CLOSE

山本一太の直滑降ストリーム@Cafesta ゲスト:武貞秀士 拓殖大学特任教授(全4記事)

サイバー対策で評価を上げたマクロン陣営 メディアに公表された具体的な手段とは?

自民党のトーク番組「CafeSta」内のコーナー、「山本一太の直滑降ストリーム」。今回は、全世界を騒がせたランサムウェア「WannaCry」を長尾俊介氏、齋藤ウィリアム浩幸氏が解説します。

WannaCryの大元はロシア? 北朝鮮?

長尾俊介氏(以下、長尾):それで次のページにありますように……。これはEUobserver(ブリュッセルにある中立系のネットメディア)が、いちいち入りませんけど。いろいろな情報機関が、9ギガバイトのEメールを盗んだ時の手口を分析していて。

山本一太氏(以下、山本):メディアでも割れてるんだ、意見がね。

長尾:そうなんです。この間話した、「ファンシーベア」っていうロシアのハッカー集団がやったんじゃないかっていう人もいれば、ここにあるように、ネオナチ集団(がやったという人もいるん)ですね。それで、もう名前が割れてるんですが、Andrew Auernheimerというアメリカ人なんですけど。

山本:名前まで出てるじゃない。

長尾:そうなんです。その人の仕業なんじゃないかっていうふうに言われている。これは「Le Monde(ル・モンド)」……フランスのル・モンド紙が言ってるんですけれども。このようにいろんな調査をやって、いろいろなところの間で意見が割れているんで、犯人が特定できてないんです。

山本:さっきウィリアム齋藤(浩幸)氏に出てもらいましたよね。実はね、みなさん。IT担当大臣の時にね、ウィリー(齋藤ウィリアム浩幸氏)が……。IT担当大臣を辞めた直後だ。島尻さん(島尻安伊子氏)がIT担当大臣、沖縄担当も継いでくれたんだけど。

その時に沖縄で「サイバーセキュリティフォーラム」っていうね、日本で初めての、本格的なサイバー国際会議をやったんですよ。その時にウィリーがね、カペルスキーとかなんとかね……。なんだっけ、カペウルスキーだか……。

長尾:カスペルスキー?

山本:カスペルスキーだ。カスペルスキーを呼んだんだ。あとで、そのカスペルスキーがウィリーの人脈で来たんだけど、すごいおっさんだということがわかって。すげえおっさんらしいんですよ。

長尾:(笑)。

山本:このカスペルスキーが、サイバー専門なんですよね。

長尾:はい。

山本:確かカスペルスキーの分析だと、北朝鮮の可能性もあるとか言ってましたね。

長尾:あ~、そうでしょうね。齋藤さんが先ほどおっしゃってたみたいに、大元を特定するのが、なかなか難しいんですよね。なので手口とかを見ていくと、いろんな痕跡があるんですよね。それでさっきの、「泣きたい」っていう……。

山本:泣きたい。WannaCry。

長尾:泣きたいウイルス、WannaCryウイルス(ランサムウェア)も、手口の中にどうやらロシアのフィッシングサイトのコードが入ってたりするんで。

それだけ字面通り取ると、コードだけ見るとひょっとしたら、ロシアの仕業じゃないかと思いがちなんですけども。必ずしもそういうふうに断言はできないので、それが難しいところです。

山本:わかりました。

マクロン陣営のサイバー対策が評価に値する?

長尾:それで、先ほどおっしゃってたみたいに、マクロンを評価する声もありまして。それが……。

山本:ほら、いい写真を探してくるねぇ。

長尾:ありがとうございます。これが「カウンターインテリジェンス」って、今日本の政府でも話されてることだと思うんですけど。

山本:対抗策ね。

長尾:そうですね。これほとんど……これからヨーロッパでも選挙ありますけど、どの選挙陣営もおそらく狙われるんで。それはもう百も承知のことで、それに対してどう対抗策を取っておくかっていうことが大事になってくるんです。

どうやらマクロン陣営は最初から半ば諦めかけていて。ハッキングされてしまうのはしょうがないんで、じゃあそこに、例えば偽のログインIDとパスワードを……。

山本:あ~、まさにカウンターインテリジェンスね。つまり、偽の情報で相手を逆に翻弄したりして。なんとか集団とか、影の軍団とか……。

長尾:そうなんです。偽の情報を流す。

山本:なるほど、おもしろいですね。

長尾:それで、マクロン自身がケイマン諸島かどこかに隠し口座を持ってるっていう文書が出たんですけど。どうやらそれも、陣営側が作った……。

山本:わざとね。おもしろいですね。

長尾:そうすると、ハッカーの人たちがあまり調べないでそれを流して、あたかも不正をやっているんじゃないかって話しがちなんですけれども。突き詰めていくと、それが偽物の文書だったりする。

山本:さすがとしか、みなさん言いようがないですよね。だってさ、(マクロンは)16歳かなんかの時に、ねぇ。教えてくれてた先生(後の妻、ブリジット・マクロン氏)を、口説き落としちゃったんだから。

長尾:(笑)。

山本:相手は大人なのに。大人と争って勝ったんだから、ご主人は。こないだも話したけど、すごい人。16歳で先生を口説き落とすって、大変な人物ですよね。

長尾:そうですね(笑)。それとハッキング対策がどう関係してるのか、ちょっとわからないんですけど(笑)。

山本:「すげー」って書いてあるもん、ユーザーも「すげー」って。

ハッキングは、攻撃する側も守る側も複雑化していく

まぁいいや。そこで?

長尾:そんなマクロンさん。すごくいいハッキング対策をしたんですけれども。これからイギリスの選挙もあって、ドイツの選挙も秋口にあって。(WannaCryと)同様のハッキングが予想されるので、やっぱりそれぞれの陣営が対策を施さなきゃいけないんですけど。

ここで今回メディアに、マクロンさんの手段が公表されたんで。ハッカー側も、おそらくいろいろ練ってくると思いますね。

山本:宣戦布告的なので。

長尾:そうです。これからどんどんどんどん、攻撃する側も守る側も複雑化していくかと。

山本:おもしろいですね。

長尾:ということが予想されます。一方で、お待ちかねの。

山本:出た! 出ました!

長尾:その頃、お騒がせ大統領はなにをしていたのかっていう。

山本:最高ですよね。だんだん落ち着いてきてるのよ。

長尾:(笑)。それで、たぶんみなさまも、いろいろなニュースで見てると思いますけれども。先週取り上げたように、FBIの長官をクビにしたんですよね。先週の、確か月曜日か火曜日だったと思います。

山本:大変な問題になってますよね。

長尾:そうなんです。ぜんぜんあれで収束するわけでもなくて。要するに「操作妨害をしたのではないか」と、FBI長官をクビにしたのも……。

山本:ロシアとの関係。ロシアンゲートでね。

長尾:暴かれたくないから。そんなことが起こってる時に……クビにした同日に、この人を迎え入れたんですね。

山本:(セルゲイ・)ラブロフ外相ですね。

長尾:ロシアの外相ですよね。この大統領の、他に見せたことのない笑顔で迎え入れていて。これ、どこに迎え入れているかっていうと、ホワイトハウスのオーバルオフィスっていう。側近の人たちと、あとは国家元首の貴賓の人を招き入れるところで、会談をしたんですね。

トランプ大統領側の要請で、アメリカのメディアは一切シャットアウトして、写真家も入れてないんですけれども。「ロシア側のオフィシャルな写真家の人だけは、入れてもいいよ」っていう許可を出したら、こういうふうにリークされちゃったんですね。

山本:なるほど。

長尾:そして少し小さいんですけども、ここに3コマ写真がありまして。ラブロフとトランプで、一番右が、大使なんですよね。ロシアの。

山本:ロシア大使ね。

長尾:この人が、選挙キャンペーン中からフリンさんと接触したり。あとは他のトランプ陣営の人たちと接触したり。

山本:書いてあった。NYタイムズとかが「この人悪い」って。

長尾:そうなんです。一部メディアでは、スパイのリクルーティングのヘッドをやってるんじゃないか? と言われているぐらい、ちょっと素性が怪しい人なんです。

「妥協せず、話さず、あとで報復する」

そんな人と会って、その午後に……。

山本:どこかで見たことありますよね、この人。みなさんご存知だと思いますね。

長尾:この方はですね、キッシンジャー。

山本:ヘンリー・キッシンジャー。

長尾:ええ。往年の名物な外交官、外交のプロですよね。アメリカの。で、その人と会談をしてるんですけれども。これだけだったら普通かもしれないんですけれども……キッシンジャーさんっていろいろ、いろんな要職に就かれてるんです。例えばウォーターゲート事件。

山本:そう、それを待ってたんだよ、長尾さん。どう見ても今回のトランプの事件って、ウォーターゲートに酷似してきて。非常に似てますよね? しかもね、弾劾の可能性があるっていうことで、最後辞任に追い込まれていくじゃない。

ウォーターゲートで捜査を妨害して。しかもキッシンジャーにその時会うっていう。これ、わざとですかね?

長尾:そうなんです(笑)。ニクソンさんの、相当近い側近をやられていて。あと噂では、「コミー長官は使えないから、もうなんとかしたほうがいいぞ」って、公言してたらしいですね。

山本:キッシンジャーがね。もう時間なくなってきたんだけどね。キッシンジャー、ジョージタウン大学なんですよ、大学院。

昔ね。キッシンジャーが戦略研究所の顧問かなにかだったから、ジョージタウンと近くて。リーダーシップセミナーで呼んだんですよ、この人。もう20年前だけど。

それでね、「はい」って言って手を挙げて、下手な英語で「ホワット・ドゥー・ユー・シンク・アバウト・テロリスト対策?」みたいに聞いたの。

長尾:(笑)。

山本:そうしたら「ウー」って、あの英語で「ディスワン」とか言って。「ノーネゴシエーション、ノーコンセッション、リタリエーション・アフターワーズ」って。

長尾:(笑)。

山本:ノーネゴシエーション、ノーコンセッション、リタリエーション・アフターワーズ。「妥協せず、話さず、あとで報復する」。いやもう、この……強烈でしたね。

長尾:筋金入りですね(笑)。

山本:あのドイツ訛りの英語でね。

長尾:ええ(笑)。僕も1回、4年ぐらい前にダボス会議の場所で会った時に挨拶したら、シカトされました(笑)。

キッシンジャー氏はおっかない印象

山本:やっぱり。俺、もっと大変な目に遭ったのはね。みんなで会ってる時に、誰がいたかな? 林芳正さんとか、あと麻生(太郎)さんもいたかもしんないけど。麻生さんはね、「ウェー」なんて、あんな感じで、「アイ・ワズ・ピープル・チェーンジ」とかなんか言ってて。

(会場笑)

長尾:笑っていいかどうか、わかんないですけど(笑)。

山本:よくわかんない、覚えてないんだけど。「ピープル・スタディー・アンド・チェーンジ」とか言って。それでキッシンジャーに、キッシンジャー先生の言葉を地元で、「こう言ってたって言ってたんですよ」と言った。そうしたら「ディッド・ユー・クオート・マイワード?」とか言って。権利があるんだと思うんだよね。

長尾:あっ、なるほど。

山本:ビックリしちゃって。「お前は本当に俺の言葉を引用したのか?」と。したんだけど、「あまりしてません」とか言ったりして。

長尾:ははは(笑)。

山本:「ディッド・ユー・クオート・マイワード?」とか言って。

長尾:ちょっと弱気に。まぁ、おっかないですからね。

山本:おっかないですよね、この人は。ということで、あっという間に時間が経ってしまいましたけどね(笑)。

次回のゲストはトランプ大統領……のモノマネ芸人

あっ、最後にじゃあ、今日もできるかな?

長尾:いや、次回ですかね。

山本:残念。

長尾:トランプモノマネが、すごく得意な芸人がいるんですけれど。これはまた。

山本:サタデー・ナイト・ライブ、この人! みなさん、次回までの楽しみにしていただいて。

長尾:私の、本当にお気に入りの芸人さんで。

山本:最高ですよね、この人ね。またあれですね、(コメントに)「WannaCry」とか書いてありますね。

長尾:ははは(笑)。

山本:ありがとうございました。

長尾:とんでもないです。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • 大企業の意思決定スピードがすごく早くなっている 今日本の経営者が変わってきている3つの要因

人気の記事

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!