2024.10.10
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亀山敬司氏(以下、亀山):「お金」とかなんでもいいから、質問のある人いる?
スタッフ:人間の欲求についての質問なんですけど、テクノロジーによって10年、20年、50年、100年でどのように人間の欲求が変わっていくと思いますか? 佐藤航陽氏(以下、佐藤):今、音楽LIVEとかすごい人気じゃないですか? リアルで歌手の子が見れるとか、1つの場に集まれる、盛り上がれるっていう、映像では出ない感性ですよね。
亀山:まあそうだね。
佐藤:すごい価値が出ているので、脳内の自分の快楽の状況までコントロールできるようになっちゃうと、今の価値観っていうのは崩れちゃうのかなと思っていて、逆に言うと、みなさんの世代が「とはいえ、LIVEとかリアルって大事だよ」っていうのを次の20年先の世代に対して言っていると、「古くせーなお前ら」と言われているのがイメージできます。
亀山:「所詮お前ら平成生まれだからな」とか言われる。
佐藤:そうそうそう。
亀山:「平成生まれのおやじにはわかんないよねこれ」って。
佐藤:そういう40年後くらいの若者がいて、僕らの世代が「とはいえLIVEって大事なんだ」「感じることが大事なんだ」と話をしているようなイメージがありますね。
100年っていうと、私は人間の境界線っていうのがなくなっちゃうんじゃないかと思っていて、私とあなたっていう境界が相当あいまいになって溶けちゃうんじゃないかなと。そこにエクスタシーを感じる人たちが増えていくんじゃないかなと。
だからマッチングアプリじゃなくて統合アプリみたいな、「重なっちゃう」みたいなアプリが出てきてもぜんぜんおかしくないなって気がするんですよね。
亀山:確かに人と人はバーチャルの世界でテレパシーみたいに繋がってるわけだからね。
佐藤:記憶とかも全部、感覚も共有するっていうのができると思うので。
亀山:俺の記憶とか、全部みんな理解することとかできるもんね。
佐藤:亀山さんの50年分の記憶をバッと5分で見ようといって、全部ババババっと見てってなっちゃうと、その人と一緒になりたいとか、その人の感覚を重ねたいって欲望が出てくるんじゃないかなと。
今でもありますよね。「あの人になりたい」とか「あの人の背中を追いたい」とか。あれが本当にできちゃうという。
亀山:まあそのへんにくると、もう人かどうかもわかんないって感じになってくるよね。人とテクノロジーが溶けあってしまって、どこまでが本当でどこまでが……。
佐藤:そうですね。おっしゃるとおりです。だから完全にデジタル化された世界、溶けこんでしまった世界なので、ある意味私たちも精神だけになっている。しかもそれも境界があいまいっていう世界が100年後くらいだと思いますね。
亀山:そうだね。その中でみんな思考的なものが一緒くたになってくいくのかな……。言語的な壁も消えていくんだろうし。
佐藤:通貨も全部世界1個になっていて、たぶん100年後とかは世界が100個くらいあって、切り替えていくのかなって気がしますけどね。レイヤーがありすぎて、「世界2、世界4」みたいな、パパパパって切り替えていくっていう。後ろの緑(撮影スタジオのグリーンバック)もいらないですしね。切り替えればいいので。
亀山:これはあと5年くらいでいらなくなると思うけどね(笑)。
スタッフ:お金2.0の世界が近づく中で、会社という組織はこれからどのように変化していくと思いますか?
佐藤:会社ですか? 株式会社っていう枠組みでいうと、私みたいに収益を生む装置と割り切るか、亀山さんみたいにむしろ コミュニティーとか学校とか、そういうふうに振り切っていく。その2つに分かれていくのかなと思っていて。
昨日ちょうど、堀江さんの「ホリエモン万博」がやってたんですよ。堀江さんの今のコミュニティーサロンは2000人くらいいる。 それで堀江さんが2000人に給料を払ってるんじゃなくて、2000人が堀江さんにお金を払って来ているんだと。だからもう会社っていうのは古いよねと。
もうそういうぜんぜん違うコミュニティが存在しているので、もしかしたらある種、会社っていうのは宗教に近づいてるような気がしますけどね。理念とか理想。
亀山:確かにね。
佐藤:理念や理想が合っているときはその場にいるし、気に食わないならすぐ出ていくということを繰り返していくような。
亀山:確かにホリエモンは金貰いながら働かせてるもんね。
佐藤:そうそうそう(笑)。今はおかしいですけどね。
亀山:俺もまだ教祖になり切れてない。お前ら(DMMアカデミー生)が金払うようなったら、俺もあそこに近づけるってことだよね。
佐藤:そうそうそう。
亀山:ちょっとホリエモンに負けてる感があるよね(笑)。
佐藤:今までの会社とは、逆のかたちですよね。でも、それが成り立ってるってことは、ああいうかたちが未来のかたちとして1つあるんじゃないかなと思いましたね。
亀山:一番効率よく貯めようとなると本当にもうコンピューターだけで、むしろ投資だけのスタイルになったほうが効率よく稼げるよね。
佐藤:ソフトバンクのスタイルがたぶん究極系だと思うんですよね。完全に投資しかしないっていうスタイル。
亀山:でも俺が会社の中で面白味を感じるとすると、やっぱ現場とか仕事で「ああするこうする」って揉んでることかな。俺からすると投資フェーズだけだとさすがに味気なくって、それもやんなきゃいけないけど、現場のやりとりがおもしろいっていうのがあるね。
佐藤:LIVE感というか。
亀山:俺はLIVEを楽しんでるから、まあ旧人類だよね(笑)。効率でいうとちょっと悪いよね。
佐藤:そうなんですよね。YouTubeで見ればいいんだけども、やっぱり直接見たいっていうのと一緒ですよね。やりたいと。手触りがほしいっていう。
亀山:そうだね。
佐藤:そういう意味では、会社は稼ぐ場というよりかは、意義を見つける場になっちゃうんじゃないかなって気がしますけどね。もしくは完全に収益装置になるかどっちか。
亀山:なるほどね。
佐藤:公開企業とか資本市場とかは完全に収益装置になるような気がしますし、逆にプライベートカンパニーはまさに亀山さんがおっしゃるように、大学とかコミュニティーとかサロンみたいに近づいていくような気がしますね。
亀山:そこで偉そうに「俺が校長だ」っていい気になってしゃべってるのが楽しいっていう。
佐藤:そうですね。
亀山:「お前ら教えてやるぞ」って言いながら、誰も聞いてなくても喋るっていう。
佐藤:それが楽しいと。もしかしたら オーディエンスはBotかもしれないですね。いないかもしれないですね。
亀山:なるほど。
佐藤:YouTubeもPVが嘘かもしれないですね。Botで。
亀山:こいつら(スタッフ)も聞くふりして聞いてないかもしれないからね。
佐藤:いないかもしれないですね。
亀山:考えたら、全員Botでもいいかもしれないね(笑)。
スタッフ:無意識を論理や言語に引き上げるときに、大切なことはなんですか?
佐藤:なんでしょうね。たぶん人との交流を断絶しないと無理だと思っていて、相当な引きこもり期間がないと。
亀山:確かにね。俺もなんか書こうと思うと、一人旅に出たほうがやっぱ書けるもん。
佐藤:ですよね。
亀山:日常の中にいると思考がくっついていかないんだよね。断片的にあるんだけどまとまんないよね。
佐藤:しかも次の日会食があったりとかアポがあると、そっちにパッと切り替わっちゃうじゃないですか。永遠に煮詰まらないんで。ある意味1週間とか2週間本当にしゃべらないで、自分とだけしか会話しないみたいな期間がないと、言語化とか論理化とかは難しいような気がしてますね。
亀山:今回はどっかに引きこもったの? 禅寺に行ったとか、ホテルでに缶詰めしたりとか。
佐藤:だいたい引きこもってるので、そういう意味では日常なんですよね。
亀山:日常で引きこもってるか(笑)。でも時々出てくるんじゃないの。例えば、ときどきawabarとか会社とか行かなきゃいけないんじゃないの。
佐藤:あれは息継ぎですかね。
亀山:息継ぎなの?
佐藤:はい。魚が息継ぎするのと一緒です。
亀山:なるほど。基本引きこもりだけど、時々会社行くみたいな。
佐藤:そうそうそう。たまに社長室を出て、人と話しに行くっていうのがある。それが息継ぎ的なイメージです。
亀山:いろんな思考とか仕事とかいろんなことも含めて、思考の世界っていうのはだいたい1人でやってるもんね。
佐藤:そうですね。日常から出た瞬間にパッて思いついたりとか、「俺、外から見たらこんな感じなんだな」っていうのが見えたりするときに着想を得てるので、海外に行ってみたり 出張に行ってみたり、あとはまったく関係ない人たちの中に入ってみたりとかすると気づきますかね。「なるほどな」と。
亀山:常に友達といたいとか言ってるその辺の寂しがり屋って思考できないじゃない? 孤独を受け止めないと、なかなか考えられなくなるよね。1人遊びが好きかみたいな。佐藤は1人遊びは好きだったの?
佐藤:大好きです。
亀山:大好きっぽいよね。ちょっと社会性ないもんな(笑)。
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