサービスをつくろうということなんです。
西村:そういうことなんですね、超素敵です!
今村:いえいえ、それしかやっていないんです。
西村:逆に言うと、それは今村さんしかできないことなんですよね。だから今、UZUZさんが6年半でこれだけ成長して、こんなに素敵なスタジオでやらせてもらっている。ここには、今村さんの思いがベースにあるんだなとすごく思いました。
今村:そうですね。カウンセラーは全員、その経歴の人にしかカウンセラーをさせないと言っていますし。
西村:どういうことですか?
今村:自分自身が第二新卒者か既卒者だった人にしか(カウンセラーの)仕事をさせないんです。
西村:なるほど! ニート経験がある人限定みたいな(笑)。
今村:ニート採用(笑)。……そうです!(笑)。
西村:では、ニートの人はぜひUZUZさんに!(笑)。
今村:ぜひ!(笑)。
西村:ニートという時点で、(UZUZの)書類は通過するんですね(笑)。
今村:それはもう!(笑)。この場で言ったからには通過します!(笑)。
西村:なるほど~(笑)。そうなんですね。すごい。
今村:普通の紹介会社と分けているところなのですが、この(既卒や第二新卒の)経歴からマッチングする前に、必ず共感が入らないとうまくいかないな、ということは自分が体験して思っていることです。
その経験が自分にないと共感できないんです。だから、対応する人は全員そういう経験があって、(自分自身が就職・転職活動で)正直ちょっと嫌な思いをしたな、という人がカウンセラーとしてはいいなと思います。
西村:そうですよね。「東京大学を出て超一流企業に就職しました」という人が(カウンセラーで)来ても、「いや、あんまりわかんないでしょ!(笑)」と思いますよね。
今村:そうそう。
西村:「あなたに私の気持ちがわかりますか?」となってしまいますよね。
今村:そうなんです。
西村:だから、「実は私も……」と自分の体験を話して、「一緒ですね」と言える人しか採用していない、ということなんですね。
今村:そうです。
西村:素晴らしい!
今村:そこは徹底してやろうかなと思って、最初からやっています。
西村:そういう意味だと、今も今村さん自身が面談することもあるんですか?
今村:今日も入りましたよ! だいたい1週間に3件~5件くらいは入ります。単独で入るものもたまにありますが、けっこう同席が多かったりします。
西村:そうなんですね。今、UZUZさんは社員何人くらいなんですか?
今村:今は40人くらいですね。
西村:そんなになるんですね! それこそ社員が40人とか50人になってきたら、基本的には社長は現場から離れることが多いじゃないですか。でも、意図的にそうされているんですか?
今村:そうです。うちの会社は創業メンバー3人が役員なんですが、全員必ず現場に週に何回か入っています。何か方向性を決めるときに、(現場の仕事を)やっていないと、いまいちわからないと思うんです。
数字だけ見ているとよくわからなかったり、誰のために(仕事を)探しているのかわからなかったりということがあるので、(カウンセリングに)同席したり、あとは「アラムナイ」という卒業生の人たちが集まる同窓会にもなるべくみんな参加しますね。
その(UZUZで就職先が見つかった)人たちが「決まってよかった!」とか、「今働いていて、こんな苦労してます」と話すのを聞けば、誰のために支援をやっているのかということもわかるので、そこは入るようにしています。
西村:そうなんですね。そこは徹底して、正しい経営判断をするには、既卒者や第二新卒の方に触れ続けないとダメだというこだわりなんですね。
今村:そうですね。
西村:今も週に3人から5人の方々と転職相談や就職相談に乗っている中で、今の転職活動あるいは就職活動の仕組みでは解決できない悩みというか、苦しみはありますか?
今村:そうですね。「職歴がないとダメ」というのはやめてほしいと思っています。まず、職歴がない人と半年ある人の差が大きいです。これは本当にすごいなと思います。
西村:なるほど。
今村:雲泥の差なんです!
西村:雲泥の差! 半年でもあった方がいいんですね。
今村:マシなんです。
西村:へえー!
今村:「たかが半年なのに、なんで急に書類選考通過率が変わるんだろう」と思いますね。言葉は悪いですけれど、逆に職歴さえつけてしまえば……。(企業は)変なバイアスをかけて見ているんじゃないかな、というのがすごくあります。それを突破させるために、うちの会社はいろいろなことをやっています。
西村:例えばどんなことをやられてるんですか?
今村:まず第一弾は、「職歴がない人はなぜだめなのか」という研修があります。ビジネスメールの書き方が分からないじゃんとか、マインドが弱いからじゃんとか、さすがに専門性はないでしょとか、いろいろあるんですけれど、それを補填するために、ウズウズカレッジという無料の学校を……。
西村:いいですね、無料の学校。僕も行けるんですか?
今村:だめです(笑)。
西村:だめか(笑)。そうなんですね(笑)。
今村:それを受け入れて、その人たちに学校でトレーニングするだけで、目線が変わるんです。「お、そこまでやってればいいか」と思えるんですね。逆に、これで突破できるんだということで、そこのコースの確立などをしています。
オンラインで学習できるように、ずっと(ウズウズカレッジの)オンライン化を進めているんです。最終的に、そこに仕事を持ってこられて、働いたことのない人がそこで研修をしたり、友達を作りながら仕事の実用(的なスキルアップ)につながるという。
アメリカだったら、インターンをやったら受かるのと同じですね。そこでしっかりトレーニングを受けて、職歴をつけて紹介までいけたら。そこまでいけたら「やったな!」という目標があるので、そこに向けて頑張っています。
西村:そうなんですね。今、(YouTubeのコメント欄で)質問をいただいているようです。
今村:「複業をしたいという人が来たら、どうアドバイスしますか?」ということで、これは……。
西村:僕ですね。ありがとうございます。話をさえぎってしまって申し訳ないです。「複業研究家」と言っているので、複業をしたいという方から毎日のように、TwitterとかFacebookとかメールとかも含めて複業の相談をいただくんです。
いろんなアドバイスをするんですけれど、今、複業ブームみたいな感じですよね。例えばエン・ジャパンさんの調べによると、会社員の8割以上が複業に興味があると言っているんです。8割というのは、よっぽどですよね!
ただ一方で、本当に複業すべき人なのかどうかを考えると、僕は複業すべき人は3割もいないはずだと思っています。8割と3割のこの溝、ギャップは何かというと、複業をするにも目的が必要だと思っているからなんです。なので、「複業したいんですよね」とご相談をいただいたときには、「そもそもなんで複業したいんでしたっけ?」と聞くところから始めています。
それは、「今、いくら頑張っても給料が上がらなくて収入を増やしたいんです」という収入UPが目的なのか、あるいは、かつての僕のように「本業をやっていて本業以外のキャリアチェンジがしたい」というようなキャリアシフト・キャリアチェンジ・キャリアアップが目的なのか。
いろんな目的があっていいと思います。100人いたら100通りの目的があっていいと思うのですが、「なんとなく複業ブームに興味があって」という方もいます。そういう方には、「興味を持ったということは心に引っかかっていることがあるはずなので、ご自身なりの複業の目的を整理するところから(始めましょう)、これはステップ0です」というアドバイスすることが多いです。
今村:つまり、それ(複業)は能力や実績は関係ないということですか?
西村:まったく関係ないです。
今村:なるほど、それはすごいですね。
西村:最近だと、いろんな企業様から、「副業解禁したものの、何をしたらいいかわからない」という相談も受けます。副業難民という表現をするんですけれど、副業解禁したとしても、何をしたらいいかわからないという社員の方々を対象に、「副業入門講座」というセミナーをさせていただくことも多いです。そこでも、ステップ0の「副業の目的をしっかり言語化、定義するところから始めましょう」とお伝えしています。
今村:なるほど。(今も)副業をしたい方からのお問い合わせを受け付けているのでしょうか?
西村:それこそTwitterとかFacebookとか、僕の名前の西村創一朗と検索していただいたら(アカウントが)出てきます。(僕が)フォローしていない方でも、そちらからDMを送れるようにしてあるので、いつでもご相談いただければと思っています。
Twitterの質問箱などでも質問していただけるようになっているので、匿名でも相談できます。もちろん無料なので、いつでも使っていただければと思います。
今村:すごいですね! 質問したい方は直接聞きましょう。
西村:はい、Twitterなどでフォローしていただければと思います。
今村:なるほど。途中で副業(複業)の話になってしまって……。
西村:いえいえ、では、さっきの続きなのですが、1つ聞きたかったのが……(コメント欄を指して)あ、コメントとか大丈夫ですか?
今村:「CA(キャリアアドバイザー)だったら、どうアドバイスしますか?」。でも今、西村さんの横で話を聞いて、「そういうものなんだ!」と思いましたよ。僕たちが接する人たちは副業(複業)したいというか、働きたいというか、だいたい在職中の方たちなので。
西村:確かに、副業(複業)どころかそもそも本業を探している人ですもんね!
今村:そうです。
西村:確かに、副業(複業)が話題になることなんてあんまりないですよね(笑)。
今村:あんまりないですね。
西村:確かに(笑)。でも、例えば本業を探している件ですと、今の複業ブームで、副業がOKな会社で(働きたいという人も)……。
今村:います!
西村:やっぱりいるんですね!
今村:それがまた、この説明が間違っているかもしれないんですけれど、「転職したい!」「なんでなの?」「副業(複業)できる会社に行きたいから」というのは、ちょっと変な気がしているんです。
求人を選ぶときに、特に職歴1年くらいの人が副業(複業)ができる会社を(条件の)先頭に持って来ると、「ちょっとその話は変じゃないかな?」とついつい思ってしまうんです。
西村:そこに関しては、もう100パーセントの自信を持って「副業(複業)OKな会社に行きましょう!」と言ってほしいです。なぜかというと、会社は副業(複業)OKかどうかで選ぶのではなくて、自分が何をしたいのか、どういう経験を積みたいのか、どういう組織環境で働きたいのかという軸で選ぶべきなんです。
副業(複業)OKか、副業(複業)NGかで選ぶべきではない、という話ですよね。(今村さんは)その前に自分の専門性を身に付けましょう、ということを感じているのだと思います。
今村:そうです。
西村:それはおっしゃる通りなんですけれど、仮にA社とB社で、どっちもいいなと迷ったときには副業OKの会社の方がいいと思っています。なぜなら、やっぱりどんなに優秀な人でもどんなにいい会社でも、本業として任せられるのは、自分がやりたいかどうかではなくて、できるかどうかです。
会社がやれと言ったことをやることが第一に来るわけですよね。どんな会社だってそうです。そういうときに、果たして会社から任された仕事が、100パーセント自分がやりたい仕事であり続けられる保障はどこにもないはずなんです。
入社したときは「これがまさに自分がやりたかった仕事なんです!」となるかもしれないけれど、その仕事の内容は変わっていくかもしれないし、自分がやりたいことが変わるかもしれない。人事がやりたいと思って人事に入ったのに、「営業を強化しているから営業に行ってこい」と言われて営業に異動したときに「人事の仕事がしたいのに……」と思うじゃないですか。
そういうときに副業禁止の会社であれば、人事ができる会社に転職するしかないわけですけれど、副業(複業)OKな会社であれば、営業は営業でしっかりやって実績を積みながら、一方で複業として人事の仕事をするという選択ができるわけです。
そういうときに「どっちがいいですか?」となったら、僕は副業(複業)OKな会社の方がより良く、自分らしく働けるなと思っています。なので、ぜひ胸を張って「副業(複業)OKな会社に行きましょう」とアドバイスをしてほしいですね。
今村:なるほど! 確かに迷ってしまった背景として、うちの会社は在職中の面談の8割は転職求人を出さずに「そのまま(今の会社に)お戻りください」ということが多いんです。
西村:すばらしい! いい提案をしますね!
今村:今日来た方は、短期離職の理由が、たまたま会社がもう傾いて、新卒で入社した人が全員(辞めていく)……という会社だったんです。
西村:なるほど。
今村:そういう事情だったので、この人は「次、探しましょう」となりましたが、他の理由で、例えば人間関係でちょっとやられているだけかなとか、企業よりも個人の問題がありそうな理由が多いんですよ。
西村:隣の芝は青いみたいな感じなんですね。
今村:そういったケースが多いので、それを求人にマッチングさせると、むしろ不幸になってしまうのかなと思うので、大体8割は戻すんです。
西村:8割戻すのはすごいですね。すごい社会貢献ですよ! すばらしい。
今村:だから、さっきお話があったとき、「いや……」と(副業第一の転職を)止めようとしてしまった理由は、西村さんがおっしゃっていたことがはまりそうだなと思いましたし、そうでなければちょっと引くというか……。(コメント欄を指して)「フランチャイズの複業はどうか」という質問がありますね。
西村:いいと思いますよ。自分は前職でリクルートキャリアという会社にいました。リクルートキャリアという会社では、リクナビとかリクナビNEXTとかリクルートエージェントとかだけではなく、「アントレ」という、起業を応援するメディアがあるんです。
アントレに掲載されている案件はフランチャイズ系の案件が多いんですよ。フランチャイズというと、「ローソンで店長やりませんか?」とか、そういうイメージの方も多いと思いますが、実は複業でもできるフランチャイズ案件はいっぱいあるんです。例えばネイルサロンとかですね。
僕がリクルートキャリア出身だから肩を持つということではなくて、実際に本業で営業をやりながら、複業でネイルサロンのフランチャイズをして本業の約3倍くらい稼いでいる人もいるんです。なので、それはすごくいいと思います。
ただ僕は、転職・就職するときの企業選びと複業選びとは同じだなと思っているんです。フランチャイズにするのか、それともフリーランスになって働くのかというのは、「会社員として就職するのか、独立するのか、どっちがいいの?」という選択と同じだと思っています。
西村:でも、自分がどう生きたいかだけで、どっちがいいということもないじゃないですか。自分の名前で仕事がしたいのであればフリーランス、起業独立的な複業の方がいいと思います。
それが重要ではなくて、ネイルサロンをやりたいとか、女性のライフスタイルを輝かせるようなことを複業でやりたいのであれば、ネイルサロンを自分で0からつくるよりは、フランチャイズでやったほうが最短でいける。
そういうケースならフランチャイズで、という選択だと思っているんです。なので、「フランチャイズでの複業はありだと思いますか」という問いに対しては、「全然ありだと思うけれど、目的次第です」という答えです。
今村:なるほど。逆に「こういう複業あかんだろ!」みたいなケースはありますか?
西村:明確にあります。お金儲け目的の複業は、基本的に止めてるんです。
今村:そうなんですね。
西村:「やめたほうがいいですよ」と言います。その人に、明確に売れるスキルがあるならば別ですよ。それがない場合に関しては、「複業って楽して儲けられるんじゃないか」と思っている人がめちゃくちゃ多いんです。
そんなわけはなくて、本業で頑張って成果を出してもなかなか給料が上がらないのに、複業でチャリンと稼げるわけはないんです。そういう人が騙されがちなものもあります。試しにGoogleとかTwitterで「副業」と検索してみてほしいんですけれど。主、副の副です。
それで検索してみてほしいのですが、ザーっと出てくるのがあやしいです。「1日5分で月10万」とかですね。「1日5分で月10万の副業教えます!」みたいなものをクリックすると、「これによってフェラーリ乗れちゃう」とか「本業なんてやめて独立できる」とか甘いことが書いてあって、下にいくと「この情報を得るのに10万いる」とかいう情報商材だったりします。
あるいは、昔の言葉で言うとマルチ商法とか、ネットワークビジネスに騙されてしまうんです。悪いことは言わないから、そういう副業はやめた方がいいと思っています。僕が副業の副を複数の複にしている理由は、完全に検索エンジン対策です。
サブの副業で検索すると、怪しいものに引っかかってしまうので、僕はサブの副業の検索回数を減らしたいんです。そうすると、怪しいものに騙される人が減ると思っています。
今村:こちらのワード(複業)を広めていきたいということですね。
西村:はい、そうこうしているうちに検索ボリュームにパラレルな「複」が増えたら、また同じことになってしまうので、そうしたら検索広告を僕が買い占めます、というくらいにまで思っています。
今村:なるほど。(コメント欄を指して)あとは、「上の世代に複業と本業、どっちが主だと聞かれたらどう答えますか」という質問です。これはよくありそうですね。
西村:どういう意味?
今村:つまり、上司や先輩から「おまえはどっちが本業なんだ!」と聞かれたらどう答えるのか、ということです。
西村:なるほど、ありがとうございます。前提として、その上司や先輩との信頼関係がどれくらいあるかにもよると思います。本音を言ってOKな上司や先輩、リクルートにはそういう先輩しかいなかったんですけれど、そうであれば本音で言っていいと思っています。「本業は生活していかないといけないのでこれをやっていますが、本当にやりたいのはこれなんです」ということを、本音で言えばいいと思います。
一方で信頼関係がそんなにできていないのであれば、「あくまで週40時間働いている以上、メインは本業です」と言うのがいいと思います。自分の心の中では、本当は複業がメインなんだけれども、「一番時間を使っているのは会社員としての仕事なので、これが本業です」と言うのは別に嘘じゃないですよね。
時間的な意味でのメインが本業なのか、精神的な意味でのメインが本業なのか、という違いであって、そこは上司との信頼関係によってうまく切り替えればいいのではないかなと思っています。
今村:なるほど、じゃあ、隠すようなパフォーマンスもわりと必要だという……。
西村:そこはうまく立ち回る力というか、「この人は本音を言ったら炎上するタイプの上司だな」とか、そういうことは嗅ぎ分けて立ち回っていけばいいんじゃないかなと思います。
今村:そう考えると、浸透度がまだ低いから、遠慮したり空気読んだりしながら、というのがあるんですね。西村さんが期待している将来というか、その辺が「普通でしょ!」というノリになったら遠慮することもなくなりますよね。今の時期だけ発生するけれど、これから変わっていくだろうし、変わっていこうと推進しているということですよね。
西村:そういうことです。
今村:なるほど。いただいた質問も、確かにそれは聞きたいと思うシンプルな突っ込みどころのある質問でしたね。
西村:いい質問ありがとうございました。
今村:ありがとうございます。今日はここで終わりなのですが、最後に西村さんから一言いただきたいと思います。
西村:みなさん、1時間ご視聴いただきありがとうございました。今日は複業というキーワードに、20代のキャリアについてUZUZさんの話も聞きながらお届けする1時間でした。こういう仕事をしていると、「全員が複業すべきなんじゃないか」という複業推進論者と思われがちなんですけど、まったくそういう思いはありません。
複業というのはあくまで選択肢です。まず本業があって、本業以外にやりたいことがあったときにやれる社会を作りたい、そして、やれる選択をできるようにしたいと思っているだけなんです。
人によってはまずは幹、自分がプロフェッショナルとして、ビジネスパーソンとして生きていく幹をつくるべき時期が絶対にあると思っていて、僕自身、入社して社会人3年目の5月に複業を始めているので、2年2ヶ月はわき目も振らずに本業1本だったんです。それがあったから、僕の幹となるスキルが身に付いたと思っています。
僕の場合は学生時代からやっていることがあって。もしすでに幹があったら別ですけれど、幹がないまっさらな状態なのであれば、まずは幹を作るために、複業よりも本業にコミットする時期も必要だと思っています。なので複業をすべきだということではなくて、自分が複業をやりたいと思ったときに自然と始めればいいのではないかなと思います。
複業にご興味をもたれた方には、僕の本でもなんでもなくて、最近読んだすごく良い本を紹介したいと思っています。僕の今日の話だけでは複業の1割もわからないと思っているので、複業という働き方についてより深く知りたい方は、『マルチプルワーカー 「複業」の時代』という本があります。
サブの副業ではなく、複数の複業という漢字を使っているところが本当に素敵だなと思ったのですが、僕みたいによくわからない人ではなく、早稲田大学のビジネススクールで教鞭をとられている山田英夫さんという先生が書かれている、すごく良い本です。
(持っている本を指して)生々しく、付箋をたくさん貼っているんですけれど、ぜひ手に取って読んでみていただければと思います。ありがとうございました。
今村:ありがとうございました。僕の会社は面談時間を10時間とか、長い人は20時間とかやっているんですけれど、ヒアリングしていて思うのが、将来どうしたいかがわからない人が多いんです。
僕自身は、複業の魅力についてなんとなくしか知らなかったところに、今日のお話を聞きました。面談していても、求職者がどうなりたいかという選択肢の1つとして「力をつけて、こういうことができる」「こういう仕事ができる」というアドバイスができます。
それが楽しいといったらあれですけれど、お話を聞いて、そういう未来もあるんだなと思いました。今日、この時間を取れてすごくよかったです。
西村:ありがとうございます。嬉しいです。1時間じゃ全然足りないですね(笑)。
今村:そうですね、あっという間でした(笑)。
西村:ぜひ第二弾もやりましょう(笑)。
今村:ありがとうございました! またよろしくお願いします。
西村:ありがとうございました!
(会場拍手)
関連タグ:
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.11
気づいたら借金、倒産して身ぐるみを剥がされる経営者 起業に「立派な動機」を求められる恐ろしさ
2024.11.11
「退職代行」を使われた管理職の本音と葛藤 メディアで話題、利用者が右肩上がり…企業が置かれている現状とは
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.12
先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」 退職代行サービスの影響も?上司と部下の“すれ違い”が起きる原因
2024.11.14
よってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるステークホルダー 「社会的理由」が求められる時代の起業戦略
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.11
気づいたら借金、倒産して身ぐるみを剥がされる経営者 起業に「立派な動機」を求められる恐ろしさ
2024.11.11
「退職代行」を使われた管理職の本音と葛藤 メディアで話題、利用者が右肩上がり…企業が置かれている現状とは
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.12
先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」 退職代行サービスの影響も?上司と部下の“すれ違い”が起きる原因
2024.11.14
よってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるステークホルダー 「社会的理由」が求められる時代の起業戦略