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シリーズTPP第一弾(全7記事)

同人誌やパロディはどうなる? TPPで著作権が“非親告罪化”、創作活動に与える影響を解説

自民党のトーク番組CafeStaで新たに始まった「シリーズTPP第一弾」。総裁特別補佐であり、衆議院のTPP特別委員会の理事も務めた西村康稔氏が「TPPとはなにか」ということについて詳しく解説しました。

著作権の非親告罪化

西村:もう1つ、これも非常に心配された点で、著作権のいわゆる非親告罪化というのがあります。

例えば、同人誌でマンガ等の販売をしたり、それからパロディを投稿したり、こういった行為が捕まるんじゃないかと、非親告罪ということで訴えがなくとも取り締まられるということでここは非常に心配されましたけれども、今回ルールをつくりまして、ちゃんと目的がある、原作のまま行われている、それから不当に侵害されるという条件のもとで非親告罪になるかと思います。

こういう意味で、まさに今申し上げた同人誌とかでみなさん方がパロディなどいろいろな行為をやっておられることは、親告罪のままということですので、非親告罪にはなりませんので、ここはご安心をしていただければと思います。海賊版を販売したりすることは非親告罪にはなりますけれども、同人誌やパロディはなりませんので、ここも安心をしていただければと思います。

宮崎:コミケなんかも販売したりして、これけっこう議論やりましたね。衆議院の特別委員会でもだいぶやりました。

西村:交渉中の段階でも、かなりいろいろな方から質問もされましたので、そこで甘利大臣からも明確に答弁してますから。

宮崎:元榮さん、どうですか。さすがにこれ1時間という時間ですので、全部を詳細にってわけにはいかないですけれども、西村さんに少し補足すると、これはどうなんですか。

西村:ぜひ、国際弁護士として。

元榮:農水産物のところの国会決議、守られてないじゃないか、という意見もあると思うんですよ。でも私の理解ですと、日本の農業に直接大きな影響のない部分だけ少し譲って、本来的にすごく重要なところについては重要5品目についても守られていると思うんですけど、その点についてももう少しだけ詳しく教えていただければと。

西村:そうですね。日本は最後一定程度の関税撤廃の例外を確保しましたけれども、関税撤廃したものは例えば、輸入実績がまったくなくて撤廃しても今後も入ってこないだろうと思われる品目であったり、あるいはよく言われるのが、牛タンですね。

これは日本では頭数が限られていますから、牛タンで商売されている方々はやっぱり量を確保しないといけません。国内に影響を与えないし、むしろ国内の方々が必要とされているというものですので、こういった品目について関税を撤廃していますから、本当に守らないといけないところは、私はギリギリのところで守ったと思います。

農業対策、もちろんそれでもご心配の方はたくさんおられると思いますから、とくに競争が激しくなるんじゃないかということで規模拡大がしにくい中山間地域の方々とかですね、そういった方々の支援をしていって安心してもらえるように、やっていかないといけないと思いますね。

宮崎:やっぱり、農業分野でご覧になってるみなさんも関心高いと思うんですよね。だから第2弾は農業分野ということで、やっていかないといけないということですね。

西村:もちろん守るべきところは守ったんですけれども、さっきの日本酒のように輸出をしやすくなったのもありますし、それからアメリカの牛肉も、今まで安い関税で入るのは200トンしか実績がないんですけれども、これが今度6,000トンまで無税で入るようになりまして、最終的には関税ゼロになりますからね。そういう意味では和牛は相当アメリカに入っていくことになりますので、いろんなチャンスが広がると思いますね。

宮崎:やっぱり守るべきはしっかり守る、だけれども、チャンスを得るだけの前提をもっていたり、国益増進にこう一生懸命やる人たちに自由貿易のチャンスを与えていって国保を増やしていく、こんな視点ですよね。

西村:そうですね。もちろん、競争は、貿易は活発になりますので、守るべきところは引き続きしっかり守っていかなければなりませんし、攻められるところはどんどん攻めて海外に展開していってほしいと思いますね。

自由な貿易は世界経済全体にプラス

宮崎:さて、冒頭でもちょっと触れたんですけれども、APEC今日終わりましたね(放送日は2016年11月21日)。リマでやっていたんですけれども、ちょっと出ますか。ネットなんですが、若干アナログな感じになりますが。

(動画が流れず)大変失礼いたしました。どうですか、APEC終わりまして、これからTPP、わが国としてどういう方向感で各国に訴えていこうと考えていますか。

西村:私はやっぱり、自由な貿易とか投資の関係とか作っていくといのが、世界経済全体にプラスになると思うんですね。今少し世界全体が低成長時代に入るんじゃないかとか言われていますけれども、やはり貿易であり投資によって日本もここまで成長してきましたし、今度はそれを世界的に遺跡財産の保護とかいろいろな公正なルールを作ってこれは世界の国がそれで新しいものを作ろうとか、新しいブランドを作ろうとか意欲が出てくるわけですよね。

そういったところについて世界経済的には大いにプラスになりますから、TPPをこのまま漂流させないという意味で私は12ヵ国が結束したと思います。

このあと、この意欲を、トランプ次期大統領も含めて、まさにトランプに言えって言ってますので、総理がどういうふうに会談のなかでTPPについて触れたかわからないですけれども、やがては議論するときがくると思いますし、トランプ次期大統領も、これはアメリカに利益になるということがわかれば、少し修正してくる可能性もあると思いますので。

例えば、ほっとくとアメリカの牛肉は今38.5パーセント関税がかかっていますが、オーストラリアはもう2国間のFPAがスタートして今28パーセントぐらいになっています。アメリカの牛肉はオーストラリアの牛肉と比べて10パーセントくらい不利な条件ですから、TPP発効しないままだと、ずっとオーストラリア牛肉が入ってくるというふうになりますし。

それから、TPPがもし止まったままで日本がEUと年内に合意をすれば、例えばEUの豚肉が日本に入ってくるということでアメリカの豚肉は不利な条件になります。おそらくそういったことも詳しくは知らないと思いますので、これから追々TPPの持つ戦略的な意味とアメリカの個別の利益と、もちろんベトナムとかは1億人いてこれからどんどん公共事業が多くなっていくなかでアメリカの企業も入れるわけですからね。

かつて日本に対して公共事業をオープンにしろとアメリカは相当やったわけですけれども、むしろこれからはベトナムのような新興国がどんどんインフラ整備がありますから、アメリカの企業にとってもチャンスはあります。そういう意味で利益になるということがわかってくれば、軌道修正もありうるんじゃないかと思います。

元榮:客観的にみてもわかってもらえる可能性も。

西村:あると思いますね。それから、共和党のいわゆる自由貿易を是とする主流派の人たちとも、いろいろなかたちで今対話が始まっているようですから、もちろんどういう閣僚なのかとか、ホワイトハウスのスタッフがどういう陣営なのかを見極めなければなりませんけども、主流派といろいろな話が始まったということは、これはTPPについても理解が深まってくる可能性がありますので、ぜひ期待をしたいと思いますね。

宮崎:基本は共和党政権でありますもんね。自由貿易を推進していく立場でもありますし、今トランプ次期大統領が共和党の主流派を呼び込んでいますよね。会談を重ねていますから、そういった意味でも今回APECのリマでも総理がリーダーシップを執って「ここで終わらせるわけにはいかないんだ」ということを強く言ったのは次に繋がってくるんじゃないかと思いますね。

西村:おっしゃったように、アメリカは上院、下院共に共和党の過半数持ってますから、基本的に共和党の政策を議会としてあげていきますので、トランプ次期大統領がそれを理解をしてくれれば、それをトランプ政権の名前でやるわけですから、トランプさんからしてみれば、トランプタワーにトランプという名前が入るのと同じ効果があるというふうになっていきますので。

宮崎:今ペンス次期副大統領候補の名前がパッとでましたけれでも、だいたいFacebookでもトランプ・ペンスと書いてありますからね。

西村:ペンス次期副大統領は主流派の1人だと思いますので、そういう意味では議会ともしっかり話をしてもらって、共和党の政策を実現する方向になってもらえれば、TPPにもまだ可能性は私はあると思いますね。

TPPは日本の使命

宮崎:ということもございますので、このTPPについて、今日シリーズTPP第1弾になりますけれども、西村さんの思う「TPPとは日本の何だ?」というのを書いてもらいます。

西村:はい。

宮崎:それでは、じゃあ見せてください。お願いします。TPPとは。

西村:私は「日本の使命」だと思っています。日本はまさに自由貿易のなかでこれだけの高度成長を遂げてきましたので、今後は日本が世界の国々を引っ張って、自由貿易、投資、それから公正なルールというものを広げていって、世界中がやはり成長していく、繁栄をしていくそういう世界をリードしていく役割を日本は果たさないといけないですし、安倍総理は必ずそのことを約束してくれると思います。

宮崎:ありがとうございます。そろそろ今日のシリーズTPP第1弾のCafeSta特番を終わろうと思いますけれども、西村さん今日はありがとうございました。これネットですから世界発信ですから、全世界の人々にぜひメッセージをお願いします。

西村:はい。Please trust us and Japan will lead the world economy. So please join us. Thank you very much.

宮崎:英語で言ってもらえるとは。本当にありがとうございました。そういった意味では、日本の使命を我々もしっかり伝えていって理解してもらおうというところです。元榮さんどうでした?

元榮:非常にわかりやすく、理解が深まりましたし、やっぱり貿易国の日本なので、このTPPをきっかけに世界がもっと自由貿易が活性化するような時代を自民党が作り出すのがまさに使命だなと改めて思いました。

宮崎:私も、今日使命という言葉いただきましたけれども、やっぱり政権与党・自由民主党としても、今日もっとちゃんと発信していくべきじゃないかとか、これはテレビでやるべきだとか書き込みをしてくださってる方おられましたけれども、まだまで説明が足りない部があるということであれば、もうどんどんこういうことで伝えていくことが使命だと思いますね。

ですから、そういった意味でも今日はいい機会いただいたとみてますので、このCafeStaレギュラーもやっていますけれども、これからもCafeStaのTPP特番もぜひ注目していただきたいと思っておりますので、自民党はまだまだ伝えていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。そういう意味でレギュラーの話に戻りますけれども。

元榮:レギュラー週間スケジュールこちらありますけれども映りますでしょうか。

毎週このようなスケジュールでいろいろとレギュラーはありますので、宮崎さんも出てますけれども、いろんな番組ありますのでぜひご覧いただけたらなと思います。

宮崎:「シリーズTPP」は特番なんですけれども、2回目誰に来てもらったらいいですかね。

元榮:誰でしょうかね。リクエストもらいたいですけどね。

宮崎:2回目どうですかね。誰かもしチャチャチャッと書き込んでいただけると……。西村さんがけっこう多い。じゃあ西村さんレギュラーになっちゃいますね。

元榮:いろんな方々の名前がでてますね。

宮崎:甘利先生の声も聴きたいですよね。やっぱり。わかりました。そういったかたちで進めていきたいと思っています。最後の締めをじゃあ元榮先生から。

元榮さん:私ですか。

宮崎:はい。そうです。

元榮:あの、宮崎さんからもお話しありましたけれども、TPPに関する政策、課題含めまして、これから第2回というかたちでみなさまからいただいた「こういう人に来てほしい」ということも踏まえて、順次続けていきたいなと思っております。その他、週間スケジュールでぜひともご覧いただけたらなと思っておりますので、またお会いする機会を楽しみにしております。

宮崎:はい、それでは、今日のシリーズTPP特番第1弾CafeStaの特番でございました。今日のご案内がネットメディア局の次長の宮崎政久と……。

元榮:元榮太一郎です。

宮崎:そして今日は本当に詳しくお話をしていただきました。西村さんありがとうございました。

西村:ありがとうございました。

元榮:ありがとうございました。

宮崎:以上で、終わらせていただきます。ありがとうございました。

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