2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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福野泰介氏(以下、福野):では続いて、ボストンクラブ代表取締役の小松原さんです。小松原さんはボストンクラブで非常にいいメガネをたくさん作られていますが、ウェアラブルのプロトタイプに使っているこのメガネもボストンクラブ製です。ポイントはneoplugです。そこのご紹介をお願いします。
小松原一身氏(以下、小松原):ボストンクラブ代表の小松原です。よろしくお願いします。私は生まれも育ちも鯖江で、現在も鯖江を拠点に活動しています。
この電脳メガネ、スマートグラスのきっかけというのが、2011年のアジア最大の香港のメガネの展示会があって、そこである大手IT企業の開発者の方が突然ブースに来られまして、「こういうのを作ってほしい」という話がありました。
翌年の2月に鯖江に来て、「いろいろこういうのができないか」ということで、約3年間こういったスマートグラス関係の、特にチタンの技術を活かしたメガネの製造のノウハウとか、チタンの微細加工とか溶接、表面処理といったところを、彼らが、いろいろな製造拠点というのがあるのですが、そのなかでも鯖江と組みたいということで、これに取り組んだきっかけになりました。
その後2015年からビックサイトでウェアラブルEXPO第1回目がスタートしまして、そこから毎年1月に、4回出店しました。そのなかでいろいろなスマートグラスメガネのメーカーさまから、「こういったことが困っている」とか、「こういったことができないか」とか、メガネは顔につけるものですからやっぱり、かけやすい、痛くない、疲れない、そういった最低限のかけやすさが求められて、我々が問題解決をしている状況なんです。
その中で考えたのが、neoplugというメガネです。通常のメガネなんですけど、度を入れてかけて、いろいろなデバイスが最近出てきまして、こういったものを必要な時に簡単に取り付けができて、必要がないときは取り外してしまえます。
一体型の電脳メガネもあるんですけど、それはプライベートとかそういった問題がありまして、着脱ができるというneoplugを開発して、去年は鯖江市さんにも協力いただいてクラドファンディングをやりまして、多くの皆様から支援をいただき現在に成り立っているというところです。
福野:はい、ありがとうございます。これもneoplugで作っているので、この状態でかけるとかなりおしゃれ感があっていいんですけど。
ちょっとこれで外に出るのは問題だなというときには、これをさっと外す。これで普通のメガネですよね。
普通のメガネって結構重要で、僕も目が悪いので度を入れるんですけど、ウェアラブルグラスっていうウェアラブル端末を買えば買うほど、レンズを入れなければいけない問題が発生します。レンズ入れるのはすぐなんですけど、結構お金がかかるんです。
福野:ウェアラブルデバイスでメガネの方にあんまり気合をいれないと、中途半端なメガネでかけ心地は悪いし、見た目も安っぽいみたいな。それで両方お金をかけるとどうしても高くなるっていう問題があるので、neoplugで着脱可能になっているというのは非常にありがたいです。しかも3Dプリンターで5分くらいで印刷できるもので、こういったアタッチメントを作ると、どんなものでもここに設置できるようになるので、いろんなプロタイプをつくるのには非常に重宝させていただいております。こういうのも鯖江ならではかなと思います。
それでは3人目、NPO法人エル・コミュニティ代表の竹部美樹さんです。
竹部美樹氏(以下、竹部):はい、ずっとしゃべっているから私もうしゃべらなくてもいいかなと思っているんですけど(笑)、今日私は眼鏡をかけているんですけど、本当に珍しいというか、初めてなんです。こうやってかけているのは。
毎日メガネのネックレスしていて、これで勘弁してほしいって言ってるんです。写真写り的に嫌だったので、メガネを外していたんですけど、いつも言われるんです。あとで写真がFacebookとかで載った時に、「なんで鯖江なのにメガネしていないの?」とか。それで、今日は電脳メガネサミットなのにしていないと絶対言われるなと思ったので、ちゃんとかけてきました。
福野:えらい!
竹部:はい、えらい!(笑) 。私も鯖江生まれなんですけど、全国の学生たちを集めて鯖江の政策立案といいますか、鯖江の活性化策というのを提案してもらう、「鯖江市地域活性化プランコンテスト」というのを10年やっております。
今年で11年目なんですけど、このプランコンテストを10年やっていると毎年24名の学生さんが全国から来てくれて、その優秀な学生たちが本当にチーム鯖江みたいなかたちになって、今霞が関にも30人くらいいるんですけど、今日も運営してくれてる若い子たち、手上げてー!
……あれ? 受付にもいて、みんなプランコンテストに参加した子たちで、私が今回東京でイベントをするってなった時に、どうしてもスタッフがいないと思うんですけど、こうやってチーム鯖江のみんなが来てくれて、手伝ってくれるというのは本当にありがたいなと思っています。
竹部:ちなみに、前に座っている赤井君、去年参加した学生も来てくれています。というようなプランコンテストをずっとやってきたんですけど、スポンサー……これはちょっと頑張っていろんなところに営業させていただきまして、協賛をしていただいております。今年もやりますので、もしここに載りたいという企業様がいましたら募集しております!(笑)
こういった企業さんを巻き込みながらプランコンテストを開催していたら、SAPジャパンさんのほうからお声がけいただきまして、今、IT×ものづくりの拠点Haba道場というのを開設しました。この、Hana道場のHanaというのはSAPさんのメインシステム名で、このHanaっていう名前をつけたイノベーションのためのファブラボが世界に3つあります。1つ目がSAP本拠地ドイツ、2つ目がシリコンバレー、3つ目が鯖江で運営しております。
ここではいろんなものづくりを体験できる場所をつくっていたり、福野さんが開発したIchigoJam、パソコンを使ってプログラミング教育を子供たちから大人、おじいちゃんおばあちゃんまで教えています。最近では中高生が、ここでレーザーカッターとか3Dプリンターを使ってカニロボットっていうロボットを作ってしまったりもしています。子供たちがロボットを作れるまでになっちゃったっていうのを、まさに昨日総務省に呼ばれてプレゼンをしてきたところです。
それで、私たちがやっていることはイノベーション施設でオープンイノベーションでもあります。今日のこのイベントも私たちNPOエル・コミュニティが主催していますけど、いろんな鯖江の地場のメガネ屋さんカケルIT、いろんな企業さんがつながることで新しいイノベーションができればいいなということで、開催させていただきました。以上です。
福野:ありがとうございます。
(一同拍手)
福野:というメンバーで、鯖江でお待ちしておりますという感じなんですけど、少しメガネの話に戻りますが、今、単機能なメガネというのが、これはこれで1つの分野になっていると思います。先ほどもプレゼンにありましたけどBLINCAMは本当に撮るだけです。実は僕もGoogleGlassで一番使ったアプリケーションはウインクして写真を撮るというやつなんですけど、僕らとしてもちょっとびっくりしたんですが、こういう撮る機能に特化したアプリでした。
そしてスナップチャットさんのスペクタクルとか2万円くらいですね、あ、120ドルか。でも単機能な分安く抑えられて、伝わりやすいという意味で、非常にいい切り口かなと思っています。他にも、先ほどプレゼンであったVufine(ビューファイン)さんは、本当に見るだけに特化しているので、コンピュータはいらないですね。ディスプレイだけ入っているので、パソコンとかスマホとかに繋いで見ることだけに特化している分、非常に安く提供できています。
あと変わったところだと雰囲気メガネさんです。これは見せるんです。フルカラーLEDが左右に入っていていろんな色で見せる。具体的に利用していないのでちょっとわからないのですが、楽しそうですよね。こういうのを使いながら、例えばLED衣装を身にまとってダンスするユニットとかが時々話題になったりしますけど、ちょっと違う感じを出すには、こういったデバイスを使うのは非常に面白いところです。
もう1つは第一部のセッションにもありましたが、読み取る。これがおもしろいのは、筋電センサーが付いていて、視線の動きをみる。右見ているか左見ているか上見ているかとかがわかります。どれだけ細かく取れるかまでは私は把握していないんですけど、例えば来店したときに、お客さんはどこを見るのかを知りたいお店って結構多いと思います。
今まで感覚でやってきたものを、実際にデータ化するというのをウェアラブルデバイスを使うことで容易になってくるので、これも非常に面白いかなと思っております。
福野:それで、せっかくなのでぜひ組み合わせたいなと思うのが、大人からするといろいろ知りすぎていて、なかなか新しい発想に至りにくいということで、子供の発想を活かすことを積極的に使っているのも実は鯖江でもあります。前回のメガネサミットの時にコンテストやったんですけど、小学生に、「夢のメガネをデザインしてください」というと、応募総数500通でした。
これは学校の授業でやったんですかね(笑)。やってない? すごいですね! 500種類の「こんなメガネがあったら面白い」というのがバーッと集まるわけです。こういった発想をうまく取り入れて、実際に作って、リリースに持っていくと、子供的にも非常にやりがいがあるのではないかと思います。なのでぜひ、さきほど1部でやった大企業とベンチャーってありますけど、もっとすごい存在というか、もっととがった存在、子供とのコラボレーションというのもぜひ鯖江の方で実験してみてはいかがかなと思いました。市長、鯖江の小学生ってすごいんですよね?
牧野百男氏(以下、牧野):そうですね、子供の発想というのはやっぱりまったく大人と違いますから。JK課の取り組みで、一番発想の違いを感じたのは、大人の場合ですと、市民協働で事業なんかもやっていただくのですが、なんか誇りが持てるとか、やりがいがあるとか、大人は言います。
ただJK課の高校生は、感性で、かっこいいとかかわいいとか美味しいとか、そういう発想でくるもんですから、これまでの自治体の取り組みとは全く違った観点で出てきます。こういった子供たちのメガネのデザインなんかもそうだと思いますが、そういったことをどんどん入れることによって、これまでの大人と社会の価値観は変わってくるんだと思います。全部大事な視点だと思いますけど。
福野:少し補足しますと、鯖江市役所JK課というプロジェクトが、現在4期生です。なので、4年前に発表して、結構、弱炎上気味だったんですけど、市長が「これは真剣にやるんです」という動画を公開して、無事沈静化したという取り組みです(笑)。
本当に、「JKおいで」っていうと、本当に今の普通の女子高生たちが来てくれて、どれくらい普通かっていうと鯖江市のJK課にもかかわらず全員メガネをしていないっていう(笑)。でも行政が無理に仕掛けると、「とりあえずみんなメガネかけろよ」みたいにしますよね。それで、似合ってもないメガネをかけて、「ああ、やらされているな」みたいな感じにならないところが鯖江市のいいところだなと思います。ということで、教科書の表紙になったり……。
牧野:全国の現代社会の……。
福野:それはすごいですね! という取り組みで、今期も4期生がJK課で活躍してるんですけど、4期生の初チャレンジがメガネづくりです。小松原さん知っていますか?
小松原:IOFT(注:国際メガネ展)出ましたね。
福野:出ましたね! 彼女たちがデザインしたものなんですけど、実際にうちのほうでプロトタイプを作ってIOFTで発表したんです。
牧野:実際にJKデザインはどうでした? プロの目から見ると。
福野:それは商品になるかはわからないですけど(笑)、彼女たち独特の感性とか、かわいらしさとか、そういった中で作る側も楽しんで取り組んだという、面白かったです。
小松原:楽しくできるだけじゃなくて、女子高生たちも実際に作ると、難しさとか、面白さとかいろいろできると思うんです。そして、直接かかわっている子たちだけじゃなくて、周りも含めて「メガネってこうやってできるんだ」っていうのが広まってくるのはとてもいいことだと思います。
牧野:各学校では、デザイン研修に……。
小松原:中央中学校っていうのがあるんですけど、マンモス校なので大体10クラスくらいあって、その2年生全員にうちのデザイナーが出向いてデザイン指導をして、生徒たちが自由な発想でデザインしたメガネのコンテストなど、そういった指導も毎年しています。
牧野:結構人気があったんです、IOFTで。
福野:プロの目から見ていまいちかなと思っても、売れたもん勝ちですからね(笑)。 そういう取り組みがあるのも面白いところです。
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