2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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宮本隆治氏(以下、宮本):続いての発表に参りましょう。2017ユーキャン新語・流行語トップ10、「睡眠負債」!
櫻田彩子氏(以下、櫻田):睡眠不足はうやむやに解消されるのではなく、蓄積されていくものだそうだ。昼間眠いだけではなく、負債がたまると免疫が低下したり、命に関わる病気へのリスクもあるというのだから心配な問題だ。仕事や家事の時間を考えると、睡眠を7時間とるのはなかなか厳しそうだが、少しずつでも返済可能というのは朗報だ。
企業によっては昼寝の時間を確保したり、昼寝スペースを設けたりなど、社員の健康に配慮しているところもあるという。古きよき時代、会議の時に居眠りしたり、外回りで時間が空いたら喫茶店で休んだり、それはもう自主的に負債返済に励んでいたものだ。
翻って昨今、会議も効率重視で立って行ったり、外出してもスマホでいつでもどこでも追ってこられるようなタイトな毎日。会社が遊びの時間をも管理せざるを得ないということなのか。会社で昼寝OKはありがたいことだが、ちょっと抵抗も。保育園のとき以来だし。
宮本:「睡眠負債」、受賞者は睡眠負債を研究されている早稲田大学教授、枝川義邦さんです。枝川さんどうぞ!
櫻田:表彰の盾を俵選考委員より贈呈いたします。
(盾が授与される)
宮本:俵選考委員から枝川義邦教授に盾が贈られました。それでは受賞の感想をうかがいましょう。どうぞ。
枝川義邦氏(以下、枝川):本日はこのようなすばらしい場にお招きいただきまして、誠にありがとうございます。
睡眠負債という言葉でありますが、これはやはり世界中の睡眠の研究者、そして関係者が日々努力を重ねて、その積み重ねのもとにできた言葉であります。
そこを私がたまたま、広くみなさんにメッセージを伝える機会を多くいただいたということで本日この場に立たせていただいているんだと、そのように理解しております。関係者のみなさま方には、厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。
やはり健康には三本柱がございまして、食事と運動、そして睡眠とございます。そのなかでも睡眠にはこれまであまり意識が向いてこなかったという方も多いのではないでしょうか。そういう意味では、みなさんの興味が向いたということで今年はたいへんいい年になったのではないかと、そのように理解しております。
流行語大賞です。ただ、睡眠というキーワードは健康に関係するものでありますので、いっときの流行に留まらず、広く国民のみなさんに根付いていく、そして、その意味することは、理解が深まっていく、ということを祈念いたしましてご挨拶にかえさせていただきたいと思います。本日は誠にありがとうございました。
宮本:ありがとうございます。枝川先生、この睡眠負債というのはうつ病、がん、認知症などに繋がるおそれがあるということですよね。
枝川:はい。
宮本:負債を抱えてしまった私たち、どうすればいいのか、アドバイスを一言で。
枝川:かくいう私も、相当負債が嵩んでしまっているんではないかなと、そのように思っておりまして。睡眠の負債というのはやはり、借りたものはきちんと返さないといけないということで、計画的にコツコツと返していただくというのが基本ではあるんですけれども。
負債を返すということと、負債で受けたダメージをできるだけ和らげるということ、両方の視点で、毎日健康的な生活を送る、その意識を高めていくということが重要だと思います。
宮本:はい、わかりました。ありがとうございました。
枝川:どうも、ありがとうございました。
宮本:枝川義邦先生でした。ありがとうございました。
櫻田:お席にお戻りください。
宮本:続いての発表に参りましょう。2017ユーキャン新語・流行語トップ10、「忖度」!
櫻田:森友学園の理事長が国会で発言した「忖度」の言葉はあっという間に、日本を席捲した。この言葉をあらためて辞書で引いた人も多いのではなかろうか。2017年は森友学園の国有地売却と、加計学園獣医学部新設認可の二大忖度疑惑、「モリカケ問題」に世間の批判が集まった。
「総理のご意向」と書かれた文書は、私的なメモであって行政文書ではないという。それでは、行政文書で違うことを示せばよいのだが、それが出ないのはなぜなのか。過程が見えず、責任の所在があやふやな忖度政治は、歴史を見ても独裁政治と相性がいい。
集団的自衛権の行使が可能になり、憲法改正論議が選挙の争点となるなか、忖度というのは、行政には公開しなくてよい文書があって、記録に残らない流れで事態が進んでしまうことがあるのだという事実を教えてくれた。
その忖度を利用して、大いに稼いだのが「忖度まんじゅう」である。さすが大阪商人は洒落がわかる。
宮本:こちらがその忖度まんじゅうでございます。受賞者は忖度まんじゅうを企画、販売している株式会社ヘソプロダクション代表取締役、稲本ミノルさんです。稲本さんどうぞ!
表彰の盾を室井選考委員よりお渡しいたします。
(盾が授与される)
室井委員より盾が送られました。それでは稲本さん、受賞の言葉をどうぞ。
稲本ミノル氏(以下、稲本):はい。本日は大きな忖度をしていただいてありがとうございます。
忖度という言葉、日本文化を表す本当に素敵な言葉だと思います。これからも忖度という言葉を大事に使っていきたいと思っています。また地元関西を盛り上げられるようにユーモアを持って、忖度まんじゅうで笑顔を届けられたらと思っています。本日はありがとうございます。
宮本:稲本ミノルさんの受賞の言葉でございました。忖も度もはかるという意味なんですが、この忖度饅頭、稲本さん、どうしてしておまんじゅうにしたのですか?
稲本:忖度って重い言葉かなと思って、重いものってなんだろうと。まんじゅうなら重みを伝えられるんじゃないかと思ってまずまんじゅうを選びました。
宮本:みなさんの反響はどうでしたか。
稲本:売れまくりましたね(笑)。
宮本:今日は祝賀会の各テーブルにこの忖度まんじゅうを置いてございますので、みなさんに味わっていただきます。この忖度まんじゅうどうでしょう。お茶と一緒に飲まない方がいいかもしれませんね。お茶を濁すと言う。
稲本:うまいこと。
宮本:どうもありがとうございました。稲本ミノルさんでございました。「忖度」流行りましたよね。
宮本:では続いての発表に参りましょう。ユーキャン新語・流行語トップテン、「ひふみん」!
櫻田:2017年将棋界からさわやか旋風が巻き起こった。藤井聡太四段が史上最年少14歳2ヶ月でプロデビュー後いきなりの29連勝を達成。歴代連勝記録単独トップの偉業を成し遂げた。中学3年生らしからぬ、「僥倖でした」など、風格漂う藤井語録も話題を集め、将棋教室が盛況になるなど、大人も子供も藤井ブームに沸いた。
このブームに火をつけたのが、藤井四段のデビュー初戦の対局相手加藤一二三九段だ。折しもAI将棋がプロ将棋に連勝のニュースが流れ、囲碁将棋の世界ではプロ棋士の存在価値に揺らぎも見えていた。
将棋生活63年の神武以来の天才と、コンピューター将棋で実力をつけた新世代の戦いとなったわけだが、対局後レジェンドは、若き勝利者を素晴らしい才能の持ち主と温かくたたえた。コンピューター将棋を邪道と否定しない伝統に裏打ちされたアバンギャルドに、世間はAIと人間の向き合い方のヒントを見出した。そして心から藤井四段を応援したくなり、加藤九段が大好きになったのだ。
引退後はタレント「ひふみん」として大活躍。孤独の勝負師としてのキレと相手を思いやる優しさをあわせ持つひふみんは、ハラスメントだ、炎上だとは無縁の、独特のキャラクターで日本を包み込んでくれたのだ。
宮本:受賞者は将棋界引退後ひふみんとして活躍する加藤一二三さんです。本日はご欠席でございます。あの笑顔が見たかったんですが。
宮本:それでは続いての発表です。2017ユーキャン新語・流行語トップ10、「フェイクニュース」!
櫻田:インターネット上ではフェイクニュースが蔓延しているという。フェイクニュースには大まかに分類すると、洒落やパロディーを狙ったもの。知識不足による信頼に値しないもの。広告収入を目的としたもの。組織的なプロパガンダがある。今年、これに自分の都合の悪い情報をフェイクだと決めつけるという新しい使い方をアメリカ大統領が実践することで、すっかり一般にも周知されることとなった。
フェイクニュースによる風評被害は深刻で世論を悪い方向に動かす危険性もある。報道機関がファクトチェックを行うなど、対策に乗り出してはいるが、溢れるばかりの情報量で撲滅するのは難しいだろう。フェイクニュースの拡散の場となっているFacebookは、AI技術で対抗しようと活用を進めている。膨大な投稿をAIがフィルターするのだそうだ。AIが進化すると物事の真実をAIが選別する時代になるのだろうか。そうなったら政治家の公約や答弁はどう判断されるのだろうか。
宮本:フェイクニュース、受賞者は学生とフェイクニュースについて研究を続ける明治大学情報コミュニケーション学部准教授、清原聖子さんです。
櫻田:表彰の盾を姜選考委員より贈呈いたします。
宮本:フェイクニュースの受賞者清原聖子さんに姜選考委員より盾が贈られました。それでは清原聖子さん受賞の言葉を述べてください。
清原聖子氏(以下、清原):今日はお招きいただきありがとうございます。
フェイクニュースという流行語の受賞者に私が選ばれるとは思っていませんでした。ただ、ゼミの学生と一緒に行っているフェイクニュースの研究が評価されたということだったので、とても嬉しく思っております。ゼミ生も喜ぶと思います。
フェイクニュースという言葉は、アメリカでは昨年の大統領選の頃から話題になっていました。アメリカの政治研究者として、私はその頃から注目していました。それで今年は、ゼミの学生とともに、学生が参加できるかたちの調査としてフェイクニュースに惑わされない方法をまとめたいと思って、プロジェクトを進めています。
最後にこのプロジェクトが朝日新聞とYahoo!ニュースの関係者の方にも協力いただいておりますので、ここでお礼を申し上げさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
宮本:清原聖子さんの受賞のお言葉でございました。清原さん、もともとアメリカの政治を勉強研究されているわけですので、具体的にはどういうデータの集め方をされているんですか。
清原:これは学生自身がフェイクニュースに惑わされない目を養いたいので、学生にまず怪しいと思う情報、間違っているのではないかと思う情報をネットでいろいろなかたちで検索してもらって、サンプルを集めています。
宮本:わかりました。ありがとうございました。清原聖子准教授でございました。
宮本:続いての発表に参りましょう。2017ユーキャン新語・流行語トップ10、「プレミアムフライデー」!
櫻田:ワンオペ育児の悲鳴が聞かれ、世界の日産自動車は無資格検査問題で揺れ、日本の基幹産業を担う神戸製鋼所はデータ改ざんで、ものづくり日本を失墜させ、明日を作る技術の東芝は、経済再建でテレビ事業を売却。およそ半世紀続いたサザエさんのスポンサーを降りた。
こんな空気の今年、毎月最終金曜日はプレミアムのキャンペーンは定着したとは言いがたい。働き方改革への意識が広まりつつあることは間違いないし、景気面では、東京株式市場では、バブル崩壊後の高値を26年ぶりに更新。景気回復期間は、いざなぎ景気を超えたとも言われるほどの好調ぶり。
バブル時代を振り返ると、1998年新語・流行語大賞銀賞を受賞した言葉はハナモクだ。木曜日から週末モードの浮かれ気分を表した言葉で受賞者は百貨店の松屋だった。今回の景気回復からはこんなウキウキの言葉が生まれてこない。これが生活時間の薄さを如実に表している。
プレミアムフライデーは、なんとか一般社会に余裕とうるおいを戻してもらいたいと言う経済産業省の切なる願いが生んだ言葉なのだろう。
宮本:「プレミアムフライデー」。受賞者は、プレミアムフライデー推進協議会のみなさんです。本日は日本経済団体連合会副会長、石塚邦雄さんにお越しいただきました。石塚さんどうぞ。
櫻田:表彰の盾を、俵選考委員より贈呈いたします。
宮本:俵選考委員より贈られました。それでは石塚邦雄さん、受賞のご挨拶をお願いいたします。
石塚邦雄氏(以下、石塚):ありがとうございます。
プレミアムフライデーに対しては、けっこうキツイお言葉で、受賞理由等のお話がありました。また、やく(みつる)さんからも先ほどは「批判的に選んだんだ」というお話がございました。
プレミアムフライデー、この2月から官民のプロジェクトととして、個人消費をなんとか盛り上げたいと、いうことでキャンペーンが始まったわけでございます。
その1つの意義として、小売サービス事業者側が、お客様のニーズに合うような商品、プレミアムな商品をもっともっと開発しなければいけない。提供しなければいけない。サービス、イベント、ライフスタイルをもっともっと考えて、提供していかなければいけない。というところにこの意義があったわけでございますけれども、そういう努力が足らなかったがゆえに、まだまだ定着していない。浮いている。というような受賞理由であったかと思います。
ただ、こういうふうに新語として、あるいは流行語として、今日受賞させていただきましたので、この受賞をバネにさらに我々が努力をしてこのプレミアムフライデーを定着させていくとうことをぜひがんばっていきたいと思います。ありがとうございました。
宮本:石塚さん、このプレミアムフライデー、ますます定着させるためにいろいろ努力されるんでしょうけども、今後具体的な活動はどういうふうになさいますか?
石塚:具体的な活動としては、やっぱり新しいライフスタイルの提案を、毎月毎月プレミアムフライデーにやっていくということだと思いますが、もっともっとやらなければならないのは、小売サービス事業者側が、本当にお客様のニーズに合うような商品を、開発・提案・提供していくということではないかなと思います。
宮本:一体となっていくと。
石塚:はい。
宮本:ありがとうございました。
石塚:ありがとうございました。
宮本:日本経済団体連合会副会長 石塚邦雄様でした。
宮本:続いての発表に参りましょう。2017ユーキャン新語・流⾏語トップ10、「魔の2回生」!
櫻田:ハゲーに路チュー、ゲス不倫に、長靴業界は儲かった、がん患者は働かなければいい等々、これ全て自民党の2012年初当選の安倍チルドレンが、14年も勝ち残り2回生となった議員から出た不祥事で、ついた総称が「魔の2回生」。
党内では自民党が快勝し、風に乗って大量に当選してきたため、フォローが行き届かないことが要因の1つと分析される。新人不祥事が生じにくかった昔は、派閥が国会のこと、立ち居振る舞いなどを細かく教え込んでいたからだそう。
さてしかし、私たち国民はこのような派閥の政治を嫌い、既得権益集団の政治から、抜け出したいと考えていたのではなかったか。むしろ魔の2回生くらい自由奔放な政治環境で、個の力で政策や、立ち振舞を身に着けていく議員を求めているのではなかったか。
今年の衆院選、野党第一党の党首が、新党合流すると言えば、誰かがいいようにしてくれるだろう。自分のオールを自分でこがない議員には、「ちーがーうーだーろー」と有権者は票を入れなかった。国会議員といっても人間。傷んだマメも紛れ込んでいるだろう。
これからも傷んだマメは、これからもどんどん文春砲で撃ち落としてもらって、磨き抜かれた3回生には、魔の2回生の汚名返上を期待したい。
宮本:「魔の2回生」。受賞者は、今年4月20日、いち早く魔の2回生という言葉を報道した、産経新聞編集局政治部記者、森山志乃芙さんです。森山さん、どうぞ。
櫻田:表彰の盾を、シミズ選考委員より贈呈いたします。
宮本:産経新聞政治部の記者、森山志乃芙さんに、盾が贈られました。それでは、森山さん、受賞のお気持ちを。
森山志乃芙氏(以下、森山):このたびは、こんなすごい賞をいただきまして、ありがとうございます。
ちょっと先ほどの説明で、用意してあった挨拶をすべて言われてしまった感じがするんですが(笑)。
(会場笑)
もともと「魔の2才児」という言葉がありまして、子供が2歳ぐらいになると、ちょっと反抗期が始まって手がつけられなくなることをそう言うそうなんですけど、不祥事続きの自民の2回生の手がつけられない感じが、ちょうどそれを彷彿としまして、それをもじってつけました。
今このネットメディアが全盛のこの時代に、でも新聞の見出しからこういう賞に選ばれたということは、とてもすごいことだなあと心強く感じております。ほかの何もしていない2回生の方が、一緒くたにされてしまって申し訳ないなと思うんですが。
こうやって魔の2回生なんて呼ばれたことが、過去の笑い話になるように立派な政治家になって、日本を良くしていただけたらと思っております。ありがとうございました。
宮本:はい。ありがとうございました。森山志乃芙さんでございました。
宮本:続いての発表に参りましょう。2017ユーキャン新語・流⾏語トップ10 「○○ファースト」!
櫻田:今年、患者ファースト、顧客ファースト等、○○ファースト流行りである。その最大は「都民ファースト」ではなかろうか。このことばで都民がも盛り上がって投票したのは今年7月。あれから3ヶ月。小池百合子東京都知事は国政にも気を移し、希望の党を発進させた。
新党の勢いを借り、視界不良の野党第一党の方々が、当選ファーストとばかりに、次々入党。選挙の結果は途中失速で惨敗。排除さらさらへの恨み節が渦巻いた。小池代表は党代表を辞任し、都民ファーストだった都政に専念するという。
海外に目を移すと、アメリカファーストの大統領は、ある意味公約を守って国際協調の理念には目もくれず、ディールによる利益獲得に邁進(まいしん)している。自国ファーストでEUを離脱したイギリスは、離脱交渉は難航の模様。
都民ファーストは、権力や既得権益の視点で配分されるのではなく、都民のニーズに合わせて予算を組んでゆくという意味だろうが、国同士となれば自国の国益を優先するのは、当然のことでもある。どちらにしろ、自分に都合の良い○○ファーストが流行ってしまった。
宮本:この○○ファースト。受賞者はいらっしゃいません。
宮本:さて、2017ユーキャン新語・流⾏語。今年は選考委員特別賞がございます。ご紹介しましょう。特別賞は、「9.98」!
櫻田:1998年。バンコクアジア大会で、伊東浩司さんが10秒00の日本記録を樹立してから19年。多くの選手が9秒台に挑んだが、10秒の壁に跳ね返されてきた。しかし今年9月9日。福井運動公園で行われた日本学生対抗選手権において、男子100メートル決勝で、桐生選手が9秒98の日本新記録を達成。
世界に遅れること49年。ついに日本人で初めて10秒の壁を破りました。高校3年生で10秒01を出し、怪我明けであろうと不調であろうと、常に日本陸上界悲願の9秒台突入の期待を背負い、重圧と戦ってきた若きスプリンターが、花を咲かせたのであった。
進化した身体。積み重ねた経験。やっぱり最初に壁を破ったのは、桐生祥秀であった。桐生選手の9秒台突入は、東京オリンピック決勝出場を予感させるものである。そしてメダルに届くことを、日本中が期待している。
宮本:そうですね。受賞者は日本人で初めて10秒の壁を破りました、東洋大学桐生祥秀さんです。本日はご欠席ですが、受賞のメッセージを頂戴してございます。ご紹介しましょう。
「この度は、栄えある2017ユーキャン新語・流⾏語大賞選考委員特別賞に9.98をご選出いただき、心よりお礼申し上げます。所用により、発表・表彰式に出席できず、誠に申し訳ございません。
目標の1つであった日本人初の9秒台。9.98という記録を達成することができました。が、これもみなさまの応援があってこそ。重ねて御礼申し上げます。
9.98が選出され、とても嬉しい半面、身が引き締まる思いです。この記録に満足せず、ここからが世界へのスタートだという気持ちで、速さと強さを兼ね備えた選手を目指し、さらに練習に励んでまいりますので、引き続きご声援のほどお願い申し上げます。
ありがとうございました。2017年12月1日、東洋大学、桐生祥秀」。
ということで、日本一早い男、桐生祥秀さんのメッセージでございました。
櫻田:ありがとうございました。
宮本:それでは特別賞2本目にまいりましょう。特別賞2本目。「29連勝」!
櫻田:デビュー戦から半年、無敗のまま走り続け、公式戦29連勝の新記録を達成したのが今年6月26日。連勝記録の更新は実に30年ぶりのことであった。
藤井フィーバーのきっかけは、インターネットテレビ局の番組企画で行われた非公式戦において羽生善治三冠に勝ったことが報道され、注目度が高まった。対局のたび、将棋会館には、将棋の話題を取り上げる機会の少ないテレビ局をはじめとして多くの報道陣が詰めかけた。報道は加熱し、勝負以外に、昼食になにを注文したかも伝えた。
藤井四段の活躍で、将棋を始める子どもたちは増加。子ども向けの1日体験には申し込みが殺到した。また、藤井四段が子どもの頃に遊んだおもちゃは品薄状態。同時に、クリアファイルを始めとした、Tシャツ、扇子等、売り切れ状態が続き、「フジイノミクス」という新語まで登場した。
また、14歳でありながら「望外の結果」「僥倖」等の発言により、子どもから大人まで、また将棋を知らない人々にも将棋に関心を持たせ、多くの人々に感動と勇気を与えてくれました。
宮本:「29連勝」受賞者は、デビュー戦から半年、無敗のまま29連勝を達成した15歳の天才棋士、藤井聡太さんです。本日はご欠席なのですが、メッセージが届いてございます。ご紹介しましょう。
「このたびは『ユーキャン新語・流行語大賞 特別賞』を賜り、たいへんうれしく思っています。一局一局の積み重ねが29という数字に達したことはまさに望外の結果であり、自分自身とても驚いたというのが率直な感想です。
また、連勝の過程で多くの方に注目していただき、自分としてもたいへん得がたい経験をすることができました。このことを糧として、将棋の魅力をさらに伝えられるようになりたいと思っています。
来年は平成30年、30連勝を目指すと言いたいところですが、まずは一歩一歩確実に強くなっていくため、日々精進していく思いです。本日は本当にありがとうございました」。
という藤井聡太さんのメッセージでございました。なんと謙虚な方なんでしょうね。
櫻田:ありがとうございました。
宮本:それでは、いよいよ年間大賞の発表です。
櫻田:年間大賞の受賞者には瀬戸の焼き物を記念品としてお贈りいたします。今回の焼き物は御深井焼と呼ばれるものです。江戸時代の初め頃、名古屋城の御深井丸にあった御用窯に由来する、特徴ある釉薬を使った焼き物です。
宮本:それでは年間大賞の発表です。2017 ユーキャン新語・流行語 年間大賞は、「インスタ映え」! CanCam it girl、中村麻美さん、白石明美さん、尾身綾子さん、どうぞ。
それでは続いて年間大賞2本目です。2017 ユーキャン新語・流行語 年間大賞は、「忖度」! ヘソプロダクション、稲本ミノルさん、どうぞ。
櫻田:記念品を姜選考委員より贈呈いたします。では、受賞者のみなさま、どうぞ姜選考委員のほうをお向きください。
宮本:では、まずCanCam it girlのみなさん。「インスタ映え」でございました。握手をしていただいて。
櫻田:そして続いては「忖度の」稲本さんのほうにお願いします。
宮本:じゃあ「インスタ映え」の年間大賞に輝きました、CanCam it girl・中村さん、インスタ映えで工夫されていること、どういうことでしょうか?
中村麻美氏(以下、中村):私は旅行に行ったときなどにたくさん写真を撮って思い出としてインスタにアップしているんですけれども、旅行中は常に「ここの場所で写真を撮ったらオシャレな写真が撮れるんじゃないか」とか、そういうことにアンテナを張りながら旅行していまして。
みんなに、フォロワーの方々に「こんな場所があるなら行ってみたいな」って思ってもらえるような写真を撮ることにこだわっています。
宮本:なるほど。そのほかのこだわりは?
中村:そのほかのこだわりは、そうですねぇ……。
宮本:ほかの方々はどうでしょうね? じゃあ白石さん聞いてみましょうか。白石さん、インスタ映えでこだわっていること。
白石明美氏(以下、白石):そうですね、「インスタ映え」という言葉だけにとらわれず、ありのままの自分自身……自分らしさを大事にしています。インスタの中で。
宮本:具体的には自分らしさってどういうことですか?
白石:そうですね、あまりポーズとかもしっかり作らなすぎたり、普通のそのときの素の状態の写真をなるべく投稿するようにしています。
宮本:素の状態。なるほどね。自分自身に忠実に。尾身さんどうでしょう? 尾身さんは、インスタ映えで工夫していること。
尾身綾子氏(以下、尾身):私自身、もちろん個人でもインスタグラムを使用してるんですけど、まだまだ勉強中でして。一番工夫しているのは統一感ですね。
宮本:ほう。どういう統一?
尾身:1枚の写真というよりは、パッと見た時にページ1面が統一していることを意識すると、けっこう自分も統一感のあるInstagrammerの方とかをフォローしたりするので、それを真似して今ちょっとInstagram強化中です。はい。
宮本:インスタにやっぱり強化、強化しなきゃいけないわけですよね。日々勉強なんですね。
尾身:もうこの時代はインスタ強化に、はい、がんばっています。
宮本:ありがとうございました。
尾身:ありがとうございます。
宮本:CanCam it girlのみなさんでございました。かわってヘソプロダクション、稲本ミノルさん。ついに年間大賞「忖度」です。
稲本ミノル氏(以下、稲本):ありがとうございます。
宮本:もっと笑顔を出していいんじゃないですか?(笑)。
稲本:はは、はい(笑)。
宮本:お気持ちは?
稲本:まあ、まじめに忖度まんじゅうを売り続けてたら、神風が吹いたって感じですかね。
宮本:へえ。忖度まんじゅう。次の企画はどうでしょう?
稲本:もう時事ネタはこれで終わりにして、クスっと笑えて、少しでも世の中を明るくできるような商品を考えられたらいいなと思っています。
宮本:はい。わかりました。どうもありがとうございました。
櫻田:ありがとうございました。
宮本:年間大賞に選ばれたお二組でございました。ありがとうございました。
以上をもちまして、2017 ユーキャン新語・流行語大賞のトップテンならびに年間大賞の発表を終了いたします。来年もウィットに満ちた愉快な新語・流行語が生まれる年であることを祈念しております。
それでは、受賞者のみなさま、選考委員のみなさま、どうぞステージにお上がりください。どうぞお越しください。2017 ユーキャン新語・流行語、最後は年間大賞の発表でございました。流行語・新語に選ばれましたみなさん、ステージにお上がりいただいています。
(記念撮影)
宮本:それでは、どうもみなさんありがとうございました。
櫻田:ありがとうございました。おめでとうございました。
宮本:以上をもちまして、ユーキャン新語・流行語大賞2017、終了でございます。長時間にわたりまして、ありがとうございました。
櫻田:ありがとうございました。
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